差出人: Osamu
Ichiyoshi <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時: 2020年1月12日日曜日 14:36
宛先:
件名: 今味わうJ.J.Rousseeauの言葉
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社会契約論
の最初の文は「人間は自由なものとして生まれた。しかも到る所で鎖に繋がれている」です。
ここで鎖につながれているのは単に被抑圧者ばかりでなく社会の最高権力者も含むすべての人間で
す。最も強固な鎖につながれているのは権力者の方かも知れません。
以下この言葉をもとに私達が直面する問題について考察します。
米国とイランの対決問題
今回の中東危機の発端が米国の一方的なイラン核合意からの離脱と強引な経済封鎖の強制にあるの
は明らかです。原油の輸出を止められるのはイランにとって死活問題であるのは明らかです。国内
に石油資源が皆無の日本はエネルギー安全保障の上からも安易に米国に同調すべきではないと思い
ます。自由貿易の原則は日本の国是ではないでしょうか。
イランも米国も根本的な鎖は宗教だと思います。キリスト教国を自負する米国の好戦的な政策は
「神は愛なり」を原理とするキリスト教とは無縁の行動です。片やイランも一応選挙に基づく政治
体制ですが、資格審査委員会なるものが立候補者を選別する片輪の民主制です。この点では米国も
同様ですね。以前には共和党Bushよりも民主党Goreの方が得票数が多いにも関わらずBushが当選し
てアフガニスタンに引き続きイラクに戦争を拡大する愚劣な政治を続けて中東を不安定にしました。
同様な事はH.ClintonとD.Trumpの時にも起きました。片輪で時代遅れの選挙制度は両国が縛ら
れている共通の鎖だと思います。
Trump政権の政策は私には愚劣そのものに見えますがそれはTrump氏自身が繋がれている鎖によるの
だと思います。一つは大口支援者であるユダヤ人に対する従属でありその表れがエルサレムをイス
ラエルの首都と認めて大使館を移した事です。最近ではパレスチナの土地を蚕食する非合法なユダ
ヤ人入植地を合法と認める政策を打ち出しました。同様なのがイスラエルが占拠するシリアのゴラ
ン高原の併合容認です。このように極端にイスラエルに肩入れするTrump政権に追随する国は皆無
です。Trump氏が叫ぶ”Make America great again”とは裏腹な現実を表しているのではないでし
ょうか。国際社会における米国の地位はTrump氏のGoodとBadを多用する語彙に同じくお寒いものだ
と感じています。
Greta E.ThunbergとPutin
グレタさんが国連にて既成政治家を激しく非難したのに対してロシアのプーチン大統領は「この女
の子は世界がそんなに簡単なものではないという事を知らないのだ」と言っていましたが、世界を
複雑にしているのはPutin氏を含む従来の政治屋そのものではないでしょうか。ルソー的に言えば
「我々は到る所で鎖につながれているのだ、何が悪いか」という事ですね。何故鎖につながれてい
るのかと言えばそれが多くの人の飯の種だからでしょう。
権力の源は飯の種
ヒトラーはナチス党入党希望者が多いのに危機感を抱き入党制限令を発しました。日本においては
大政翼参会に殆どの政治屋が参加しました。彼らの多くは戦後は民主主義者に豹変して公職で飯を
食い続けました。大半のドイツ人もかってナチス党員として行動した事に戦後は口を拭って同様な
行動をとったのではないでしょうか。人が自己の本心に反してまでも社会の権力にすがるのは飯の
ためだとすれば「権力の源は飯の種にあり」という事になります。
お金と価値
現代人は社会の歯車として生きる他は無いのですが、人間社会全体でみれば社会の存立の基礎が食
糧を始めとする生活資源の供給にある事は明らかです。それは原始時代と何等変わる事はありませ
ん。如何に進歩するとも人間社会の基盤は自然の恵みにあり。原始時代には万人に自明であった生
存の原理が巨大で複雑な現代社会の歯車として生きる現代人には分かりにくくなっています。現代
社会に生活すれば「価値=お金」という観念が固定化するのも無理ないですね。しかしこの観念が
多くの問題の原因ではないでしょうか。お金の便利さにより現代社会において「権力の源はお金に
あり」といっても過言ではありません。
人の自立の基
以上の事から人の自立の基は価値の創造力と社会全体とのつながりにあると言えるのではないでし
ょうか。お金は交換価値の指標であり価値そのものではありません。社会において人が創造する価
値がお金に変わるのです。壺に入った昔のお金が発見されてもそれは考古学的あるいは骨董品的価
値はありますが、通貨としての価値はありません。
私はTVでお宝鑑定団の番組を見ていますがそこで表示される鑑定金額は交換価値であり、それは社
会とのつながりで決まるものです。
人の自立の基とは社会に有用な価値を創造する力にあると言えるでしょう。原始時代から交換は重
要な経済活動であり、人間を特長づける言語の発達は物の交換活動によるのだと思います。
自然に帰れ
J.J.Rousseeauの思想の要はここにあると思います。自然に帰る事は人を縛っている社会的鎖から
人を解放する一つの道だと思います。昨日は名城大学で単位をくれないというので助教授を学生が
刺した事件が報じられていましたが、人を縛る最大の鎖はその人自身の迷妄にあるのではないでし
ょうか。人を縛る鎖がその人自身だとすればその鎖を破るのもその人自身以外にはありません。大
自然の中に一人帰ればそれは自明の事ではないでしょうか。
社会に飛び込め
自然に帰れとは言っても社会から隠遁しては社会の発展はありません。孔子も「小人閑居して不善
をなす」と言っています。社会につながる事の重要性をJesusは「求めよ、さらば与えられむ、敲
けよ、さらば開かれむ」と説きました。
以上の考えを私なりにまとめると以下の詩になります。
人生大道
人は違いを受け入れて
己が道を歩むべし
如何なる道を歩むとも
進まば世界が広がらむ
おのおの異なる地にありて
遍く道を求むれば
道はつながりて大道となり
人は行き交ひて共に生きむ
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* 市吉 修 Osamu
Ichiyoshi
* 二十一世紀を楽しく生きよう会
* Human Network for Better 21 Century
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