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+--- この中で何がおきているんだろう?---+

自家製酵母を作ってみようと思った時、いろいろ調べてみたが ここで何を何グラム入れて何時間待つ、的な説明はあまりなかった。 とにかく、見よう見まねでやってみたら、なんとかパンが焼けたのでビックリ。

はじめは、自分が育てた酵母でパンを焼いている、という満足感だけで充分だったが、 だんだん欲がでてきて、もっと短時間で酸味を出さず、発酵させたい、とか、 出来るだけ手軽にパン種を維持してゆきたい、と思うようになった。

いったいこのビンの中で何がおきているというのだ?ということを レーズンから起こした酵母に当てはめて考えてみよう。

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◇ビンを煮沸消毒し、レーズンと水を入れる

【目的及び根拠】
・煮沸消毒により、培養を目的とする酵母以外の菌が増えるのをふせぐため。

・水を入れるのはレーズンの表皮に自然に生息する酵母菌に水分を与え活性化させるため。

・糖分は酵母の栄養源であるため、単糖類であるブドウ糖や果糖を豊富に含む果実は、酵母にとって理想的な培地である。

・生のブドウ一粒についている酵母のうち、4分の1がパン作りに適した酵母で、残りの酵母のうち、3分の1が酸を多く出す酵母だと言われている

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◇ビンを暑すぎず、寒すぎないところに置く

【目的及び根拠】
・酵母がもっとも活発になるのは、25〜32℃の間といわれている。酵母は菌類の中でも比較的丈夫で 酵母に適した環境ではどんどん増える。

・38℃を超えると機能が低下し、60℃以上になると死滅しはじめる。逆に低温では活性が低下し−40℃で冬眠状態となる。

・温度が高すぎるとパン作りに適さない菌も増殖してしまう。25℃くらいに保つことで、パン作りに適さない酵母の増殖を抑え、パン作りに適した酵母だけを 増殖させることが出来る

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◇1日数回ビンを揺らしふたを開ける

【目的及び根拠】
・酵母の生育に必要な酸素を与えるため。それならばふたは不必要では?と思うが、 ホコリや虫、空中の浮遊菌の混入を最小限に抑えるために、ふたは必要と思われる。

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◇レーズンが水を吸って水面から顔を出していたら水を足す

【目的及び根拠】
・レーズンの膨張により水面から出た場合、放置するとその部分が乾燥し、酵母よりも少しだけ乾燥に強い カビが増殖する原因になるため。

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◇ビンを振ると細かい泡がでてレーズンが浮き上がり、レーズンが指で簡単につぶれるくらいになればエキス完成

【目的及び根拠】
・発酵により生産された炭酸ガスの作用でレーズンが浮く。 指でつぶしてみるのはレーズン中の養分の消費具合を知る、指標ではないかと思う。
・その他アルコール臭、泡の出具合等をみて総合的に判断する必要あり。
・このころになると、炭酸ガスとアルコールのおかげで、カビなど他の菌の発育は阻害されるのではないかと思う。


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◇エキスを絞り冷蔵庫で保存

【目的及び根拠】
・培養に成功したエキス中の酵母の活動を抑えるため。
常温で放置すると、酵母が糖分を消費しつくしてしまったり、酵母自身が作り出した有機酸により死んでしまったりする。

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◇エキスに粉を混ぜパン種を作る

【目的及び根拠】
・小麦粉に付着している他の野生酵母菌を取り込んで酵母を強くするため。 小麦を皮ごと挽いている全粒粉の方が他の酵母菌も多く混入するため発酵力が強くなるものと思われる。 言いかえれば、その分発酵産物の量も増えると言うことか・・・。

(未確認)数回に分けて増やしていく理由

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◇粉と水によるかけつぎ作業

【目的及び根拠】
・パン種の中に再び酵母の栄養となる粉と、水分を与え、増殖させるため。
・室温で増殖(発酵)・冷蔵庫で活動を抑制・水分と栄養を与える、を、適切なタイミングで繰り返すことで 一度培養に成功した酵母を長く使い続けることが出来る。

(未確認ていうか今後の重要課題)
→適切なタイミングをつかむこと
→深く考えすぎず楽しくパンを焼くこと



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