『 ・・・ RE?  RE!   ― (3) ―  』

 

 

 

 

 

 

「 き 聞こえる !  」

ジョーは 虚空を見上げたまま動かない。

「 ?? 僕には  なにも聞こえないけど ・・・ ジェット、 君は? 」

ピュンマが怪訝な顔をしている。

「 聞こえねえぜ! 鳥がぴ〜ちく鳴いてるのは聞こえるけど よ! 」

「 呼んでいるんだ!   ぼくは ― あの声に従わなければ ・・・ 」

ジョーは 独り言みたいに言い切ると  さっと小型飛行艇で発進してしまった。

「 あの声??  なんのことなんだ?  なあ ジェット ・・・・ え? 」

「 ジョー !  抜け駆けは許せねェ〜〜〜! 」

 

   バシュ ・・・!  ジェット・エンジンに火が入った

 

「 くそ〜〜〜〜 先、 こされてたまるか〜〜〜 」

そのジェットも ピュンマの眼前からみるみるうちに遠ざかってゆく  ―  上 へ! 

「 ・・・ なんなんだよ〜〜〜 !! 」

彼は呆然を空を見上げたが ― そこには白い雲がぽかり、 ぽかり と浮かんでいるだけだった。

 

 

 

 

「 ・・・ どこだ? どこからぼくを呼んだ?? どこから呼びかけているんだ? 」

ジョーははるか上空を小型機で探索しつつも心の中は < 彼方からの声 > でいっぱいだ。

「 見つけなくちゃ!  ・・・ アレはきっと助けをもとめている声だった ・・・ 」

機内からでもこの星の遥か遠くまで見晴らすことができ 空気はあっと言う間に茜色に染まってきた。  

夜の領域が近づいてきたのだろうか。

「 機外に出ても大丈夫だろう。 よし。 ―  ちょいと上陸してみるか〜〜 」

ジョーはキャノピーを全開にし、 周辺を見回した。

「 うわあ ・・・ 綺麗だな。 ちょっと地球の夕焼け時に似てるかも・・・  う!? 

手元の空間ソナーが なにか大きな物体の存在を示している。

「 ・・・ 目視ではなにも見えないけど ― 目くらまし、 か!? 」

彼は機をホバリングさせておき、 翼の上に立ち上がった。

「 ― 何だ? どこにいる ・・・・?    ―  え !? 」

風に乗って あの声 が聞こえてきた。

 

      た   す けて  くだ  さ   い  ・・・・   

 

      ハイドロ ・ クリスタルの  なか に  !

 

「 ハイドロ・クリスタルの中?? どういうことなんだ?? 

 ようし、ソナーの精度を最大限にして ― 」

 

   シュバ −−−−−− ・・・・ !!!!   

 

突然 とても大きな 鳥 が 彼の前に飛び込んできた。

「 うわ??   あ  ・・・ あれ  ・・・ ジェット ?! 」

「 へ!  先を越されるのは 好き じゃねんだっ! おいっ ジョー〜〜 てめ〜〜 ! 」

「 君もあの声 を聞いたんだね!  ほら  呼んでいるよね! 」

「 声 だとォ?? 」

ジェットは 脚のエンジンを蒸かしつつ停止している。

「 なんの声だか 彼のなんとか  ・・・ じゃねえけど。  ここはオレ様に任せな! 」

「 なんだって!?  リーダーはぼくなんだよ?!

 普段の生活ならいざ知らず ― ミッション中はぼくの命令に従ってくれ。 

 それが正義を護るサイボーグ戦士の規律ってものだ! 」

「 正義の味方 は オレたちアメリカ人だ! 」

「 正義?   でも ― ソレは本当の意味での正義だったのかなあ! 」

「 んだとォ〜〜〜! 」

二人は大気圏上空で縺れあった。

 

   ―  ぽわん。   突如 空中にきらきら光る塊が浮き出した。

 

「 ?? な なんだ ?? 」

「 ・・・ どこから?? いきなり 出てきたよねえ? 」

二人は諍いなどすっかり忘れてしまい  その  きらきら  に目を凝らす。

「 な・・・んだか 柔らかい半透明な金属 ― みたいだね? 」

ジョーは手を伸ばして掴もうとした。

「 ちょ・・・ おい、ジョー! 落ちるぞ! 」

ジェットはぐい、とジョーの腕を引いた。  ついでに きらきら も捕まえた。

「 あ ありがとう!  ・・・ でもこれ  なに。 」

「 ふん ・・・ さっきのどっかからの声、の主なんでねえの? 」

「 え ・・・ じゃあ この中に誰かが封じ込められてるってわけ? 」

「 わかんねェけど ・・・  この外側の半透明なヤツがハイドロ・クリスタル なのかよ?

