「バイオハザード スペシャル対談」

今回、『バイオハザード』シリーズ15周年ならびに「リベレーションズ」の発売を記念して、歌手・俳優としてだけでなく、作曲家や画家としても知られるなど、多方面に活躍している加山雄三さんと、知性を感じさせながらもユーモアを交えた語り口で、年齢性別を問わず幅広い層から支持されているフリーアナウンサーの鈴木史朗さんという、芸能界きっての『バイオハザード』通として知られるお二人による豪華な対談が実現した。

■「バイオハザード」シリーズの魅力とは?

--初めてプレイした『バイオハザード』と、今までにプレイしたシリーズを教えてください。

鈴木)僕は1996年に発売された最初の『バイオハザード』(以下:『1』)を、きっかけは忘れましたが発売から半年くらい経った頃にプレイし始めたんです。今までのゲームとは全然違うリアルな感じにビックリしましたね。

俺は『1』から『5』まですべてプレイしてるよ。『バイオハザード』以外もゲームはアーケードゲームの初期の頃からずっと継続して、途切れることなく今でもゲームをプレイしているからね。RPGとか他のジャンルのゲームもプレイしてる

鈴木)それはすごいですね。加山さんは広範囲にやられてますからね。僕は気に入ったのを深追いするタイプなんですよ。それからゾンビがゾロゾロと出てくるのが意外とダメでね。だから『2』以降は少しプレイしてはやめるというのをくり返していたんですが、そのうち『4』にぶつかってハマったんですね。『4』は新種のクリーチャーだったでしょ。あれが良かった。

しかし最初のは恐かったなぁ。

鈴木)『1』は恐かったですね。

ゾンビが変な動きをしているのが恐いんだよな。それから扉開けるのも恐いしさ。夜中に一人でプレイしていて、敵が出てきた瞬間に全身がゾーッとなる。“総毛立つ”っていうのはああいうのを言うんだよ。

鈴木)ショッキングでしたねぇ。それから『1』には恐さやすごさにプラスして、妙な美しさがあったんです。ちょっとクセになりそうな、耽美的ともいえるグラフィック。それに魅了されましたね。そしてジルが結構かわいかったんです。

--最も好きなシリーズを教えてください。

俺は今『5』をプレイしているから『5』かな。武器はほとんどが無限大になるまでやりこんでいるよ。

鈴木)それはすごい!

特に3連ショットガンのハイドラが、意外に攻撃力があって楽しいね。遠い場所にいるやつはロケラン(ロケットランチャー)でガンガン倒すんだけど、いきなり背後から近づかれた場合にはやっぱりショットガンのハイドラだね。そしてCPUのシェバにはロングボウだけを持たせる。それで十分。「ASSAULT」の指示を出しておけば彼女がバンバンやっつけてくれるから。

鈴木)シェバはいいですね。最高にいいな。

ルックスがいいし、セクシーだね。コスチュームもいろいろあるから着替えさせてプレイしている。

鈴木)僕はチャプター2くらいまでプレイしましたが、武器はすべてシェバに持たせてるんです。そうすると勝手に相手を倒してくれる。あれはありがたいですね。

「ASSAULT」でね。

鈴木)僕は今でも『4』の「マーセナリーズ」にはまっています。ステージ2の古城で20万点を出した人がいるという噂を聞いて、それに到達しようと頑張っているんですが、今はまだ19万7千点ちょっとなんですよ。

それでもすごいよ。

--印象に残っているシーンを教えてください。

いっぱいあるね。

鈴木)どのシーンもスタッフの作り込みがすごいですからね。すぐに思い出せるのは『4』ですが、全部すごいですよ。けど一番はクラウザーとの戦いかな。あそこはやっぱりすごい。勝ったときには感動して、夜中でも飛び上がりたくなってしまいました。

クリアしたときは、朝の4時でも「やったー!」と叫ぶんだ。けど周りには誰もいないんだよ。そのときは自分はバカだなって思うね(笑)。

鈴木)孤独な戦いなんです。しかしあの達成感はいいですね。あと『4』の中で好きなのは、クラウザーとの戦いの後で訪れる戦場のような場所。あそこは実際の戦場とよく似ているんですね。ただ、僕らは戦線を体験していますが、『バイオハザード』の方がよっぽど恐ろしい戦場です。

