追っての風と波に乗って

早朝、蚊の猛攻に一旦は起きたもののまたまどろんでいると、
S沢さんが宴会の後片付けを済ませてくれていた。これはいかんと思うが体が重い。
S沢さん、すみません、ありがとうございました。
朝食は海上で摂ることにしてもやいを解く。午前6時少し前、波浮を後にする。
連日吹き募る南風でうねりもかなり大きくなっているようだ。風、波ともに追手。
吹っ飛んだトラベラーは昨日S沢さんが修理をしてくれて一応くっついている。
今日は追手の風でトラベラーにはテンションもかからず助かった。
途中からスピンポールを張って観音開きで快調に進む。
実を言うと今の今までスピンポールの使い方さへ知らなかったのだ。
お陰で帰路は遅くて5ノット後半、早ければ7ノットオーバーとすこぶる早い。
それでもむちゃくちゃなうねりに押され、暴れ馬に乗ったような気分であった。

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暫くは島の影響で風も定まらなかったが、島影を外れると少し落ちて安定してきた。
今日はあっという間に島が遠ざかり見えなくなる。
今度は三浦半島が見えてくるまで酷暑の海上での我慢である。
カキ氷で涼をとったりしながらじっと遠くを見つめて過ごす。
三浦半島に近づくと海底の起伏のせいかやたらと波に揉まれるが、
剣崎をかわした途端に静けさに飲まれた。

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やがて観音崎を回り、なんだか懐かしい思いに捉われていると、午後の西風が強く吹き出してきた。
昨日の大島周りの風、今日の外海のうねりの後でなんとなく鈍感になっているが、
これが吹き始めると慌てて引返すのが普段の私である。グッとヒールする船を操りながら
上機嫌でいい風に恵まれたと言っているNaoさん、S沢さんがまぶしく見える。
YBM近くで帆を降ろす段になって、メインハリヤード固定用の細引きがサイドステーに絡み
セイルダウンができなくなってしまった。取り忘れたことが悔やまれたが幸い解け
入港するまでにはなんとかセイルを降ろすことができた。自分のやることは何から何まで稚拙だなと
われながら苦笑いするほかない心境である。何故なら、こういうつまらないことで
手数をかけたり余計なリスクを負ったりするのはどの世界でも初心者の共通点であるからだ。

<大日本茸の会大島に行く>

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S沢さん

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Naoさん

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gk

今回念願かなって大島に行けた。Naoさん、S沢さんのお陰である。艤装、船内外の準備と在り方、
夜間航行、海況に応じたコース取りと操船。何から何までいい勉強をさせてもらいました。
今回の体験を基として、いつか自分で納得のいく船旅ができるよう楽しんで行きたいとつくづくそう思った。
Naoさん、S沢さん本当にありがとうございました。そしてまた懲りずに遊んでくださいね!

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