H15.01.

 世界を狙う新たな主役を決める大阪国際女子マラソンが昨日(1/26)行われ、野口みずき選手が日本歴代2位の好成績(2時間21分18秒)で優勝しました。我々日本空手協会大阪本部は毎年寒稽古日をこの女子マラソン日にあわせ、午前中大阪城内の修道館にてしっかり稽古を行い、そして午後は大阪城周辺でマラソン選手を声援しました。   (出場選手:338名 新聞発表による)
 私はこの女子マラソン大会を見て毎年感動し、自分の生き方はこれでいいのだろうか、と反省もし又新たな活力をもらって帰りました。今日は私が感動した内容を述べさせてもらい、来年皆さんも是非お父さんお母さんと一緒に寒稽古に参加し、女子マラソンを声援し、そして感動してほしいと思っています。
 トップグループを形勢する選手の皆さんは、素晴らしい走り方、スピード、スタミナそれはすごいです、大阪城周辺はアップダウンが激しく、そこを悠然と走り抜けていく姿をみると、人間離れした感じがしました、そこには企業の協力と共に大変なトレーニングがあった事でしょう。私はこのようなトップの選手にも感動致しますが、もっと感動したのは、トップランナーから30分から1時間遅れて走る市民ランナーの選手達のがんばりです(100位以下)。もちろんテレビ中継はされません、この中には40歳、50歳代の方が数多く走られています。顔、腕、足をピンク色に紅潮させながら、約100万の沿道の「がんばってーー」の大きい声援を受け懸命に走ります。私はこの懸命さを見たとき涙が出できます。どうすればこの42.195kmを決まった時間内で完走できるのだろう、並大抵の努力では出来ないと思います。日々の生活の中で時間を見つけ、自ら目標時間を設定し、完走をめざし必死にトレーニングをした結果だと思います。蔭の努力に対し感動し、敬意を表します。
 レースの最後尾には選手を収容するためのバスがついて来ます、レースを棄権した人、又はある距離を決まった時間内で走れなかった人が強制的に収容されます、もう何人かが収容されていました。今年もそのバスの前を顔をゆがめて一生懸命走る人を見ました、どうか最後まで収容されずに沿道の皆さんの声援を受けながら、完走されることを祈りました。

