戦争の記憶を正しく活かそう

 

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2022/08/13 14:12

 

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八月の憂鬱

毎年8月は太平洋戦争の記念日が続き私は憂鬱な気分になります。今年は2/24の突然の奇襲以来既に半

年となりまだ終わりの見えないロシアのウクライナ侵略戦争の様子を毎日見聞きするので猶更の事です。

 

戦争を正しく知る事

は極めて大切です。日本では太平洋戦争で軍部に騙された苦い経験と国内と海外で生じた戦争の惨害と

欺瞞に懲りて戦争については考えるのも嫌だという人が多かったのだと思います。電子情報通信学会で

も核弾頭を捕獲して正当な持ち主に返すという私の研究に対して拒否反応を示す人があります。戦争は

いわば人間社会の病気です。病人が病気を否定しても病気は治りません。病気についてよく知ってこそ

治癒と予防への道が開けます。

 

私が戦争について初めて知ったのは小学生の時学校で見た映画「ひめゆり部隊」でした。数日間恐怖が

去らず、70年近く経った今もまだ断片的な場面を幾つか覚えています。中学生になる頃は金門、馬祖紛

争とかで布団を抱えて逃げる住民の報道写真を見ました。高校生になる頃はベトナム戦争です。大学に

入った頃は小田実氏らのベトナム平和連合などの運動を他人事のように聞いていました。大学4年の時

一年間留学した米国では正にベトナム戦争反対運動を近くで見る事ができました。Nixon大統領が爆撃

範囲をカンボジア領にまで広げたり、忌まわしいソンミ村の虐殺事件の報道やそれを指揮したカリー中

尉の有罪判決と大統領恩赦による釈放などを見た記憶があります。

 

私が就職した1973年頃ベトナム戦争は米国の撤退による混乱の中に終わりました。全く同じような光景

がつい昨年アフガニスタンで見られました。その間にも中東戦争、イラク侵攻など米国はよくも戦争を

続けて来たものですね。それらの戦争でも米国が滅びる事はなかったけれども1978年にアフガニスタン

に侵入したソ連は10年余の無意味な戦争の末にソ連邦自体が崩壊してしまいました(1991)。今回は独裁

者プーチンの戦争の結果ロシア連邦が崩壊に到る事を私は期待しています。安倍首相が努力した日露平

和条約交渉を見ても今のロシア政権は話の通ずる相手ではないと感じていましたので。

 

歴史の変革と戦争

は深い関係にある事は否定できません。アメリカ独立戦争の前と後、フランス革命の前と後、第一次、

特に第二次世界大戦の前と後では世界は全く異なります。国内でも幕末から明治への変革は大政奉還に

よる平和的な変革の可能性もあったのに結局は戦争でけりがつきました。庶民はその本質を一語で表し

ています。勝てば官軍。

 

戦争の原因は権力欲と欺瞞

TVや書物で学者や専門家が滔々と解説する地政学よりも遥かに戦争の原因は簡単だと思います。ロシア

の報道機関は国家の統制の下に政府の宣伝のみを垂れ流しています。独立系の報道機関は記者の暗殺や

拘留、大統領令などにより「法的」に無力化されています。国家に統制された報道が如何なるものかは

ロシアのTV放送の断片を見ただけで分かります。嘘を通り越して滑稽ですね。半世紀前私が時々聞いて

いた北京放送を思い出します。世界で起こっている重大な事件を伝えず、国内の些事をさも重大に伝え

ていましたが、Nixon大統領の訪中で一日にして米国に対する報道がアナウンサーの口調に到るまで一

変しました。しかし国家による報道の支配が如何なるものかを誰よりもよく知るのは我々日本人ですね。

大本営発表とは嘘の代名詞です。

 

戦争の記憶を正しく活かそう

私は戦争関係の書物、特に体験者の経験談、戦争孤児関係、私の父が九死に一生を得て帰還したインパ

ール作戦関連の書物を集めていますがあまり読んではいません。気が重くなるので。しかし戦争の記憶

を正しく保存し、活用し、伝える事は極めて重要です。その中で一般には知られていないが、広く読ん

でもらいたい書物を以下に紹介します。

 

建部奈津子著 シベリヤ抑留記「黒パンと交換した腕時計」  白艪社

利尻島出身の吉田欽哉さんは19歳で召集され樺太で衛生兵として勤務していた所戦争が終わって帰れる

かと思いきや、ソ連軍にシベリヤに送られ5年近く強制労働させられました。これは「シベリヤ抑留体

験を語る会」札幌会長の建部奈津子さんが今も利尻島で現役の昆布漁師を続ける吉田欽哉さんに親しく

取材してまとめられた書物です。誰でも読んで欲しいと大きな活字で漢字はふりがながつけてあります。

問い合わせは下記e-mailへ。

moon7250918@gmail.com

 

金田茉莉著  かくされてきた戦争孤児  講談社

これは著者から一冊いただきました。国家が行った戦争の最も悲惨な被害者である戦争孤児に対して日

本国は責任を果たしませんでした。飢饉状況のなかで親類に押し付けられた孤児は厄介者として疎外、

虐待され、ろくに学校にも行かせてもらえませんでした。「雇用関係がなかったのだから補償の義務は無

い」とする日本国の主張に私は納得する事はできません。金田さんの体験と綿密な調査に基づく著書の

一つとて推薦します。

 

湯田 敏洋著 ひろしま =原爆被爆体験記=

これは知人から頂いたもので著者は既に亡くなっています。未出版ですが貴重な体験記です。

 

皆様

戦争の経験者が殆ど亡くなる現在その貴重な体験記を集めて未来永劫に保存、活用する事は私達の責務

ではないでしょうか。

 

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+ 市吉

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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