記事一覧

おおかみこどもの雨と雪

『おおかみこどもの雨と雪』観てきました!
忘れないうちにざっくりと内容のまとめと感想を書いています。
※ネタバレしてますので、ご注意ください!


鑑賞後、私の近くに座っていたアニメファンらしき男の子たち(高校生くらい?)が、
「サマウォよりおもんなかった」とか酷評してたのがグサッときたのですが…(泣)
確かに、サマウォのようなエンタメ要素満載な派手さは一切なかったので、
そういう意見が出るのも納得できるかなーと。
私ももう少しアニメファン向けなサービス要素入れてくるのかと思ってました。
思った以上に直球勝負で来たなぁという印象。
テレビCMとかが、家族向けの夏休み映画っぽく紹介されてたけど、
どちらかと云うと大人向けの映画だと思いました。
劇場にはお子さんも多く観に来ていて、最後まで大人しく座って観ていたのでお子さんでも大丈夫だったのかもしれませんが…小学校高学年の女の子辺りは好きそうな感じでしたけど。


個人的には時かけサマウォより好みでした。
もちろん過去2作品も好きなんですけど、時かけは高校生の甘酸っぱくほろ苦い青春劇が私には少々恥ずかしく感じられて^^;、サマウォはどうしてもウォーゲームと比較してしまって素直に観られなかったところがあったので…


今回山下さんが作監ということで作画全体の山下カラーが強かったのが良かったです。もういっそ山下さんがキャラデザでも良いんじゃないかと…一般的なファンにはもっと貞本さんの絵に近づけて欲しいって意見が多いんだろうなぁ。


私は結婚も出産も子育ても経験ないですけど、世代的には花さんと同年齢で、一応(?)多少の母性本能も持っているつもり^^ですので、花さんに感情移入できたのが良かったです。
逆に子育て経験のあるお母さんがご覧になると、現実はこんなに甘くないよーと思われるかもしれないので、難しいところかも。
私は単純に、母親になって強く生きていく花さん凄いなぁとか、思春期を迎える雪お姉ちゃんの心の葛藤とか、自分の生きていく道を選択する雨くんの成長とかが、じんわり、じっくり、派手さはなくても淡々と描写されていたのが、切なくも心地よく感じられました。

↓作品の内容に触れているので畳んでおきます(クリックで読めます)
■ネタバレ感想を読む■


最初の『おとぎ話みたいな話だと…』のモノローグの時点から何故か切ない気持ちでいっぱいになってしまって、おおかみおとこさんの死に方がまさかあんなショッキングな形だとは予想してなかったもんで(車に乗るシーンが多かったし、交通事故で亡くなるのかな?とか思ってたら…)、あのあたりからどばーっと涙が止まらなくなってしまって焦った…
草平くんを傷つけてしまった雪ちゃんが車の中で号泣するシーンと、雪と雨のマジ姉弟げんかのシーンもぼろ泣いた。そこまで泣く場面じゃないはずなのに^^:


花さんが大学でおおかみおとこさんに惹かれたのは、たぶん、人が大勢いる大学で、彼の姿に孤独を感じたからなんじゃないでしょうか。
花さん自身も親しい友人はあまりいなかったみたいだし。
父親の葬儀の場で笑っていたら不謹慎だと云われた、のエピソードと、自分の帰る家を持ちたいという彼に「じゃあ私がお帰りって言ってあげるよ」と答えたシーンが、すごく胸に響いたというか…
花さんも結構つらい思いをして生きてきたんだと思うけど、それを笑顔に変えることで自分を奮い立たせて生きてきた。だから彼女は無個性のようで、すごく芯が強い。
お互い独りぼっちで、家族に恵まれなかった者同士だったから惹かれあって、自分たちの理想の「あたたかい家族」を作りたかった、そういうことだったんだろうなと。


小さいときの雪と雨の姉弟がすっごくかわいくて。細田監督の子どもの表現は素晴らしいですな。
サマウォがウォーゲームならおおかみこどもは劇場版デジモン1作目の雰囲気に近いかなと思いました。
物語の前半と後半で、きょうだい(デジモンは兄と妹、おおかみこどもは姉と弟)の立場が反転するところなんかもデジモン1作目に近い。


