近況
To: 2023/03/26 13:01
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言葉は単なる符号にはあらず、言葉は人間が作りたる世界なり
人は以言伝心、乞う発信。そして返信、全員に返信して語りませう。
江別へサイクリング
五年余の札幌暮らしもあと一週間、天気も良いので昨日午後江別まで自転車で出かけました。豊平川を
豊平橋で渡り、東札幌から白石こころーどに入りました。ここは鉄道廃線跡を歩行者道路にしたもので
大谷地までの約10km、交差点がありません。立体交差を下っては上がり、快適に疾走できます。ここを
行くのは散歩する人、走る人、犬と散歩する人など様々です。道の両端には桜、銀杏、松などの並木が
続きます。路上の雪も殆ど消えました。私達は見られませんがあとひと月もすれば桜の花道がつながる
事でしょう。道の両側はずっと住宅地帯でところどころ公園があり、子供達の歓声が聞こえます。
大谷地から先は陽だまりロードと名前が変わりますが、歩行者道路はずっと北広島市のほうへと続いて
行きます。私はここで一般道に出て国道12号をゆっくりとペダルを踏みました。市街地を抜けると広々
とした平地に国道と並行して函館本線が走っています。
江別は広大な野幌自然林が一世紀半前に入植者が入った頃の姿を保っています。その中に以前訪れた事
のある開拓の村や北海道博物館があります。今回北海道知事選挙の立候補者の一人が阻止を訴えている
既に解体中の百年記念塔も遠望できました。更に進むと札幌学院大学、北翔大学、そして急に眼前に広
がるのは酪農学園大学の草地です。
明治政府からの招請で北海道の開拓を指導した一人は真駒内に牧場を開いたEdwin Danですがその一
番弟子の町村金弥が開いた最初の牧場が江別に保存されています。そこは以前バスで行きました。今回
は江別までは行きつかず、手前の野幌で屯田資料館とガラス工芸館を訪ねましたが、両者とも休館でし
た。しかしその特色ある建物だけでもひとつの見物です。実際にその場に行く事は言葉では表せないも
のが得られると感じます。
北海道の神社やお寺
屯田資料館は鏡山神社の境内にあります。北海道には意外にお寺や神社が多いです。明治になって北海
道には東北地方を始めとする日本各地から色々な人々が移住しました。戊辰戦争で逆賊とされ領地を奪
われた仙台藩や会津藩の人々、自作農の創出を目指して北海道に新天地を求めた晩成社など民間移民、
そしたロシアの南下に対する防衛を兼ねた屯田兵など。それらの移住民の心の支えとしてお寺や神社が
作られました。当別神社は当別地域に元の家臣団を率いて入植した仙台岩出山支藩の元藩主伊達邦直公
を祀った神社です。旧士族団の特長は処女地に真っ先に学校を作った事ですね。士とは志のある人なり。
北海道開拓に果たした女の力
は偉大なものです。屯田兵は日曜以外は軍事教練に駆り出されたので数町部の土地を開墾した主力は女
の力でした。開墾の他に出産と育児、家事などまさに寝る間もないほど働きました。政府の補助が無い
民間移住民の場合は食糧の確保なども大変で、作物が取れるまでは山菜や川魚なども食べました。しか
も冬は雪に閉ざされる酷寒の地の開拓の苦労は全く想像を絶します。日本最初の女医萩野吟も北海道に
理想の神の国を作ろうという夫の努力を支えました。
どこに行っても現在に至る長い歴史、私達の存在も長い歴史の積み重ねの上にあります。人は受胎から
誕生までの10ヶ月間に生物の歴史数億年を、生まれてから小学校に上がるまでの6年間に猿人から現代
人に到る数百万年を、言葉の習得過程には人類史の数万年を再現しています。孫達の成長に多少とも助
力できたのは誠に幸運な事でした。
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+ 市吉 修
+ 二十一世紀を楽しく生きよう会
+ HP ; http://www5e.biglobe.ne.jp/~kaorin57/
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