 えらくちっせ〜けどよ? 」

「 そうだよねえ ・・・ 」

「 ほんじゃ コレ、もってって クリスタル・エンジンにぶち込めばそんでおっけ〜 じゃね? 」

「 いや ・・・ ああ 確かにそうかもしれないけど でもさっきの声の主は・・・ 」

ジョーはひょい、とジェットの手から  そのきらきらを取り上げた。

「 あ!  てめ〜〜〜 」

「 これはぼくが預かる! 」

「 ジョーだんじゃねえぜェ〜〜  オレ様が先に拾ったんだぜ! 」

「 しかしイシュメールに必要だからね。 さあ 戻ろう! 」

「 お〜〜っとォ〜〜 」

ジェットは猿臂を伸ばし、するり、と取り戻した。

「 あ〜〜  ダメだってば〜〜 」

「 !  うわっち !! 」

 

   ―  ぽわん。   きらきら は二人の手から滑り出し 空中を真っ逆さまに落下し始めた。

 

「「 うわあ〜〜〜〜 待て 〜〜〜 」」

二人は 縺れあいつつ  きらきら  を追って落下を始めた。

「 ― ん〜〜〜 ・・・!  ぼくが先にゆくから! 」

「 てめ〜〜〜 ふざけやがってェ〜〜〜 」

「 この空間に隠されていたんだ〜〜   お先に! 」

「 あ ・・・!  待ちやがれ〜〜〜 」

ジョーは加速装置の on  off を繰り返し ジェットの一歩先を急降下してゆく。

「 くっそったれ〜〜〜〜 」

ジェットも負けじ! と 脚の出力を最大にし、追いつきジョーを捕まえた。

二人は 組んず解れつ ・・・ 宙を舞い降りる。

 

        こ  ここ  に ・・・ います  た たすけて ・・・

 

「  ・・・ き きこえる! あの声が ・・・!  ぼくにはなすべき事があるんだ〜〜 」

「 ?? なんだ、訳のわかんないヤツだな〜 おっと ォ   しまった! 」

最後の瞬間に きらきら は二人の手から飛び出して ぽわ〜〜〜ん ・・・と大きく飛んだ。

 

    ジャッ    ボ −−−−−−− ン ・・・・!

 

直後に 赤い服の二人は海に突っ込んだ。

 

   ぽ 〜〜〜〜 ん ・・・    きらきら は弧を描き跳ねて  ―  ぱし!

 

地上で待機していたフランソワーズが きらきら を ナイス・キャッチ! した。

「 ―  まあ ご苦労さま。  これが ハイドロ・クリスタル なのね。

 ああ ジョー ジェット  ・・・ 二人ともステキだったわよ〜〜 」

「 へ!  ・・・ ジョー〜〜〜 てめ ・・・邪魔しやがってェ〜〜〜 」

「 ジェット! だってきみがヘンな格好で現れるからじゃないか〜〜 」

二人は海の中で また言い争いの続きをしている。

「 ・・・ったく! コドモみたいなんだから〜〜   あ  あら?? 

 これ ・・・ 発光して ・・・・ る ??     ―  ええ ???  」

 

         こ  こ   です ・・・!  たすけて 

 

半透明のきらきら の中から 誰かの声が流れてきたのだ。

「 なあに??  この声 ・・・  うわ ・・・ な なんか中から光が!?   きゃ! 」

彼女は思わず   きらきら  を砂の上に放った。

 

         ・・・ ああ ・・・ この日を待っていました ・・・

         わたくしを助けてくださった方 ・・・  ありがとう

 

  ぽわ〜〜ん ・・・・  きらきらの中からなにかが飛び出し、みるみるうちに大きくなった。

始めはなにやらもわもわしていたが すぐにヒトの形態をとりだした。

「 ・・・ う そ ・・・  この 中に  ヒト が?? 」

フランソワーズは呆然として眺めている。

「 ・・・  あ ああ ・・・  やっと やっと ・・・ 解放されましたわ。 」

中から出てきた人物は 薄紫の雰囲気に包まれた女性だった。

つらかったのよ〜〜  ワタシ、薄倖のヒロイン〜〜  ・・・的なオーラを撒き散らし 

長い睫毛をぱしぱしやっている。

整った顔立ち ― いや結構美人 ・・・ かな、とフランソワーズは眺めていた。

 ― けど。  なんだかもみくちゃになっていたみたいで 長い薄紫のローブはぎちぎちに身体に

巻き付いていて、 長い髪はぼ〜ぼ〜に逆立っていた・・・

「 ・・・ に にんげん だった の  ?? 」

薄紫の彼女はよろよろしつつもにっこりと満面の笑みを浮かべ ― 

「 ああ〜〜〜 ついに来てくださいましたのね♪  嬉しい わ〜〜 お待ちしておりましたの。

  !  え  ・・・ あ ・・・ら ??  アナタが救いだしてくださったの? 」

彼女は に〜〜っこり笑顔を最強にすると フランソワーズを見詰め ―  途端に笑みを消した。

「 あら。  女のヒトなの?  え〜〜 うっそ〜  アナタがみつけたの? 」

「 い  いえ ・・・  あっち。  声 に反応したのは あっち ・・・」

「 ― あっち??   あらぁ〜〜 麗しい殿方がお二人も〜〜  ・・・ ん ??  」

フランソワーズの指差す先には ―  海の中に  オトコノコが二人。 赤い服着て二人。

 

    てめ〜〜〜 や〜りやがったなァ〜〜〜

 

    そっちが先に 手ェ 出したんだよォ〜〜

 

    じょ〜だんじゃね〜ぜ〜〜  この この このォ〜〜

 

