朝、目が覚めてもやはり他には誰もいなかった。
しかし、この島はいい。無人島だが、水道もトイレも実は完備されている。
管理棟もあるが無人だ。ようするに無人のキャンプ場が無人島の中にあるのだ。
ただ、ここへ来るのは近所の島から徒歩で来るか、自転車、バイクか。
車での乗り入れが出来ない為に人が少ないんだと、いい穴場を見つけた気がした。
顔を洗い、食事をして、海岸に出た。
目の前の伯方島にはたくさんの人が見える。
もう、ちょっと離れていればいいのに・・・そんな贅沢な事も考えた。
まあ、いいや・・・さて、今日はどうしようか?
そこまで考えてから、ふっと気が付いて考える事をやめた。
「今日はどうしよう?」 都会の生活で、社会の中で、そう考える事が当たり前になっていた。
だけど、今はそう考える必要は無いんじゃないか?
「今日どうしよう」では、決められた予定をこなすだけ、そうじゃない。