H15.05

 私が道場(体育館)の練習前の掃除と練習後の後始末の徹底を言い始めて約5年がたちます。文書でその必要性、大切さ、やり方について詳しく書き、説明もしました、又事あるごとに注意もし続けています。しかし残念ながら我々の道場で進んでしっかり出来ている人は5%程度(3〜4人)だと思います。皆さんの中には今の状態で十分と思っている人もいるでしょうが、学校では許されても、道場の掃除はこんなことで許されるとは思いません。この「師範のつぶやき」で再度その重要性について、又何でそこまで掃除についていい続けるのか述べたいと思います。
 空手協会の5条訓の始めに「人格完成に努むること」があります。私の解説には弱い立場の人にやさしい思いやりを、又奉仕の心を進んで実行してください、そして人にしてもらえる幸せよりも自分がしてあげられる幸せを実感できるような人になってくださいと解説してあります。しかしこれは子供達にとっては抽象的で具体的に何をしたらいいのかわかりにくいと思いました。そこで具体的で誰でもその気になればできる、しかも人間にとって基本的な大切な事「掃除をする」を取り上げました。松下政経塾の創設者、松下幸之助氏(松下電器元会長)が最初に塾生に言った言葉は、立派な指導者になるためには「先ず毎朝早く起きてしっかり身の回りの掃除をすることから」と言われたそうです。松下政経塾は皆さんご存知の通り国会議員や県会議員など政治家を多く育てている塾です。素晴らしい人しかいません、しかし掃除の大切さを理解し塾内の施設の掃除が実践できるまでに10年かかったそうです。青山支部はまだ5年です、頑張らねばと思いました。
 武道をやる者は掃除、後始末は基本的な修行の一つとして認識して下さい。掃除はただ単に環境美化というだけではなしに、「我が心のちりを払わん、我が心のあかを払わん」いわば自分自身の心もきれいにします。心静かに安定した気持ちで練習すれば厳しい練習にも怪我をせずに有意義な練習が出来ます。そのためにも清潔な道場は絶対必要です。
 もう一つの点は掃除をすることで奉仕の心を養ってほしいのです。ほこりのある道場は皆さんの道衣を汚します(寝転んでやる、腹筋、背筋、ストレッチトレーニング時等)道場生皆が真っ白い道衣で何時までも練習できるよう心を配って下さい。又我々の道場はあくる日、小学校の体育館として使用されます、生徒が最初に体育館に入った時に「わあーきれいなーー、気持ちがいいなあーー」と言われるようになれば良いですねー。まだその様な評価は出ておりませんが、将来、空手が使った後は床も舞台も控え室もきれいなーと自然に言われるようになりたいものですねー。後で使用する人が本当に喜んでくれる事、これこそ奉仕の精神です。
 

次に道場の掃除のやり方について再度述べます。
1. れんしゅうまえのそうじ
・モップのほこりおとしをする(戸外)、(モップをふるうとそれはすごいほこりがでます、ほこりが出なくなるまでふるってください)
・ゆかのモップかけをくりかえす。(これがいちばんじゅうよう、ひるませいとがしようするのでゆかはほこりだらけです、もっぷのふるいおとしをなんかいもやり、すきまなく、おおきいほこりをのぞきます、みんなにもっともちからを入れてほしいのはこのこうもくです)ピアノのした、ゆかのすみずみのもっぷかけもする。
・入り口のあしふきマットをふとんたたきでほこりをとります。(あまりつよくたたくとマットがやぶれますのでちゅうい)
・たいいくかんのさゆうのひかえしつのほうきかけ、およびぶたいのモップかけ。
・戸外のほこりおとしをしたばしょのほうきかけをする。
2. れんしゅうちゅうのそうじ
・れんしゅうがはじまるとどうじに、ぞうきんでぜんいんならんでからふきをする、(あしこしのトレーニングとともにちいさいほこりをとる)れんしゅうにおくれたひともかならずじっしする)(さいてい一おおふく)
3. れんしゅうごのそうじとあとしまつ
・モップをしょていのばしょにせいとんしてかたずける、(トイレがわのいりくちふきんのモップおきばのゆかめんにほこりがたまっているのでとりのぞく)
・ほうきなどのそうじようぐロッカーのせいとんをする。ぞうきんをせいとんする。
・しぶきをたたんでしはんにわたす。
・トイレのスリッパをせいとんする。
・たいいくかんのドアーをしめ、しじょうする。

 以上が掃除の実施内容です。塾や都合で練習前の掃除に遅れる人はれんしゅごのそうじをしっかりやてください。私は後5年たてば80%の道場生が自分から進んでしっかりやってくれると信じています、そしてこれが道場の伝統として残ってくれる事を期待しています。道場生の中には黒帯で素晴らしい空手の技を持った人がいます、しかし掃除はきらいな人がいます、私は掃除も出来ない子は人間として失格だと思っています。掃除も出来ない子を育てても私は全く意味が無いと考えております。私は39年間比較的大企業と言われる会社にサラリーマンとして勤めました。そこで実感したことは、整理、整頓、清掃、清潔、しつけ(5S)が企業活動(生産現場、事務所、営業活動)でいかに重要かが良くわかりました。皆さんには空手をやっている今の内に、この基本的な能力を身に付けてほしいと思っています。 
 たかが掃除ぐらいと思われるかもわかりませんが、私が強制をしなくても進んで出来るようになるのはそう簡単でないと、思っています。「凡事徹底」と云う言葉があります、平凡な事を非凡に努める事です、徹底し続けることは本当に難しいのです。どのようにすればこれが達成できるか私も勉強して頑張ります。保護者の皆さんにおかれましては何卒ご協力をお願い申し上げます。
(参考文献  「志のみ持参」  松下政経塾13年の実践録    上甲晃   致