本当にそうだね。

鈴木)実際の戦場はもっとのんびりしていると聞きますから。

あそこは3人のガトリングガナードが機関銃で撃ってくるのが、やっばり強烈だね。

鈴木)僕はお城のシーンも好きなんです。あれはキレイでした。

本当にすごいよね。

鈴木)僕はヨーロッパのお城が好きでよく見ているんですが、城の中に水の広場があるのはイスラムの影響だと思います。しかしアルハンブラ宮殿にある水の広場は外でしょ。中にあるのはすごいアイデアでした。ビックリしましたね。

水の中から通路が上がってくるところね。

鈴木)あの水の中にサメか何かがいるんじゃないかと思いましたけどね。

--印象に残っている敵を教えてください。

鈴木)全部すごかったけど、U-3も恐かったし、地下道に出てくるヴェルデューゴ。あれもすごかったですね。サソリの化け物みたいなやつ。

ガーガーガーガー言いながらいきなり現れるリヘナラドールも恐かったね。エルヒガンテもいやだったな。何度か潰された。あとは蚊みたいなノビスタドール。敵以外だとギロチンや洞窟の中での岩落とし。ああいうのもおっそろしいよね。

鈴木)本当によく出来ていますね。息つく暇がないところも『バイオハザード』の特徴ですね。一難去ってまた一難。次から次へですよ。楽しいのは大きな湖で、巨大なサンショウウオのようなデルラゴと銛で戦うところ。初めは恐かったんですが楽しめました。

浮いている根っこみたいなのを操船で避けなきゃいけないんだけど、あれは本当も船の操作と似ている。なかなか良くできているなと思ったね。それからクラウザーとの戦いで、ナイフとナイフのこすれる音もすごかったな。

鈴木)あそこの戦闘も良かったですね。あれはすごかった。

あのナイフが鉄板に刺さるんだよね。相当な鋭さだなと。

鈴木)僕はアメリカのナイフはみんなこうなのかと思いましたね。

けどやっぱりクラウザー戦は苦手だな。強すぎだよ。『5』のウェスカーも強烈、ハッハッハ(笑)

鈴木)そういえば、CMでご一緒したときの加山さんの挨拶が秀逸だったんです。僕の顔を見ていきなり「クラウザー!」。この一言で理解し合いました。戦友です。

はっはっはっ(笑)。

鈴木)しかしクラウザーは苦しめられました。

今でも時々クラウザーのところでやられるんだよ。アクションムービーのボタンがいつも同じじゃないから大変なんだ。それでもクラウザーを倒したときは「やったー」と喜んだな(笑)。

鈴木)そうですね。

--『バイオハザード』をプレイするのはどんなときですか?

とにかくストレス解消だよ。武器はもう全部無限大になってるし。

鈴木)そうするまでがストレスの固まりですけどね(笑)。しかし寝る前はあまりプレイしない方がいいかな。興奮して眠れなくなってしまうので。

寝ないでプレイしちゃえばいいんだよ。ヨレヨレになっちゃうけど(笑)。それから武器がそろってきたら、ギャラリーがいるところでプレイするのが楽しいんだ。映画を観ているみたいに、「キャーキャー」言って喜んでくれる。

鈴木)それは僕はやったことがないので、ぜひやってみたいですね。

■「バイオハザード」二人の好みの違いは?

