H20.1.15
今年も学校でのいじめの問題がたくさん発生しました。その中でも神戸の高校生が今年7月に校舎から飛び降り、自殺したニュースが私の頭にこびりついているのです。警察の調べでは、同じ同級生の複数のものが、メールで「金払え」と、脅し取ろうとし、結局4名が恐喝未遂容疑で逮捕されたのです。自殺した生徒に対し、40万以上のお金を要求していたのです。「夏休み明けまでに金を払え、金を払わなかったら、何をされるかわからんぞー」と脅したのです。このいじめ自殺について、その後の対応が、テレビ、新聞でも大きく取り上げられておりました。他人事とは思えないので、興味を持って注視していました。学校関係者も当初は自殺はいじめが原因ではない、単なるふざけあいだと、主張していましたが、ここに来て、詳細が分って来ると、自殺の原因が各種のいじめの積み重ねであると認めました。7月に校舎から飛び降り自殺があり、今やっと学校側が対応の悪さを認め、被害者に謝罪をしたのです。新聞によりますと、いじめの内容が、しつようなお金の恐喝であり、勝手にルールを作って、払わんかったら退学にするぞー、それが無理なら登校拒否をさせるぞー、等の脅しであったようです。又インターネットを使い被害少年の裸の写真を無理やり取り、それを載せたり、偽ブランド商品を高値で売りつけたり、本当にひどいものだと思います。私はこれからも、事件の詳細が分れば、まだ逮捕者がでるのでは、と思っております。
脅され自殺した生徒は本当に苦しんだと思います。私も高校生時代、上級生のワルに恐喝された経験があります、出来るだけ会わないようにしていたのですが、遭うと必ず呼びとめられるので、とても嫌でした。自殺した高校生はメールで恐喝されたので、逃げることができなっかたのでしょう、苦しい気持ちが良くわかります。ただ私の場合は、家が貧乏でとても払えるお金がなかったのです、親にも学校の先生にも言えませんでした。殴られると思いましたが、大怪我をしたら、事件となり、きっと皆が取り上げ、味方してくれると思ったのです。
自殺しようと考える子に、あえて言いたいのです、それは自殺する勇気があれば、何でもできると思うのです。自殺を考える子にとっては大変な苦痛でしょう。他人にこの苦しみがわかるか?と思っていることでしょう。が良く考えてみてください、死ぬ勇気があれば、もっと多くの人に相談してほしいのです。学校の先生が取り上げてくれなくても、両親、友達、先輩、知り合い、警察にいってもいいのいですよー。勇気を出してください、きっと良い方向に向くと思います。それから貴方はまだ子供です、これから将来一杯良いことが待っています、悪いことばかりではありません、一時のことです、時間がたてば解決することが沢山あります。この時間、この苦難を辛抱し、克服すれば、ばら色の幸せが待っているのです、これが私に与えられた貴重な試練と思い、勇気をもって乗り切って下さい。
逮捕された生徒達は、「本当に金を取るつもりはなかったー」と述べておりますが、上手く行けば金が取れると思っていたと思います。恐喝した生徒達は本当に許せませんが、しかし今となっては、きっと後悔をしていることでしょう。授業にも出られず、警察と学校側の調査にふさぎこんで、昼食ものどを通らない状態であったと云われております。何気なく、いたずらで始めたことが、取り返しのつかない事態を招いたのです。これで高校生活はだめになります、又一生、罪の念が消えないと思います。被害者の少年、家族に対しどんな償いをするのでしょう、刑事裁判はもとより、民事裁判で慰謝料を請求された場合、相当高額になると思います、家族も含めて相当な償いを覚悟しなければいけないと思います。
私はこの様な事件が起ると、自分の道場に当てはめて見ます、私は貴重な稽古時間を中止し、全道場生を集め、この問題について説明と注意を述べました。道場生の中にいじめられている子はいないだろうか?恐喝されている子はいないだろうか?又逆に道場生の中に いじめに加担している子はいないか?君達は、ふざけていると思っても、いじめられていると感じているこ子もいるのです、と話しました。そして毎日唱和している「5条訓」を再度分りやすく説明しました、特に弱い立場の人に思いやりの気持ちを忘れないことーー、まして弱いものいじめは人間のくずだーー、と話しました。道場生達は分ってくれたと思いますがーー?最後に「わかってくれましたねー」と大きな声で言うと、「オッスー」の大きな返事が返ってきました。
