東京戦災資料館と広島の高校生が描いた原爆展

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2023/08/19 16:53

 

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昨日は東京に出かけました。

 

東京大空襲戦災資料館

住吉駅で降り、東に少し行くと親水公園に出ます。横十間河を南下して小名木川を横切ってしばらく行

くと東京大空襲戦災資料館があります。私はここにずっと以前に来た事がありますが、最近早乙女勝元

氏が亡くなった事を聞き、訪問しました。その時よりも建物が立派になり展示空間も広がっていました。

 

ここは1945310日の東京大空襲を体験した早乙女勝元氏と同志が集めた戦災資料を収めて一般へ

の公開と研究のために建てられた民間の博物館です。資料の収集と保管、公開は後世の歴史研究のため

に本来国が行うべき事業ですが、今まで何回も報告したように戦争孤児を見捨てた日本国には臭いもの

には蓋をしろという誠に幼稚な頭しかありません。しかし国はだめでも国民には立派な方々がおられま

す。この土地はある女の人の寄付したものです。建物も早乙女氏らの私財と一般の寄付による純粋に民

間の施設です。

 

実は都市の無差別爆撃は大日本帝国陸海軍が世界に先駆けて行ったものです。スペインの内戦ではナチ

ス・ドイツがフランコ側を支援して行ったゲルニカ市の爆撃が特にピカソの絵によって世界的に有名で

す。それにも増して大日本帝国軍は日中戦争において日本国内から飛び立った爆撃機により重慶等の大

都市の無差別爆撃を行いました。国内の新聞等で誇らしげに報道された所謂渡洋爆撃です。これは丁度

米軍がグアム、テニアン等の島から日本全国に対して行った長距離爆撃の先駆けをなすものでした。日

本人は米国に都市の無差別爆撃に対して抗議する資格はありませんね。国が戦災資料館の建設を「資金

不足」を理由に中止した本当の理由はそこにあるのかも知れません。

 

当時日本国内では報道されなかったようですが、重慶爆撃で燃える建物の傍らに赤ん坊が泣いている映

像などは米国で報道され、米国の世論は反日で湧き立っていた所に宣戦布告も無しにいきなり帝国海軍

による米国真珠湾奇襲攻撃が起ったので米国民は本当に怒って一つになり、太平洋戦争が一気に燃え上

がりました。

 

一週間前のNHK特集は報道人の戦争参加でした。真珠湾攻撃の報道を盛り上げようとして軍艦マーチ

BGMで流した所全国的な熱狂が沸き起こり、津々浦々で提灯行列が行われました。これは以後敗色

濃厚となると共に撤退を転進、全滅を玉砕と呼び、被害を過少に、戦果を誇大に報道する「大本営発表」

の先駆けをなしたと思います。司馬遼太郎が当時を振り返って言った「集団発狂していたとしか思えな

い」狂乱の原因の一つです。

 

昨日はここで十分時間を取る事ができず、再び住吉駅に戻り、半蔵門線で三越前駅に到りました。そこ

からは有楽町まで足車を飛ばしました。東京駅八重洲口は人出が、特に外国人が多いと感じました。

 

広島の高校生が描いた原爆の絵展

これは以前7/2に江東区文化センターで開かれた「平和の集い」に行った事を報告しましたが、その時展

示されていた広島の基町高校の生徒が被爆者の証言に基づき描いた絵に感銘を受け、更に今週東京交通

会館で展示会があると聞いて行ったものです。前回とは別な絵も何点か見る事ができました。証言者と

絵の作者の言葉を合わせ読んで絵を見ると心の中にあるものを言葉で表し、更にそれを絵に現す人間の

力に感心しました。実はその画集が欲しかったのですが非売品との事で断念しました。

 

今甲子園で行われている高校野球を見るとその技量の高さに驚きますが、絵においても同様です。先の

戦争においては同年輩の若者が、予科練で飛行機操縦の速成訓練を受け特攻出撃に出て行ったと思うと

感無量です。私は外出する時家族に「それでは行って来るよ」という度に戦争に行く時に同じ言葉を言

った人々の気持ちを考えずにはいられません。

 

早乙女勝元氏は鬼籍に入られましたが戦災資料館は残っています。広島と長崎の被爆者も後何年かで

誰もいなくなるでしょうがその証言とそれに基づき高校生が描いた絵は残ります。人は逝っても歴史は残

る。それを確り残し、その根底を深く研究する事が必要不可欠ではないでしょうか。

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+ 市吉

+ 二十一世紀を楽しく生きよう会

+ HP ;   http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/

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