Chat GPTの実体と社会的影響

 

To:

'2023/08/26 17:28

配信不用の場合はお手数ですが返信にてお知らせ願います
言葉は単なる符号にはあらず、言葉は人間が作りたる世界なり
人は以言伝心、乞う発信。そして返信、全員に返信して語りませう。

Chat GPTを始めとする生成AIの話題が最近世の中を賑わしています。ハリウッドでは脚本家の

組合がもう何か月もストを続けていますが、その要求の一つが生成AIの禁止です。私の知人の

一人は翻訳家ですが、生成AIの出現を職業上の脅威と感じているようでした。

 

昨日は東京に出かけました。新橋駅から降りてすぐ近い港区生涯学習センター101教室にて行わ

れた下記講演を聴講しました。

Chat GTP -
その実体と負の側面-

講師 井上隆史

   R&D Consulting+Coaching (元日立製作所生産技術研究所)

 

本講演に於いてはChat GPT (Generative Pre-trained trans-former)の原理から実際に使用して

その内容の検証およびその社会的影響につき具体的に解説がなされました。

 

内容が豊富すぎて要約は困難ですが平たく言うと

(1) 文章の入力と出力においては人間並みとも言える驚異的なレベルにある。

(2) 内容においては全く信用できない。

(3) 無批判に信用すると社会に害を成す。

 

これは誠に当然の結論だと思います。

言葉の理解と生成においてはすでにGoogle他のIT企業が、弁当箱くらいの大きさの機械に人

間が話しかけて例えば「子供の歌」とかClassic musicあるいは「ニュース」とか言うとそれに応じ

て言われた種類の内容を鳴らす事業を行っています。私は孫宅でその機械に日本語や英語で

話しかけて問題なく動作するのに感心しました。

 

半世紀前に私がまだ学生だった頃には音声認識、合成、言語理解技術は全く初歩的な段階に

ありました。それ以来Computerは演算速度、記憶容量、機械的大きさなど物理的には誠に隔

世の進歩を遂げました。物に止まらず、手法においても生成文法、Deep learning、関係data

baseなど私のよく知らない技術開発が重なり、高度に発達しています。それはInternetで各種

の情報探索や目的地と出発地を入れると最適の経路を示す駅スパート、目的地や現在地を示

す地図情報サービス等既に日常的な道具になっています。通信技術者にはおなじみの誤り訂

正装置の動作はいわば受信信号に対する所定の最短経路探索でありAIそのものです。

 

それらの所謂Expert systemChat GTPの違いは何でしょうか。

それはExpert systemは対象と目的が明確に定まっている専門システムであるのに対してChat

GTPは言葉で表せるものは何でもござれと全般システムである事です。Chat GTPはインターネッ

ト上のdataを大量に収集して言葉と言葉の「関連度」を測定して記録し、質問に対して関連の深い

順に文章にして出力しているだけであり、何ら内容を理解しているわけではありません。

 

この講演を聞いて私はChat GPTはある種の人間に似ているなと感じました。世の中には確りした

職業について世の為に有用な仕事をしている人が大半ですが、中には架空の話をでっちあげて

人を騙す詐欺師も少なからずいます。また犯罪には至らなくても何でも知っている(と称する)「物

知り」にChat GPTは似ているのではないでしょうか。

 

私達通信技術者は世の人の利便のためにあらゆる通信技術を開発しましたが、残念ながら今日

の高度に発達した通信網上には嘘が満ち溢れています。それを学習するChat GPTを無批判に信

頼してはなりません。

 

現在ゲームに没頭して生活が破壊される所謂ゲーム中毒が子供の間で問題になっています。こ

れも高度に発達したAI(Artificial Intelligence) の弊害の一つです。Chat GPTを無批判に受け入

れるのもゲーム中毒と同類だと思います。

 

それらの弊害に対する方法は何でしょうか。Chat GPTComputer Gameに共通するのはそれら

が「虚業」である事です。虚に対する対策は実。そこで私の提案は学問です。具体的には読書とそ

の実践です。私は現代の子供は良書の読書と作文が欠けていると感じています。学校の他に習

い事や塾通い、それにゲームをすれば何時読書や作文、それに子供に必用不可欠な自然な遊び

をするのでしょうか。遊びは後にあらゆる学びの元となる原体験を養うのに必要不可欠です。よろ

しければ拙著「ガクモンのススメ」をご覧下さい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/gakumon%20no%20susume.pdf

 

     ガクモンのススメ

学問の成果は本になる。本物を知るには本を読むべし

扉を開けて本を読む、 学問の門は万人に開かれり

 

学問は

人と人との対話になる

人は自己との対話で思考す

一人の経験は学問を通じて

万人の知識となる

思考で深まり 対話で広がる 

学問は人の 自立の基なり

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
市吉 
二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; 
  http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++