「若大将のゆうゆう散歩」の裏側
(週刊女性 2012年5月29日号)       
「週刊 女性」に掲載された記事をレポートしました。
お楽しみください。
「ちい散歩」の後継
  「若大将のゆうゆう散歩」のウラ側
長期療養に入った地井武男(70)から、人気番組をバトンタッチされた加山。若大将といっても「後期高齢者になる、爺ドルだけどね」と笑う彼だが、その裏側には、”ゆうゆう”とは言いがたい、壮絶なるお金の苦労があったー
「5月7日の初回放送を行った浅草では、周りに人が集まりすぎて浅草寺参拝を断念。町の人との会話でも、男気あふれる若大将全開と、その”スターっぷり”が面白い。ただ、ブランコに乗ったり、スタッフと食べ物を分け合ったりとほのぼのしていた地井さんとは、かなりテイストが異なる。今までの視聴者がついてくるかは未知数です。」(テレビ局関係者)

 本誌記者にも人気の番組「ちい散歩」(テレビ朝日系)が地井の病気療養で終了。後継番組として始まった加山雄三による「若大将のゆうゆう散歩」だが、そのウラではこんな話が囁かれていた。

「加山さんのご自宅は、土地も建物もすでに売却されて彼の所有じゃなくなっているそうですよ。あのスターが75歳にして連日拘束される番組を引き受けたのも、お金に困っているからでは?」(芸能プロ関係者)

思えば加山は過去に、父と叔父が経営する茅ヶ崎のリゾートホテル倒産のあおりで23億円の負債を抱えたこともある、芸能界の”借金大将”。今回も何かあったのかー。
 そこで本誌は、ことの次第を直撃インタビュー。すると加山は意外にも鷹揚にうなづき、笑顔で話し始めた。

成城4億円豪邸 愛する船・光進丸 
夢のスキー場 
すべて手放して
「売ったのは、もう8〜9年前かなぁ。でも、あの家には長く住んだから、愛着もあったんだよね。買ってくれたのは昔から縁のある人で”そのまま住んでください”って言ってくれて。今は家賃を払って賃貸で住んでるの」

 売却価格については。「先方のあることだから・・・」と言葉を濁す加山だが、高級住宅街・成城に200坪、土地だけで3億円、上物と合わせて4億円は下らないであろう豪邸で、約35年を過ごした自宅を手放すのは大きな決断だったはず。いったいなぜ?

「俺は夢だったスキー場を20年間やったんですよ。ところがこれが1回も黒字にならなくてね。それでも頑張って頑張って続けるため、資金の調達のために売却したんです」

 スキー場というのは、バブルの絶頂であった’90年に新潟県・湯沢町に開業した「加山キャプテンコースト」のこと。総工費100億円とも言われたが、昨年7月についに閉鎖。

「20年間で数十億円つぎ込んだね。やめるという決断とタイミングは本当に難しかったけど、やめてよかった。東日本大震災の影響を思うと、あの判断は決して間違ってなかったと思うよ。スキー場の土地は今も僕が所有している部分もあるし、分散して地元の人たちが持ってる部分もある。湯沢との縁はまったく切りたくないから、今後も何かやりたいと思ってるよ」

 コストのかさむスキー場の経営。つぎ込んだ額は20億超とも言われ、いくら加山とはいえ仕事だけでは穴埋めできなかったのだろう、さらに、こんなものまで売っていた。

「家だけじゃなくて、船も手放したよ」

 彼の船・光進丸といえば、前出のホテル倒産後の極貧生活を送っていた時でさえ、手放さなかったことで有名だったはず。今回の決断に迷いはなかったのだろうか。

「後悔はしてないよ。自分の夢をやりきったからね。(家や船が)自分のものでなくなったことは、全ッ然なんとも思わない。だって資産とか金なんて、あの世に持って行けないじゃん。だから俺には資産はもう、なんにもないよ。いらないもん。後期高齢者だからね。子どもたちが争いを起こすのだって嫌だし。俺も親父がらみの遺産は43万円しかなかったよ」

 巨額の資産を失っても笑い飛ばすスターの貫禄には恐れ入るが、自宅も船も失い、夢のスキー場も閉鎖。状況が深刻なのは見てとれる。

 そんな加山のもとに舞い込んできたのが「若大将のゆうゆう散歩」のオファーだった。

「俺は運動不足でさ、メタボリックでちょっとやばいな〜、と思ってたんだ。運動しなきゃと思っていたら、歩くことが、仕事として来たからびっくりしたね。これは天が”お前、そんなメタボじゃダメだ”と言ってるな、と」

 ちなみにこの番組、コンセプトは派手ではないが、前番組「ちい散歩」の収益は決して地味ではない。テレビ局関係者はこう話す。
「製作コストがかからないので出演料に回せる。地井さんの場合は、1本30万円で週5回。加山さんはクラス的に地井さんよりギャラが高いですから、1年に換算すると億でしょうね。ほかにも番組で作った”ちいちいバッグ”などのグッズのロイヤリティー収入も莫大で。歩いて稼いだ”散歩長者”なんて言う人も」
 加山はCDやDVDにとどまらず、絵画やギターなどオリジナルグッズ販売に熱心な俳優。これは”ゆうゆうバッグ”発売も
ある?

「へぇ〜、そうなの?だから彼はカッコいいの持ってるんだ。知らなかった。今は何も決まってないけど、夢がある話だね。やってみたいね」

 と、瞳を輝かせる加山だが、年齢は地井よりも5つ上だけに、こんなウラ話も。

「地井くんなんか歩道橋の階段もひょいひょいと上がってさ、カッコいいんだよ。その点、俺は上り方も”無理しちゃって”って思われてるかもな。それに多い時は1日1万3000歩ぐらい歩くんだけど、3日後に足が痛くなる。若い人なら次の日に来るんだろうけどね。年寄りの証拠だよ(笑い)」

 寄る年波には勝てない様子に、やっと親近感?

「昔は町を歩くとすごい人数に囲まれちゃって、にっちもさっちもいかない、なんてアイドル時代もあったけど、今は”爺ドル”だからだいぶラクだね(笑い)」

 最後に、今後お金が貯まったら、手放した自宅を買い戻すのか尋ねてみると、

「いやぁ、わかんないなぁ。あの大都会のど真ん中には、いわば仕事のために住んでただけなんだよね。だから、「サライ」じゃないけど、俺は故郷の湘南に帰りたい。場所は決めてないけど葉山とか逗子とか海が見える高台でさ。今、俺が真剣に取り組んでるのはエコのことね。再生可能エネルギーだけで走る、最高のテクノロジーの詰まった世界初の船の計画してるよ。まだまだ時間はかかるけどね」

 家を失っても船を失っても夢を語る若大将。きっと変わらないいつまでもー。

でんでんの知ったかぶり
皆さんは、この記事を読まれてどう思われましたか?

私は、こう思います。この記事が一言一句、間違いなく加山さんの言葉を再現されているものであれば、家や光進丸の売買については、疑いのない事実と受け止めたいと思います。(「キャプテンコーストの収支が赤字だったのは、容易に推察できますから)
しかし、おうおうにして、この手の記事は脚色されている場合があります。「名義を変更している」という加山さんの言葉を受けて、売却という表現をしている場合も十分考えられます。

私は、税金対策として名義の変更(個人所有ではなく、会社の所有物に)をされているのだと思います。皆さんはどう思われますか?

2012年05月24日新設