基礎の重要性(2)
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2024/06/16 23:21
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世界の平和と繁栄のために
意を発し、想いを語りて世に現しませう。
前回私は現代の犯罪や戦争は文明病であると説きました。
文明と共に発生した私有財産を巡る争いから戦争が生じ、その結果勝者が敗者を支配する権力が生じ、
更に権力を巡る争いが現代の紛争、戦争、難民の原因です。
猿やゴリラ、象等の動物の社会でもリーダーがありますが、動物のリーダは文字通り体を張って群れを
守るのに対して、人間界では逆に群れが権力者を守るように組織が作られています。正に一将成りて万
骨枯る。
今回のガザ紛争でもハマスが求める恒久的停戦とは即ちハマスの指導者は自分だけは生き残ろうとあが
いているのに過ぎません。最初にイスラエルの民間人1,000人以上を殺し、数百人の人質を取り、当然
ながらイスラエル・ナチスの無差別爆撃により既に四万人ものパレスチナ人を殺しておきながら自分だ
けは生き延びたいとごねるのは醜いとしか言い様がありません。
日本の腹切りとは籠城軍の指導者が一人腹を切り、他は皆助けるという趣旨であり、その典型例は豊臣
秀吉の備中高松城の水攻めです。城主の清水宗治が腹を切ると秀吉軍は直ちに水攻めの堰を切り、一斉
に京都を目指して走りに走りました。所謂中国大返しです。日本の腹切りの神髄は指導者の責任の取り
方を示しており、そこには一種の美すらあるのではないでしょうか。
しかしながら日本も腹切りの精神はとっくに廃れた例が先の大戦末期の特攻です。特攻兵を送り出す時
に上官は「俺も必ず後で行くから」と言いましたが、全く嘘でしたね。東京裁判では日本軍の指導者の
何人かは責任を問われて処刑されましたが、全体的には誰もあの戦争の責任を取らないどころか、GHQ
の支配が無くなると直ちに軍人恩給を復活して責任の重い者ほど厚く報いて既に60兆円を越えながら、
戦争の最大の被害者たる戦争孤児には謝罪も保障もなく最高裁は「国と国民の関係は雇用関係にも及ば
ず」との判決を出しました。
米国もベトナムでは5万人もの自国の若者を死なせ、おそらくベトナムと周辺国ではその何十倍もの人
間を殺し、人生を破壊しておきながら、誰も責任は取っていません。
ロシアのウクライナ侵略、イスラエルのガザ破壊と住民殺害、スーダンの内戦、タヒチの国家崩壊、
メキシコの選挙に絡む数百人もの殺人、等々文明病の病根は深いとしか言い様がありません。
それでは文明病の克服のためにはどうすればよいでしょうか。
文明病の克服
文明病の克服のためにはJ.J.ルソーに習って「自然に帰れ」と叫びたいです。
日本においては1960-年代の高度成長に伴い農山漁村から大都市への人口移動が続き、地方の過疎高齢化
が一段と進み、限界集落は今や消滅集落の段階に入っています。しかし今逆の動きも出ています。消滅
に瀕した隠岐の島の一つが外から留学生を呼び込み、再生した例がありますし、私の郷里の都城市も外
からの移住促進に力を入れています。
しかし何も地方に移住しなくても大都会にいても自然に親しむ事はできます。前回報告した押上での会
合に参加してから私は、東京スカイツリーの真下の川に沿って足車を走らせ、墨田川に出て、浅草寺の
所から墨田川の遊歩道を足車を飛ばしながら、時に遊覧船と競争したりして浜町公園に下り、浜町駅か
ら地下鉄に乗って帰りました。おそらく一里近く走ったでしょう。自分の五体を動かせば、都会にあり
ながらいつでも自然に親しむ事はできます。
良書を読む事
電車の中で回りを見ると大半の人はスマホをいじっています。私にとって電車に乗るとは即ち読書です。
昔ロンドン勤務時代に古本屋によく行きました。自分が生まれるより前に出版された本をよく買いまし
た。英国古書店ではPenguinシリーズの文庫本を多く見かけ、大英帝国を支えたのは国民の知識水準が
高かった事だろうなどと考えました。
日本でも岩波文庫、角川文庫その他文庫本が多く、日本人はよく読書する国民だと思っていましたが、
現代の若者のスマホの使い過ぎ、ゲーム中毒を見ると猶更読書の必要性を痛感します。特に若い時に世
界の名著、偉人伝は沢山読んでもらいたいと思います。
情報バカ
私は会社在職中に140件程度の特許申請書を書きました。その方法は常に思いつきを手帳に書く事、考
えが固まるまでは書き始めない事、考えがすっかり固まってからは寸暇を利用して少しずつ書く事です。
PCの普及以前はすべて手で書いていました。考えがまとまらない内に書くと無数に書き直しが生じて、
膨大な時間がかかり、何回も迷路に迷い込んでしまいます。そこで細部に到るまで考えが固まってから
書き始めたのです。
現在はPCで削除、Copy and pasteが自由にできるので、考えが固まらない内に書き始め、書きながら
考えています。とても便利ですが、その分思考が浅くなる危険はないでしょうか。
その極致が今話題のAIでしょう。問いを入力すると一見まともな文章が直ちに得られる。確かに便利で
はありますが、これが過ぎると思考の放棄に到る危険性は無いでしょうか。
通信する事
昔は手紙を交わす事が研究の重要な手段でした。今はInternetの普及により通信は極めて容易になりま
した。残念ながらその副作用で、極めて浅はかな知識や虚報が通信網を飛び交い、中には最初からその
意図をもって犯罪に利用されています。Fake newsが蔓延すると何が真実なのか見極める力が現代人に
は増々必要不可欠になって来ました。
学びて思わざれば即ち暗し
思いて学ばざれば即ち危し
(論語)
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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