「若大将はまぶしい存在」

 (読売新聞 2012年6月23日)

読売新聞の「昭和時代」特集に加山さんの”証言”が掲載されていましたのでご紹介します。

東京のM・Mさんから情報いただきました。 ありがとうございました。

「若大将」シリーズに主演した加山雄三さん(75歳)
「若大将」シリーズは、復興が一段落し、生活を楽しめるようになった昭和40年代の雰囲気にちょうどうまくあった。戦前、「若だんな」シリーズを手がけたプロデューサー藤本真澄の手柄だった。

 当時はレジャー開眼の時代。ただ、何をして遊んだらいいのか分からないところがあった。若大将はまぶしい存在で、映画を見てスキーやギターを始めた人がいっぱいいた。今、若大将はたくさんいる。30年は先取りしていたと思う。

 情報だけ入ってきていたので、14歳で船を造ったし、高校1年で雑誌の写真を見ながらサーフィンボードを自分で作った。乗ってみたら、ハワイスタイルの波乗り第1号って、新聞で報道されたよ。水上スキーもダイビングも、かなり早いうちにチャレンジした。そうした経験が映画に生かされた。

「アルプスの若大将」には、スキー選手で五輪の金メダリスト、トニー・ザイラーが友情出演している。日本のスキー場に彼を招いたことがあり、ジュネーブでのロケ中に偶然再会したので、出演を依頼したら二つ返事で応じてくれた。

 やる気があれば何でもできた。今は選択肢が多くて、選ぶのに迷うし、すぐ競争になる。自分は自分、と楽しむことができなくなっているんじゃないかなあ」

2012年06月27日新設