    きゃ〜〜〜 あはは あはは あはは〜〜〜

 

    げしげしげし〜〜〜 ぬはははは〜〜〜

 

    うわ〜〜 うわ〜〜ぁん〜  えっち〜〜 じぇっとのえっち〜〜

 

 

海の中で 組んず解れつ ― べたべた ・ いちゃくちゃ〜〜 しているboys がいた。

「 え〜〜 アレがそのナニですけど ・・・・ 」

「 はあ??  」

「 だから その。  アナタが呼んだ声を聞きつけてやってきた本人です。 」

「 ・・・ ねえ?  あの二人 ・・・ 兄弟とか? 」

「 いいえ。 」

「 もしかして 従兄弟とか? 」

「 い〜え 全然。  他人同士ですよ、全くの。 」

「 ・・・・ そう ・・・・ 

 

  きゃ〜〜ははは ・・・!  がはははは〜〜   

 

海の中の二人はやっと上がってきたが 今度は浜で戯れている。

くすぐりあいっこ ・・・ のつもりらしいが ・・・ 他所目には恋人同士のいちゃつき合いにしか見えない。

フランソワーズは見慣れているけれど、さすがにな〜・・・と思い、声をかけた。

「 ちょ ・・・ ねえ〜〜 二人とも! 御挨拶くらいしてよ!

 こちら ・・・ え〜と ?  あのぅ ・・・ どなたさんでしたっけ? 」

「 ・・・ いえ ・・・別に結構ですわ。    ああ ・・・ がっかり ・・・ 」

 

    ふう〜〜〜〜 ・・・  薄紫のヒトは深い ・ 深い溜息を吐いた。

 

「 あら どうかしました? 

「 ・・・ いえ ・・・ 」

彼女はぐしゃぐしゃに絡まったドレスを直し ぼ〜ぼ〜な髪をきゅっと一つに纏めた。

「 他の方法で見つけるわ。  いっくらタイプでも  ― ゲイじゃねえ ・・・ 」

「 はい?  あのぅ・・・ すみません、この星にハイドロ・クリスタルって あります?

 あったら少し分けて欲しいんですけど〜〜  」

「  ・・・ ああ。 アレが欲しいのですか。  どうぞ? 」

 ― カラン  ・・・   例の半透明のきらきら をちょい、と爪先で蹴った。

「 え。  こ ・・・ これ? 」

「 ええ。  もう使いませんから。   ご自由にお持ち帰りください。 」

「  ・・・ あ  あのう〜〜 もうちょっと・・・っていうか、大量に欲しいんですけど・・・ 」

「 これ、濃縮・圧縮版です。 希釈すれば一年分になりますわ。 」

「 は はあ ・・ ( 一年分って なに?? )  あのぅ〜〜 どうやって希釈すれば・・・ 」

「 その海水を適当に注ぐだけ。 三分で大丈夫ですよ  ・・・ はい、どうぞ。 」

「 まあ〜〜 ありがとうございます〜〜♪ 

 ねえ!!!  二人とも〜〜〜!!!  帰るわよォ〜〜〜〜 」

フランソワーズは ま〜だ浜辺でじゃれあっている二人を大声で呼んだ。

「 なに〜〜〜 ? 」

「 あっは〜〜 オレら もうちこっと愛し合ってま〜〜ス ♪ な〜〜 」

「 な〜〜 ♪ あははは ・・・・ ちゅば〜〜ん♪ なんちっち〜〜 

「 !! ・・・っとにも〜〜〜   あ すいませんね〜 礼儀知らずで・・・ 」

「 ・・・ いえ ・・・ いいのよ。  じゃあ ・・・ 御機嫌よう・・・ 」

薄紫のヒトは またふか〜〜〜い溜息をつくと ドレスの裾をたくし上げ

とぼとぼと森の方へと歩きだした。

「 あ あの ・・・ どこへ? 」

「 ・・・ この奥に宮殿がありますの。  ―  御機嫌よう。 」

「 は  はあ ・・・ ごきげんよう ・・・ 」

 < 放っておいてください > オーラを撒き散らしつつ、薄紫のヒトは去っていった。

 

 

「 あははは〜〜    あれ?  誰かと話してなかった、フラン〜〜 」

青少年二人組 はやっと戻ってきた。

「 よ!  なんだ〜〜 ?  コレ ・・・不燃ゴミかよ? 」

 カン ・・・!  ジェットが 例のきらきらを蹴飛ばす。

「 だめよ!  これ ・・・ ハイドロ・クリスタルですって。  さあイシュメールに戻りましょ。 」

「 へええええ?? いいけど ・・・ あれ?  さっきのヒトはどうしたんだい。 」

「 あ〜 なんかきれ〜なねえちゃんがいたよなあ〜 」

「 あ あのヒト?  もう用はないから帰ります〜って。

 それで ・・・ これ、いらないからどうぞってくれたのよ。 」

「 へ〜〜〜  トクしたじゃ〜ん  けど、これ・・・少なくね? 」

「 海の水で希釈すればいいのですって。 」

「 ふう〜ん でも これでイシュメールは正常に航行できるよ。  」

「 だな。 オレ、これ持ってちょっくら先に帰ってるワ。    じゃ な〜〜〜 」

 

    シュバ !!   ドドドド −−−−− !!!

