丑年生まれ、抱負は?

          加山雄三

 「来年の芸能活動五十周年を盛り上げるように、今年もコンサートツアーや絵画展を続けていきたい。準備の年だね」−。
 1960年代、映画「若大将」シリーズや、今も歌い継がれる「君といつまでも」「お嫁においで」などのヒット曲で絶大な人気を誇った加山雄三も、今年四月に七十二歳になる。黒く日焼けした健康的な肌、厚い胸板、優しく朗らかな笑顔と、海が似合うダンディズムは今も健在だ。
「年齢は、自分なりの生きざまで尺度を決めるべきだ。三十代には三十代の、四十代には四十代の青春がある」というのが持論。
「青春とは何か?それはやる気。燃えればいい、感動すればいい。それを失わない限り、ずっと青春でいられるんだ」と話す姿はさすが「若大将」だ。
 実際、ライブなどの合間に絵を描けば、作曲や船の設計もするなど、七十代になっても精力的に活動する。
燃えれば、いつまでも青春
「現状維持は退化。進化し続けて、やっと現状維持なんだと思う。本当の不変性とは努力とともに変化していること。変化していなかったら不変ではないんだ」と熱く語る。
「新しいものをすぐに吸収したくなる性格」で、新しい電子楽器やゲームにもすぐに挑戦する。
「今年は新しいジャンルの仕事を始めようと思っているんだ。不言実行主義だから、今は明かせないけど」。
楽しげな笑みには、若さがあふれていた。

(かやま・ゆうぞう=1937年4月11日生まれ)

この記事は2009年1月1日に京都新聞に掲載されたものです。
滋賀のAさん、ご提供ありがとうございました。

09年01月03日新設
10年11月04日更新