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今年の夏はとても内容豊かに感じました。
毎日オリンピックとパラリンピックを見ました。TVを通じて人類最高の技を見て感動しています。TV
だと水泳競技は水中からの映像も見られるので特にパラリンピック競技がよく分かりました。パラリン
ピックは体に障害を抱えた人間の持つ可能性を示しています。障害のためにできない事も多いのですが、
残された機能を用いてできる事には限りがない事を教えてくれました。
足の欠損はもはや障害ではない
と感じます。私が見た走り幅跳びでは男女とも優勝者は両足義足の選手でした。また片足義足のドイツ
のレーム選手はオリンピック記録を遥かに越える8m64の記録保持者ですが、今回も雨の悪天候の中8m
を越える大ジャンプを見せてくれました。レーム選手はオリンピック出場も目指しているそうですが既
に南アフリカのO.Pistorius選手が両足義足で400m走パラリンピックにて優勝の後、オリンピックにも
出て決勝に残った先例があります。
人間味豊かな競技者
競走競技ではゴール後、競い合った選手達がお互いに抱き合って健闘を讃えあっています。競技前は一
様に緊張に満ちた顔ですが競技後は勝者の笑顔、敗者の悔し涙など十人十色です。競技後のinterviewで
選手の話には深い人間性を感じます。ここまで来るのに健常者よりも遥かに大きな障害を克服してきた
事が選手の人間味を豊かにしていると思います。脳性麻痺の人や知的障害の選手の話を聞いて、一体ど
こに障害があるのか分かりません。訥々とした話し方には心の深みを感じます。私の知る限り知的障害
者に悪人はいないと思います。人間性善説の一つの根拠です。
競泳最後の男子100mバタフライ
は木村敬一選手が金、富田宇宙選手が銀メダルを獲得しました。木村選手は外国mediaのinterview後
に日本語放送席に来て最初は笑み声で「英語で話していたら衝撃は消えた」と言っていましたが日本語
で話し出すと涙が止まらず「帰ってから思いきり泣きます」と言っていました。その背景の一端は後に
TVで木村選手の紹介番組をみて分かった気がしました。木村選手は二歳で病気のため失明したので目が
見えた記憶は無いでしょう。これに対して富田選手は高校生の時病気で失明した中途失明者ですが、二
人は水泳競技で出会ってからは競争相手にして親友として長年切磋琢磨して来ました。特に木村選手は
米国に渡り、訓練してきたので英語が上達したのですね。
木村選手が英語で話していると出なかった涙が日本語で話したらどっと出て止まらなかったのには興味
があります。私も英語で話す時と日本語で話す時には多少の性格の違いを感じます。敬語法の複雑な日
本語と簡単な英語を比べると市民革命を繰り返して近代化した英語圏と島国日本の歴史的、文化的背景
の違いを感じます。同様に私は同郷人に会うと都城弁しか出てきません。それは普通語とはスペイン語
とイタリヤ語位に違うので約半世紀前に18歳で故郷を離れて福岡に移住した時は言葉に引け目を感じて
最初は土地になじめず、大学の英語クラブに居る時の方が気楽でした。
GoalはStart
パラリンピックももう終わりかと思うと寂しいですが、選手の誰かが言っていたGoal is Startを思い、
次に期待しています。来年は神戸で世界身体障害者競技会があるそうです。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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追伸
パラリンピックで障碍があっても人間の能力には限りが無い事がよく分かります。体に障碍があっても
知能の高い人は数多くいます。二年前に死んだ英国の物理学者S.Hawkingはその典型的な例です。通信
工学では制御理論の盲目の大家ポントリャーギンがいました。他方知能に障碍がある人に悪人はおらず、
パラリンピックの選手の話からも澄んだ心の一端が伺えました。
能力開発の機会が与えられれば障碍があっても人間は成長しますが、実際上その機会が与えられない障
碍者が大半であろうと思います。誠に惜しむべき損失です。身障者の能力開発にかかる費用は惜しむべ
きではないと思います。身障者が暮らし易い社会は万人にも良い社会です。
パラリンピックに見る身障者の活躍は健常者にも励みになります。身障者があそこまでやれるなら健常
者は努力すれば遥かに多くの事ができるのではないでしょうか。
考えて見ると大半の人は高齢になると多少とも身障者になります。高齢の身障者の数たるや、他の身障
者の合計よりも大きいでしょう。大半の人は家庭や施設で、或いはひっそりと一人暮らしをしていると
思います。日本の平均寿命と健康寿命には何と10年近い差があります。私が思うに人間は齢を重ねても
心身共に健康に成長できますので、それこそ惜しむべき損失です。
パラリンピックの特長の一つはかなり高齢の選手の活躍です。66歳でマラソンを完走した日本選手もい
ます。高齢者sportsをもっと盛んにしたいですね。Sportsに限らず学術や地域社会の活動振興のために
も。
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