まず、 OF 司令部はルナツーと出撃艦との通信記録を付き合わせて、通信網の蚕食を
(ようやく)察知した。これに対して OF 司令部は、現状では死活的に重要な――これ
がなければ個別戦闘能力に劣る彼らは、有効な戦力足ることが出来ない――通信網を再
構成するために、下手をすると戦艦以上の高価値存在(HVU) である CI ―――【ビッ
グアイ】【雷眼】【スズキドゲザエモン】をはじめとする【ビッグアイ】級情報巡航艦
を、惜しげもなく一斉投入した。勿論、護衛に就いた任務隊へは、真偽に関わらず展開
中の通信衛星一掃を命じてある。
泥縄もいいところだが、全く妥当な現実的対応だった。瞬く間に地球軌道通信網は正
常性を回復した。各部隊を有機的に連携させることが可能となった地球軌道艦隊は、本
来の作戦能力を取り戻し、 CI 投入以前に編成を始めていた臨時任務群複数を躊躇無く
片っ端から地球軌道上各戦域へ投入し始めた。