時というのは本当に強引である。

何をしなくてもどんどん進んでいく。朝、母親が早く学校に行きなさいとわめくのは時のせいだし。

彼女がほしいなんて考えるのも元をたどればときのせいだ。

テストのある日なんかはそいつの存在を改めて実感させられる。あいつはきっちりと白黒つけてくる。

最高裁判所の裁判官のように。でも、こっちは慈悲の心なんて持ってないから本当に残酷だ。

時間に間に合わないなんて言葉もできるはずだ。だって、あいつ容赦無く迫ってくるんだもん。

そして、何食わぬ顔で過ぎていくからあまり非難受けないんだよな。

たまに一定リズム刻んでるのか確認したくなる。眠りでもしたら大変だ、自分の知らない世界が終わっている。

何もすることが無いときは反対にあいつの遅さに気づく。本当にわからない曲者だ。早いのか遅いのか。

ただ、あんなけ強引ならそりゃ進化するよ。人間は。

 

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