 

金髪ののっぽ はたちまち空の彼方へ飛び立っていった。」

「 そうね、お願いするわ。  ジョー、じゃあわたし達は ・・・ 」

「 うん、小型艇で戻ろう。  あ・・・ 途中でピュンマを拾ってゆかないとな〜〜 」

「 あ。 まだ化石に張り付いているのかしら。 」

「 だよね〜〜 さあ ・・・ 行こうか。 」

「 ええ♪ 」

二人は腕を組んで寄り添って♪   にっこり笑ってキスして♪

ジョーはもちろん、フランソワーズも超〜〜〜ご機嫌チャンだ。

 

    うふふ ・・・  801は虫除けにもなるのね〜〜♪

 

ジョーもるんるん♪ フランソワーズはもっとるんるん♪ ・・・

二人は わざわざ遠回りしてピュンマが張り付いている崖に寄ってから イシュメールに戻った。

そして ― ファンタリオン星 にはすっぱりと別れを告げたのである。

 

 

 

  ―  その後。  いろいろありまして ・・・

 

サイボーグ達は ゾアとの最後の闘いに挑んでいた。

 

    ズガガガガ −−−−!   ドォ  −−−−−− ン  !!!  シュバッ !!

 

彼らはゾア配下のダガス軍団を やっとのことで追い詰めることに成功した。

しかし彼らの最後の砦は要塞になっていて手強く、 さしものサイボーグ戦士たちも苦戦中だ。

「 クッソ〜〜〜!!   あの入り口をブッ飛ばせればなあ!! 」

「 ― 随分と強固な要塞だね。  僕たちの概念にはない物資なのかもしれないね。 」

「 ・・・ ん 〜〜〜〜 !!! 見えない !!  どう位置を変えてもダメだわ・・・

 要塞全体が強力なシールドで覆われているのよ! 」

「  く  ・・・ そ ・・・! 」

「 ふん。  外側が強固ってことは 内部は弱いって意味だ。

 俺がドアを壊す。  ジョー。  内部 ( なか ) を破壊しろ。 」

「 壊す・・・って。 アルベルト、それは多分不可能なんだよ。 だから ― 」

「 だから。  俺にしかできん。 俺の体の中のヤツを起爆させればいいだけだ。 」

「 !!! だ ! だめだ!! オッサン!! なに、考えてやがる?! 」

「 アルベルト!  君らしくないな。 特攻に利点は少ないよ。 」

「 だめ だめよ〜〜 絶対にダメ!!!  お願い ・・・! 」

仲間たちの悲鳴に近い抗議を アルベルトは悠々と聞き流す。

 

「 ―  ジョー。  その後はお前の仕事だ。 」

 

アルベルトはまっすぐにジョーを見た。

ジョーもその視線を 瞬きもせずに受け止め ― 迷いもなく視線を返す。

「 もちろん そのつもり さ。 」

「 おう。 」

二人は静かに 昼の海よりも穏やかな笑みを交し合った。

他の仲間達は 立ち尽くし、言葉を挟むことすらできない。

「 ― 善は急げ だな。  お前の国の格言だろ。  」

「 ああ。  行こうか アルベルト。 」

「 ・・・・・ 」

二人は すたすたと敵要塞へと歩きだした。  

「 あ! きったね〜〜ぞ〜〜〜 お前らぁ〜〜〜〜 二人でカケオチかよ〜〜 」

金髪のノッポが頓狂な声を上げた。

「 ジェットはん!  余計なコト、言わんと。 口にチャック!やで! 」

「 で  でも ・・・ おわ!? 」

 

  ドン ・・・!  彼を突き飛ばし、 亜麻色の髪の乙女が二人を追う。

 

「 いや そんなのいやよ!!!  」

「 フラン。  いつも一緒だよ ・・・ ね? 」

ジョーは 振り返ると彼女を抱き締めた。

「 ジョー ・・・ おお ジョー ・・・ ! 」

「 おい 行くぞ。 」

「 ん。 」

 ちらり、ともう一度振り返り ジョーは爽やかな笑みを残し ― 要塞へと消えていった。

 

 

激しい銃撃戦の末、ジョーとアルベルトは 要塞の入り口に到達した。

「 ・・・ おい ジョー! 無事か! 」

「 勿論!  アルベルト、君こそ ・・・ 」

「 はん! 俺の体はこの程度じゃ なんの損傷もないのさ。 」

アルベルトは 口の端をねじ上げ薄く笑った。

「 ― 下がってろ。 ジョー。  ここを破壊する。 」

「 アルベルト 」

「 ほら どけ。  ここが開いたら ―  そのまま中心部に俺を置いてゆけ。 

 どんな強固なヤツでも俺の爆弾を内部で爆破すればひとたまりも無い。 」

「 ― それはぼくがやる。  君は入り口を壊したら離脱するんだ。 ジェットを呼んで 」

「 おいおい。 約束が違うぞ。 司令塔は俺だ。 お前が言い出したことだろうが。 」

「 ・・・ う ・・・ そ それは ・・・ 」

「 だから。 下がってろ。  いくぞ! 」

「 ― わかった ・・・ 」

ジョーはぎりぎりまでアルベルトの援護射撃に入った。 そして ―  カチ ッ !

