ばんちゃんのホームページトップへ >母の在宅介護日記トップへ
 

介護レポート:2004年2月度
「赤ちゃん(ひ孫)の写真には絶大なる癒し効果あり!」

先月、私の娘に女の子が誕生しました。早速、写真を撮ってきて母に見せたら、母は大喜びでした。 写真を一枚一枚丁寧に見て感想や説明を加えるのです。「この写真はまだ生まれたばかりで 回りのことが分からないのでびっくりした顔をしているね」、「この写真は額にしわを寄せてじっと何かを考えて いるね」、「この写真は少し様子が分かってきたので安心して笑っているね」、「これは何か言いたそうだね。 しかし、まだ言葉が出てこないのだね。きっとおっぱいが欲しいだよ」などと30分見ていても飽きません。

これは在宅ヘルパーさん拒絶症の対策になると思い、早速この写真を在宅ヘルパーさんとの交代時に活用することにしました。 ヘルパーさんが来たときに二人の前に赤ちゃんの写真を出します。そうすると母はヘルパーさんに向かって説明を始めます。ヘルパーさんも「ひ孫さんですか? 可愛いですね」などとのってきますので母と二人で興奮気味にしゃべり出します。私はそのタイミングを狙って「子供が家に帰って いるので様子を見てくるね」などと言うと、母は「親が子供の心配するのは当然のことだよ。行ってらっしゃい」と言って快く出してくれます。 このやり方は今のところ8割方成功しています。しかし、ヘルパーさんが来たときに既におかしなモードになっているときには、 赤ちゃんの写真も効き目がありません。従って、如何にしてヘルパーさんが来たときに心穏やかなモードにしておくことが大事です。 次の日にどうしても早くヘルパさんと交代して家へ帰る必要があるときには、前日から準備をします。具体的には、母も自分も早めに寝て 朝6時には起きるようにします。そして食事、洗濯、掃除を少なくともヘルパさんが来る30分前に済ませます。そして母が落ち着いて編み物 などに集中しているようにします。そのように心穏やかモードにしておけば上記写真作戦はうまくゆきます。

この写真に関してもう一つの発見は、写真を何回も見せているうちに母はこの写真のことを覚えたのです。 ある日、母は「この写真は見たことがある」と言うようになったのです。これは2002年9月度で紹介した、 「母は徳永英明の歌”オリオンの炎”にハマッた!」で「オリオンの炎」のメロディ を覚えたのと同じです。きっと、右脳はアルツハイマー病に冒され難いために音楽や写真は覚えることができるのではないか と思います。右脳だけでも活発に働かせることは痴呆症を遅らせるために良い方向に働くと思いますので、 これからもこの赤ちゃんの写真を見せて感動させることを続けたいと思います。

今月の徘徊の様子は、徘徊実績に示すとおりです。 今月の特長は長時間徘徊の回数が減って短い時間が増えたことです。その原因はよく分りませんが、一つ 考えられるのは次のようなことです。最近、母は「ここがどこだか分からなくなったのでちょっと外を見て来る」 と言って出て行くことが増えています。外に行けば何か分かると思っているようです。短い時間外へ出て行くことを繰り返す のは、ここがどこかを知りたいと思っているからなのかも知れません。外に出て行くということは、頭に生じた「ここは何処か?」と言う 疑問を解決する積極的行動ですから、止めないで自由にさせておいた方がいいと思っています。

 10月11月12月1月2月
合計848分763分855分1282分1010分
回数32回28回26回31回36回
1回当たり時間26.5分27.3分32.9分41.3分28.1分
1回当たり60分以上の回数3回3回6回10回3回

 

○母との会話
1.テレビのクイズ番組を見ていて、司会者がこちらを向いてお辞儀をしたのを見て、
「あの人、私のことを知っているのかな?」
「どうして?」
「私の方を見て笑っているもの」と言って母もテレビに向かってお辞儀をした。

2.テレビの子供向料理番組を見ていて、「さとう大さじ一杯」と書いてあるのを見て、
「私の名前が書いてあるよ。私は何もしていないのに」
 (母の旧姓は「佐藤」だったのです)

3.イチゴにコンデンスミルクをたっぷりかけたのを食べながら、
「すごくおしいね!どうしてこんなにおしいの?」
「新鮮だからでしょう」
「イチゴがしゃべってくれたら、どうしてこんなにおいしいのか聞きたいね」

4.NHKの花子大助の漫才を見て、
「女の人(花子)の方が威張っているね。男の人(大助)は 後ろでしゃべらないで立っているだけだよ。世の中が変わってきたね」
「これは漫才だよ」
その後、上沼恵美子さんがしゃべているのを見て
「大したものだね。皆の前でしゃべっている。世の中変わってきたね」

5.NHKテレビ「ためしてガッテン」で山瀬まみさんが堂々としゃべっているのを見て、
「子供なのにあんなに堂々としゃべっているよ。えらいね〜」

6.国会中継のテレビを見ていて、
  野党の大げさな手振りでの質問に対して小泉首相が目をつぶって下を向いている
  のを見て、
「あの人(小泉首相)が一番偉いと思っていたが、叱られて下を向いているね」

○久しぶりに母と一緒に買い物
  
(2004年3月8日撮影)

(2004年3月11日)

戻る