もちろん自分達の道場生を信頼し、そんな者はいないと自信を持って言いたい気持ちはあるのですが、常に不安があります、70名の道場生、道場生になった期間もまちまち、色々な育ち方があり、親との協調がいま一つ不足している道場生もおります。道場生達は私の前ではすべていい子なのですが、−−保護者の方々の情報、学校での評判、私には色々な情報が入ってきます。今は大きな問題はないのですが、常にこれからも気をつけなければと思っております。
保護者の皆様、他人事ではありませんよー、うちの子に限ってーーー、と思っていると思いますが、最近のいじめの内容はとても複雑です、被害者と加害者がよく逆転するのです、メールがいじめによく使われるのです。私達が子供の時代と相当変わっているのです。注意を怠ってはいけないと思います。、よい子を育成するために
保護者の方々と指導者が一体となっての協力が是非必要だと思っております。よろしくお願いいたします。
子供達を叱る場合、何故叱られているのか、はっきり分かることが必要です、私は出来るだけ、わかりやすく何故叱るか、説明をします。しかしいくら説明しても、そして子供達が理解していても、直そうとしない子がいます。このような場合にはげんこつが飛びます。道場を怪我のない、真面目な規律あるものにするために、げんこつはどうしても最小限必要と考えています。
ただ「げんこつ」の件、私はあまりやりすぎると、子供達がまねをするので、控えようと思い、何かほかの方法がないかーーと思ったのですが、父母会総会の席上でも、又この掲示板からも愛情があれば「げんこつ」はかまわないとの多くの意見をいただきました。私は以前にもホームページ、師範のつぶやきの項目、「げんこつが必要なこともありますよー」で述べたことがあります。これからも、子供達の育成のために、げんこつの効果を冷静に考え、実行していきたいと思います。
尚私がげんこつを入れる場合は以下の場合にしようと考えております。
1.道場の規律を乱す、又危険な行為をしたとき。
・師範、指導員の注意を無視した時。
・弱いものいじめをしたとき。
・危険な遊び(休憩時間中を含む)屋根に上がる、二階からマットに飛び降りるなど
2.礼儀作法
・必要な挨拶が出来ない時。
・師範、指導員が大切な話としている時、聞かないで近くのものとしゃべること。
(今この場合が、げんこつが多い、辛抱して相手の話を聞くことも礼儀作法の一つ)
3.準備運動、ストレッチを手を抜いてやる者。
・柔軟な体は道場内で、試合で怪我防止に役立ちます、自分のためにも相手のためにも、懸命にやってほしい。
(身体が硬くても懸命にやっておれば、げんこつは入れない)
4.練習中
・空手の技について、注意されても、平気で無視するもの。
・練習態度を注意されても直さない者。
以上がげんこつをもらう場合ですが、入れられた本人がはっきり認識できることが必要です、即ち、これでげんこつを入れられた、理由がはっきりわかることが必要だと思います。
保護者の皆様、道場の規律を守る意味でも、道場生が辛抱できる子になるためにも、頑張っていきたいと思います、よろしくご協力下さい。
私は道場生達を本当によく叱ります、道場生にとってはうるさい師範と思っていると思います。そして時々は、げんこつをともなって厳しく叱ることもあります。ただ私の叱り方はこれでいいのだろうか?心配になることがあります。そこで効果的な叱り方について、勉強してみたいと思いました、又保護者の皆様にも一緒に考えてほしいと思いました。
私は定年まで勤めた会社から、今でも社内報(つばき文化)が毎月送られてきます。その中で「識者に聞く 叱り方のポイント」という題で、日本能率協会の斉藤勝美先生の講話が載っておりました、私自身、道場生の叱り方について、とても参考になりましたので、先生の話を引用しながら、私の叱り方を見直してみたいと思います。
