マジマジワールドの早朝。

こんな朝早くにラムネスとミルクはジャージ姿でジョギングをしていた。

しかも11月下旬という寒い朝にである。

「う〜〜、ラムネスぅ〜。ねむいよぅ〜。さむいよぅ〜。」

「何言ってんだよ、来週の市内マラソン大会に出るために早朝ジョギングをするって言ったのは

 ミルクじゃないか! 文句言いたいのはこっちだぜ!」

「だって〜、優勝商品が新米1年分って聞いたら、燃えないわけにはいかないじゃな〜い。」

といった、やりとりがありながら30分ほど走り続けたところで小休止。

「ひ〜ひ〜。ミルク、ちょっと休憩するか。」

「ぜ〜は〜。そ、そうね。ラムネス。」

「どっか休めるところは・・・、ん? あれは煙? か、火事か!?

 ちょっと、行ってみよう、ミルク!」

「え、え? ちょ、ちょっと待ってよ〜!」

二人は煙の上がっている方へと走っていった。

少し走って、煙の上がっている元へたどり着いた二人が見たものは、

自分の家の庭で、たき火をしているおじさんだった。

「あ、あれ!?」

「なぁんだ、たき火じゃないの〜。もぅ、ラムネスったら、火事だなんて!」

「おやおや、どうしましたか?」

突然、駆け寄ってきたラムネスとミルクにおじさんは優しく声をかけてくれた。

「す、すみません。オレ、てっきり火事かと思っちゃって・・・。」

ラムネスは頭をポリポリかきながら謝った。

「まぁ、こんなに朝早く煙が上がっていたら、まぎらわしいかもね。

 ま、少し温まっていきませんか?」

「あ、ありがとうございます。」

おじさんのご厚意に甘え、二人は少しの間、たきびにあたらせてもらうことにした。


「・・・しかし、たき火に出会うなんて久しぶりだな〜。」

「え? ラムネス、こっちの世界じゃ、たき火って珍しいの?」

「う〜ん、する人が少なくなってきたっていうか、できる場所がなかなか無いというか・・・。

 おじさんは、お庭でよくたき火をされるんですか?」

「いや、なかなかできないね〜。今は消防署とかが結構うるさかったりするしね〜。

 このたき火をするのにも届け出を出してやっているんだよ。」

「届け出!? たき火ひとつで、そんなに面倒くさいことをしなきゃだめなんですか、おじさん!」

ミルクは目が点になるほどビックリしていた。

「そうなんだよ、たとえ自分の敷地内であってもね。

 消防車が来てしまったという家もあったという話も聞いたことがあるからねぇ。」

「なんだか、ちょっとさびしいな。たき火も普通にできないなんて・・・。」

ちょっとさびしそうな表情をしたミルクにおじさんが、

「お、焼けたかな? ほら、二人とも焼きイモをどうぞ。」

と、焼きイモをたき火の中から取り出し、二人に渡した。

「わ! 焼きイモ〜! いいの、おじさん! やった〜、いっただきま〜す!」

あっという間に明るい表情になり、焼きイモにパクつくミルク。

しかし対称的にラムネスは難しい顔をしていた。

そんなラムネスにおじさんが話しかけた。

「ん? 焼きイモが焼けてなかったかな?」

「あ、いえ。そうじゃないんです。

 彼女(ミルク)も言ってましたけど、たき火も満足にできない世の中って、

 なんかさびしいなぁって思ったんです。

 童謡にも『たき火』っていうのがあるくらいなのに、

 今はたき火に対してそんなに厳しいなんて・・・。

 いつからこんな世の中になってしまったんだろうなって・・・。」

「確かに、今の世の中、ちょっとギスギスしたところがあるかもしれないねぇ。

 学校の運動会ですら、うるさいと近所からクレームがあるという話もあるそうだし。」

「そうですか・・・。

 そう考えると、今の時代、物は豊かでも心は貧しくなっていっているのかもしれないですね・・・。」

21世紀に触れた、たき火の温かさからラムネスは何かひとつ学んだ気がした。



たき火を楽しむ環境がどんどん無くなっていっているのは残念ですね。

今の子供たちは、たき火の経験がないまま、大人になっていってしまうのでしょうか・・・。









 いかがでしたでしょうか、6つ目となりました、今回の小説。
いや、小説じゃないですな、こりゃ。
前作よりも短いものになってしまい、今回も盛り上がりやオチが無いものになってしまいました。
見ていただいた方にほんと、申し訳ないです・・・。


今回のお話はたき火に話だったわけですが、
たき火に限らず、昔は当たり前にできてたことや普通にあったものが、
今の時代にはできなくなってきたものが多くなってきていますよね。
なんか、そんなことをふと思い、書いてはみたのですが、
ま、私の文才の無さが前面に出てしまったようで(苦笑)。

これに懲りずに、また読んでいただければ幸いです。











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たき火