『  どんぐり ころころ ― (1) ― 』  

 

 

 

 

 

 

 

   りりりり −−−−−    かち。

 

わりと低い音で鳴り始めたアラームを 白い手が止めた。

 

「 ・・・ん ん〜〜 わ かった ・・・わ 

もぞ もぞもぞ ・・・  リネンの海が動き パジャマ姿が起き上がった。

「 ・・・ あ〜〜〜〜   お天気はどうかなあ ・・・ ふぅ〜〜 」

えいやっとベッドから出て 彼女は手早く着替えを済ませる。

 きりっとエプロンをつけると。 

「 ・・・ うふ・・・ お は よ う  ジョー♪ 

まだぐっすり眠っている隣の存在に 軽くキスを落とした。 

「 さあて と。  台風達はちゃんと毛布を掛けているかな〜〜   」

 

  ぱたぱた ぱた。   彼女は静かに寝室から出ていった。

 

 

 シャ −−−−   廊下のカーテンをあける。

 

「 わあ〜〜〜 お日様〜〜〜  おはようございま〜〜す。

 うふふ〜〜〜 いいお天気♪ お洗濯モノ、ぱりっぱりに乾くわね 」

明るい空にも 投げキスをして コドモ部屋に入る。

「 ・・・ おはよ すぴか すばる〜〜  ・・・ あ〜あ ・・・

 よっこらせ ・・・ 

窓の側に並ぶ二つのベッドに近づいて 盛大にはみ出している すぴか を

ベッドの真ん中にもどし 毛布をかける。

「 元気なのは結構だけど −  真夜中も運動会してるのかしら。

 ・・ あらら すばる君 ・・・ 苦しくないのぉ? 」

すっぽりもぐり込み 癖っ毛の先っちょだけみえている息子を

よっこらせ・・・とひっぱりだした。

「 ま〜〜 二人ともよく寝てるわね・・・  もうちょっとしたら

 おはよう〜 の時間ですよ 」

微笑を送り 双子の母は子供部屋を後にした。

 

    さあ  今日も新しい一日の始まり 始まり〜〜♪

 

東向きのキッチンは 朝陽でいっぱいだ。

「 きゃ ・・・ 眩しい〜〜  うふふ でも気持ちいいなあ 〜 

 ちょっと寒いけど  美味しい空気をいれるわ 」

 

  ふ −−−−−   窓を大きく開けて 朝の空気をいっぱいに吸いこむ。

 

「 ・・・ うん エネルギー ・ チャージ ♪ 」

 

きりりとエプロンのヒモを結び 腕まくりをする。

「 さあ〜〜 張り切って  お弁当つくり ! 」

母の顔になり フランソワーズは冷蔵庫のドアを開けた。

 

故郷の街にいたころ 早起きはめちゃくちゃに苦手だった。

目覚まし時計を三つも置いていたけど  ―  朝はいつもぎりぎりだった。

 

「 ・・・ お はよう〜〜〜 」

朝のレッスンには いつも < 最終便 > の仲間。

「 おはよう。 あら もうそんな時間? 」

「 ファンションが来るなら クラス始まるわね〜 」

もう皆の目印? になるくらい フランソワーズはつねにぎりぎりに稽古場に到着していた。

メトロに乗るわけでも 自転車を飛ばすわけでもない。

隣の区、 ブロックを三つほど歩いてゆけばよいのだが  ― 

それがかえって遅刻ぎりぎり常連   原因だったのかもしれない。

明日は絶対に早起きする! と 決心しても どうしてもどうしても早起きは出来なかった。

 

    それが。  

 

妻となり 母となった時から 早朝の空気は身近なものとなった。

コドモ達が赤ん坊時代には 真夜中でも 二人のほんの小さな泣き声ひとつで 

ぱっと飛び起きるようになった。

そして < お弁当 > が 必要な歳になると 彼女は早朝から嬉々として

三個 ( ジョーの分も含む! ) のお弁当を作り始めるのだ。

 

「 えっと ・・・ジョー と すばるの卵焼きには お砂糖いっぱい・・・

 すぴかのは お醤油ちょびっと・・・ で 今日はスペシャル版だから  

   そう  今日は − 双子たちは秋の遠足 なのである。

 

 

 

「 ね〜 ね〜〜〜 おか〜さん。 おべんとう なんだけどぉ〜〜 

「 お帰りなさい、すぴかさん。

 え おべんとう?  あら 給食はお休みなの? 