H15.06

 私は以前、他の空手道場のホームページの掲示板で、練習生が云う事を聞かない、又生意気な態度であったため、指導員の一人が、ついげんこつをいれてしまった、という事を知りました。真面目な指導員は体罰をしてしまった事に反省もし、悩んでいるように見えました。私はその掲示板に、私達の道場の現状を説明しながら、貴方はそんなに反省しなくてもいいのですよー、今までどうり自信を持って指導に当たって下さい、といった書き込みを送った事があります。
事実、私は今でも、空手道場ではげんこつが必要な時も絶対にあると思っています。今日はその理由について、又どんな時にげんこつを入れるべきかについて述べてみたいと思います。
 師範は親の期待に応えるべく、心身共に立派な子供達を育てるために努力する義務があります。と同時に厳しい練習の中でも、怪我をさせず、安全な道場で稽古をさせる場と雰囲気を作るべきと考えております。私は神社、お寺にお参りするのが好きで、お参りする度、道場生の安全祈願をしていますが、お祈りだけで済むとは思っていません。道場の規律をしっかり守る事が大切なのです。ただ道場内の規律の中には、出来るだけ守ってほしい規律、絶対に守ってほしい規律があります。絶対に守ってほしい規律について師範の注意を無視し、直そうとしない場合に、げんこつが飛んでくるのです。立派な子供達を育てる、安全な道場を確保するという意味で必要と考えているのです。もちろん練習生の中には年齢差、個人差があります、良く見きわめ努力している感じが見える場合はげんこつは入れません。今日はげんこつを入れる、次のような場合について、特に述べます。

道場生の安全と怪我の防止に関する事
1.柔軟な身体を作るための毎日の準備運動、ストレッチ体操は一生懸命にやってほしい。柔軟な身体は大きな怪我を防いでくれます。腹筋の鍛錬も同様です。ただこの場合は個人差がありますが、身体が硬い人は自分で身体が硬いと思い込んでいる場合があります、努力が足りないのです、努力すれば、しだいに柔軟な身体になります。
2.休憩時間はリラックスしてもいいのですが、練習中は常に真面目に稽古をし真剣に演武をしてほしいのです。移動基本、形、組手も同様です。師範が見ていないと思って後ろの方でしゃべったり、ふざけて練習していて師範よりげんこつをもらった人が多くいたと思います。ここ一番、稽古に集中する習慣をつけることは本当に大切なことです。この事が出来るようになると、勉強の力もついてきます。

次は空手の技に関する事です
1.日本空手協会の基本的な技は絶対に守ってください。正しい立ち方、正しい受け、正しい攻撃等です。自分はこの方がやりすいと思っても、これだけは師範の云う事を聞いてほしいのです。師範に対する質問や疑問はどしどし聞いてください、しかし尚、師範がこうしなさいと言ったときは、その通りにして下さい。よく師範が注意した後で、足払いされる人は直そうとする努力をしていない人です。 もちろん師範も正確な技について真剣に勉強します。

もう一つのげんこつをいれられる、又外へ放り出される場合は道場での態度です
1.師範が真剣に注意しているのに、逆に反抗し師範をにらみつける子がいます、比較的新しい練習生に多いのですが、多分家庭においてもこのような態度をとるのではないかと想像しています。 この様な道場生は許しません、道場内においては反抗期はありえません。それから礼儀作法をきちんと守る事はもちろんです。
 以上が絶対守って欲しい内容です。前もって口で注意します、無視して又聞こうとしない場合にげんこつ、足払い、尻たたき、外へ放り出しが出てきます。何回も云いますが、個人差学年差があります、本人が努力している時はげんこつはありません。
空手道はある面では危険で怪我をしやすい武道です。特に組手の場合は注意を要します。道場の規律や注意を守らないで、なあなあでやっていたら必ず事故や怪我がおこります、それを考えると師範のげんこつは遥かにましなのです。しかし師範のげんこつは怪我はしないけど一寸痛いですよー、今までにげんこつをもらった人は良くわかっていると思いますが、痛さを実感して反省してください。 
 保護者の皆様、常に道場に来ていただいて、子供達へのご声援、本当に有難うございます。最近では一部、二部延べ30名以上の方に見て頂き、蔭から声援をして頂いている場合があると思います。私は正直なところ、大勢の子供達の指導をしている中で、誰の保護者が来られているのか、認識できる余裕はありません。したがって自分の子供がげんこつを入れられている姿を見た人がいると思います。私は常に「今この子は悪い、今叱ったほうが良い」と思ったとき、保護者がいようがいまいが、げんこつを入れさせていただきます。私は道場の責任者として、口で何回も注意した、口で何回も注意したが聞かなかったので仕方が無い、では済まされないのです。道場を活性化させ、うまくまとめ、運営することは大変なのです。私も必死で努力致します。保護者の皆様、よろしくご理解を頂くと共に、ご声援を頂きますようお願い申しあげます。
 私は奈良、薬師寺の元管主、高田好胤法話集を聞くのが好きですが、その中で「やさしさ」について話されている所があるのです。「やさしさ」は厳しいことがあって、始めてやさしさが生きてくる。今の親達は何でも子供の思うまま、要求に応ずる。これは「やさしさ」ではなく、ただ甘いだけだ。甘いのとやさしさはとは違う、と言っておられたのを思いだします。また次の様にも言われています。やさしさの無い、親の甘さだけで育った今の子供達は本当に可愛そうだーと。又「養うて、教えなければ、親の過ちなり」子供が何不自由なく育っても、良い事、悪い事ははっきり教えてあげなくては駄目だ、とも言っておられます。
 学校の先生方には申し訳ないが、体罰が必要な時も多々あります、体罰も含めた厳しさがあり、そこに将来、子供の幸せを願う気持ちがあればいいと思っております。空手道は武道です、そこには精神的にも肉体的にも厳しさが絶対必要だと思っております。

(長崎の12才少年事件について思うこと) (H15.7)
 先日、長崎県で中学1年生の生徒が、4歳の幼稚園児を誘拐して、言う事を聞かないので、はさみで傷つけ、騒いだので、ビルの屋上から投げ落とし、幼稚園児が死亡するという事件が起こりました。私は本当にびっくりしました、何故中学1年生の生徒がこんな事件をおこすのだろう?。新聞報道によりますと、犯人の少年の成績はクラスではトップクラスと言われています。又普段はおとなしいけれども、何が気に食わないことがあると、切れたりかんしゃくを起こす事があると報道されています。私は私なりにこの事件の原因と背景、我々大人がどんな事をすればいいのか、「師範のつぶやき」で述べて見たいと思います、皆さんのご意見もお待ちしています。

