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飢餓陣営叢書 

 ●飢餓陣営叢書8

 

近藤洋太『人はなぜ過去と対話するのか』
定価 2200円+税

「過去は死なない。過ぎ去ってもいない」
小山俊一、桶谷秀昭、田川建三、谷川雁、三島由紀夫、鮎川信夫、竹内好、吉本隆明。
それが書かれてから何十年経とうが、現時点でその思想家が著名であろうがなかろうが、生きつづけている思想はある。
それはひとりの人間になにをもたらすのか? 思想と対話しつづける現場からの報告。

[目次]  
▼「自己欺瞞」の構造~1972年 小山俊一ノート 
▼『革命的ロマンと倫理~1969年 桶谷秀昭ノート 
▼イエスの表情 ~1980年 田川建三ノート 
▼工作者の値札~1965年 谷川雁ノート 
▼空虚としての戦後~1970年 三島由紀夫ノート 
▼新宿というトポス~1982年 鮎川信夫ノート 
▼「戦争の二重構造」論~1952年 竹内好ノート 
▼戦争と聖書~1955年 吉本隆明ノート 
▼「超人間」という思想~1996年 吉本隆明ノート


 
●飢餓陣営叢書7


橋爪大三郎『マルクス講義』
定価 1600円+税

マルクスの「革命」からは何も見えてこない。しかし『資本論』には現代社会を考えるヒントがたくさん隠れている。
世界で最初に書かれた完璧な資本主義経済の解説書『資本論』は、どのような理論的な手続きによって現代に生かすことができるのか?
ゼロからの人にはもちろん、知ったつもりの人にとっても、目からウロコが落ちる「橋爪レクチャー」。
…マルクスは気分で資本主義を批判したのではなく、厳密な理論を考えたのです。
[目次] 
 ▼第1章 マルクスは現代の貧困を救いうるか~グローバル化の中の資本主義/資本家がいなくなった
 /いま、日本経済で起こっていること 
 ▼第2章 『資本論』以前のマルクスをどう読むか~マルクス主義は「宗教」か/マルクスの天才的着眼/
 ▼第3章 『資本論』をてかがりに日本を読み解く~現在の「デフレと失業」問題は『資本論』の議論とどう連関しているのか/『資本論』の単純化モデルの問題点/世界経済の未来はどうなっているのか ほか

●飢餓陣営叢書6



井崎正敏『〈戦争〉と〈国家〉の語り方』

定価 2000円+税

語るべきは<私たちの戦争>であり
<私たちの基本ルール>である

戦後日本において戦争責任意識の欠如と国民意識の欠如とは密接につながっていた。
それゆえ戦争論では感情的不毛な論争が繰り返され、対立するだけの国家観が語られてきた。
本書は、吉本隆明、丸山眞男、火野葦平、大西巨人、大江健三郎、松下圭一など戦後日本を代表する論者の〈戦争〉と
〈国家〉に関する思考に真正面から切り込み、空転する思想の対立を超え、戦争と国家を語るための基本的な枠組みを提出する。

[目次] 
▼序章 戦後思想、初心と挫折 吉本隆明の「戦争」 
▼第一章 われらが敵、日本軍 戦後民主主義者の「兵隊」像 
▼第二章 兵隊、わが同胞 火野葦平の「戦争」と戦後 
▼第三章 兵隊たちの抵抗 大西巨人の「戦争」 
▼第四章 軍国少年の夢 大江健三郎の「戦争」 
▼第五章 大日本帝国VS「村=国家=小宇宙」 大江健三郎の「国家」
▼第六章 国家は共同幻想なのか? 吉本隆明の「国家」 
▼第七章 憲法―私たちの基本ルール 松下圭一の「憲法」 ほか


●飢餓陣営叢書 5



村瀬学『徹底検証 古事記』
定価2200円+税

「火・鉄の神々」はどのようにして
「日・光の神々」にすり替えられたのか?