彼が両脚のミサイルを至近距離で撃ち込んだ瞬間に加速して退避した。

 

    ズガ −−−−−−  ン ・・・・!   ドー −−−− ン ・・・!

 

「 !  やった ・・・! 」

ジョーは加速装置稼働状態のまま 要塞内に突入した。

「 アルベルト!  どこだ〜〜 アルベルト〜〜 」

「 ・・・  こ    こだ ・・・ ジョー ・・・  」

「 どこだ??   ・・・ あ ! 」

加速状態で駆け回り、 やっと彼をみつけた。

爆風と衝撃で 要塞の中心部にまで吹き飛ばされ、転がっていたのだ。

「 アルベルト!!  無事かい!? 

「 ― 大丈夫だ ・・・ ふん 004はこの程度のことでは壊れん。 」

「 ・・・ よ よかった ・・・  」

「 ジョー、悪いがこのまま中心部まで運んでくれ。 先ほどの衝撃で脚がダメだ。 」

「 ・・・ わかった。 」

「 重くてすまんな。 」

「 ・・・ そんなコト ・・・ 言うなってば。 」

ジョーはアルベルトを背負い 要塞の中心部へと進んでゆく。

外からは難攻不落の要塞だったが 内部はやはりアルベルトの推測通り脆かった。

入り口爆破の衝撃で かなりの部分がダメージを受けていた。

 

   バリバリバリ −−−−!    ドドドド −−−−!

 

アルベルトを背負いつつも ジョーは奮戦し、アルベルトも右手のマシンガンで応戦する。

要塞内の オート防御システムは次々にダウンし始めていた。

二人はやっと中心部まで侵入に成功した。

   バチバチバチ ・・・   そこここの配線から火花が散り、 しゅうしゅうと白煙も上がっている。

ガードをすべきアンドロイド兵らは破壊され  防御システムの自動砲台のほとんどは沈黙していていた。

「 ふう ・・・ どうやらここが中枢らしいね。 」

「 だ な。  おい ここで俺を置いてゆけ。 」

ジョーの背中で アルベルトがぼそり、と言った。

「 けど ・・・! 」

「 おい。 この期に及んで何をほざく?  もうここまで来ちまったんだぞ。 

 どうしてもここを壊滅させるんだ。  要塞の息の根を止める。 」

「 ―  わかったよ。 」

ジョーは静かに彼を降ろし、メインコンピューターと思しきメカの前に座らせた。

「 ジョー。  俺が起爆装置をオンにしたら加速装置最大レベルで脱出しろ。 」

「 ・・・・ ! 

「 いいな。 これは命令だぞ。  司令塔は俺だ。 」

「 ・・・ アルベルト ・・・! 」

アルベルトは飄々とした表情だ。 

「 ―  ん。     行け! 」

「 ・・・  アルベルト 〜〜〜  !! 

ジョーはひと声、彼の名を呼び加速装置を稼働させようとした    が。

 

「  わっはっは ・・・・  なんと浅慮なヤツらめ〜〜〜  わっはっは 〜〜 

 

空間全体から 哄笑する声が響いてきた。

「 !?  だ 誰だ???  」

「 はっはっは 〜〜  この要塞を破壊して それで我らに勝ったと思っているのか〜〜

 片腹痛いワ〜  わっはっは 〜〜 」

「 !  お前は  ―  ゾア だな!  」

「 やっと気がついたか!  はっはっは ・・・ しかしもう遅いわ!

 この要塞がお前たちの墓場となるのだ! 」

「 ふん だからどうだというのだ。  てめェも道連れだ!   ジョー、 早く行け! 」

「 ―  ・・・! 」

アルベルトはゾア諸共に 吹っ飛ぶ気なのだ。

「 ―  004 の本当のパワーを見せてやる! 」

 

     ズ   ズズズズ  −−−−−  グワッシャ ッ !!!  ドーーーン !!!

 

激烈な爆発が起こった。

 

         ァ  アルベルト  〜〜〜〜〜〜 !!! 

 

ジョーは瞬間に加速し、爆発から逃れた が  ―

「 ?? あ  あれは!! 」

もうもうと立ち昇る煙と砕け散った要塞の瓦礫の中から  なにか大きな黒いものが

浮き上がってきた。

 

「 は!  はっはっは ・・・!   我ら不死身だ!  こんなことで倒せると思っていたのか! 」

「 !?  ぞ  ゾア ・・・?! 」

「 ご苦労だったな!  我らはヴォルテックスの中へ突入し、アレを得るだ! 」

「 ヴォルテックス?? なんだ それは!? 」

「 は〜〜っはっはっは !  知らないのか!  愚かな地球人め!

 ヴォルテックス とは全てのパワーの源 !  コレを支配するモノは全宇宙を手中にする! 」

「 な なんだって ! 」

「 わっはっは ・・・  このゾアが全宇宙を支配するのだ ! 」

「 そうはさせるか〜〜〜!! 」

 

       バババ −−−−− !!!    ドーーーン ・・・!!

 

       ぐわっしゃ〜〜〜ん  !!!   