1. 一つは親の育て方に問題があると思います。報道によりますと、犯人の少年は転園、転校を繰り返しております。そしてその理由は、幼稚園、小学校が子供の自由にさせてくれない、又子供の要望に応えてくれないから、と言われております。多分一人息子で両親は大変可愛がっていたのでしょう。自由奔放に育てる事が子供のためと思ったのではないでしょうか。私は前回の「師範のつぶやき」でも述べましたように、親のやさしさはもちろん必要です、でも何でも子供の自由奔放、子供の言うままに応える事が、やさしさでもない、愛でもないと思います。子供が自分の思うようにならない、子供にとってがまんしなければいけないことなど、厳しい試練があって始めて愛とか、やさしさが生きてくるのです。この少年は自分の思いどうりにならないとすぐ切れる子供に育ちました。.いわば親の甘さだけで育った可哀想な子供だったような気がします。

・道場生の皆さん、家に帰ったら上記の事件についてお父さんお母さんと話し合って下さい。そしてお父さんお母さんにお願いをして下さい。「僕を、私を甘やかさないで厳しくしつけて下さい。悪い事があったらどしどししかって下さい。苦しい事があっても我慢できるような子供になります。それが最後には私達のためになるのですから、お願いします」と言ってください。

2. .次に勉強がいくら出来ても、心にひずみをもっていれば人間失格です。学校が終ればクラブよりも塾に行き、帰れば部屋でテレビゲームをする。友達が少なく遊ぶ事も少ない、戸外で身体を使って遊ぶ事も少ない、両親ともあんまり話をしない。これでは立派な人間性を持った人、即ち、人のために尽くす事が出来る人、人の痛みを感じ思いやりを持った子などは育たないと思います。
私は今の子供達には特に次の様なことが必要ではないかと思っています。多くのことに興味を持ち、幅広い友達、後輩、先輩との付き合いの中で、挫折もし、失敗もし反省する、怒り、悲しみ、又あるときはすごく幸せを実感して感動する、即ち、人と人とのかかわりを大切にして色々な体験をし経験を積んでいく、こんな事が今の子供達に必要ではないでしょうか。私達の道場には今次の様なことがおこっています、たいした事ではありませんが、人とのかかわりを深めていく中で少しは役立っているのではと感じています。
 我々の道場では形の団体戦を重視しています、黄色帯以上は全員団体戦のチームに編成されます。そこでは最初の練習の過程で必ずもめごとが発生します。団体形はみんなの演武がそろう事が大切です、自分中心でやっていた子は大変です。特に低学年では、泣きながらケンカに発展する事があります。しかしながら道場内ではわがままは通用しません、チームのリーダーになる子はチームをまとめるために特に苦労をします。数ヶ月たつと、チームは成長して尚且つ個人の力も付いていきます。私の指導力不足は積極性の出たチームの力で本当に助かっています。
 次に我々の道場は学校のような学年別ではなく、幼稚園から中学生まで一貫した指導をしています。したがって幼稚園と中学生が一緒に基本技について練習する事など当然のように行っています。人と人とのかかわり合いを大切にする中で、我々道場の黒帯を締めている子供達は立派な指導者としての役割を果してもらっています。年下の道場生の指導はもちろん(特に幼稚園の指導は大変)、学校では上級生の子でも空手の指導は立派にしてくれます。黒帯の子は学校では年下でも、道場では先輩なのです。後輩を指導する事で指導のむつかしさを体験するとともに、教えながら自分の技を見直し、成長していくと考えています。教えられる子もいずれは教える側になり、そのとき先輩に対してより強く感謝の気持ちを持つようになります。教え教えられる関係を通して、お互いの信頼と愛情が盛り上がり、人とのかかわり合いをより深めてくれる事を期待しています。
 以上二例について述べましたが、道場でやれる事はまだまだたくさんあると思っています、皆さんのご意見をお聞かせ下さい.
基本練習の重要性を再認識しよう
 (基本の技を大切にして練習した人は早く上手になれる)(H15.8.)
 我々空手道を指導する者は、道場生の技術面において、最低限、初段を取って欲しいと願っております。即ち黒帯を取るまではなんとしても頑張って欲しいと思っています。日本空手協会の初段はそんなに簡単には取れませんが、初段を取る事で、人間として必要な以下のような良い面があると思います。特に
1.苦しい練習を続ける事で、辛抱ができるようになり、少々の事ではくじけない忍耐力が養われます。
2.努力をしたおかげで黒帯がとれたという達成感、自分の将来に対する大きな自信となってきます。
3.組手の練習により、痛みを自分自身で実感でき、と同時に相手の痛みが理解できるようになり、思いやり、いたわりの気持ちが持てるようになります。
 ですからなんとしても黒帯を取ってもらいたいと思っているのです。ところが最近の私の悩みの中で、2級ぐらいから1級、初段と進級していく中で、足踏みをする道場生が結構多いのです。即ち昇級試験を受けてもなかなか昇級しないのです。練習量の少ない人は問題外ですが、けっこう練習回数の多い人も、昇級が遅れる人がいるのです。何故だろう、何故だろうーー、皆さんも一緒に考えてみて下さい。昇級の遅い人は、本人の昇級意欲もある程度は関係するのですが、私は次のことを再認識して徹底して欲しいと思っております。

「基本技の習得を、もう一度原点に返って、やり直して下さい、即ち一部の練習生(初心者の練習生)と同じ練習時間に(PM6.00〜7.00)、初心に帰って真面目に初期の基本練習を徹底してやって欲しいのです」

