7月7日。この日はミルクの誕生日。

マジマジワールドのラムネスの家では、彼女の誕生日会が行われていた。

ラムネスはもちろん、ラムネスの両親、ミルクの友達からも祝ってもらい、

マジマジワールドで迎える初めての誕生日をミルクにとって最高のものとなった。

ラムネスからの誕生日プレゼントはミルクのたっての希望で、

バースデーケーキをホールで14個(!)。

ちなみに、14個というのは彼女の年齢にひっかけてある。

もちろん、ラムネスのふところに大きなダメージを与えたのは言うまでもない・・・。

しかし、そんな彼の財政が苦しいにもかかわらず、ミルクへのプレゼントはこれだけではなかった。



その日の夜。

「じゃ、おやすみ。ラムネス。」

「あ、ミルク。ちょっと待って。」

「ん、なに?」

「ほい、コレ。」

そう言ってラムネスがミルクにポンと投げて渡したのはラッピングされた少し大きなもの。

持ってみても、さほど重たくはない。

「え? なに、なに?」

「オレから、もうひとつの誕生日プレゼント。開けてみなよ。」

「え、やったぁ! なんだろ、なんだろ〜♪ また食べ物かなぁ〜♪」

はやる気持ちを抑えつつ、ラッピングを開けると出てきたのは・・・。

「・・・枕?」

「そ。枕だよ。・・・嫌だったかな?」

「ううん、そんなことない! ありがとう、ラムネス! 

 とっても嬉しいよ! あたし、今日からこの枕で寝るね!」



 そして、ミルクの誕生日からおよそ1ヶ月が過ぎた。

 8月11日、夜。

 コン、コン、コン。

そこにはミルクの部屋のドアをノックするラムネスの姿が。

「ミルク〜、起きてるかぁ〜?」

「はぁ〜い。(ガチャ)? ラムネス、どしたの?」

「ちょっと外へ行かないか。」

「外って・・・、こんな時間にどこへ?」

ミルクがそう言うと、ラムネスは上を指差す。

「へ? う、上?」

きょとんとするミルク。

「屋根だよ、屋根の上。」

「屋根ぇ!? そんなところで何するの!?」

「それは行ってからのお楽しみさ。

 そうそう、ミルク。このあいだミルクにあげた枕、まだ持ってるか?」

「うん。大切に使ってるよ。」

「その枕を持って屋根の上に行こう。」

ミルクにはラムネスが何をしたいのかが、まだよくわかっていないでいた。

そういえば、ラムネスの手には彼の枕と大き目のシートが。

(ラムネス、何をする気なんだろ・・・。わざわざ屋根に上がって2人で寝るだけ・・・?

あれこれ考えていてもしょうがないので、とりあえずミルクはラムネスの言うとおりに

いっしょに屋根の上にあがることにした。

屋根の上にシートを敷いて、その上に2人が寝っころがる。

この日の夜はとても天気が良く、都会には珍しく星空がとても綺麗だった。

「わぁ〜、夜空がとてもきれい〜!

 あ、そっかラムネス! この星空を私に見せてくれるためにこんなことしてくれたんでしょ!

 枕まで買ってくれて、ありがとう。すっごく嬉しいよ〜♪」

「それもあるけど、それだけじゃないんだ。」

「それだけじゃないって・・・、他に何かあるの? あ、何か食べ物が降ってくるとか!」

「・・・、食べ物から離れろよ(^_^;)

 ま、そのうちわかるよ。とりあえず、ゆっくりと星空を見てようぜ。」

「・・・? うん、わかった。」

2人が星空を眺め始めて30分くらいが過ぎた頃、夜空に一筋の光が。

「あ! 流れ星!」

ミルクが思わず声をあげた。

「あ、すぐに消えちゃった〜。何か願い事すればよかったよぉ〜。」

ちょっぴり残念そうな表情を見せたミルクにラムネスは、

「じゃ、次の流れ星が来た時に願い事をすれば?」

「次の・・・って、簡単に言うけど流れ星なんていつ出るかわからないし、

 そんなすぐに出ることなんて・・・、えっ!?」

さっきの流れ星から5分もしないうちに、新たな流れ星が姿を現した。

「わっ、また出てきた! えっ、どういうこと!? あ、また!」

ミルクが驚くなか、

なんと数十秒〜数分間隔で次々と流れ星が夜空を走り抜けていた。

「え、え、すごい! すご〜い!! 流れ星がどんどん出てきてるよ〜っ!

 ラムネス、今日の夜にこんなコトが起きるのを知ってたの!?」

「うん。偶然、本で見つけてから色々と調べたんだ。

 毎年、この時期に1年で一番、流星群がよく見えるんだけど、

 そんななかでも今年は130年に一度の大流星群がみることが出来る年で、

 今日がその日になるだろうって予想が出てたんだ。

 それを知って、ミルクとこの流星群を一緒に見たいなぁって思って、

 誕生日に枕をプレゼントしてこんなコトをしてみたんだけど。

 いかがですか、ミルク姫?」

「うん、すっごい素敵! ラムネス、ありがとう!

 最高の誕生日プレゼントだよ〜!」

「喜んでもらえて、オレも嬉しいよ。よかったぁ〜。」

ミルクの最高の笑顔に、ラムネスもひと安心。

そして、

「・・・・・・・。」

今、姿を現した流れ星に、ミルクはそっと瞳を閉じて何か願い事をした。

「お、ミルク、お願いしたな。何をお願いしたんだい?

 あ、また『お腹いっぱい何か食べた〜い』とかだろ〜。」

「ひ〜み〜つっ!

 私だって、たまには食べ物以外のことをお願いするときだってあるんだから。

 さ、まだまだ出てくるんでしょ、流れ星。ゆっくりと二人で見ようよ。」

「うん、そうだな。」




ミルクが流れ星にお願いしたこと。


    いつまでも・・・、ラムネスと一緒にいられますように。

    普通の毎日を彼といっしょに過ごせますように・・・。

    他には何もいらないから・・・。



なんでもない普通の毎日をラムネスといっしょに過ごしたい。

それがミルクにとっての大きな願いであり、彼女にとって最高の幸せ。

この願いが、幸せがいつまでも続きますように・・・。











 いかがでしたでしょうか。
2005年に入りまして2つ目の小説でございました〜。
今回、私が書きたかった事はズバリ、流星群のことでした。
小説に出てきたこの流星群についてなのですが、これは実際にあるもので、
ネット検索でも『ペルセウス座流星群』などで調べると、きちんと出てきます。
流星の数はその年によってまちまちで、小説での130年に一度の大流星群というのは、
1990年代にあったそうです。
ちょうど、ラムネがタイムリーな時期である90年代ということで、
今回のネタに使わせてもらうことにしました。
で、結局それを出したかったがために、お話そのものは・・・(汗)。
ま、これは毎度のことなので・・・。ほほほ(開き直り)。
ちなみに今回のタイトルも前作同様、私の好きな歌のタイトルを使わせて頂きました。


いつもこんな小説を読んで頂いて、ありがとうございます。
次はいつになるかわかりませんが(本当にわかりません・・・)、
これからもよろしくお願い致します。











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