 

「 くそ〜〜〜!!!  実体がないから巧く狙えない ・・・! 」

ジョーはなんとか ゾア を排除しようと狙うのだが、巧みにかわされてしまう。

「 ふふん !  それでもうお終いか!  それでは サイボーグ戦士よ ! 

 諸君らの健闘を祈る!  わっはっはっは 〜〜〜 」

「 くそ ・・・・!  コイツの弱点は なんだ?!

 それにしても ヴォルテックス ってナンなんだよ〜〜 」

ジョーは加速したまま 宇宙空間を追撃してゆく。

「 ゾアは一種のエネルギーだから ・・・  ヴォルテックスも似たようなものなのかな?

 でもともかく!  なんとしてもココで始末するんだ! 」

ゾアは 彼の遥か前方を物凄い勢いで進んでゆく。

「  くそ・・・!  このままヴォルテックスには逃げ込ませないぞ!! 」

それにしても ヴォルテックス とは何なのか。

ゾアはそれを得ることで 宇宙全体を支配できる、と断言していた。

「 ・・・ もしかしたら。  そうだよ、 ヴォルテックス が 巨大なパワーの塊なら ! 」

 

   ―  カチ カチ カチ ・・・!

 

ジョーは加速装置のレベルを最大からいっぱいに、そして 限界値まで上げた。

「 ようし ・・・ ! 追い上げて ― 飛び込ませてやる・・・! 」

ゾアも ますますその速さを増してゆく。  ジョーはハンター、獲物を追い詰める。

漆黒の大宇宙をバッグに 華麗なる追撃戦、いや 追いかけっこ が始まった。

ゾアはジョーを引き離そうと懸命だ。

「 負けるもんか!   ・・・ う?  」

一瞬、ジョーの身体がグラついた。  失速しかけたのだ。

「 ・・・くそ ・・・ どちらが先に限界値超えでぶっこわれるか、の競争だなあ ・・・ 」

勿論、だからといって速度を落とすジョーでは ない。

 

  ― そして ついに    ゾアはコントロールを失い大いなるエネルギーの源に突っ込んでいった。

 

 

     う !?  が  がア  −−−−−−− ・・・・・・!!!!!

 

 

    バチ ・・・・ッ !!!   音のない宇宙空間一際大きな花火 が爆ぜた。

 

それは悪意の塊、 ゾアの最後だった。

「 ふう ・・・ すごい ・・・   あ! ・・・ こっちもオーバーヒートかなあ・・・ 」

最早減速もできず ジョー自身もヴォルテックスに接近する。

「 ― うわあ ・・・ 綺麗だなあ ・・・  うん、 こんな綺麗なところで死ぬのもいいかも ・・・ 」

 

      ごめん。  フランソワーズ ・・・

 

      約束 ・・・ 守れなかった ・・・

 

「 すべてのエネルギーの源 ・・・ って すべての生命のモト ってことかもしれないな。

 なあ  ―  ぼくはもう何もいらないから ・・・ ぼくの愛しい人々に愛を ! 

 頼むよ ・・・  皆が しあわせに 笑って 暮せるように ・・・ して欲しいな 」

 

   ゴォ −−−−−−− ・・・・!    ジョーの身体は炎に包まれ始めた。

 

          「 こたえてもらいたい ヴォルテックス よ!  」

 

その夜   ひときわ明るい星がひとつ、中天を横切って流れていった。

 

 

 

 

 

    ―  ピチョン ・・・      あ  ・・・  ?  水 ・・・?

 

ジョーはぼんやりと目を開いた。

なにか透明な音が 聞こえた ・・・ と思った。

 

     あ  れ ・・・・  ?   ここ  は ・・・

 

目に入ったのは 見慣れない天井だった。   

「 ・・・ ここ  ・・・ どこ ・・・ ?   え ・・・ ベッドに いた、のか ・・・ ぼく ・・・ 」

手に触れるのは そして全身で感じるのはひんやりとした清潔なリネンの感触。

 カサリ。   身体をそっと動かせばブランケットが少し、揺れた。

「 え ―  ぼくは  ・・・  炎の中で ・・・ ? 」

思い切って上半身を起こしてみる。   どこも 痛むところはない。 腕も脚も軽くうごく。

「 ・・・・・・ 」

ぼんやりと周囲を見回した。   明るい部屋だ。

簡素なつくりで 大きなベッドに他には低いチェストとサイド・ボードがあるだけのようだ。

チェストの上には なにか可愛らしい置物が見えた。

 

   カサ ・・・ カサリ。   彼はベッドから立ち上がる。

 

素足に 感じるのは温かく軽く ―  寄木細工の床だった。

ベッドのすぐ下には荒い繊維で編んだマットが置いてある。

「 ―  あは ・・・ なんかいい気持ちだなあ。 ここ ・・・ 研究所  じゃあないよ ね ・・?  」

立ち上がった側は全部窓になっていた。 どこか古風な、桟のある窓だ。

ジョーはそっと ・・・ ひとつの留め金に手を掛けてみた。

 

   ―  キ ・・・   少し軋りつつ 窓は開いた。

 

ファサ −−−− ・・・・・      風が   入ってきた。

 

      わあ  ・・・・   気持ち いい ・・・

      ここ ・・・ 地球なんだ ・・・?

