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五年余の孫育て支援で暮らした札幌
から相模原の自宅に帰って一週間が経ちました。昨日孫達が電話をくれて元気に小学校に通学している
様子を知らせてくれました。6年間通った保育園は家のすぐ近くだったのに小学校は札幌の端の山中にあ
る学校に電車とバスで通学するので心配していましたが、同じ学校の生徒が一緒にバスで登下校してい
るそうです。もう友達もできたというので安心しました。
四月は時の流れを
感じますね。自宅に帰るとまだ季節がそんなに進んでいないので庭の雑草はそう大きくはなかったので
すが畑は雑草で覆われていました。雑草の中でも花をつけそうなものだけを残して植え変えたら今赤い
けしの花が咲いています。
本の増殖
札幌にいた間に買った本や旅行中に集めた資料なども持ち帰ったので私の小屋は本で溢れています。私
は日記だけでも段ボール数箱ありますし、本好きで捨ててあるものを拾って来たりするので本は増える
一方です。会社や地域の図書館の廃棄図書もよく貰いました。米国勤務時代には近くの公立図書館で
paper backは5 cents, hard coverは25 centsで売っていたのをよく買いました。自分のものに加えて
7年前に両親の遺品の中からもかなりの本を持ち帰りました。戦前の「国体の本義精解」などは私には内
容的には無価値ですが司馬遼太郎が戦争を振り返って「集団発狂していたとしか思えない」と述懐した
その思想の「本義」である所に歴史的な意味があります。病気を治すために加持祈祷を行った昔の人を
現代人が笑う事はできないように昔の政治思想の幼稚さを笑うわけには行きません。それが軍国主義の
推進に絶大な効果を発揮したのは何故かを知る事は重要です。現在ウクライナを侵略して戦争の大災厄
を生じている原因はプーチン等の「大ロシア主義」にある事を思えば幼稚な思想をバカにする事はでき
ません。大日本帝国は国名からして同様の思想でした。江戸幕府から明治新政府への移行に当たり最大
の脅威はロシア帝国の南下政策でしたから日本が同様の思想による国体となったのは必然の流れだった
のかも知れません。学問的には取るに足らない思想が社会的には重大な効果を生じるのは大日本帝国の
過度の戦争による惨禍を思えば十分です。現在アフガニスタンやイランが女子の学校教育や仕事を禁じ
ており、服装にまで規制を敷いているのも同様の現象ですね。
普通本は古くなると捨てて常に最新の内容の本に買い替えるのが正常でしょうが私は学問の発展過程や
紙質の劣化過程にも興味があり本は古くなる程価値があるので全く困ったものです。古い本や日記を読
むと関連する内容を昨日の事のように次々に思い出すのに、何も無ければ頭の中にある事も出て来ない
ので書物はなかなか捨てられないですね。
物は多くても整理できればあまり邪魔にはなりません。その為には分類が必要ですが、どうしても「分
類しないもの」と言う分類が必要になります。いわばガラクタですが、これが良く役立ちます。原始時
代の遺跡でも貝塚のように言わばゴミ捨て場から出る遺物が貴重な情報をもたらしています。
今回の引越しのように荷造りのためにすべての持ち物を扱うのは整理がついて良いですね。会社の棚卸
のように自分の持ち物の状況把握に有効です。
最近は特に時の流れを
感じます。最初単に理論的なものであった陽電子(positron)はPETとして人体の内部を見る医療機器に、
ニュートリノや中間子は実際の観測に用いられてエジプトのピラミッドの透視や超新星の観測に、Black
holeや重力波は実際に観測される時代になりました。量子computerもそうですね。また私は嫌いです
が流行の「めちゃめちゃ」等の言葉使いにも時代の流れを感じます。
戦争の体験者も少なくなりました。その貴重な証言は書物として残されています。古い本の役割はます
ます大きいのではないでしょうか。正に孔子が説いたように温故知新。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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