人とおおかみが混じり合った「家」を真ん中にして、左の道=学校(人間)の方向へ進む雪と、右の道=山(おおかみ)の方向へ進む雨の表現が、すっごく細田演出らしくて好きでした。
前半で、花さんが雪を小児病院に連れて行くか動物病院に連れて行くかで迷うシーンがあったのですが、あれが既に左の道=小児病院(人間)と右の道=動物病院(おおかみ)を暗示する伏線だったのかな?と思ってみたり。深読みかもしれん(笑)けど、監督ならそういうところ拘ってるような気が…


雪と雨が成長していく過程を、小学校の廊下をスライドさせて描写していく演出なんかもものっそツボ(笑)
最前列で積極的に授業に参加する雪と後ろの席で消極的な雨、いじめられそうになった雨を助ける雪、学年が上がる毎に学校に行かなくなる雨…
科白が一切ないのに1、2分で数年間の姉弟の学校生活の様子を説明しちゃってるんだから面白い表現だなーと。
雪の坂をダイナミックに滑り落ちる花さんと子どもたちのシーンも好きだけれど、リアルな生活感が感じられるこういう演出が大好きなんです。


細田作品は完成度は高いと思うけど、どこかモヤっとしたまま終わってしまうところがありますよね。意図的なものかもしれないけど、腑に落ちないというか(笑)それはデジモン時代からそうだし、時かけもサマウォの時もそうだった。
今回もやっぱりモヤっとした感じがあって、しかもどこか突き放された感じで終わっちゃう。でもそこがいい。
たぶん、あまりに完成度が高すぎると、窮屈すぎてしまうんだろうなと。
私はどこか未完成なところがある作品が好きだったりするので(作品の評価は別として)、そこが細田作品が好きな理由の一つかもしれない。
そこがいやって言う人もいるだろうけど^^;

それにしてもこのお話、格好良い男性キャラがたくさん登場しますよね(笑)!
おおかみおとこさんなんて超イケメン…外見は怖そうなのに、転んだ子供をさり気なく抱き起こしてあげる所なんて、花さんが胸キュンしてしまうのも解りますよ!!彼の正体を知っても受け入れちゃうのすごく分かるよ!
雨くんも幼少時代のお姉さん泣かせのショタっぷりからクールなおおかみになっていくギャップがたまらん…父親譲りの容姿ですしね。個人的には幼い時の白い帽子姿がタケルみたいでうわぁ!と勝手に萌えてました(笑)雨くん可愛いカッコいいな…密かに一番好きなキャラだったり。
そして草平くんも小学生にしてこの格好良さ。家庭の事情があって根はすごく大人びてて冷めてるのに、愛想よくクラスに溶け込もうとする姿は転校生の護身術スキルなんでしょう。階段の鏡の前で雪ちゃんと「早く大人になりたい」と話しあったシーンがくらくら来たよ。教室で雪ちゃんがカーテン越しに秘密を明かすシーンもとても綺麗でした。もう雪ちゃんと将来が約束されたも同然ですよね^^
ツンデレな農業のプロフェッショナル・韮崎のおじいさんも格好良いわぁ。

これだけ挙げても格好良い殿方が多すぎる、やっぱりこの作品は女の人向けだと思いますよ!もっと女性に観て貰いたい作品です。


とても良かったのですが何だか日テレ的に細田作品をポストジブリに持ってこようとしているのが気になるというか…
ジブリと細田作品はお互いに違った魅力があると思うのですが、やっぱり一般層が求めるアニメ映画に括られてしまうのでしょうか。
細田作品は通好みと云うか、密かに評価されて欲しいと勝手に思ってるんですけど、興行収入も取れないといけないし…うーん。
だいたいサマウォで一般層に勘違いされてしまった感があるのですが、細田監督の作品ってジメっとした鬱さや暗に官能的な描写が魅力だと思うんですよ。
子供向けのデジモンを使って本妻と愛人が旦那を奪い合う駆け引きを演出しちゃうような監督だよ?(笑)
だから今回、あまり媚びずに官能的な描写入れてたのが逆に私は好きだった…
狼と人間の異類婚姻譚を要素にしたのも魅力だったし。

それから細田監督はやっぱり長編よりも短編の方がお上手だと思う…ウォーゲームのあの爽快感と映画デジモン1期&無印21話の濃厚さは長編作品より圧倒的に上だと思う。
細田監督の東映時代(その前のアニメーター時代も)のお仕事って一般層には黒歴史扱いっぽくなってるのがなんか納得できない(笑)

忘れないうちに感想を…と思いつくままざくざく書いたのでいつものことですがまとまり無いです、すみません。


おおかみこどもすごく良かったです、DVD出たら買いたいです。