 

彼は窓辺にたったまま 頭上に広がる薄水色に空をぼう・・・っと眺めていた。

 

      ・・・ きれい だなあ ・・・ 

      あ  鳥 ・・・ !  ハト かな ・・・

 

      うん?  鐘の音 ・・・?   教会かなあ・・・

 

視線をおとせば 窓から街並みが見渡せた。

どうやら ここも少し古風で ― 天まで聳える高層ビルの類は見当たらない。

全体に茶色っぽい印象の街だった。

 

      ふうん ・・・ 日本 じゃあないんだな ・・・

 

       ―   あ   れ!??

 

 

      ぼくは。  あの時 ― 完全に吹き飛んだ、と感じたんだ。 

      ヴォルテックスの あの強大なエネルギーの中に飲み込まれ 

       ― 爆ぜた  ・・・ と思った ・・・

 

      そう  ―  ぼくは砕け散って紛れ散らばる星屑の中に ・・・ 沈んだ ・・・

 

「 ・・・ でも  ぼくは。  生きて  いる。 」

ジョーはじっと自分の掌に目を落とした。

「 ここは 地球のどこかの町で  ぼくは  ―  生きてる  いきているんだ ! 」

 

     コン  コン ・・・ コン    パシャ ・・・!

 

窓の下から誰かがやってくる音がした。  ジョーは身を乗り出し、階下の様子を眺めた。

「 あ ・・・ 誰 ?  !  フランソワーズ ・・・  」

 

     パシャリ ・・・!   どうやらこの地域は運河に囲まれているらしい。

 

彼女の白い足が きらきら輝く水を踏んでとん とん とん ・・・と歩いてくる。

「 !  フラン ―! 」

  キ ・・・ 下で ドアが開いた。  多少の軋りは湿気のせいかもしれない。

「 ふんふんふん ・・・・  」   柔らかいハナウタが聞こえてきた。

彼女は 紙袋を持って階段を登ってきた。

「 !?  あら。  目が覚めたのね。 」

「 ― フラン ・・・  ここ ・・・ 」

「 うふふ  ・・・  お  は  よ  う ・・・ ジョー。 」

「  あ  ・・・  うん。  おはよう ・・・! 」

ジョーは紙袋ごと 彼女を抱き締めた。 少し強引に唇を奪う。

「 ・・・ きゃ ・・・ ちょ ・・・ オレンジを買ってきたのよ ・・・  もう〜 」

「 んん 〜〜  オレンジより きみがいい ・・・! 」

「 ・・・  んん 〜〜〜    ああ  ジョー  ・・・ ジョー ・・・ 」

二人はそのまま縺れ合い  たった今、ジョーが起き上がったベッドへと倒れこんだ。

 

   ガサ ・・・  トン トン コロロ ・・・

 

紙袋からオレンジとトマトが零れ出て そのまま ― ベッドから床へと転がってゆく。

「 んんん 〜〜〜 ・・・・  フラン ・・・ 」

「 ジョー ・・・ んんん 〜〜〜  ジョーだわ 本当にジョーだわ ・・・! 」

「 ・・・・ ん ・・・・ 」

「 あ ・・・ああ  ・・・・ 」

そのまま 二人は言葉を忘れた。

 

     テン ・・・   コン。   オレンジとトマトが散らばる部屋で。

 

ジョーとフランソワーズは 熱く 熱く 愛を交わしあった。

 

 

 

  ― カサ ・・・   腕に愛しいヒトを抱いたまま ちょっとだけ身体の向きを変えた。

 

「 ・・・ あ  は ・・・  お日様が ・・・高い や 」

「 ・・・ もう ・・・ ジョー ってば ・・・ 」

「 うふ ・・・ ねえ。 もう一度 言ってもいいかなあ。 」

「 ・・・?  なあに ・・・ 」

物憂い動作で 彼女がゆっくり上半身を起こした。

 はらり、 と リネンが滑り落ち輝く肢体が露わになる。

「 ・・・ うん ・・・  えへ ・・・ あ あの。   おはよう  フラン  」

「 うふふ ・・・ おはよう ジョー。 」

「 ここ ・・・どこなのかな。 」

「 え ・・・ ここはね わたしのお部屋。  ちょっと休みたいときに来るの。 」

「 ・・・ふうん ・・・  ぼく、どうしてここに居るのかな ・・・ 」

「 それは ― 」

「 あ!!  アルベルトは?? か 彼をあの要塞に ― 」

「 うふ? 」

フランソワーズは黙って窓の外を指した。

「 !? 」

ジョーはベッドを飛び出すと 窓際に駆け寄った。

「 ジョー ・・・ なんか着たら ・・・ 」

「 え?  あ  は ・・・  いいよ、きみと二人だけだもん。 それより イシュメールや皆は?

 いや アルベルトは!? 」

「 うふふ・・・  よ〜く見てごらんなさいな? 

「 ・・・・ 」

ジョーは窓を開けた。  昼に近い風がふんわり ・・・ カーテンを揺らす。

部屋の窓からすこし先の舗道に 小ぢんまりしたカフェが店を出している。

「 どこに ・・・  あ!  ジェット〜〜 ピュンマに グレート、 張大人にジェロニモ Jr. に

 ああ 博士とイワンも  ・・・  アルベルトは??  

