差出人:	OsIPortable <osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp>
送信日時:	2018年8月26日日曜日 14:04
宛先:	'
件名:	RE: 個人の天才を伸ばすのは

森さん、

私も大した事をやっているわけではありませんが、この本が扱っている偉人達とは相通ずるものを多々感じています
。どんな偉人も実は似たような人間なのだという事です。

チャーチルは名門貴族の家に生まれたけれども学校では成績がびりで落第を重ね、名家の子弟が行くOxfordや
Cambridge大学に行くのは論外で陸軍士官学校しか行く所がありませんでした。そこすら最初の入学試験には落ち
ているくらいです。
その彼が後に大英帝国の首相となりドイツのV2号ロケットによる空襲に晒されて圧倒的に劣勢であった戦況の中
で粘り強く国民を率いて第二次大戦の勝利に導きました。
私がロンドンに勤務した1997年に隣に住んでいた老婦人は戦時中について「チャーチルのラジオ演説がある日は
皆仕事を切り上げて早く家に帰った」と言われていました。またあるTV番組の戦争特集で取材を受けた人が「当時
は自分には素晴らしい思い出だ、見知らぬ人の間でもお互いに思いやりがあった」と述べていました。チャーチル
首相が国民に深い連帯感を持たせた事が勝利の要因であったと思います。
またチャーチルは戦争回顧録等の作品に対してノーベル文学賞を授与されています。学校では劣等生であった彼
がどうして国民を動かして困難な戦争を勝利に導き、またノーベル文学賞を受ける程の学識を備え、偉大な創造性
を発揮する事が出来たのでしょうか。答えは簡単です。それは彼が人並み以上に勉学し、目前の課題に真剣に取
り組んだからです。チャーチル曰く、本当に向学心が湧いたのは22歳の時であった。即ち陸軍士官学校に入って
からですね。それ以後にチャーチルの天才が現れたわけです。即ち迷いつ努力ですね。

私も学校時代は自分のすべてが生半可だという不満をいつも持っていました(今もそうですが)。多少向学心が出た
のは就職してからです。思うに大抵の人がそうではないでしょうか。

現代日本の問題の一つは戦前ほどではないにして今だに学校信仰が強い事だと思います。いつかTVで見た
ホームレスの青年は「進学できないと知った時に夢を捨てた」と言っていました。数年前、秋葉原で凶悪犯罪を犯し
た若者も進学の失敗がその迷いの道への入り口でした。他方この前死刑を執行されたオーム真理教の幹部たちは
有名大学の卒業者が多かったですね。

インターネットで検索するとどんな専門的な事項も詳しい情報が得られる現在ほど独学に適した時代はありません。
また学会や同好会などを通じて切磋琢磨の機会もインターネットで容易に得られます。HPを作って自説を世界に
直接訴える事もできます。この本を私は近くのBook off店で買いました。価格は何と108円です。今こそ学問が花開
くべき時代ではないでしょうか。

市吉 修

From: Mori Etsuro [mailto:etsuromori@jasmine.ocn.ne.jp]  
Sent: Sunday, August 26, 2018 12:17 AM 
To:  
Subject: RE: 個人の力を伸ばすのは

市吉さん

この本は私の本棚にもあります。1994年にバンコクの紀伊国屋で買い求めました。「あとがき」のなかで木原さんは
、勉強といっても、もちろん学校の勉強に限られるわけではなく、生まれてから死ぬまでに人間が経験するほとんど
すべてのことが含まれる。人間にとって勉強とは生き方そのものでもある、と書いておられますが、できれば市吉さん
のように世の中に広く貢献する発明、発見、提案を行ってみたいと思っております。

森 悦郎

From: OsIPortable [mailto:osamu-ichiyoshi@muf.biglobe.ne.jp]  
Sent: Saturday, August 25, 2018 11:33 PM 
To: 
Subject: 個人の力を伸ばすのは

転送歓迎
配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信
または全員へ返信により意見交換をお願いします。二十一世紀世界研究会とは「人が全国どこでも働き、生涯豊か
に生きられる世界」を提案し研究する会です。研究しながら理想の二十一世紀世界を実現しましょう。

社会を前に進めるのは個人の力
野球やバレーボールなどのチーム競技においても各瞬間においては個人の勝負です。人間の社会を前に進める
のも結局は個人の力であると思います。

木原武一著 天才の勉強術 新潮選書
を読んでいます。モーツアルト、ニュートン、ゲーテ、ナポレオン、ダーウィン、チャーチル、ピカソ、チャップリン、
平賀源内の偉業の原動力を探ろうという書物です。何れも世界の偉人伝に出て来る人々です。

天才か努力か
良く聞く議論ですが答えは(天才) x (努力)でしょう。このうち天才はそう人の間で違いは無いだろうと思います。数学
者のF.ガウスは言葉を覚える前から計算をしていたと言っていますが、おそらくそれは親方の父が職人達に払う給料
の計算に苦労していたのを幼時から見ていたせいでしょう。言葉を覚えたフリードリヒ坊やが父の計算の間違いを直
した事もあったそうですから。
音楽家の家に生まれた子も言葉より先に音階を覚えるのもよくあるのではないでしょうか。
私の考えは天才は隠れているが人の間で大差は無い、天才を現すものは努力である、人の業績を決定するのは
努力であるという事です。

生きる努力と無駄な努力
難しいのは努力さえしていれば良いわけでもない事です。野口英世は苦学の末に北里研究所に入りましたが帝国
大学卒が幅を利かしているのを見て、そうそうに見切りをつけ半ば押しかけ的に米国に渡りロックフェラー研究所に
入りました。
昔の大日本国軍には極めて多数の階層があったので一番下からはどんなに努力してもせいぜい下士官止ま
りでした。だいたい役人の世界はどこもこうなっています。大望のある者は見究めが大事ですね。

迷い、問う事こそ重要
死んで幽霊に出るのを迷いと言います。旅で道に迷うのは困る事です。人生に迷うのはなお苦しい事です。その
ためか人の救済を謳う宗教では特定の思想を絶対化してそれを「ただ信じよ、疑うな」と説きます。しかし人間は
迷わないでいられるものでしょうか。私は大いに迷事こそ大事だと考えています。死んでからではなく生きている間
にこそ迷いましょう。

迷うだけでは道は開けず
ただ迷うだけでは道が開けません。状況を整理して問題を立てる事が重要です。解が無い事を含めれば如何なる
問題にも解があります。解が無い事の発見が全く新たな世界への入り口になる事を学問の歴史は示しています。
以上をまとめると「大いに迷いつ努力せよ、問題を立てて解を求めよ」という事になります。

ものを思う人のうなり
迷いが大なれば思想も大なり
如何なる問題にも解がある
大いに迷いて問題を立てよ
問題の解を求めて楽しまむ

********************************
* 市吉 修   Osamu Ichiyoshi                    
* 二十一世紀を楽しく生きよう会                    
* Human Network for Better 21 Century      
* http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
********************************