 昇級の遅れる人は一般的に、基本の練習時によく欠席をして、中途半端に三級ぐらいまで昇級をした人、練習によく遅れて来て最初の基本練習を出来なかった人、又基本の大切さを注意しても、もう解かりきっているとー、基本をそまつにしていいかげんにやる人、これらの人は確かに昇級が遅いと思います。基本技がきちんと出来ていて昇級できない人はいませんーー、自分は出来ていると思っていても出来ていないのです、基本をおろそかにした人は、いくら形や組手の練習をしても、たかが知れています。これらの人とは反対に、初期の基本練習をしっかりやった人、又黒帯を締めながら、いまだに一部の練習から基本練習に懸命に励む人、これらの人は各大会で優秀な成績を収めていますねー。これらのことは、基本練習の重要性を示しているものと私は思っております。大阪本部の岩渕会長が昇級審査の時に基本の大切さを常に言われておりますねー、私もまったくその通りと考えております。 
 二部の練習時間でも基本練習はするのですが、特に一部の練習時間にやってほしいことは以下の内容です。詳細は以前に配布した「大会の感想と今後の練習方法」を参照して下さい、ここでは基本の大切さと、注意事項を述べてあります。しっかり読んで守って下さい。(資料不明な人は再度取りに来て下さい)

・一部の練習時間に特にやってほしいこと、及び注意点(初心者用の初期の基本練習)
1.立ち方(前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち)が正確に出来るようになる事。
1.1)前屈立ち:前後左右の足幅、前足のつま先の向き(やや内向き)前足のひざ、及び腰骨の曲がり具合。後ろ足のつま先の向き、及び後足のひざの張り。正面の前屈、半身の前屈立ちが正確に出来ること、いずれの足も足裏が床にぴったと密着する事。
1.2)後屈立ち:前足、後足のつま先の方向と足幅、ひざの位置の方向、曲げ具合。両足の体重の掛け方(体重分担)、上体を直立に等が注意点。
1.3)騎馬立ち:両足の横幅、腰の落ち具合と上体を直立にする、又両足の向き(平行度)とひざの張りなどが大切。
2.運足の速さと正確性
2.1)順突き(追突き):正面の前屈立ち、上体が前に流れない事又肩を出さない。突きは脇をすりながら攻撃する所にまっすぐ一直線に、こぶしのひねりは最後。引き手も脇をすりながら早く。引き手の位置は帯の上。移動時、頭の高さは一定。足裏は床面をするように、かかとを浮かさない。
3.受けと逆突き
3.1)受けたときは半身の姿勢(上受け、外受け、内受け、下段払い)、受けの手首のひねりは最後。
3.2)逆突きは半身の受けから、腰を回転させ正面の前屈立ちと同時に強い突きを、ねらった個所に一直線に極める。(半身から元に戻ろうとする力を利用して逆突きをする)
4.前蹴り
4.1)蹴り足のひざを前方正面に向けて高く胸前にかいこみ、かかとは出来るだけ引き寄せる、同時にこしと足首を折り曲げて締める。(蹴る前の姿勢)
4.2)蹴り足のひざ及び足首を伸ばしこしで前方正面を蹴上げ、すぐに切り替えて同じ経路で引き足をつける。
  皆さんの中にはこのぐらいは出来ていると思っている人も多いと思います。ところがこれらがきちんと出来ている人は少ないのです。又以前出来ていても油断をして練習をサボればすぐ出来なくなるのです。我々指導者でも同じです、基本練習の重要性を常に認識し、練習を続けることが必要と思います。
 先日私はPHP研究所発行の「子供は無限に伸びる」という本を読みました。今教育界でブームになっている蔭山英男先生が書いた本です。そこでは次の様に述べられています。
「学校とは学力をつける場である」そして学力を付けるために必要な根幹となるものは「読み書き計算」の基礎学力をしっかり付ける事である。学習の場合も最初に基礎的な力をつけてあげると、あとは自分の力でずっと学び続けていくことができる、が基礎学力が身に付いていないと、何時までたっても伸び悩むということになってしまう。と言われております。空手の場合も一緒です、基本練習をしっかりやって空手の基礎を習得して下さい。そして順調に昇級できることを期待しています。私は黒帯を渡す時、皆さんの嬉しそうな顔を見ているととても幸せな気持ちになります。
師範のつぶやき(NO−2)
試合に勝つために努力してほしいこと
H16.2.1
いじめ・暴力について
阪神タイガースは何故こんなに強くなったのでしょう
我々空手道を指導する者は、将来道場生が、世の中でなくてはならない立派な社会人になってくれる事を常に願っております。そのためには空手の技、技術よりも、又試合に勝つことよりももっと大切なことがあります。稽古の中で学ぶ礼儀作法、人の痛みを理解して、思いやりと優しさを学ぶこと、人のために尽くすことの重要性、少々の事ではへこたれない我慢強さと忍耐力等、試合に出なくても学ぶことは沢山あります。しかしあえて私が今「つぶやき」たいのは、試合に出ることで、道場生達が人間として大きく成長することを、私が実感しているからです。そこで今回、試合に出場し尚且つ勝つためにはどうすれば良いのか、交野青山支部の道場生を主体に述べてみたいと思います。
 日本空手協会、交野青山支部として出場出来る試合は、春の大阪府空手道選手権大会、夏の交野市空手道選手権大会、全国各地でやる、全国空手道選手権大会、秋のスポーツデー空手道大会、近畿地区空手道選手権大会、冬の誠志館大阪大会など、年間多い人は6回の試合をやります。この貴重な体験で選手達は次の様なことを身に付けます。大きな体育館で大観衆の中で、必死で演武をします、勝ち負けは別にして、選手達はやるだけやったという満足感を感じます、又勝った人は大きな自信となって次のステップにつながることになります。又試合が近づくと、選手達は独特のプレッシャーと闘いながら稽古をすることになります。試合当日には、両親はじめ家族の皆さんが応援に来てくれます。家族の期待に応えようとして、選手達は普段の稽古でも自然に目の色が変わってきます。選手にはそれぞれの目標が出来るからです。試合に出ることにより、実力が大きくアップするとは、このことを云っているのです。 
 それでは具体的に交野青山支部の道場生がどんな事に気を付けて練習したら良いのか、私の意見を述べてみたいと思います。ただ私の周りには私より素晴らしい指導者が一杯おります、アドバイスを頂きながら、今後私も指導力を付けていきたいと思っております。