ある日の午後 すぴかはランドセルのかっちゃ かっちゃ音と一緒に

キッチンに駆けこんできた。

「 う う〜〜〜ん。  ちがうの〜〜  えんそく! 」

「 えんそく?   ・・・ ああ 遠足 ね。 秋ですものねえ

 どこへゆくの? 

「 おいもほり! 」

「 おいも・・・ほりって場処? 」

「 ち が〜〜〜う !  はるに皆でうえた おいも をほりにゆくの。 」

「 おいも・・・ って じゃがいも ( pomme de terre ) のこと? 

「 ち が〜〜〜う!   つ   い  も !  お母さん 好きでしょ? 」

「 さつまいも?  ・・・・ えっと・・・  ああ   あのピンク色のおいもさんね

 patate かあ  」

「 おか〜さん 好きじゃん?  すばる ってば大好きだよね 」

「 あまくて美味しいわ。  」

「 そ。 あ  そんでね〜〜 きれのふくろ を持ってゆくんだ〜〜 

「 きれのふくろ?  ああ 布の袋を持ってゆくのね?

 おいもさんをいれて持って帰ってくるのでしょ 

「 そ。 がっこうのうえん で 皆でほってくるんだ〜〜 

 そんでね! おべんとう なんだけど〜〜  」

「 はいはい リクエスト ある?  サンドイッチ? おむすび? 」

「 あたし !  おむすび〜〜〜〜 のりでいっぱいにまいて! 」

「 はいはい すぴかさんは おむすび ね。 オカズは? 」

「 ん〜〜〜 なんでもいい ・・・ あ!  たまごやき〜〜 」

「 もちろん いれるわよ 」

「 ち が〜〜う! たまごやきに お砂糖 いれないで!

 いい?  おか〜さん! ちょっとおしょうゆ、いれて〜〜〜 」

「 あらあ ・・・ 甘い卵焼き、 だめ? 」

「 だめ。 」

辛党なすぴかは ニベもない。

「 わかりましたよ、 じゃあね あとは・・・ ツクネ と ほうれん草ののりまき はどう? 」

「 わあ 〜〜 い !  あ ぷち ・ とまと も! 」

「 はいはい 決まりね。 あ その前にオヤツ、買いにゆきましょ 

「 うん♪ あ ・・・えっと  ばななはおやつにはいりません  って。 」

「 そうなの?  じゃ バナナ ・・・ 」

「 アタシ!  ぶどう の方がいい〜〜 

「 わかりました。  えっと すばるはどうかしら 」

「 しらないもん。 ともかく ! アタシは おさとうナシ の たまごやきね〜 」

「 はいはい。 おしょうゆ ちょびっと入り でしょ? 」

「 うん♪ 」

   カッタン −  玄関のドアが のんびり開いた

「  ・・・ あ すばる? 」

「 ただいまあ〜〜〜 

かっちゃ   かっちゃ。   のんびり息子が のんびり帰ってきた。

「 あら すばる。 お帰りなさい 」

「 ただいまあ〜〜  おかあさん おやつ〜〜 」

「 はいはい  あ すばる、お弁当のリクエスト ある? 」

「 え〜〜 おべんとう?  明日は きゅうしょく だよ〜 」

「 それは知ってるけど。 そうじゃなくて〜〜〜 遠足、あるのでしょ? 」

「 うん?  あ 〜〜  そう かも 」

「 がっこう農園 ゆくじゃん!  」

「 あ そうだっけ〜〜〜 

「 そうだよッ  三年生はさ、はるにおいものたね、植えたじゃん 」

「 さつまいも は タネ じゃないよ? ちかけい を植えたのさ。 

 春のえんそくのまえに ならったじゃん 」

「 あ〜〜? そうだっけ? 」

「 そう。 おか〜さ〜〜ん 僕ね〜〜 お弁当ね〜〜〜 」

「 はいはい 」

「 あのね、 う〜〜んと・・・ あま〜いたまご焼き でしょ  かぼちゃの甘いの煮   

でしょ〜〜  あ さらだ  いらない  」

「 だめ!  プチトマトとレタスのサラダ! 」

「 ・・・ すぴかにあげる  」

「 だめよ。 お野菜もたべるの 」

「 ・・・ かぼちゃ たべるし。 おいも だってやさいだよ〜〜 」

「 サラダもたべるの、 いい? 」

「 ・・・・ ん〜〜 」

「 それじゃ 皆で オヤツ 買にゆきましょ 」

「「 わ〜〜お〜〜〜〜  」」

 

その日 姉弟は久し振りにお母さんの両側にくっついて買い物に行った。

 

 

