差出人: OsI [osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]
送信日時: 201717土曜日 23:36
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'件名: 教育よりも学問立国

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全国どこでも働き、生涯豊かに生きられる世界」を提案し研究する会です。研究しながら理想の

二十一世紀世界を実現しましょう。

 

教育と学問

教育と学問が似て非なる事はずっと以前にも提起しました。今日の多くの問題は教育と学問の混同

にあると思います。教育は福沢諭吉が嫌った言葉ですが明治の学制として定着してしまいました

。福沢諭吉の薦めたのは学問でした。教育は教え育てる事であるのに対して学問は学びて問う、

問うて学ぶ、問う事を学ぶ事です。主語が違うわけです。教育も教わり育つと読めば即ち学問に

なります。発明王エジソンや偉大な政治家A.リンカーンは学校に行かなかったので学校教育は受

けませんでしたが生活の中で偉大な学問を修めました。

 

明治時代に偉人が輩出したわけ

それは教育システムが未発達で人は学問をして成長した事だと思います。庶民は寺子屋で読み書

き、そろばんを習うと後は独学でした。明治の知識人の初期教育は寺子屋から漢学塾、長じては

江戸、大阪、長崎などに出て蘭学塾で学ぶなど自ら師を探して世に出たのでした。自分の足で歩

む文化が明治に世界的偉人が輩出した原動力だと思います。商人も職人も弟子入りから独り立ち

まで全ての教育期間が実地の労働でした。福沢諭吉が国家の勲章を拒否し、夏目漱石が文部省の

文学博士号授与を拒絶し、北里柴三郎が自分が育てた伝染病研究所を東大と文部省に乗っ取られ

た時、私立の医学研究所を設立し、やがて北里大学へと発展させた等は明治人の面目をよく表して

いると思います。

 

昭和に軍部が日本を滅ぼしたわけ

時代的な問題もありますが、大きな問題は教育にあったと思います。国家の統制の下の教育シス

テムが硬直した人間を大量に生み出した事です。陸軍大学や海軍兵学校を首席で卒業すると恩賜

の金時計がもらえ、それがその後の出世を決めるなどと考えただけで肩が凝るような時代でした

。学校において歴史は皇国史観以外のものを教えなかったので殆どの人が子共の時は軍国少年だっ

たと述懐しているように思想的にもひどく硬直化していました。私の高校の恩師が当時を振り返

って「学校秀才が国を滅ぼした」と言っておられました。

 

学問立国の提案

教育と学問の違いは前者が学校教育に限定されるのに対して後者は生活の中の学びの道である事

です。学校教育はひとつの過程でありそこで教えるには教員免許が必要です。即ち国家の統制の下

にあるのに対して、学問は生活の中の学びですからその人の一生の努力に成り立ちその成立条件

は「自由」です。人間の知識の習得は知る、分かる、為す、成る、積む、の五段階に成り、更に

創る事によって学問の進歩があると思います。その内教育ができるのは最初の段階だけです。

政府は教育立国を掲げて給付型小学資金等も始めようとしていますがそれを貰えた人と貰えない

人の間に新たな不公平を生むだけだと思います。

私の提案は

[1] 人が働きながら勉学を続けられる体制を作る。

 具体的には各地の公立図書館の整備や通信教育の拡充及び定時制学校の整備等です。

 

[2] 最高学府の大学を教育から学問の府に改革する。

 具体的には単位制度を整備して人が自分に合った方法で最短2年から最長無制限に教育過程を

終えられるようにする。また異なる大学で単位を積み重ねてコースを終えられるように共通教育

課程を整備し大学を開放する。これにより人が各自の居住地の近くで環境条件に合う方法で大学教

育を受けられるようになります。例えば短期集中的あるいは長期積み重ね的な大学教育が受けられ

るので働きながら学ぶ事が可能になります。

 

[3] 種々の教育過程、進路、career pathsを提供する。

 例えば専門学校で看護士の資格を取り、看護の仕事をしながら医科大学のコースを履修し、医

者の資格を修得できる進路を整備する。工商分野においては徒弟、丁稚から始めて工学や商学、

経済学等の学位を修得できるような道を整備する。

 

[4] 学会活動を活発化して学問進歩の道を整備する。

 地方から東京の有名大学に入ると学費よりも生活費がかかります。私は若者に居住地域の大学に

入ると同時に志望専攻分野の学会に入り、学会活動に参加する事をお勧めします。

 

以上の提案が実現すれば「人が全国何処でも働き、生涯現役で働ける」社会が実現すると思います。

 

私は定年退職後も専門の通信工学を含め興味に任せてありとあらゆる事をやっている(手を広げ過ぎて)

いますが、それは明らかに教育ではなく学問です。なぜそれをやるかと言えば「楽しいから」に尽きます。

 

世の中に

楽しみの道

多々あれど

学ぶに勝る

楽しみは無し

 

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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    

* 二十一世紀を楽しく生きよう会                   

* Human Network for Better 21 Century      

* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/      

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