 試合に勝つために努力すること
1.前提条件として、基本の技をきっちり正確に力強く出来る事です。具体的にはH15.8、師範のつぶやきで述べた「基本練習の重要性を再確認しよう」を参照して下さい。そして基本の技を極める(きめる)ことです(技を極めるとは、適切な技を、目標とする部位に、最短時間に、しかも最大限の衝撃力で爆発することである)と空手道教本に示されています。極めは突き、打ち、蹴りはもちろんの事、受けにおいても重要なことである。極めのない技はいくら動きが空手に似ていても決して空手とはいえない。とも云われています。基本技の練習を大切にして真面目に稽古する事が、まず大前提です。
2.形の演武について
2.1)立ち方は本当に重要です。
・前屈立ちは前後左右の足幅、前足の膝の曲げ方(腰骨関節部の曲げ)、後ろ足の張りなどが大切ですが青山支部に欠けているところは、瞬時にできる両足の内股の締めです、正面の前屈立ち、半身の前屈立ち、いずれもこれが出来れば安定した立ち方で、するどい極めのある攻撃と受けができると思います。
・後屈立ちの注意点は両足の位置(足幅)、重心の位置(後足に7〜8分の力)、前足のつま先及び膝の方向、後ろ足の膝の向き、股関節の締め、上体の向きと傾き、腰の高さ等ですが、皆さんには移動した時、特に上記の重心の位置、後ろ足の膝の向き股関節の締めが不足していると思います。
・騎馬立ちは足の横幅、両足の平行度、膝の張り、腰の高さ、上体の垂直度などが大切ですが、皆さんはその場でやることは出来ておりますが、移動した時、回転をした時、きっちり出来ているか、大いに疑問です、見直して下さい。
2.2)運足と回転時の正確性と速さ
・運足と回転、いずれの場合も、技の開始時から終了時まで、かかとが浮かない事、又極めた時足の裏が床にペタッと附いているか等重要な点です。特に順突き時、正面の前屈立ちになり、両足の内股を締め、上体が前へ流れないようにして下さい。又前へ進む時前足の足先を開いて進む人がいます、注意して下さい。
回転時は基本的にかかとを中心に廻るのが原則です、又軸足を中心に上体のゆれを最小限に抑えて廻ると正確な立ち方ができると思います。そうしないと形が終った時、元の位置に帰れません。
2.2)こぶし、手刀のかたち、その軌跡と極め
・正拳のかたちを正確にー、皆さんは出来ていると思っているかもわかりませんが、こぶしの握り方、手首の角度、向きは大切です(引き手のかたちも同様)。又目的に向かって一直線に脇を締めて突くようにすること、当たる寸前でひねりを加えることにより極めが出来ます。手刀受けの手のかたちにも注意して下さい、指を閉じまっすぐ伸ばしますが、親指の締め(曲げ)も大切です。肘の曲げ方は外受け、内受けの曲げ方と一緒です。皆さんの中には肘が伸びすぎている人が多く見られます。
2.3)蹴りについて
・前蹴りは膝を高く上げ、かかとが尻につくような姿勢から膝と足首を伸ばし、こしが相手に食い込むような蹴りをして欲しいと思います。そして引き足もしっかり取って下さい、即ちスナップをきかせて欲しいのです。横蹴りは足首をしっかり曲げ、足刀を水平にして蹴ることです、足刀のかたちは形の演武に重要です。テレビを見ながらでも座って練習できます。いずれの蹴りも始動時の足のかい込み、蹴った後、引き足を元のかい込みの位置に戻す事が大切です。又横蹴り時同時に行う裏拳の動作、向き、高さにも注意をして下さい。皆さんの中にはこのくらいは知っている、出来ていると思っている人がいると思います、しかし出来ている人は本当に少ないのです。
2.4)目付け(目線)と形のリズム、緩急について
・形の演武時の目付け、目線は大切です。目をらんらんと輝かせて演武してください、目をぱちぱちさせないことです。演武方向に目線を向け、決して下に目線を向けないことです。又力を入れても顔がしかめっつらにならない事です、口を結んで平然と演武するよう努力して下さい。
・形のリズム、緩急については我々指導員の勉強の範囲だと思います。色々な形を見ながら、指導員としての感性を養う必要があります。青山支部の選手はよく肩に力が入りすぎていると言われております、力を抜く所は、力を抜かないとスピードが出ないのです、私も含めて皆で気をつけましょう。素晴らしい形にはリズムと緩急があり、審判員に心地よい気持ちと安らぎを与えてくれます。そんな形ができればいいですねー。

3)組手について(一本組手、自由一本組手について重点に述べる)
形の注意事項がそのまま組手に通用すると考えます。先ず上記注意点、基本技をマスターして下さい。
3.1)攻撃時
・間合い(相手との距離)は大切です、広すぎない事、相手に当たる位置であること。順突きの攻撃は、突きを極めた時の姿勢に注意(形の順突き立ち方参照)特に肩が前へ流れない事。受けられても簡単に体勢を崩さない事、繰り返しますが両足の内股の締めが必要です。
・相手の目を見て攻撃をします、攻撃前の構えは出来るだけ動きやすい構え、(半身になりすぎない事)。攻撃する手は(こぶし、肘)始動時、動かさない(反動をつけての攻撃は駄目です)。
3.2)受け
・相手が必要以上に間合いを狭くしたら、自分で必要な間合いを取る。受ける側は自然体で構える(膝を曲げない事)。相手が大きい声を出してもビビらないこと。
・後ろにさがって受けるとき、受ける手と腰の切れを同時に半身で受け、相手の体勢が崩れるくらい強い受けをすること。又反撃時逆突きで返す場合は、素早く腰の回転をして正面の前屈立ちになる。この時も内股の締めが必要になる。この時後ろ足の足刀がうき上がらない事(足裏、ぴたっと密着)。
・この時ねらった個所に正確に返すが、相手の身体に当ててはいけない、但し寸前で突きを爆発する。中段であれば道着に触れる位置まで接近すること。
・受ける側の人の目は相手のあごから首のあたりを中心におき、相手の初動や「氣」を読み取って受ける訓練ををします。一本組手、自由一本組手のとき受けそこなう人がいますが、精神の集中が不足していると思います。
3.3)自由組手
・他流派との試合もあり、小学低学年でも自由組手の稽古が必要です。青山支部は上段攻撃、上段の受けが苦手です、特に間合いの取り方が出来ていないと思いました。お互いに遠慮して上段攻撃をしないのです。たまに上段攻撃をしても、拳、蹴りが相手に届かないことが多いのです。そこで今回、メンホー(ヘットガード)をつけて稽古する事にしました。よい点悪い点いろいろあると思いますが、これで上段の攻撃、受けの力が向上できれば、と思っています。
3.4)最後は形、組手共、絶対に負けないという気力、気迫が必要です、大きな気合は当然です。

