差出人:	Osamu Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時:	2019年1月12日土曜日 23:42
宛先:	
件名:	日露交渉に思う帝国主義問題の解決の道

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日露交渉
が進行中だと思いますが、ロシア政府は「北方領土は第二次世界大戦の結果ロシア領になった」と盛んに宣伝して
いるのに対して、日本政府はだんまりを決め込んでいます。交渉中だからと記者会見で質問されても河野外相は答
えもしない状況です。これでは国民は判断のしようがありません。
ここで歴史を振り返り事実関係を確認したいと思います。
詳細は
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C#%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E9%96%A2%E4%BF%82%E5%8F%B2
をご覧下さい。

要点は

安政元年(1854) 日露通好条約        東は択捉島とウルップ島の間を国境とする。
                            樺太は日露雑居とする。
明治8年(1875) 千島・樺太交換条約     樺太はロシア領とする。
                            千島列島全域を日本領とする。
1905 ポーツマス条約 日露戦争の終結    樺太の南半が日本領となる。

1945 日本、ポッダム宣言を受諾、第二次世界大戦終結

以下上記URLより転載

1951年
サンフランシスコ講和条約で、日本は南樺太と千島列島を放棄する。平和条約国会で、政府はヤルタ協定のいう
千島列島の範囲に、国後島・択捉島が含まれると説明している [16][17][18]。この説明は1956年2月に取り消され
た [19]。
1956年 戦後の両国間交渉
日ソ共同宣言(昭和31年条約第20号)
日ソ交渉に先立って、サンフランシスコ条約起草国である米国や、英国、フランスに対して、同条約中、放棄した
千島の範囲について問い合わせをした[いつ?][誰?]。米国は北方領土は常に日本の領土であったので、日本に
主権があることは正当として認められなければならないと国務省の覚書として明文化された公式見解を示し、日本
の立場を支持している。しかし、英・仏からは日本に好意的な回答は得られなかった。フランスからは、サンフラン
シスコ会議議事録において日本代表が国後、択捉を南千島として言及しているところに注意を喚起するとの回答
があった。
平和条約の締結交渉は、北方領土の全面返還を求める日本と、平和条約締結後の二島の「譲渡」で決着させよう
とするソ連の妥協点が見出せないまま、結局日ソ平和条約は締結されず、締結後に歯舞群島・色丹島をソ連が
日本に引き渡すと記載された条文を盛り込んだ共同宣言で決着した。
日ソ共同宣言で日ソ間の外交関係が回復。日本とソ連は1956年12月7日、日ソ共同宣言の批准書を交換し、
日ソ共同宣言は同日発効した。
1957年ソ連国境警備隊が貝殻島に上陸。日本は日米安保条約下にあったが、このとき米軍は一切出動しなかった
[20]。
1960年
岸信介内閣が日米安全保障条約改定を行ったことに対してソビエトが反発。ソ連は、歯舞群島と色丹島の引き渡し
は「両国間の友好関係に基づいた、本来ソビエト領である同地域の引き渡し」とし、引き渡しに条件(外国軍隊の
日本からの撤退)を付けることを主張する。日本政府は、共同宣言調印時には既に日米安保があったとして反論。
1962年3月9日:日本の衆議院本会議において沖縄・小笠原施政権回復決議とともに、北方領土回復決議が
採択される[21][22][23

この問題には複雑な経緯があるので一部は上記URLをそのまま転載しました。

私の考えは以下の通りです。

帝国主義の否定
日本は帝国主義戦争の惨禍の痛烈な反省の上に平和主義を国是とする日本国憲法を制定し帝国主義からの卒業
を宣言しました。日本国憲法第9条において
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は
武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
と述べています。それはまさしく帝国主義の放棄宣言だと思います。

私は日本国は自ら帝国主義を放棄するばかりでなく世界の如何なる国に対しても帝国主義は許さない事を宣言し
たものと考えています。

そこから出てくる日露交渉の結論は日露間に無理に平和条約を結ぶ必要は無いという事です。その理由はロシア
政府の宣伝「第二次世界大戦の結果北方領土はロシア領になった」という主張は帝国主義そのものだからです。
そもそもソ連は日ソ不可侵条約を一方的に破って突如日本攻撃を始めたのであり、ソ連軍が日本に戦争で勝った
と言う事自体法的には成立しないのではないでしょうか。

