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きっかけから入学まで

○ きっかけ
大学院挑戦へのきっかけは、昨年暮れに調布市内のある食事処で昼食を食べているときに偶然元同じ会社の研究所におられた先輩で知人の、現在調布市にある大学の教授をしているAさんにお会いしたことでした。 多分、20年振り位にお会いしたのですが、お互いに直ぐに分かり、近況を紹介し合いました。私は未だに情報システムの信頼性に興味があり、FTC研究会や日本信頼性学会などの活動に参加していることなどを話しました。 そして最近、FTC研究会で発表した論文の件も話しました。Aさんは私の話を興味を持って聞いて下さり、「当大学院でもそのようなことに興味を持っておられる先生がいますから、その論文を送ってください」ということになりました。
私は早速、家に帰るとメールでその論文をお送りしました。するとAさんから「一度、研究室へ話しに来ませんか?」とメールが来ました。私は興味半分で早速Aさんの研究室を訪ねました。 Aさんは、大学院入学への資料を取り揃えてあり、丁寧に説明してくれました。そしてその領域に興味を持っているというB先生を紹介して下さいました。
私はB先生にも論文の内容などをお話ししました。B先生は最後に「面白そうですね」と言われました。その一言で大学院へのチャレンジを決心したようなものです。大学院で研究し、もしできることなら博士号を取得するということは私の夢だったのです。
 
○ 受験準備と一般選抜試験
B先生からは、「まず手始めに3月1日開催のシンポジウムで何か一つ発表してみませんか?」といわれ、急遽発表することになりました。 締め切りまで1ヶ月ちょっとしかなく、厳しかったのですが、何とか間に合いました。
その後も月1回程度B先生を訪問し、入学できた場合の研究内容について相談しました。私の場合、修士課程を出ていませんので資格認定申請をして修士レベルの力があることを認定してもらう必要があります。その申請を6月15日に提出しました。この申請には、今まで発表した論文や学会等での活動内容の記載が必要でした。 そしてその結果が7月5日に発表になり、無事認定されました。まずは第一関門突破です。ほっとしました。
一般選抜試験は8月1日に行われます。試験内容は英語の試験と口頭試問および面接とのことでした。最近、英語の論文を読むことから離れていましたので、FTC研究会で無料で頂いたIEEEの学会誌の論文をいくつか勉強しました。 単語帳を作り、結局一ヶ月で200単語位覚えました。新発見はこの歳でも集中力を持てば記憶できるということでした。
そして受験の願書を7月15日に提出し、若い人に混じって8月1日に受験しました。英語はまあまあできたと言う感じでした。口頭試問は、もし受かった場合に行いたい研究計画についての質疑が中心でした。結構厳しい質問も出て合否は五分五分という感じでした。
発表は8月15日にあり、構内に貼り出すというので45年ぶりにドキドキしながら見に行きました。自分の受験番号を見つけたときにはやはりうれしかったです。
 
○入学式
10月6日に入学式があり、名実ともに65歳の大学院生が誕生しました。今回入学する大学院の新入生は22名とのことでした。その中には若い人に混じって社会人や外国の方も見かけました。私は最年長のようでした。 式は10時から始まり、まず若い新入生代表による宣誓があり、次いで学長による挨拶がありました。学長のお名前は学会などで昔からよく見かけていましたが、ご本人のお話を直接お聞きするのは始めてでした。「今、大学は独立法人化で厳しい環境にあり、大学の特長を活かした研究により発展して行かなければならない。そのためには大学院を強くする必要があり、特に後期過程(博士課程)に期待する。」というようなお話がありました。私も少しでも世の中の役に立つ研究を行いたいと強く思いました。これから学位取得へのチャレンジが始まります。 もちろん、これからも母の介護との両立は大前提です。
 
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(2005年10月7日)
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