4)全国大会に行けるレベルになるためのこれからの重点練習。
4.1)勝つための要領、テクニックも必要ですが、交野青山支部の皆がやらねばならない事は、基本の原点に帰り、徹底した移動基本をやることだと思っております。移動基本をしっかりやることにより強力な基礎体力を養い、瞬発力をつけ、正しい姿勢で、強い受け、及び強い攻撃(極め)が出来るようになることだと思っています。そうすれば上記、形、組手の要点が良い方向に向かうと思います。そのために皆さんは師範、指導員、先輩の注意は真剣に聞き、実行することが必要です。但し疑問点は遠慮せず聞き、納得して稽古する事が大切です。
4.2)稽古を常に継続させる事です。大阪府空手協会会長の岩渕師範が言っておられる、「空手は湯のごとし、たえず熱度を加えざれば元の水にかえる」私もその通りだと思っております。塾、クラブ活動等で、道場の稽古に来れない時もあると思います、しかし自分の家で暇を見つけて稽古できる事は、沢山あります。移動基本も一歩なら家でできます、筋力トレーニングも出来ます。そうすれば皆さんも必ず全国大会に行ける力が付いて来ます。道場生皆さんの奮起を期待します。
 長々と述べましたが、常に私が思っていることを、文章にしました。これで少しは私の頭の整理が出来、今後の指導に生かされるのではと思っています。低学年の道場生にはこの文章は難しいと思いますが、出来るだけわかりやすく説明をする工夫をしたいと思います。
「師範のつぶやき」を見て頂いている指導者の皆様、今回は交野青山支部の「試合に勝てるための問題点と対応策」を述べました、指導者の皆様方におかれましては、ここがおかしい等の反論、ここが抜けている、こんな事をやらねばーー。等のアドバイス、何でも良いですからご意見をお寄せください。私も指導者の一人として成長したいと思っております。何卒よろしくお願い致します。
皆さんはどのように対応したらいいのでしょう 
         (H15.12.25)
 2ヶ月程前、私はある空手道場の師範から以下のような相談を受けたことがあります。うちの道場生が、学校でいじめ(暴力)を受け、顔にけがをしてしまった。その子は小学高学年の女子生徒ですが、やり返さず、じっと我慢をしておったたそうです。その子は本当は強い子で、本気でケンカすれば男の子でもかなわないくらいの子でした。多分師範より空手をやる子は、暴力をふるってはいかんーー、と注意されていたのでしょう。私はこのやり返さず、我慢をした子に感心しました。ただ私に相談をかけてくれた師範は、果してこれでいいのだろうか、疑問に思って相談をかけていただいたと思っています。けがをした子は師範にも相談し、学校関係者にも報告し、暴力をふるった子に対してきっちり反省をする機会を与え、加害者の親と共に反省させる事が出来たと聞いております。
 ただ、けがをするまで暴力をふるわれ、一方的にやり返さず我慢するだけでいいのだろうか?一緒に悩んでしまいました。 交野青山支部の5条訓には、「血気の勇を戒むる事」の項で以下の様に示しております。
 
{空手の形の技は、必ず受けの技から始まっています。空手の技は護身術の一種ですから、どのような状態であっても自分から先に手を出す事(暴力)は厳禁です。自分の護身のため、又相手の不正と闘う時のみ、空手の技を活用して下さい}と言っております。繰り返しますが、どのような理由があろうとも、又どんなに汚い言葉でののしられても、殴られそうな雰囲気があっても、空手道を修行するものは、相手より先に暴力をふるう事は絶対にあってはならない事です。そして、たとえ相手が先になぐりかかって来ても、冷静に対応して、普段練習している受けの技を活用して防いで下さい。そして誰かに助けを求めて下さい、学校なら先生です。必ず相手に反省の機会を与えてくれると思います。但し次の様な場合は一寸違うと思います。
相手が執拗(しつよう)に攻撃を止めない場合、誰かの助けがない場合、自分の身の危険を感じた場合は攻撃のわざを使うのも仕方がないと思います。但し相手が攻撃をやめればいいのです。過剰な攻撃は過剰防衛となり、たとえ相手から殴りかかってきても、相手の方のダメージが多ければこちらの罪になります。十分注意して下さい。又
1.相手が凶器(例えば刃物、棒)を持っている場合。
2.複数でおそってきた場合。
は問答無用、必死で逃げて、助けを求めて下さい。決して恥ずかしい事ではありません。
 次に私が心配するのは、我々の道場生がいじめにかかわる、暴力を使う、弱い者をいじめる等、です。黒帯の人はこのような心配はないと信じていますが、道場全体で考えると、私はすべて安心とはならないと思っております。先日も弱い子をいじめ、泣かしてしまった子がいて、私からビンタをもらいました。いじめた子はさかんにいじめられた子の悪い所を言います。確かにいじめられた子ににも、悪い点はあると思います、しかし、いじめた方がはるかに悪いのです。しっかり反省をしてくれる事を願っております。
 次に、一般的に特に女子の子に多いのですが、殴りあう暴力ではなく、言葉の暴力、無視する、仲間外れにするなど、これらも立派な暴力でありいじめです。交野青山支部は広い意味で家族です。みんなが仲良く、団結してこそ青山支部の力が発揮されるのです。青山支部は団体戦、形を重視しています、リーダーはメンバーをまとめ引っ張っていく責任があります、メンバーはリーダーの言う事を良く聞いて、リーダーを盛り立てる責任があります。自分中心ではなく、常に相手の気持ちを思いやる、優しい心が大切だと思います。
 師範も鈍い点があり、道場全体の暴力、いじめなど知り尽くしておりません、が問題点、悩み等あったら、遠慮せず申し出て下さい、相談に乗りたいと思います。又道場以外のこと(学校での暴力、いじめのことなど)でも相談して下さい。一緒に考え、対応していきたいと思います。
礼儀作法は本当に大切なことです
 
