飯豊の山旅

日本 飯豊連峰 2002/8/21-23
同行 宮内、石川

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石転び沢
新潟、山形、福島にまたがる飯豊連峰は、夏季には我が国有数のトレイルを提供してくれる。豪雪地帯ゆえ、夏季なお沢筋に落ちる雪渓がトレッキング・ルートとなる。雪渓を音もなく転げ落ちる石塊に怯えながらも、稜線を目指して登り続ける。
石転び沢上部
上部へ行くほど雪渓は急になり、振り返るとガスの切れ間に谷が低く見えた。雪渓を渡る風はエアコンのようにひんやりとしている。ほてる体を冷してくれた。
風吹く緑の草原
数日続いた悪天が回復し、青空が広がる。大日岳(2128m)へ、一面緑の草原に伸びる径を辿る。風がドラマチックに草花を揺らし駆け抜けてゆく。我々を癒してくれる自然が展開する。
飯豊本山と残雪
濃い緑の山肌と白い残雪のコントラストが見事だ。なだらかで女性的な山容は飯豊のイメージを優しいものにしてくれる。人里離れた飯豊の山稜歩きは、山旅と言うに相応しい時間の流れがあった。
大日岳からの下り
緑に包まれていると、温かい気分になれる。遠路歩きに来る価値のあるトレイルだと思った。空も、風も、虫たちも、全てがいとおしく感じられた。
本山小屋下のテント場
混雑する小屋を避け幕営する。テントの空間は我々の自由だ。外界と布一枚隔てるだけで住処を得られる。しかし夜半からの風にテントはバタバタとはためき、その音に眠りを妨げられた。
飯豊本山に沈む夕陽
山頂の向こうへ沈もうとする夕陽を眺めていると、なぜだか愁いの感情が沸いてきた。自然や天候に、人の感情は左右されやすいものだ。
大ー尾根の下山
本山から北へ伸びる長大な尾根を下る。左右には幾つもの支沢を持つ谷が見下ろせる。その二つの谷が出合うところが、この尾根の尽きるところだ。それは下れど見えてこない。
高山植物
夏季、飯豊は何種もの可憐な高山植物が咲く。なだらかな稜線には天上世界のようなお花畑が広がる。その世界を感じるには、自分の足で歩いて行く他手段はない。
出合の吊橋
左右の沢の流音が近付いてきた時、長大な稜線を下り終えようとしているのだと思った。沢の流れに出たところに吊橋が架かっていた。これを渡ると、「戻ってきた」という感慨が沸いた。
緑深い林道を行く
飯豊の森に伸びる、風情豊かな林道を歩く。こんな風景に出会うと旅情を刺激される。

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