従来のアカデミズムには、古事記を「瑞穂の国」のあらすじにそって解釈してきた歴史がある。
そこには本居宣長以来、古事記を稲作共同体とその国家の物語とみなすイデオロギーがあった。
その結果、そうした読みではどうしても解釈できない情景がたくさん残されてきた。
本書は旧来の読みに対して、古事記は「鉄の神々の物語」であるという視座を導入して、新たな読みを提示する。
古事記は「火の神・鉄の神」が「日の神」にすり替えられた物語だという読みである。
まったく新しい古事記解読の一ページを切り開く画期的試み!

[目次] 
▼第一章 古事記のはじまり 
▼第二章 伊邪那岐命《いざなきのみこと》と伊邪那美命《いざなみのみこと》の神話 
▼第三章 天照大御神《あまてらすおほみかみ》と須佐之男命《すさのをのみこと》 
▼第四章 大国主神《おほくにぬしのかみ》 
▼第五章 天降り 忍穂耳命《おしほみみのみこと》と邇々芸命《ににぎのみこと》 
▼第六章 海神の国訪問


 ●飢餓陣営叢書4



 勢古浩爾『石原吉郎 寂滅の人』
 定価 1900円+税

壮絶な体験とは、人に何を強いるものなのか?
ラーゲリ(ソ連強制収容所)で八年間、過酷な労働を強いられ、人間として、体験すべきことではないことを体験し、
帰国後の生を、いまだ解放されざる囚人のように生きつづけた詩人・石原吉郎の苛烈な生と死。
「忘れられた」詩人を再発見し、生きることの意味、倫理のあり方を正面から問い直した、著者「幻の処女作」ついに刊行!


 ●飢餓陣営叢書3


小川哲生『生涯一編集者』
定価1800円+税

本書は400冊を超える人文書の貴重な「メイキング」です。
前代未聞の「著者への執筆依頼状」を含め、仕事の中身を大公開します!
吉本隆明、渡辺京二、田川建三、村瀬学、清水眞砂子、小浜逸郎、勢古浩爾……40年間、
著者と伴走してきた小川哲生は、どのようにして編集者となり、日々どのような仕事のやり方をしてきたのか。……あの思想書の舞台裏が明かされます。
きれいごとの「志」などではない、現場の本音が語られています。
あらゆる分野のクリエーター必読の書となっています。



 ●飢餓陣営叢書2


瀬尾育生『吉本隆明の言葉と「望みなきとき」のわたしたち』
定価1800円+税

「3・11大震災と原発事故。9・11同時テロと戦争、そしてオウム事件。
困難が連続する読めない情況に対してどんな言葉が有効なのか。
吉本思想の検証を通して生きるよりどころとなる言葉を発見する」


・はじめに―「望みなきとき」について
・第1章 吉本隆明の3・11言論と「超越」について
・第2章 『母型論』の吉本隆明と『戦争詩論』以後
・第3章 全体性の認識と文学の主張する場所
・第4章 オウム問題についての感想


●飢餓陣営叢書1



村瀬学『次の時代のための吉本隆明の読み方』
定価 1900円+税

本書は2003年に洋泉社から刊行されたものに、大幅な増補を加え再編集したものです。初版からだいぶ時間が経ちましたが、内容はまったく古びるどころか、吉本思想を活かしていくには不可欠の本になっている、と自負しております。
「吉本用語」の解釈に汲々とするのではなく、初期から『ハイ・イメージ論』までの主著について、一人ひとりが思考するためのヒントを縦横に引き出しています。ですから、このような発言があるのです。
《(吉本さんは大思想家というより)ものすごく試行錯誤の人で、修正体で、アメーバみたいに変形し続けてこられた人だと思います。そういう試行こそを後世に残そうとしている人であって、わたしが学ぶのはそのすごく柔軟な修正体のほうです。》
この間、吉本隆明氏について、自分のことを語るための追悼や論評、わかったようでいてまったく的を射ていない批判も見受けられました。そのような言葉とはちがった、読めば新しい世界が開けてくる思考がここにあります