『バイオハザード』シリーズにおけるさまざまなシチュエーションについて二人に答えていただいた。

--好きな武器を教えてください。

地雷が面白いんだよ。螺旋階段にひとつずつ置いていくと、迫ってくる敵がどんどん吹き飛ぶ。あれは最高(笑)。

鈴木)僕はマシンガン系が好きなんです。『4』にはマシンピストルというのがあって、なかなか使い勝手が良くてかなりの強敵でも倒せましたね。けどやはり最高なのはシカゴタイプライター。

俺もあれが一番好きだな。

鈴木)あれがあれば無敵ですからね。

連射しないで1発で倒す。それを時々ダッダッダッと3発撃ってみたり。

鈴木)あれは楽しめますね。1発で仕留める単射の楽しみ。

あとはマグナムも好きだし、『5』なら3連ショットガンのハイドラが好きなんだよ。強烈で至近距離で撃つとほとんどの相手は吹き飛ぶからね。

--朝起きたら『バイオハザード』の世界。ジルとクリスなら、どちらとタッグを組んでこの世界から脱出しますか?

俺はやっぱりジルだな。

鈴木)僕もジルかな。助けたり助けられたり。ジルの方が自然じゃないかな。

--追跡者に追いかけられています。ゾンビ10体の部屋、ゾンビ犬5匹の部屋、リッカー3匹の部屋、チェーンソーマジニ1体の部屋、ゴキブリ1000匹の部屋、どの部屋に逃げ込みますか?

ゴキブリは手榴弾で全部いなくなるからな。どんな武器を使ってもいいならどの部屋でも大丈夫。チェーンソーマジニはハイドラでもちょっと外しただけでヤバいよな。

鈴木)ゾンビ犬5匹の部屋はマシンピストルを使えばすぐに殲滅できる自信があります。武器をレベルアップしていればどの部屋も恐くないですね。

--あとひとつアイテムを持てるとしたら何を持っていきますか?

鈴木)救急スプレーでしょ。救急スプレーがあれば多少やられても、ゾンビ系なら大丈夫。

場面にもよるけど、無限を持っていなかったら俺は弾薬がいいね。

鈴木)僕は弾薬が切れたら、ゾンビ系ならナイフで戦いますね。

それっきゃないよな。そうですね。

--ジルとジェシカがクリーチャーに襲われています。どちらを助ける?

鈴木)『リベレーションズ』のジェシカをまだ良く知らないので、やはり『1』のイメージが強いジルかな。ちょっと東欧的な雰囲気を持った顔立ちがいいですね。

ジルは『5』だと悪いやつにされちゃってるからなあ。ジェシカもかわいい顔をしてるね。

鈴木)『1』でジルに惚れ込んだだけにつらいなぁ。ジェシカはセクシー系ですね。けど僕はかわいい系がいいです。そうなるとジルの方がかわいいかな。

『バイオハザード』に出てくる女性キャラクターは、みんなそれぞれいい女なんだよね。ドラマチックな印象が強いエイダも好きだったけど、シェバを助けておいた方が後で頼りになるよな(笑)。

鈴木)それはそうだ。最高だな。僕もエイダは好きですね。孫娘に似ているんですよ。

--任務を受けて赴くなら、洋館、ラクーンシティ、ロック・フォート島、アフリカ、豪華客船のどこに行きますか?

鈴木)僕は洋館。印象が強いから行ってみたいなぁ。

興味があるのは最新作の豪華客船だよ。洋館は地図が全部頭の中に入ってる(笑)

鈴木)最新作の豪華客船は幽霊船のようで興味がありますね。私も洋館以外だったら豪華客船かな。

■新作「バイオハザード リベレーションズ」の
 感想は?

--最新作『バイオハザード リベレーションズ』についての感想を教えてください。

鈴木)扉を開けると何かが出てくるような恐さが、『1』に通じていますね。だから僕は、変な言い方かもしれませんが親近感を持ちました。船室のあちこちに何かがいるわけでしょ。船室は広い、そして階段。これは大変だ。

『1』の洋館みたいだな。

鈴木)洋館も船室に似てますもんね。閉鎖された空間で……。

両側に扉があるところとかね。

鈴木)だから『1』に近い、恐くて美しい世界が見られるんじゃないかなと僕は思っています。

俺は船に乗ってるから、それをちゃんと再現しているのかどうかが楽しみだな。船は色々な機能を持っているからね。

鈴木)新機能の「ジェネシス」は、探知能力がある一種のレーダーですね。敵もスキャンできるようですから便利でしょうね。

タッチスクリーンでの直感的な操作は簡単でいいね。

--今後の『バイオハザード』シリーズに求めるものを教えてください。

『1』『2』『3』は完全な客観視点だったんけど、『4』『5』は主観視点的になっている。それを自分で、切り替えられたらいいね。それから『1』『2』『3』を今の技術で再現してもらいたいな。どうなるか興味があるし、そうすればシリーズがいつでも楽しめるようになるから。永遠のコレクションだよ。昔の雰囲気もいいんだけど、今プレイしてみるとやっぱりCG的には見劣りしてしまう。今のクオリティがあまりにも高いからね。