H15.02
 先日新聞で以下のような記事を読みました。そして最近の善悪の考え方が変わってきたのかなーと、いやーな感じがしました。記事によりますと、中学3年生の男子生徒が古本販売店で万引きをして、店長に見つかった。名前等言わなかったため、店長は警察に連絡した。警察が来て任意同行を求めると、生徒は逃げ出した。.踏み切りの遮断機をくぐり、運悪く電車にはねられ死亡してしまった。誠に不幸な出来事だったと思います。とはいえ、私の常識に照らせば、店長のやり方に対し、結果に対する責任はないと思います。ところが店長を非難する電話やファクスが相次いだのです。「人殺し」「配慮が足りない」「何故警察に連絡したのか」など、いずれも店長の責任を厳しく問う内容だったそうです。店長は非難に対するおわびの張り紙をだし、ついに廃業を決めてしまったのです。新聞記事によりますと、万引き被害にあった書店の年間被害額は1店当たり平均210万円にもなり、大半が中高校生によるもので、万引きした本を売って換金するケースが多いそうです。彼らは万引き程度と考えているのかもしれませんが、立派な犯罪です。このようなことが少しでも許される世の中に絶対なってほしくありません。しかし世の中捨てたもんじゃありません、つい最近の新聞記事によりますと、廃業を決めた店長に対し、全国から励ましの手紙と廃業しないでーの声がたくさん送られ、廃業を取り止めたと聞きました、本当に良かったと私は思いました。
 私の父は私が子供の頃から、厳しい人でした。亡くなって20年以上たちますが、小学校の頃、常に私たち兄弟に云っておった事を思い出します。父は「悪い事をしてそのときは得したように見えても、常に天国で神様が見とるんやでー、そして何年かたった後で、その時得した何倍も損する出来事がおこってくるんよー」と言っておりました。そして「良い事をしたり、人のためになる事をして(お金に関する事意外も含む)そのときは損をしたように見えても、神様はじっと見ていて、何年かした後で必ず何倍も得をするような出来事がおこって来るんよー」と例をあげながら言っておりました。多分善と悪についてわかりやすくさとしてくれたのでしょう。私は今でも父が云ってくれたこのことを信じている風潮が多少あります。 
 空手協会の5条訓の中に「誠の道を守る事」があります。善と悪の真実をみきわめ、善に励むことと言われています、私も含め皆で実践に努力していきたいと思います。
 先日、京都に住んでいた私の大好きな弟が急に亡くなりました。脳梗塞という病気でした。その日はいつものように元気で仕事を終え夕食も終えテレビを見ていたそうです。弟の妻は用事があったので一寸出かけますと言って出かけました、一時間ぐらい経った後で妻が戻ってみると、すでに意識不明の状態であったそうです。あわてて救急車で病院にかけ付けましたが、ついに意識は戻らず、わずか四日でなくなってしまいました。私の悲しみはもとより、弟の妻、3人の子供達の悲しみは大変なものでした。弟は私より7歳年下で兄弟の中では一番元気でした。本当に残念な気持ちで一杯です。
 練習生の皆さんは、お父さん、お母さんが急に亡くなってしまったことを想像したことがありますか?。普段は「お父さん、お母さんはうるさいことを言う」などと思っている人もいると思います。しかしお父さん,お母さんが元気でいることがどれほど幸せなことか、実感してほしいと思います。練習生の皆さんは、お父さん、お母さんに心配をかけないよう、又健康にも気を配ってあげて下さい。例えば毎年一回は健康診断を受けていただくようお願いをすることです、今は元気そうに見えても病気が進行している場合もあるのです。病気の早期発見は大切なことなのです。
 それから、もしも家族が急病になったとき、どのように対応したらいいのか、常に家族全体で考えておく事も大切な事です。どのような手続きが必要か、何処の病院に行ったらいいのか、など話し合ってほしいと思います。
 弟の死に遭遇し、私の思った事を述べさせていただきました。
 新しく入会した練習生の態度の中で、じっとして話を聞く事ができない子供達が多いような気がします。常にキョロキョロ、目の位置が定まらない、話をしているのに周りの人にしゃべりまくる、下を向いて手遊びをし、人の話を聞かない、真面目に話を聞いている人にちょっかいをかけ、邪魔をするなど。こんな態度がよく目に付きます。 
 私はこのような子供は道場だけではなく、学校でも同じような状態であると感じております。そしてこのような子供の学力の成長はどうなんだろう、又このような子供を教えている先生方はさぞ大変だろうなーーと思います。
以前にテレビの番組(徹子の部屋)で金村義明さん(野球解説者)が次の様に言っておられたのを思い出します。
(注、金村義明さんは夏の甲子園高校野球、報徳学園で優勝、その後近鉄にて野手として活躍した方です)
金村義明さんのお母さんは、私は勉強の事は何も教えられないし、貧しくて塾にも行かせられない、ただ次の事をしっかり守ってほしいと言われたそうです、その言葉は「黒板をしっかり見る事、そして先生が話されている時、先生の目をしっかり見る態度が大切だ!」と言われ、それをしっかり守ったお蔭で勉強が出来る様になったそうです。つまり「集中する事の大切さ」をお母さんが教えてくれたのです。
 武道を指導する我々としてもこの集中力をつけさせるために努力する事が重要だと思っております。
交野青山支部のやる事
1.正座して黙想する習慣をつけると共に道場訓を全員で斉唱する。
2.師範、指導員が話す時は、道場生は必ず話す人の目お見て聞く習慣をつける。(習慣がつくまで毎回厳しく指導する)
3.試合を通じて集中力の大切さを常に教えていく。(特に形の目線の位置、組手の受け攻撃、極めの集中力)
学校の先生方より、空手をやっている子は一寸違うなーと思われるように、良い評判が出れば最高に思います。

 空手道は武道の一つです。そこには身体をきたえ、精神的にも成長する事が目標となります。今日はその中でも「苦しみに耐える事の大切さ」について述べてみたいと思います。空手のけいこは、あまり楽しいものではありません。試合に於いても緊張感はもとより、組手においては痛みに耐える事も多々あります。特に今の時期のけいこは寒い体育館で素足の足そこが寒さで痛くなる事があります。低学年の子供達は泣きながら耐えてけいこをします。そしてこのようなけいこに耐え続けて素晴らしい忍耐力をつけていくのです。なぜこのようなけいこに耐える事が大切なのでしょうか。私は以前にNHKのテレビ(生活ホットモーニング)で次のような番組を見たことがあります。 
 テーマは「人生いきいき」夫婦で続ける金魚養殖でした。東京に住む老夫婦が強い金魚を育てるために、苦労している姿を写していました。私は今熱帯魚を飼っていますが、金魚も同様、飼いかたを誤るとすぐに死んでしまいます。私はテレビの番組を見て驚いてしまいました。立派な金魚の住む、養殖の池の水はとてもきれいとはいえません、出荷するために網ですくったあと、大きな桶に金魚を入れていきます、桶の水は当然どろどろで金魚で山盛りになっています。アナウンサーがこんな事をすると金魚が死んでしまいませんか、と心配そうに聞いておりました。老夫婦はうちの金魚はこの程度では死にません。少々のことでは死なないのがうちの金魚の特徴です。飼い主が多少みすをしても死なないように養殖中に鍛えてあります。と言われておりました。あのひ弱い金魚でも鍛え方一つで強い金魚になる。とゆうことを実証されていたのです。
 私は人間も一緒だと思いました。親の遺産で頭が良く、いい学校を出て就職しても、苦しみや困難に耐える力が不足して、挫折する例をよく見ています。勉強が出来る事はそれに越したことはありませんが、たとえ勉強が出来なくても、困難に耐える事が出来れば、よの中で尊敬される仕事につき、立派な人間になれると私は信じております。そしてこの苦しみに耐える力は子供の時に養うのが良いと思っております。練習生の皆さん、保護者の皆さん、せめて黒帯になるまで空手道を続けて下さい。日本空手協会の初段は並大抵では取れません、しかし「継続は力なり」という言葉があります、努力する事を継続することで初段(黒帯)獲得が可能になってきます。このことにより立派な忍耐力が養われる事でしょう。そして世の中になくてはならない人になってくれる事を期待しています。


