自転車のある暮らし

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2023/06/18 13:08

 

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葉は単なる符号にはあらず、言葉は人間が作りたる世界なり

人は以言伝心、乞う発信。そして返信、全員に返信して語りませう。

 

昨日はあまりにも好天だったので

午後相模湖を目指してmountain bikeで出発しました。これは前世紀末私がLondon勤務の時買った中

古自転車を日本に持ち帰ったものです。多段変速機能があるのでたいていの坂も上れます。相模原市緑

区は津久井から先はずっと山です。自宅から津久井まで来て尾崎咢堂記念館の案内を見たら懐かしくな

ってそちらに行きました。尾崎行雄は明治、大正、昭和にかけて活躍した政治家です。1858(安政5

)にこの地に生まれまれました。私達は歴史の教科書では大正、昭和の護憲運動の指導者として習いま

したが、国会議事堂前の憲政記念館にその銅像があるように60年間の国会議員の期間を通して議会制民

主主義のために闘った人でした。

 

緑区は山また山で富士山の麓に発する長大な相模川が刻む渓谷に古くから人が住みつき、戦国時代には

甲斐の武田と相模の北条の勢力争いの場となりました。三増峠の合戦が有名です。私は16年前に定年退

職してから自転車で各地を駆け回りました。山坂ばかりなので良い運動になります。どこに行っても住

む人があり、見るべき歴史遺産があります。そういう所にバス停を見かけるとうれしくなりますね。自

動車を持たない子供や老人でもバス便があれば世界のどこにでも行く事ができますから。例え便数は少

なくても公共交通機関があると安心しますね。

 

自転車は人類最高の発明

ではないでしょうか。文明史における画期的な発明の一つは車輪でしょう。古代エジプトでピラミッド

を築いた人々は重い大石を運ぶのにコロを用いました。コロは転がり摩擦は滑り摩擦より遥かに小さい

という発見に基づきますが、前進するためには丸いコロを後ろから前へ一々据え代えなくてはなりませ

ん。車輪はそれを不要にしますが、その代わり車軸の所は滑り摩擦が生じてしまいます。それを軽減す

るためには車軸に固い金属等を用いて摩擦係数を小さくし、更に油等を刺して潤滑を行います。それに

も増して画期的な技術革新はball bearingですね。これによって滑り摩擦を大半転がり摩擦で置き換え

て車輪の摩擦は更に軽減されました。

 

自転車があると一挙に行動半径が広がります。平地なら大体時速20kmでずっと行けますので10km

でもそんなに遠いと感じませんね。私は子供の時小学校まで約5kmありましたが徒歩で通学しました。

中学校も同じくらいの距離でしたが、自転車で行けるのでとても近く感じました。高校は約12kmあり

ましたが、普段乗る汽車に間に合わない時は止むを得ず、学校まで自転車で行きました。一度行って見

るとそんなに大した距離ではないと感じました。

 

前世紀の末頃はLondon勤務が続きました。最初は電車を利用しましたが、中古自転車を買ってからは

専ら自転車で移動しました。ある週末に住んでいたActon townから真っ直ぐUxbridge roadを自転車で

北上し、Slow で左折してWindser城の横を走行して帰った事があります。

Londonは蒸気機関車の発明以前は運河が物流の主役でした。Grand Union Canalはいわば往時の

London市環状線であり、Regent Parkまで続いています。鉄道網の発展に伴い運河は交通網の使命を終

えましたが、その代わり今も昔のままの田園地帯の面影を残しています。自転車で運河に入ると途端に

Time slipしたように感じました。滅多に人とも合わず、川面では水鳥が時々水にもぐったり、羽を広げ

たり、鳴き交わしたりしています。岸辺にはRaspberryが茂り、私はその真っ黒な実を食べたりしまし

た。運河だけでなく川も同様です。遠くOxfordから流れてくるThames河沿いはずっと公園や住宅地が

続き、私は通勤は専ら河沿いの道にペダルを踏み、終末には河畔のPubに寄って黒ビールを飲んだりし

たものです。

 

自転車のある暮らし

をお勧めします。以上のように遠くに行動半径が広がるだけでなく、小さな所にも行けるので近くにも

広がります。私は5年前札幌に移住した時雪に閉ざされる冬には人々は自転車をどう使うのか興味が

ありました。大半の人は冬は自転車を使わず、公園などには自転車がハンドルまで雪に埋もれていまし

た。私は凍結した道路で実験をして雪道でも自転車は車輪が回転する限り安全に走行できる事を発見し

ました。それでも雪が降り始めた頃に何回か転んだ事がありますが、それは車道から歩道に上がる時段

差に並行に走行したためでした。段差のあるところは段差に直角に行く事が必要です。これらの技術を

確立してからは冬も専ら自転車でどこにでも行きました。

 

自動車の弊害

自動車は確かに便利ではあるけれどもそれが過ぎると弊害を生じます。まず運動不足。私達は40年前、

米国勤務の時に自動車社会はとても便利ではあるが、自動車が無いととても不便である事を痛感しまし

た。12年前の東日本大地震の時の死者の大半は津波による溺死でした。避難者の車で道路が渋滞して、

時間を空費している間に津波に呑み込まれたのです。もし人々が自転車または徒歩で避難したならば、

大半の人は助かったでしょうに。文明の利器も行き過ぎると災厄になります。

 

再度、自転車の利用をお勧めします。

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+ 市吉

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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