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介護レポート:2004年8月度
「徘徊は大幅に減ったが、デイサービスに行かなくなった」

今月の母の振る舞いには、いくつかの目立った変化がありました。第一に徘徊が大幅に減ったこと、第二にデイサービスを拒絶して殆ど行かなくなったこと、 第三に幻聴や独り言を言う時間が増えたことなどです。身体的にどこか不調かと言うと、そのようなことはないと思います。 歩くことは今まで通りできていますし、一緒に行う料理などの日常行動も今までと変わりなくできています。 身体的な面より、痴呆の進行に伴う精神的な面の変化かも知れません。

第一の徘徊が大幅に減った件は、門まで行ったり、門のところにたたずんだりすることは結構ありますが、門から外に行くことが大幅に減りました。 (徘徊実績参照)  その原因はよく分かりませんが、体力的に衰えたというより、痴呆進行に伴う精神的な面の変化のように思います。第三の変化に示したように、幻聴や独り言が増えたことと関係があるように思います。 最近、幻聴は四六時中いつでも聞こえるようです。そして独り言も、幻聴(母は、「あっちの人が言っている」とか、「テレビが言っている」と言います)と会話をしているようです。 このように思考の関心が幻聴と独り言に向いているため、徘徊が抑えられているのではないかと思います。これはあくまでも私の想像です。

第二のデイサービスに行かなくなった件は、その傾向は今年6月頃からあり、いろいろな工夫により、ごまかしごまかし何とか行っていたのです。 しかし、今月後半からは今まで通じていたいろいろな方法が通じなくなったのです。その実績は徘徊実績の表 の中に記載していますが、8月20日以降では、5回の予定中、行ったのは1回のみでした。この傾向は9月に入ってからも続いており、9月12日までの実績では予定5回中、行ったのは1回のみでした。 その理由は分かりませんが、これも痴呆の進展に伴う精神的な面の変化のように思います。すなわち、自分が理解できる世界が狭くなり、他人を受け付けなくなり、その分、 自我が強くなったような気がします。迎えのヘルパさんも何とか行かせようと、手を変え品を変え誘いを試みてくれるのですが、 全く受け付けなくなりました。以前は、他人には気を使い、あまり強い自我は出さなかったのですが、最近はそれがなくなって 自我を強く出すようになりました。ヘルパさんにも「私は忙しくていけないと言っているのです!何回言えば分かるのですか?帰ってください。」などと ひどいことをはっきりと言います。

第三の独り言を言う時間が増えた件は、ベッドに座ったり、ベッドに横になりながら、ひとりでブツブツ、時には聞こえるくらいの声でしゃべっています。 長いときには1時間以上もしゃべっています。前述したように幻聴の相手と会話をしているようにみえる場合もあります。一例を下記に示します。
「あっちの人が、坂東愛子さんが悪いことをしたと言っている。私は何も悪いことをしていないのに・・・先生に言ってもただ笑っているだけで何も言ってくれない。 もうこんな所は辞める。こんな所にいられない。・・・あっ、今度はあっちの人が謝っている。間違いました、間違いました、と言っている。・・・・」

徘徊が減るのは良いのだが、痴呆が進んだ結果なのであればうれしくない。 今後、きっとデイサービスは全く行かなくなるでしょうから、その環境の中で如何に痴呆の進行を遅らせ、身体的な衰えを防ぐかが課題になります。 日常生活行動をできるだけ一緒に行うことを基本とし、更に機嫌の良いときにできるだけ散歩や買い物に誘う、「私の人生」を読んで聞かせてあげるだけでなく自分でも声を出して読ませる、 常に編み物の出だしを準備しておくなどの工夫を今まで以上に行う必要があると思っています。
今回、いつも母に読んであげている母の自叙伝「私の人生」の中から「幼少編」のみを掲載します。アルツハイマー病の治療法に回想法 というのがありますが、本内容はまさに回想法に最適だと思います。参考にご覧ください。

 10月11月12月1月2月3月4月5月6月7月8月
合計848分763分855分1282分1010分430分240分185分370分465分35分
回数32回28回26回31回36回12回17回12回31回18回3回
1回当り時間26.5分27.3分32.9分41.3分28.1分35.8分14.1分15.4分11.9分25.8分11.7分
1回60分以上3回3回6回10回3回4回0回0回1回1回0回

○編み物をする母
  
(2004年9月12日撮影)




(2004年9月12日)

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