斉藤先生は「叱る」とはコミュニケーション(意思の疎通)と1つと述べられています。「コミュニケーションとは、送り手の一方的なものではいけない。双方向で行うものです。受け手にこちらのメッセージをきちんと受け止めてもらわねば意味がありません、それには受け手の知覚範囲、いわゆる理解できる内容、言葉で行うことが前提となります。日頃からまめに情報交換をし、受け手について知る努力が必要なのです」と述べられております。
道場生は幼稚園から、小学生、中学生、高校一般まで多岐にわたっております。それから新しい道場生、長年やっている道場生、それぞれが充分理解できるような内容での叱り方が必要ー、それには道場生に常に話しかけ、その性格、育った環境も出来るだけ、頭に入れておく必要があると思いました。
斉藤先生は続けて次のように述べられております。
「組織に入り、目的を持って仕事をする上で、部下や後輩を叱らなければいけない場面は必ずあります。上司は部下を育成する、責務があるのです。生ぬるい甘い上司の下では、部下は育ちません。叱るには勇気、エネルギーが必要。手法、テクニックだけでは人は育ちません。ある程度、知識、経験を持つ部下の場合、ミスをおかしても、自ら反省し、悪かったことも気づいていることでしょう。注意するだけで十分というケースもあります。しかしそれだけで終わらせず、もう一歩踏み込んで下さい。本人がわかっていることでも、あえて言葉にして叱ってほしいと思います。叱るとは部下の成長を促すことであって、自尊心を傷つけるなどダメージを与えることではありません。−−−−−−−−」と述べられております。上記の内容は我々の道場にも全く当てはめられると思います。世間では子供に甘い、叱らない、優しいだけの、物分りの良い親が増えていると聞いております、失礼ながら私達の道場にも一部いると思われます、何をおいても子供中心、子供の自主性を尊重をするという名目で子供の好き放題にさせる親、私は間違っていると思いますので、どうか勇気を持って、子供の将来のために厳しく叱ってほしいと思います。
「部下の性格によって叱り方を変えるべきーー」と斉藤先生は言っておられます。
「部下を同じように叱っても、発奮してやる気になるタイプ、あるいは、落ち込み、萎縮してしまうタイプなど、受け手の個性によって、その結果に違いがあると思います。叱る時には相手はどんなタイプの人間なのか、どんな性格なのか、知ることが大前提となります。そして、相手に対して効果的な叱り方はどんなものかを考えた上で、個別に叱り方を変える必要があります。とは言うもののどんな場合でも、これだけは守らなくてはいけない、という基本的なことは押さえておかなくてはいけません。
1.事実は人の話や不確かな情報ではなく、叱る側本人がきちんとつかんでおく。
2.叱る時は時間をおかない。ホットなうちに。
3.基本的には1対1で。
4.あれもこれも重ねて叱らない。
5.人間性ではなく、行動を叱る。
6.抽象的な言葉ではなく、具体的な行動用語を使う。
「そして一般的にはあなたらしくない、あなたほどの人がーーー、など、相手の自尊心をくすぐり、最後に激励のことばで締めるーー、さらに叱られたことはマイナスではない、君の飛躍を期待しているのだーー、という言葉で終われば効果があるとーーー」
叱った後のフォロー
「部下の育成とは、部下の短所ではなく、長所を引き出すこと。そう語っていた故松下幸之助氏でも、人前で部下が失神するまで激しく叱ったそうです。しかしその後部下の家族に電話して、奥さんに「期待してるからきつく叱った。今日は気落ちして帰るだろうから、励ましてほしい」と必ずフォローをしていたとのこと。家族からそれを聞いた部下は感動し、いきいきと仕事をするようになったとのことでした。本人が落ち込んだら、そこですくい上げるーー、叱りっぱなしにしないことも大切です」
今日は斉藤先生の言葉を一杯述べさせていただきましたが、私も自信を持って基本を守って勇気を持って叱り続けたいと思います。よろしくご理解お願いいたします。