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送信日時: 平成 201116日日曜日 2:19

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件名: 二十一世紀企業研究会

 

配信無用の方はお手数ですが返信願います。本MLは会員の紹介により加入する会員の自主研究会です。返信または全員へ返信により意見交換をお願いします。

二十一世紀企業研究会とは「人が全国どこでも学び、生涯現役で働ける企業」を提案し研究する会です。研究しながら二十一世紀企業を始めましょう。

 

人間の進歩とは何か

我が国は明治維新以来欧米に追いつくことを進歩と考え、必死にまねをして来ましたが、進歩とは百メートル競走のような一直線ではないという気がしています。農業の進歩によって食料が確保され、医学の進歩によって病気が克服され、科学の進歩によって多くの迷信から人が開放される事は明らかな進歩だと思います。しかし米国のような車社会になると近所でも車で行き、運動不足のため健康を損ねる事が大きな社会問題となって来ます。今の日本、特に田舎がそうなっています。今日我々の抱えるメタボ問題は昔はありませんでしたね。また30年前に1歳と3歳の幼児を伴って米国に赴任した時の最初の三ヶ月に痛感しましたが車があるととても便利な車社会では車を持てない人は生活上大変な不便を強いられます。

西洋には都市は人間を自由にするという諺がありますが、田舎から都会に出てくると田舎の人間関係の束縛からの開放感があったのも事実ですが、反面都会の孤独はそれ以上の束縛にもなります。東京の電車で多発する人身事故は都会の孤独が一因だと思います。

どうも人間は一つのものを得ると同時に失うものがあるようです。冬でも室内ではセーター一枚でくつろげるというのは文明の進歩の成果ではありましょうが、そのためには燃料代がかかります。私は自分の小屋では真冬でも暖房は一切使わず、パソコンの前でオーバーを着て丸くなっています。その代わり外に出る時は薄着です。昨日は東京の台場で行われたGPS関連の学会に行きましたが家を出て15分もすると上着を脱いで一日中Yシャツ一枚で通しました。足車を駆って坂を駆け上れば直ぐに汗ばんできます。東京では品川から芝浦埠頭までの区間は足車で駆けました。新橋まで行って始発からゆりかもめに乗るのと大して時間はかかりませんし、多少の交通費の節約にもなります。このやり方で東京や多摩地方の地理は自分の庭のように知るようになりました。

得るものがあれば同時に失うものがあるために文明人は原始人に対してどれだけの進歩をしたのか時々疑問に思います。原始の自然を基にして解決を必要とする問題だけ文明を加味するくらいが丁度良いようです。また過度の貧乏は問題ですが、そこそこ生活ができればそれで十分です。金持ちでヨットを持っていてもそれに乗るには何時間もかけて港に行かなくてはならないし、自家用飛行機を持っていてもそれを使うには飛行場まで行かなくてはなりません。関東平野の端に住んでいる私は丹沢の山道を駆け回るには自転車に飛び乗るだけでよいですし、作業小屋の中で私の周りに積んである本を手にとるだけで極大の宇宙から極小の素粒子まで、人間の出現以前から人間の出現以後の、ありとあらゆる事について先人が重ねてきた研究の成果に直ちに接する事ができます。金は無くとも時間があるのがありがたいですね。

このように考えると人間の進歩や幸福とは一筋縄では捉えられないものだと思います。

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*  市吉 修   

*  二十一世紀を楽しく生きよう会

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