皆で礼儀作法と礼のやり方について見直してみよう (H15.11.16)
 礼儀作法は空手道精神の原点です。空手道をやる皆さんは絶対守ってほしい事です。皆さんのご両親も武道をやる以上、礼儀作法をしっかり身に付けてほしいと思っておられると思います。毎回練習時に、なにげなく斉唱している5条訓の中で「礼儀を重んずる事」と言っておりますが、礼儀作法とはただ礼をするだけではありません、そこには思いやりと感謝の気持ちが必要です。ここでは私の考えている礼儀作法について、皆さんに説明し、皆さんの同意を得て、道場全体で徹底し、皆で守っていきたいと考えております。
 先ず道場内の礼儀作法について述べ、それを活用した状態で、道場外(家庭、学校、その他の場所)の礼儀作法についても述べたいと思います。
 
1.道場内の礼儀作法(学校の体育館、交野ドーム)
 1.1)道場内に入るときは、はきものをそろえ、一歩道場に入った状態で一礼をして入ります。帰るときも同様、一礼をして帰ります。ここでの礼の意味は、道場に対する礼です「今日も道場を使わせていただきます、よろしくお願いします、又帰りには今日も怪我なく練習が出来ました、有難うございました」の意味があります。野球をする人の場合、グランドに入る時、一礼をして入ります、試合が終ったあとグランドを整備して全員一礼をして去るのと同じです。いずれも道場、グランドの違いがあっても、練習をする場所に対する、思いやりと感謝を表します。道場の掃除もこれに通じるものがあります。
 1.2)道場内に入った時、すでに師範、指導員、先輩、保護者の方がおられる時は、先ずすぐにかけよって大きな声でオッスと挨拶をして道着に着替えて下さい。又皆さんが先に来て後で上記の人がこられる場合も同様です。この時の礼の意味は「今日も一生懸命に練習します、よろしくお願いします」の意味です。大きな声は練習前の自分の気分を引き締め、自分でやる気になるためです。(すでに一部の練習生の練習時間に入っている時は、休憩時間まで待って挨拶をして気分を引き締めて下さい)
 1.3)全員集合、練習直前の礼、(座った状態での礼)
道場の掃除のあと、決められた順番にすみやかに集合し、縦、横が一直線になるようにきちんと整列します。特に前列、右側の列の人は間隔を考えて正座する位置を決めて下さい。正座の礼は小笠原流の礼をします、師範が教えた通り実施して下さい。(立ち方、座り方を含め総本部の礼の仕方に準じます)特に黙想の時、背筋をピシット伸ばし、精神統一をすることが大切です。5条訓を大きな声で斉唱したあと、正面に礼、師範に礼を行います。この時の礼の意味は、師範、指導員も含め、「今日一日懸命に精進いたします、又皆さんはあらためて、ご指導をお願いします」の意味があります。
 1.4)練習中の礼、
空手道は「礼に始まり、礼に終る」と言われますが、試合中、練習中も同じです。始めの礼と終わりの礼はきちんとやって下さい。いずれも立礼でいいのですが、結び立ちから、頭を(首を)曲げないで腰を曲げて礼をします。 
 ・形の時の礼 :腰の角度45度
 ・組手の時の礼 :腰の角度30度
この時の礼はよろしく相手をお願いします、終った後は相手をして頂いて有難うございましたと言う意味です。
 1.5)練習中の師範、指導員の注意のついての礼儀
我々指導をするものは常に空手の技、態度などについて注意を与えます、真剣に皆さんのために注意をしているのに、全く何の返事もしない人がいます。これは大変失礼な事です。注意の内容が理解できたら、オッスと大きな声で返事しましょう。自分に個別に注意されている人は、もちろん注意ごとにオッスと大きな返事をして下さい。又注意をされていない他の人でも注意の内容に関係のある人が結構多いのです。自分に注意されたのと違うと思わないで、自分も気をつけようと考えて同様にオッスと大きな声で返事をして下さい。この時のオッス意味は注意に対する感謝の気持ちを表します。又大きな声のオッスは、注意の内容を頭と身体にたたき込み、直すために努力しようという気になリます。従って大きな声を出す事は大切な事なのです。
 次に複数の練習生の指導の中で、師範や指導員が大切な事を懸命に説明しながら、注意しているのに、下を向いたり、よそ見をしたりしている人がおりますねー、私が「今師範は何の注意をしましたか?」と聞いても答えられない人が多いのです。集中する訓練が出来ていない人です、相手の顔をしっかり見て話を聞くこと、これは礼儀作法上本当に重要な事です。学校の授業中でも同じ事が言えると思います、先生の顔をしっかり見て授業を受けておれば、学力は必ず上がると思っております。(昨年「師範のつぶやき-2」で述べた「集中力の大切さを認識しよう」を参照して下さい)
 1.6)練習後の座礼
怪我なく終った道場に対するお礼、指導者に対する感謝のお礼、相手になってくれた同僚に対するお礼、又青山支部では最後に全員、保護者の方を向いて「保護者の方々に礼」をするようにしました。皆さんを空手道場に通わせて、毎回送迎をされている保護者の皆様に心より感謝の気持ちを込めて挨拶をして下さい。保護者の皆様も正座をしていただき、子供達と一緒に修行するという気持ちで応えて下さい、よろしくお願い致します。

2.ここで道場でよく使う、オッスの挨拶について一寸説明をつけ加えます。
空手道場で使うオッスは漢字で「押忍」と書きます。私は色々な意味があると思っております。例えば「よろしくお願いします」「有難うございました」「ハイわかりました」「注意します」「苦しみに耐え頑張ります」「こんにちは」「おはようございます」「さようなら」「お気をつけて」「よく頑張ったなー」などいろいろな面で使用できますし我々もその都度理解できると思います。しかしながら、空手と関係の無い方には一寸無作法と思われるでしょう。時と場合を考えて、オッスと言わないで上記の例のような言葉を使って下さい。

