アコンカグア ポーランド氷河ルート

南米アルゼンチン アコンカグア6959m 2000/1/15-2/2
同行 田宮

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リオ・デ・バカス谷アプローチ2日目
木一本生えていない乾いた谷をひたすら歩き、二日目、初めてアコンカグア東面と対面する。まだ遠方でフィルターがかって見える彼の山の傾斜は急で高く、「本当にあそこを登るのか」と思うと緊張感が高まった。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
我々のベースキャンプ5000m
登山活動に入り、二人で荷上げと高度順化を繰り返した。最初は荒れた寒いだけの高所だったベースキャンプが、高度に順応してゆくと穏やかな居心地の良い場所に感じられてくる。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
ポーランド氷河上6000mより東側を望む
登攀ルートに設定していた氷河を日中試登してみる。堅く凍っている部分もあるが、安定していて充分登れそうな手応えを得る。あとは天候をよみ、登攀に集中すればよい。晴れ渡る空のなか頂上に立つことを想像する。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
ポーランド氷河上より西側を望む
氷河は所々傾斜がきつく、急なところでは45度を越える。他に登っているパーティーがなく、アイゼンのききやすいラインを自分たちで探して登る。自己の最高高度を越えて行くことは、未知の世界に入ってゆくことでもある。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
氷河上より自分の足跡を見下ろす
頂上アタックの日、氷河の核心部を抜けた辺りで下を振り返った。ここを下るのは怖い。氷河から稜線へ出ると、その向こうは断崖となって切れ落ちていた。目の前の丘の頂点を見る。「頂上はあそこのわけがない」まだ遥かに奥である。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
ポーランド氷河全景
C1(5900m)から見上げる。氷がテカテカと光り、初対面時はものすごい威圧感があったが、トレース後は馴染み深くなった。中央左の白縞の顕著な岩をからめて登った。スカイラインは6600mほど。山頂は右上へ伸びるリッジを辿った先で、見ることはできない。
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東稜上にて
氷河を抜け、ナイフリッジをたどり、気が萎えそうなほどの偽ピークを越える。頂上までは、苦しく長い闘いだった。岩の色に変化が見え、山の威圧感が軽くなる。「あそこを越えれば本当の頂上があるんじゃないか」ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
アコンカグア山頂6959m
足下の雪が切れ、アイゼンの爪を岩礫にきしませながら歩を進めると、小さな十字架が傾いている場所があった。「着いた」。山頂は寒風吹き抜ける高所。南米最高点に立っているなんていう感慨に浸るより、早く下りたかった。指先の感覚がない。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
山頂からの景色
何ものにも縛られない登山がしたかった。ひとつのチームとして対等な仲間とともに自分たちの力だけでやる山。それを実践しこんな景色に巡り逢えた時救われ、登頂を成した時自信になった。こをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
ムーラの死骸
下山はノーマルルートを使った。帰路、アプローチルート上に荷運びのムーラが倒れていた。途中で力尽きるとそこで倒れ、命絶え、やがて自然に返ってゆく。我々は街に帰ってゆく。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。

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