戦争と平和の条件
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2023/05/21 22:01
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有意義な広島summitが終わりました。
私は少ししか見ていませんが、最大の論題が戦争と平和である事は確かでしょう。
そこで改めて戦争と平和について考えてみましょう。
戦争は何故起るか
よく挙げられる理由が人間の闘争本能ですが、私はそれは全く誤りだと思います。人間に闘争本能は
ありません。人間の本能は平和愛好です。また人間を含めたあらゆる生物にあるのは自衛本能です。
自己に対する攻撃に対抗処置を取る防衛はあらゆる生物の本能だと思います。生物の本能の第一は防衛
であり、闘争はその止むを得ざる手段です。
原始時代に戦争は無かった。
前に報告した三内丸山遺跡は1700年にわたる縄文時代の住居跡ですがそこに戦争の痕跡は皆無です。
それは我が日本国の歴史よりも長い時間です。これに対して
歴史時代は戦争の歴史
と言っても過言ではありません。ここで歴史時代とは伝承または文字による記録が残る時代です。私は
高校で歴史を習った時に世界は歴史の初めから王が支配する階級社会であった事に違和感を覚えました。
それは私が民主国に生まれ育ったためでしょう。同じ日本でも戦前の人なら歴史の初めから社会が階級
に分裂していた事を当然と感じた事でしょう。当時の戸籍には華族、士族、平民の区別があり、地域に
よっては部落民などという階級差別があったのですから。
戦争は権力の性
ですね。権力の起源は農業の始まりによる家族、私有財産、及び国家の起源と表裏一体です。これは多
くの証拠により歴史的に明らかです。戦争は勝者により大きな領土、領民、富をもたらします。この正
帰還により膨張は権力の本能です。両雄並び立たず、戦争は権力の本能なり。今回のロシアによるウク
ライナ侵略は戦争開始後二日で首都キーウを占領、二週間で作戦終了との見込みを真に受けたプーチン
が自己の更なる権力と栄光を夢見て始めたものです。大日本帝国の対米英開戦も事前に天皇から戦争の
見込みを問われた軍部は三か月で作戦終了と答えています。後で振り返るとバカとしか言いようがない
のですが、それは権力の本能に他なりません。
自然権
東洋に於いては2500年も前に釈迦は万人平等を説いていましたが、それは政治思想として成長する事は
ありませんでした。何しろ日本の寺自体が封建領主として支配階級を成して来ましたから。日本の古来
の寺社はtopは皇族、最下層は奴婢の出と身分制社会をそのまま絵に描いたような構造をしていました。
西洋においては一神教は本質的に万人平等の思想とならざるを得ませんが教会は日本の寺社と同様ひと
つの領主に他ならないものでした。そしてその構造も典型的な階層組織です。
西洋人が新大陸に進出して特に北米大陸の国家成立以前の社会と接した事が人間の「自然状態」の概念
を与えました。即ちそこには王や祭司などの権力者はなく、万人平等の社会です。そこに西洋社会の権
力構造を当てはめると人間の自然権の概念が生じます。翻って考えると国王の権力は万人の自然権を奪
ったものと解釈できます。Geneve生まれの思想家J.J.ルソーはそれを社会契約論の概念にまとめあげま
した。権力者が民から預かっている自然権の付託に応えられなければ民はその権力を奪う、即ち革命の
権利を有します。その思想は近代史上初めて国王のいない民主主義国、アメリカ合衆国の誕生に結実し
ました。更に同国のA.リンカーンは「人民の、人民による、人民のための政治」と簡潔に民主主義の原
理を表現しました。
民主主義が平和の礎
である事は明らかです。自由で平等な人間なら馬鹿馬鹿しい侵略戦争に誰がいくものですか。欧米では
quaker教徒は宗教的信条から良心的戦争忌避を貫きました。我が国では北御門二郎氏は戦争は絶対悪と
の信念から徴兵忌避を貫きました。しかし私の父を含めて大半の人は召集令状の受け取りを拒絶する事
はできませんでした。大日本帝国は学校教育により国民に軍国主義を徹底的にたたきこんでいましたか
ら。何しろ学校では記紀神話を歴史として教えていました。また民主思想に対する政府の弾圧や新聞に
よる好戦的報道もひどいものでしたね。真実の報道という天職を忘れて報道人は政府への迎合、発行部
数の増大を至上命題としていたとしか思えません。
これに対して当時既に民主主義が確立していた米国では強力な平和運動が盛んでしたが、帝国海軍の真
珠湾奇襲は米国の平和運動を一瞬にして吹き飛ばしてしまいました。防衛は万人の本能ですから。
民主主義を如何に発展させるかが万人の課題ではないでしょうか。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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