 ねえ フラン〜〜 アルベルトがいないよ!? 」

「 ふふふ ・・・ 誰かさんの陰を見てごらんなさいよ?  ず〜っと話込んでいたわよ。 」

「 え? 誰か・・・って  あ!  あ〜〜〜 ジェットといちゃいちゃしてる〜〜〜 」

「 なんかねえ ・・・ 一緒に住むとか移住するとか 言ってたみたいよ? 」

「 え〜〜〜〜〜   そ そういう仲だったの?? 」

ジョーはなんだかがっくり来た雰囲気で ようやっともぞもぞと服を着始めた。

「 ・・・ あれェ ・・・ このパンツ、 短いよ?   ・・・ シャツはデカイし 」

「 あら ごめんなさい〜〜 シャツはねえ 兄さんのなの。  パンツはわたしの ・・・ 」

「 ・・・え ・・・ 」

「 あとでジョーに合うの、買いに行きましょうよ。  ね♪ 」

「 うん ・・・ あ ぼく、お腹空いちゃった〜  お♪ このトマト も〜らい♪ 」

「 あ〜〜 」

ジョーは 床に転がっていたトマトを、ひょい、と拾い上げシャツでコシコシこすると

がぶり、とかじりついた。

「 ん〜〜〜〜 うま〜〜い♪ 」

「 もう〜〜 お行儀悪いんだからア〜〜  すぐにブランチ、作るわね。 」

「 わい♪ ぼくも手伝うよ。  キッチンは 下? 」

「 そうよ。 」

二人は互いの腰に腕を巻きつけあい階下へと降りてゆく。

「 ねえ ジョー。 ヴォルテックスって なんだったの? 」

「 う〜ん ・・・ なんかよくわからなかったんだ。  全てのエネルギーの源・・・みたいだった。

 おおいなるものを とても身近に感じたよ。 」

「 おおいなるもの?  それは ・・・ 神さま?  」

「 わからない。  けど ― ぼくは 全身全霊で祈ってた ・・・ 」

「 ―  なに を? 」

「 え ・・・ 」

「 ジョー  あなた、ヴォルテックスの中心でなにを願ったの? 」

「 え ぼく?  ぼく はね ・・・ えへ ・・・ 」

「 まあ なあに。 今更照れたりして・・・ 教えて? 」

「 う うん ・・・ ぼく は  ね ・・・

 

     世界に戦争がなくなりますように   世界中のヒトが仲良く平和に暮せますように 

 

   ・・・ って 祈ったんだ。  」

「 ・・・ そう ・・・  だからわたし達 ・・・ 皆 地球に戻れて 怪我も治って

 それで ええ、誰一人欠けることがなくて。   笑ってお茶を飲めるのね。 」

「 あ  は ・・・ そう  そうかもしれないなあ ・・・ 」

「 そうよ。  やっぱり神様は超えられない試練はお与えにはならないのよ。 」

「 ・・・ うん ・・・ そう そうなんだね・・・ フラン。 」

「 ジョー ・・・・ 」

二人はまた見つめ合い 熱く熱く口付けを交わした。

 

 

 

 

***** おまけ

 

 

え? その後 ぼく達 ゼロゼロ・ナンバーサイボーグ達はどうしたかって?

うん 皆また全世界に散っていったよ。

勿論 有事の際には 再びギルモア博士の元に集う! って約束してね。 

そりゃ ・・・ そんなことは無いほうがいいに決まっているけど さ。

 

ピュンマ? ああ  ― 彼は本格的に考古学に没頭している。 

例のあの化石ね、 アレは地球にも絶対あるはずだ・・・って 張り切ってた。

 

あと〜 ジェット と アルベルト と グレートの 国家公務員組はちゃんとお仕事しているらしい。

あんまし連絡こないけど ― 便りがないのは良い便り、ってことかなあ。

 

ギルモア研究所には イワンとジェロニモ Jr. そして フランソワーズが残ったんだ。

うん、彼女、ちゃんと踊っているよ。

NYとかLDNとか  そうそう 東京にもオープン・クラスってのが方々にあって・・・

レッスンできるんだって。

 踊っていられるだけで幸せよ ・・・って。

 

え ぼく?  ぼくはさ ・・・ トウキョウで高校生してる。

で ね。 三年に一度、フランと会えるんだ〜〜♪  

三年毎に数日、二人で甘ア〜〜〜い 熱ぅ〜〜い日をすごすんだ♪  えへへへ ・・・

「 ―  こんな 人生の休暇もわるくない  」

・・・ ぼくは本気でそう思ってる。   

 

これからもず〜っと いつまでも  <そして幸せに暮しましたとさ >  だといいなあ。

 

 

 

 

******************************     Fin.    *****************************

 

 

Last updated : 05,21,2013.                  back        /       index

 

 

 

 

************    ひと言    **********

ヴォルテックスさん は ジョー君の個人的なお願い♪ は

聞いてくれなかったらしいです・・・

この後で  RE:さいぼーぐ2013 (?) に続くのでした♪