3.誰よりも先に挨拶(礼)をしよう
本来なら後輩から先輩へ、年下から年長の人へ挨拶をするのが通常ですが、空手道場には空手歴が長く、年下の先輩がおります、貴方が年上でも年下の先輩に学ぶことも多いのです。又年上の後輩も空手の先輩より、人間としての人生経験は長いのです、人生の先輩なのです。私は常に先に挨拶(礼)した人の方が人間として立派だと思っておりますし立派な人間になれると思います。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがありますように、常に先に挨拶(礼)の出来る道場生であってほしいと思っております。

再度繰り返しますが、礼儀作法の中には常に相手に対する思いやり、感謝の気持ちが込められていることが必要になってきます。礼儀作法を心得ていると、皆さんが将来社会人になった時、人と人とのかかわり合いの中で、有意義な人生が送れると思います。

参考HP : 日本空手協会  瀬戸塾  瀬戸 謙介師範の講話集を参考にさせていただきました。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~karate/
阪神タイガースが18年ぶりに優勝しました。優勝が決まったその日、私はテレビ中継を見ていました。最後に赤星がライトオーバーのさよなら打を打った時、そして星野監督が帰って来た赤星を抱きしめ喜びを全身で表した時、私も本当に嬉しく涙が出ました。当然その夜はもちろん、しばらくは大阪中大変な騒ぎでした、道頓堀に飛び込んだ人5300人(阪神ファンから見るとこれはやりすぎです、翌日には死者が出ました)、各デパートはバーゲンセールで盛り上がりました。40年来の阪神ファンの私は、今年は2回甲子園に行き、馬鹿になって応援しておいしいお酒も飲むことが出来ました。過去14〜5年間ほとんどが5位か6位、最下位が圧倒的に多い年が続きました。野球中継をお酒を飲みながら、テレビで応援するのですが、いらいらするのでよくお腹を壊すことが多かったのです。ところが今年は巨人をダントツに破って優勝ですよー。本当に幸せな気持ちで一杯です。
 それでは何故、阪神タイガースがこんなに強くなったのでしょう。又同時にあんなにすごい選手を揃えている巨人が低迷をしているのでしょう?。私なりに分析してみたいと思います。

1 .先ず意識、意欲の問題です。
巨人は昨年度リーグ優勝と共に西武を倒し日本一になりました。今年の戦力はどうだったのでしょう。松井がニューヨークヤンキース行ったのも多少は影響があると思いますが、大金を出してペタジーニを獲得して戦力はほとんど変わらないと思いました。巨人にはすごい選手が一杯います、年俸のトータルは阪神のそれと比べ数倍にもなります。その巨人が何故弱くなったのでしょう、監督、コーチ、選手の、まだまだ我々は大丈夫、当分優勝できると考えた、一つの油断ではないでしょうか?一方阪神の場合はフロントも含め監督、コーチ、選手が一丸となってチャレンジ精神を発揮した結果が表れたと思います。
2 .阪神はこうして強くなったと思います。
 フロントは金本、伊良部の獲得に力を発揮しました、監督は当初よりポジションを決めないで、選手同士が激しいライバル心を持つように競わせました。内野手争いの藤本はシーズン中必死でした、桧山、片岡も外野手争いに気が抜けませんでした捕手の矢野も野口が控えていました。皆プロ意識をもって頑張りました。又星野監督はオープン戦当初から「何が何でも勝つンやー」の意識を徹底させました、そして勝つことの喜びを味あわせました。それからもう一つ私が感心したことは、下柳を井川、伊良部に次ぐ第3の投手に育てたことです、他球団からいらんと云われほり出された下柳の才能を見抜き、見事に開花させたことです。又野村監督時代にほされ腐っていた今岡がやる気を出し一番バッターとして3割以上の打率を残せたこと、本当にすごいと思いました。一方コーチ陣はきちんとした役割分担が出来たと思います、投手力、打力、守備力、走塁力のバランスが取れていました。特に濱中が立派な4番バッターに育ちました、又足の速い赤星は塁に出ると相手チームをかき回しました、そして不動のセンターとなりました、内野の守備も比較的良かったと思います。巨人の場合は打力があっても走れない選手、又守りの下手な選手がいましたねー。

それではこの阪神優勝の教訓を見て、我々は道場運営と強化にどのように活かしていけば良いのでしょうか?。私の反省も含めて述べてみたいと思います。
1.支部長は阪神球団で言えばフロントであり監督です、又コーチもやらねばなりません。大変です。リーダーとして何をやるべきか、しっかりした考え方を持たねばならないと思いました。
 自分の支部の理想像をあげ、そのなかで当面どのような支部にしたいか、しっかりした目標を立てたいと思いました、精神面と技術面両方とも必要と思います。そしてその目標を達成するためにどんな事をすれば良いのか、方針と実行計画を立てねばなりません。(何を、何時までに、どのような事を、どのようにする)頭の中ではある程度常に思っていることなんですが、大事なことが抜けている事が多いのです。やはり文書にまとめてチェックと反省が出来るようにしたいと思います。道場生にはもちろん保護者の皆さんにも報告、協力をお願いしなければならないと思います。当面は

1)支部長として日常やらなければならない仕事の内容を、毎日、一週間、月間、年間と上げていき、今のやり方が正しいのか、抜けている所はないか、点検してみる事が必要と思います。
2)その中で、道場の活性化と強化をするために、何を重点的にするべきか考えてみたいと思います。もちろん私自身の能力を考えた上でやらねばなりませんが、わたしが目指すところは抽象的で平凡ですが以下の内容です。
2-1)精神面、技術面に対し、バランスの取れた道場、技術面は基本、形、組手がバランスよく出来る事。
2-2)大きな声の出せる、活発で明るい、又やる気のみなぎる道場。
2-3)道場内においては、お互いに競争心を持ち、切磋琢磨出来るような道場。又困難や苦しみに耐え、少々の事ではへこたれない忍耐力を持っている事。
2-4)支部長、指導員、保護者が一体となって連携し(報告、連絡、相談)、一致協力していける道場。
2-5)後継者が育つ道場。
この中から具体的に重点実施内容、方針を決め実施に移していきたいと思っております。
全国の支部長の皆様、支部長の目標と方針でまとめている方、よろしくアドバイス下さい、お願いします。
(H15.10.7)
    

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