H15.03
 私達の道場生の中には、師範や指導員の注意を聞いて、どんどん上達する子かいる反面、何回注意してもなおそうとしない子がいます、当然昇級はおそくなってしまいます。又特別に気をかけなくても、真面目に手を抜かず懸命に練習する子かいる反面、師範がそばにいるときはやるが、目を離すと適当にサボりながら練習をする子が結構多いのです。熱心な子は練習が終っても、寸暇を惜しんで「師範見てください」と言って来ます、今日はこれで終わりと言わないとやめません。この差は何でだろう、何でだろうと。当然本人のやる気の大小がこの結果に現れていると思います。が、このやる気はどうすれば起こるのでしょうか。私は常に悩みます。以前に私は道場生を集め次の様なことを話した事があります。  歌手で詩人でもある「みつる」さんが言った言葉ですが「人生はカケ算だ、どんなチャンスがあっても、君が「0」なら意味がない」 という言葉です。これをコピー用紙に拡大して示しながら説明しました。多分次のような説明をしたと思うのですが、空手に当てはめてみると、どんな立派な先生に教えてもらっても君達がやる気にならないと、決して上達はしないのですよ、3倍ぐらいの良い先生がいても君達のやる気がゼロなら、3×0=0です。私のような1程度の指導者でも君達のやる気が3倍あれば1×3=3になりどんどん上達します。と言ったような気がします。高学年の練習生は解かったような顔をしておりましたが、それでやる気がおこった、いやそんな簡単にはやる気はおこりませんでした。私は練習生に常にやる気になれ、やる気を起こせと言います。しかしこのやる気を起こす、やる気にするのも師範、指導員の立派な役目です。空手の技の技術だけを教えても何にもなりません。本当に悩んでしまいます。良い方法があれば是非教えて、アドバイスしてほしいと常に思っています。でも悩んでばかりではいけませんので、当面交野青山支部としては次の事をやってみたいと思います。
 各人に合った具体的な目標をもたせるように仕向け、達成させるための援助をするよう努力する事にしました。
確かに私自身がやる気を起こす時は仕事につけ、空手についても常に具体的な目標がありました。自分から進んで練習をする道場生は各試合で良い成績をあげるための目標を持っています。普段はだらだら練習する子でも審査の直前は真剣に練習します。昇級したいという目標があるからだと思います。この真剣さを持っていればやる気は失われません。
 保護者の皆さんにお願い致します。昇級審査は年2回ですが、各種大会は年5回あります(全国大会に出場する人は6回)是非各大会に出場させて下さい。試合時間はわずかですが、試合に出場する子は普段の練習時のやる気が違っています。どうせ負けるからーーと思われるかも知れませんが、試合が終った後の子供は確かに上達していると私は実感しています。一回戦で負けても、立派な体育館で大勢の人の前で演武が出来る、子供達には貴重な体験が出来るのです。目標設定については、試合に出ることを目標とする子、一回戦に勝つ、ベスト8を目指す子、3位以上を目指す子いろいろな目標があってもいいと思います。それぞれの目標を達成した子に対し私は褒めようと思います。それから、たとえ一回戦で負けても、一生懸命にやっていたら保護者の方は思い切り褒めてやって下さい。残念ながら私は試合中、審判をやっていることが多くみんなの試合を見てやる事が出来ません。よろしくお願いします。やる気になった子には私も教えがいがあります、叱咤激励しながら指導していきます。 
 今の子供達は恵まれた環境に育ち、殆ど苦労知らずで過ごしている子が多いのです。学校の試験も同じですが、空手の審査、試合に出ることは子供達にとっては試練です、緊張もするし、苦しみに耐える事も必要です。たくましい子供を育てるために、保護者の方々、力を貸して下さい、お願いします。
お父さんお母さんの健康に気を配ってあげよう
集中力の大切さを認識しよう
女子マラソンランナーに感動

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苦しみに耐える力を養おう
師範のつぶやき NO-1
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