「どう?!これ」

 (神奈川新聞 6月13日)

神奈川新聞に掲載された加山さんの記事です。
”ハマちゃん”さんからご提供いただきました。ありがとうございました。

 言わずと知れた国民的スター、加山雄三。エレキギターをかき鳴らし、老若男女を魅了してきた若大将が、二つの冠番組に出演中だ。庶民派の一面や多彩な趣味の領域は意外性も満点。75歳になった今も、雄三ワールドは広がり続けている。「若大将のゆうゆう散歩」(テレビ朝日)は、地井武男の病気療養のため終了した「ちい散歩」の後継として5月に始まった。

 江戸時代からの商店街が残る東京・麻布十番を訪れた回。甘い物に目がない加山は「一口だけでやめとけって奥さんが言ってたけどさ」と言いつつ、二口、三口とたい焼きやソフトクリームをほおばる。立ち寄った呉服屋の主人から声を掛けられると、「歩くからメタボにはちょうどいい」と日焼けした顔に笑みが。

 行きつけの食器店があるという東京・かっぱ橋道具街の回でも甘い物にありつく。「食べた後、幸せになるんだよな」

 突如、町に現れた若大将に驚く通行人。だが、加山はあくまで自然体で、ちゃめっ気たっぷりに駄じゃれを放つ。

 一方、4月に始まった「アトリエde加山」(BSフジ)は、ゲストを招き、趣味について語り合う番組。谷村新司と陶芸を、水道橋博士と自転車・・・といった具合で趣味の達人らしい幅広さだ。

 鉄道模型のファンだったのは意外だが、「フランク・シナトラがジオラマ作って遊んでいた」などと、飛び出すエピソードはさすがスター級だ。番組では、鉄道がよりリアルに見えるように、模型の寸法にこだわった”独自商品”を提案していた。
「とにかく好奇心が旺盛で、初対面のゲストとも本質的な会話ができる」と絶賛する田平秀雄プロデューサー。番組立ち上げに際して、加山からこう言われたという。
「俺、昔のことには興味がないんだよな」

 新しい物好きで、常に前を向く姿勢が、きっとこの方のすごさ。永遠の若さに、ただただ脱帽だ。

2012年06月14日新設