基礎の重要性(3)

 

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2024/06/23 23:35

 

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世界の平和と繁栄のために

意を発し、想いを語りて世に現しませう。

 

前回までは個人の自立の基礎について述べましたが、今回は人間の集団、組織、国家について考えて見

ます。

 

北アメリカと南アメリカ

同じ時期に西洋によって発見、植民された南北アメリカのその後の歴史発展は随分と差があります。

その原因は何でしょうか。

 

私は北アメリカの独立革命の過程を経てアメリカ合衆国の建国の基礎が確り固められた事がUSAの歴

史的発展の原動力であったと思います。もともとEuropeで宗教的迫害を逃れて北アメリカに移住した

人々には信教の自由は基本的人権でした。独立革命の時文字の読めるすべての家庭にあったと言われる

T.PaineCommon senseは当時の西欧の国王による支配の不当性を分かり易く解説しました。英国が

植民地に課した印紙税や茶税に対しては植民地人はNo representative, no taxationと叫びました。さら

に東部の原住民の五部族連合に習って当初独立したのは13州によるUnites States of Americaであり、

そこには国王ではなく人民による選挙で選出される大統領が行政の長となり、同じく選挙で選ばれる議

会が立法府となりました。

 

民主主義こそ米国の発展の基礎であったと思います。その最大の危機は南北戦争ですが、その帰結は

Abraham LincolnGettysburgにおける追悼演説の結びの言葉、人民の、人民による。人民のための

政治に簡潔に示されています。

 

日本の場合

米国が南北戦争の危機に会った頃日本も同様の危機にありました。幕末から明治維新に到る革命です。

五箇条の御誓文の第一条「広く輿論を興し、万機公論に決すべし」は日本人には大きな期待を抱かせる

ものでした。しかしその後の明治政府の政策は結局それとは全く反対のものでした。

 

帝国主義の世界に遅れて開国した明治政府は富国強兵の名の下に1500年も前の日本書紀を国史とする

反動的な政治体制により軍国主義政策を推進しました。日清、日露戦争の勝利がそれを国是にしてしま

いました。

 

その結果、日本は第二次世界大戦に突き進みアジア諸国を戦争に巻き込んだだけでなく、300万人の日

本人の犠牲と国土の破壊の末に連合国に無条件降伏しました。

 

軍国主義の害毒の反省の上に新生日本は民主主義を国是として生まれ変わりました。民主主義が日本人

には生来のものである事は私は日本語や日本神話の分析の上に論証し、HPに公開して来ました。また「国

際問題解決の手段としての」戦争放棄を憲法に明記した事は日本人の一大快挙であり、世界の歴史を一

歩進めたものです。自民党の安倍氏らは戦争放棄を米国の押し付けだと主張していましたが、全く違い

ます。それは幣原喜重郎首相がD.マッカーサーGHQ司令官に提案したものである事は双方が別々の機

会に言明しています。日本国憲法の平和主義は日本人の歴史から出て来た生来のものです。古事記に示

されている古代日本人は平和な民であり、国譲りの章で天照大御神が「下つ国は我が子孫の治めるべき

国」と「突如」言い出されたと書いている所にそれがよく出ていると思います。

 

イスラエル

大日本帝国は政策の為に1500年前の思想を取り出して皇国史観としてやがて現人神の概念まで国民に

植えつけました。北畠親房が天皇主権を主張して書いた書名は「人皇正統記」でした。これは人が中世

よりも近代において思想的に退化する事がある一例です。

 

イスラエルは1948年に二千年前にここに故国があったと称するパレスチナの地に国連の議決により建

国を許されました。ナチス・ドイツに600万人のユダヤ人が虐殺されたことに対する世界の同情が集ま

った結果でしょう。しかしそれはパレスチナの地に建てられたユダヤ人の国家であり、もともとうまく

行くはずの無い歴史的失敗でした。何しろイスラエルの狂信者がふりかざす旧約聖書は三千年以上も前

の思想です。古事記に比べたら荒唐無稽の独善的な戯言に過ぎません。学者はもっともらしい解説をし

ますが書いてある事は嘘ですね。「神が光あれと言われた、すると光があった」こんな文章にどんな意味

があるでしょうか。

 

中味は無くとも、それを狂信する人間が権力を握ればどんな不幸が現実に起きるか、それは毎日、嫌と

言うほど見せられるガザの虐殺、もう半年以上戦火を逃げ惑い、風呂にも入れず、食べ物もなく、やせ

細り、反応もしなくなった子供達の姿です。

 

国が立つには国民が立たなくてはならないと考え、「学問のススメ」を世に出した福沢諭吉の思想をもう

一度考えてみる時ではないでしょうか。

 

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+ 市吉

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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