帝国主義の悲惨
国家の最終段階としての帝国主義の罪業の深さには戦慄を覚えます。それは今も進んでいます。シリアの内戦、
アフガニスタン、イエメン、アフリカ各地の紛争、イスラエルのパレスチナ占領などはけち臭い帝国主義のもたらす
悲惨を日夜見せつけています。

私は孫達の手を引いて散歩に出ている時、先の戦争で国に見捨てられた戦争孤児の悲惨を思い出して暗澹たる
気持ちになる時があります。国内ばかりでなく海外に遺棄された戦争孤児、戦争で父親や夫を失い女手一つで子
供を育てた母親の辛苦の一方でその戦争に責任のあった当事者達が軍人恩給制度によって膨大な国費を受給し
てきた不公平な国の在り方に怒りを覚えます。帝国主義の克服は人類的課題ではないでしょうか。

帝国主義とは何か
それは歴史的には植民地主義の最終形態ですが植民地があらかた姿を消した現在では「国内及び国際問題の
最終解決は軍事力によってもたらされる」という考え方ではないでしょうか。正に日本国憲法第九条の正反対の
思想です。小さな国でもその考えで紛争や内戦を起こしている国は卑小帝国主義といえるでしょう。大国でもその
ような体制の国は国内の民主主義が未熟な後進国だと思います。何故なら真の民主主義国なら帝国主義はあり得
ないからです。いったい自ら働いて自分と家族を養っている一般国民は他国の国民と争う理由がどこにあるでしょう
か。帝国主義が成り立つためには国民に軍役や軍事負担を強いる強制力が必要です。国民の無知と貧困こそ
帝国主義の温床です。江戸幕府の統治方針「知らせるべからず、依らしむべし」「百姓は生かさぬよう、死なさぬよう
絞るべし」とは階級社会の人民支配の要点を尽くしています。

帝国主義の克服の道
先ず第一に国民が自立し、あらゆる事を学ぶ事が必要だと思います。人が上司の命令に盲従せざるを得ない理由
は「食うためには仕方が無い」事でしょう。知識や技術、技能、芸能により、何が起ころうとも自分と家族を養って
いける力が重要だと思います。そのためには日々学ぶ事が必要です。近代史上初めて国王のいない民主的な
大国を出現せしめた時代のアメリカ合衆国の国民はFrontier spiritと呼ばれる自立心に満ちていました。

次に人々との協力が必要です。重要なのは人々の横のつながりです。階級社会の支配者が何より恐れるのは人々
の横のつながりです。江戸幕府の法においては「徒党を組む者は死罪」でした。日本国憲法に到って初めて「集会
、結社及び信教の自由」が保障されたのです。

更に国際的な人の繋がりが必要です。直接国際交流ですね。上に不十分な内容でロシアとの平和条約締結を急
ぐ必要は無いと言いましたが、平和条約無しでも日露間の国民レベルの事業や学問、芸術、スポーツ、観光分野で
は直接交流が進んでいるからです。半世紀前に私達は大学でランダウ・リフシッツの教科書で物理学を学びました
。ロシアの科学者や文学者の本私の書棚のかなりの分を占めていますし、私はロシア民謡を愛唱し、それで孫達
を寝かしつけ、毎日ロシア語を学んでいます。政府と国民とは一つではありません。特に帝国主義国では分離して
います。直接国際民間交流の推進により支配者を孤立させることが帝国主義の終焉をもたらす確実な道だと思い
ます。以前紹介したAdam Kellerさん達のイスラエル・パレスチナ人連携の政治運動が進めば中東に平和が確立
できると期待しています。現在日本には年間4千万近い外国人が訪れています。4千万と言えば一つの大きな国
に匹敵する人数です。世界は既に一つになっているし、ますますそうなると思います。

私の提案をまとめますと

帝国主義に反対する。
帝国主義政府とは付き合わない。
ただし諸国民の直接交流は推進する。
人々と横のつながりを広め民主主義を強化する。
我も人も自立して生きられるよう共にあらゆる事を日々学ぶ。
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* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                     
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                     
* Human Network for Better 21 Century       
*  <http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/> 
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