1125日、2013

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今日のNHK特別番組は深刻なテーマでした。
今日の高齢化社会において認知症、老老介護、一人暮らし、孤独死などは誰にでも起こり得る事態ではないでしょうか。

認知症
認知症について私は全く無知なのですが番組で見た印象では認知症の人も言う事は一応まともでした。認知症の人は何処が狂っているのでしょうか。

[1] 気違いと正常人との違い
は何でしょうか。人間の行動の中でも戦争は最大の狂気の沙汰ですがそれを進める人間は正常ではないのではないでしょうか。そうすると気違いと正常人の間には絶対的な差はないのではないかと思われます。

[2] 気違いや軽度の認知症は極端な思い込みではなかろうか。
戦争を推し進める人の主張を聞くと到底正気とは思えないものが多いのですが、当人はおそらく自分が主張している主義が絶対に正しいと信じています。となると狂気とは極端な説の極端な思い込みの可能性があります。
セルバンテスの不朽の名作の主人公ドンキホーテはあらゆる点で優れた判断力の持ち主なのですが中世の騎士物語が真実と信じて疑わない点だけが極端なのです。
現実に世界には聖書やコーランその他の経典が一字一句真実ならざるものは無しと信じている信者が無数にいます。狂信者は更にそれに自己流の解釈を加えています。

狂気や認知症の一つの特徴は極端な我執だという気がします。典型的な例は「家の嫁が私の財布を取った」というものですが、証拠があるのか、それ以外の可能性がないのか、嫁がそんな事をする人か、とかいった多面的な事に頭が回らない所に狂気や認知症の本質があると思われます。

オレオレ詐欺の被害者も高齢者が多く多少は認知症の気がある人が犠牲になっているのではないでしょうか。子供や孫が困っていると信じ込んで「これはあやしいぞ」というふうに多面的な思考ができないのですね。もっとも老人が大金を下ろすのを見てもあやしまない銀行員も似たような頭の状況ではないでしょうか。

[3] 明白な脳の病気としての認知症
も勿論あります。うつ病などの精神病についても同様です。「病は気から」という諺がありますが特に精神についてはそれが当てはまると思います。
-
偉大な学者や芸術家は最後まで精神は明晰な人が多いようです。例えば数学者のオイラー
 は天体学の講義の最中に倒れて4時間後に亡くなりました。
-
完全主義者、自己中心的な性格の人は認知症になり易いようですが、精神疾患が極端な思想

 への極端な思い込みだとすればその関係が分かる気がします。

[4] 孤独と狂気

孤独な状況では人は正気か狂気か区別ができません。私は会社務めの頃病気で何日か一人で家に寝ていた事がありますが、誰とも話さないでいると自分が正気か疑問に感じた時がありました。人が正気か狂気かは人間関係において初めて意味があるのではないでしょうか。司馬遼太郎氏が戦時中を振り返ってあの時は集団発狂していたとしか思えないと書いていましたが世の中全体が狂っている時はそれを正しく認識する事は極めて困難です。人は畢竟時代精神の虜たらざるを得ません。この事はよく自覚しておくべきでしょう。

 

[5] 認知症の予防
上の仮説が正しいならば認知症の予防は
 <1>
生涯学習、運動、目的の探求
 <2>
人にも自分にもやさしく、生きとし生きるものを愛し、哀れむ。
 <3>
あらゆる可能性を考える広い視野、何でもやって見る積極性
 <4>
積極的な人的交流。
要は
 <5>
生活を楽しむ
事でしょう。

[6] 近所付き合い
TV
番組の中では地域包括センターを中心とする行政の職員の方々の努力が紹介されていましたが如何せん、担当者の人数が足りません。行政が足りないところは御近所が補う事が有効だと思います。隣人どうしの挨拶、地域の祭り、運動会、清掃、ハイキング、趣味の会、研究会などを通じた人間交流が生活を楽しく、安全にすると思います。
インターネット時代の今日では近所とは世界全体も当てはまります。即ち人が世界のどこにいてもメールやHPで日常的な交流が可能です。学会、趣味の会、研究会、社会運動、その他何でも。学会何処で開催しようとも世界中から参加者は一日以内に飛んで来て集まる事ができます。
世界全体がご近所のようなものに縮小した現在は前世紀の帝国主義時代のように各国の国民
を分離させて内に支配し、外に覇権を争う国家権力は時代錯誤になりつつあると思います。

[7] 福祉社会の繁栄
年金生活者は現役人に養われて肩身が狭いとか、若い人が自分たちは払っただけのものが
貰えないので年金を払いたくないとか言う人がいますが、全く間違いだと思います。それは低い生産力の自給自足時代の思想の名残だと思います。今や殆ど完全に市場経済となった代において経済成長の牽引力は需要です。近代経済学の旗手J.M.ケインズは有効需要を作るためにはピラミッドの横で穴掘りでもやれと言いました。JMケインズの学説を応用して成功したのは英国ではなくてドイツです。実際ナチスドイツの成功はヒトラーが軍備拡張の大事業をやることにより巷にあふれていた失業を一掃した事でした。手段は良かったけれども目的が悪かった。第二次世界大戦は未曾有の規模の破壊を生じました。その傷は今も完全には癒えていません。
デフレ脱却を唱える安倍のみくす」企業が労働者を安く、また便宜的に雇用できるようにする所に要点がありますがそれ企業は堕落して開発力が弱り、労働者は貧乏になって国内及び国際市場が縮小してデフレますます進行してしまいます。
高度に発達した現産業の生産力をフルに回転させるためには福祉社会の充実が必要不可欠
です。経済のプロを自称する麻生内閣の時各家庭に何万円かお金をばら撒いたのを覚えておられるでしょう。あんな一発事よりも持続的な経済成長のためには年金、医療、介護、教育などの社会福祉に力を入れるのが正道である事は明らかではないでしょうか。砂漠の穴掘りや戦争よりも社会福祉の方が目的として遥かに優れているのは自明の事です。
年金生活者が生活を楽しむ事は経済成長に資するばかりでなく若者に希望を与え、社会を明るくします。お金を使って生活を楽しむ事、即ち消費が社会の生産を増加させ、生産活動における労働者の工夫が生産性を向上させます。更に飛躍的な経済の発展は企業が人間を苦しめる問題を捉え、それを解決できる製品を開発する事、即ち新産業の創造によってもたらされます。

上の流れから導かれる事を一言で言えば経済発展の原動力は人々の幸福の追求に他なりません。


くよくよと思い悩むのは止めましょう
くよくよしただけ損だから
人生は楽しみましょう最後まで
楽しんだだけ得だから。

[8] 人と人との対話
こそ上に長々書いたことの鍵だと思います。

人はおのおの一人なり

己が他には寄る辺は無し
人の間に通ずる道は
人と人との対話にぞある
人はおのれの内で考う

己が他には知る辺は無し
果てを越え行く道は
人と人との対話にぞある。

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市吉 修                              Osamu Ichiyoshi
二十一世紀を楽しく生きよう会  Human Network for Better 21 Century
URL ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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