鈴木)僕も『1』を今のクオリティで再現したらどうなるのか興味がありますね。客観視点は、『4』でアシュリーを操作するときに客観視点になりますよね。難しいかもしれませんが、あれを取り入れられたらいいですね。

--お二人にとって『バイオハザード』とはどんなものですか?

鈴木)“人生のロスタイムにいただいたプレゼント”ですね。このおかけで老化が防止できる。免許の更新のときに非常に役に立ちます。

あはは、おもしろい(笑)。

鈴木)本当ですよ、加山さん。僕ら運転免許の更新で講習受けるでしょ。あれは講習というよりも、知力と体力と判断力が試される3時間のテストですよ。あの成績が『バイオハザード』のおかけで良かったんですね。

ええっ? そう? それはレースゲームで鍛えた方がいいんじゃないの(笑)。

鈴木)「バイオハザード」だからいいんです。ゲームというのはそういう意味では色々なものに役に立つと思いますね。

俺が『バイオハザード』にはまった理由はとても恐ろしかったから。気持ちは恐いんだよ。扉を開けたら何が出てくるのか、本当に総毛立つ。慣れてくれば全然恐くないんだけどね。

--最後に、まだ未体験の人に『バイオハザード』をお薦めするとしたら……。

鈴木)『バイオハザード』は人間力のアップに役立つと思います。今の世の中、平和を愛する素晴らしい若者たちであふれていますけど、学校で「今、もしも親や兄弟が危険な状態になったら、どのように助けますか?」と聞いたところ、10人中7人が「逃げる」と答えたんです。僕は物凄くガッカリしましてね。こいつはイカンと。だから『バイオハザード』をやりなさいと言ったんです。恐怖や危機に耐える男の根性、そして男らしさを鍛えるために役立ちます。もちろん女性の方もプレイしていいんですよ。『バイオハザード』は面白いし、恐ろしいし、加山さんがおっしゃった“総毛立つ”ような爽快感も味わっていただける。そう思いますね。

最近はアウトドア指向からインドア指向に変わってきていて、塩水がベタベタするからとか、砂が足につくからとかいう理由で、19%の人間が海はきらいと言っている。何をバカなことを言ってるんだ、そんなことでは人間として生きていく資格はないぞと。自然の中で生きていく恐ろしさをきちんと知るべきであって、それをわきまえた上で空いた時間にゲームをプレイすると、大自然の中の自分の非力さを知りながら、脳のトレーニングができる。『バイオハザード』をプレイすると、地図や攻略の方法が頭の中にどんどん入っていく。そういう意味では覚えるという訓練になるし、反射神経は間違いなく向上する。トレーニングになるね。もちろん子供の場合は、勉強をする時間とゲームをする時間はきちんとわける。それが大事。そして親も分別とゲームの楽しさを理解してプレイすれば、それが今度は子供との絆になる。だから親もプレイしてほしい。

鈴木)加山さんがおっしゃったことは、大学のリポートでも証明されているそうです。ゲームが絆を深める、脳の発達にもいい、老人にとっては痴呆症の防止にもなる。僕はそれを読んで元気が出ましたね。ぜひ『バイオハザード』をプレイして、色々な可能性を追求してください。もちろんやらなきゃいけないこととゲームのけじめをつけてね。

そのうちおばあちゃんでもゲームをプレイするようになるよ(笑)。

鈴木)ゲームは可能性を広げるものですから、やってみて損はないですよ。それがシルバーゲーマーの我々からの提言です。

2012年06月12日新設