ルート40
南米パタゴニア チリ〜アルゼンチン Ruta40 2000/2/24-3/12
プエルト・ナタレス(チリ) パタゴニア縦断を目指して北上を始めたばかりだというのに、すでに何人ものサイクリストに出会った。「ルート40(Ruta Cuarenta)をやる」と言うと、そこで吹かれた風を思うのか、誰もが口元に意味ありげな笑いを浮かべて返した。 |
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チリ〜アルゼンチン国境 アルゼンチンへと国境を越える。アンデスに沿ってパタゴニアを縦断するルート40のチャリ旅本番。地図上に一本単純に引かれた線は、実際どんな世界なのか。自分の足で進み、自分の目で見るんだ。 |
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カラファテの町を発つ ルート40はカラファテを出ると600kmの間、町はない。不毛のパンパにダートの道が伸びるだけの単調な景色が続く。対して旅は単調ではない。鳥さえ飛ばぬ強風に狂気し、透明な空に感動する。「やめたい」とは思わなかった。 |
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ひとりの旅 日に行き交う車はほんの数台。ある時後方からランドクルーザーがやって来て減速し並んだ。開いた窓からボトルを掲げ、「水は」と声をかけてくれた。助手席には奥さん、後部席には兄妹。こんな荒野を家族旅行とはなんと粋な。 |
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エスタンシア・ラ・シベリア 限られているが補給できるところがある。エスタンシアと呼ばれる広大な敷地の主の住処だ。ルート沿いにそれが現れると、救われた気分になる。そこを発つ時は、また海原へ漕ぎ出すような寄る辺なさを感じる。 |
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直線 空、地、視界の真ん中を横切る地平線。究極的にシンプルな世界。地を見つめて走っていると、轍にチャリのタイヤ跡を見つけた。風に翻弄され、走り易いところを求め、蛇行している。正体は見えないが、同じ仲間の存在に力をもらう。 |
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リオ・チコ川畔 緑繁る場所には必ず水がある。砂礫ばかりの道の行く先に緑が見えた。そこへ達するとゆったりとした川の流れがあった。川畔へ下りキャンプをする。熱る体を冷すために川へ飛び込む。存分に水も手に入る。 |
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リム調整 重荷と悪路と金属疲労でタイヤの円形に歪みが出始めた。張り具合を調整するが完全修復はできない。次の町ぺリト・モレノまでもってくれ。そこまでは何としても自力で走り切りたい。いたわるようにペダルを漕ぐ。 |
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色彩 ぺリト・モレノへ100kmを切った頃、大地に変化が出始めた。この辺りだけ赤黄緑の色彩と起伏や奇岩が見られるようになり、走ることが楽しかった。よくぞこんな一帯に道を切り拓いたものだ。 |
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ぺリト・モレノ遠望 果てに、町が現れた。ペリト・モレノ。その響きは心の拠り所であった。水が低い方へと流れるように、人は低いところに好んで住む。台地から下って町へと入っていった。だが旅はここで終わりではない。 |
Ruta40の詳細情報(2000/3当時)あり。問い合わせはこちらへ。