「 へえ ・・・ それで遠足のお菓子 かあ 」

夜、遅く帰宅したジョーは ちょっと羨ましいそう〜〜な顔で

お菓子置き場 に視線をとばす。

「 そうなのよ〜〜 ねえ・・・ この国の子供たちってどうしてあ〜いうものが

 好きなの?  ジョーも好きだった ? 」

ジョーの愛妻は ちょっとばかりうんざりした顔をしている。

「 あ〜いうもの?  ・・・ あは びっくりまん・チョコ とか

 ぶらっく・さんだ〜 とか かい。 」

「 そうよ!  チョコレートがほしいのなら もっと美味しいのがあると思うわ。

 キャンディだってね、ちゃんとフルーツが入っていたりするものの方が

 ず〜〜〜っとオイシイわよね?  それを ・・・ 」

「 あは ・・ 美味しい、と思うのはオトナさ。 

 ちびっこのころはさ、キャラクターが付いてたり 結構キツイ色がついてたり

 するものが美味そうに見えるもんだよ。 」

「 え・・・そうなの?  ふ〜〜ん それにすぴかってば 」

「 すぴかのお気に入りは 当てて見ようか?  みやここんぶ に

 かぶきあげ、 生梅いりアメ  べび〜すた〜 ・・ ってとこだろ? 」

「 当たり。 すごいわ ジョー〜〜〜 」

「 あはは ・・・ 

ジョーは声を上げて笑った。

「 アイツらくらいの時、 ぼくがすきだったモノなのさ。

 施設で出るオヤツは 自家製ビスケットやらホット・ケーキ に 蒸しパン・・・

 たまには慈善家からの寄付による高級チョコ ・・・ でね 」

「 あら コドモには最適なオヤツじゃない? 施設の寮母さんは素晴らしいわね 」

「 う〜ん  ・・・ 確かに 正しい補助食 だったさ。

 真面目でお行儀のいい味でね。 もちろん 不味くなんか ない。 ない けど・・ 」

「 お行儀のいい味?   ― あ なんとなくわかる気がするわ 」

「 そうかい?  ぼくらが一番食べたかったのは ―  町の駄菓子屋で売ってる

 10円のぱいん・あいす だったんだ 」

「 へえ ・・・・ 」

「 ま〜 オトナになれば本当に美味しいものがわかるようになるさ。

 今のところは ― アイツらが選んだモノを持たせてやれよ 」

「 ・・・ いいけど ・・・ 」

まだ多少膨れている妻の頬にちょん・・・とキスを落とすと

ジョーは コドモたちの < 遠足用オヤツ > を覗きこむ。

「 ふ〜〜〜ん  ああ 懐かしいなあ〜〜  お。 らむね もある・・・

 いっこ もらってもいいかな 」

「 らむね はすぴかのね。 いいんじゃない? 

「 ・・・いや やめとこ。 遠足から帰ってきて残ってたらわけてもらうよ。 

 大好きなものが減ってたら可哀想だよ 」

「 ふふふ お父さんはすぴかに甘いのね 

「 そ そんなコト・・・ あるかもな 〜〜〜 ぼくのすぴかちゃあ〜〜ん♪ 

「 それでね〜 遠足は おいもほり なのよ  

「 お〜〜 芋ほりかあ〜 戦利品、ごろごろだぞう〜〜  

「 さつまいも って あのピンクいろのおいもよねえ?

 蒸かしたり あまく煮たりするのは知ってるけど ・・・ ジョー、

 お菓子に使う方法、しらない? 」

「 え・・・?  ぼく??  う〜〜〜ん ・・・???

 お菓子かあ〜〜 ・・・ ちょっとネットで調べておくよ 」

「 お願い〜〜 」

「 芋ほり ねえ・・・ あ、 戦利品いれにな、布製の袋、持たせてやれよ。

 多分泥だらけ でご帰宅だぞ 」

「 そうなの〜〜〜 ・・・ 玄関にお雑巾と掃除機、スタンバイだわ! 」

「 ふふふ ・・・・ あ そうだ。

 遠足の日って 弁当だろ?  あの〜〜〜 ぼくも ・・・ 」

「 はいはい お父さんにも 遠足弁当 を作りますよ。

 すぴかはお握りで 甘くない卵焼き  すばるは あま〜〜〜い卵焼きに

 かぼちゃの煮付け ですってさ  

「 ・・・ すばるの、お裾分けがいいな 」

「 はいはい ・・・ ウチには蟻さんが二人 いるわけね 」

「 すばるはぼくの味覚を受け継いだのさ。 」

「 へえ〜〜〜 すばるも将来、コーヒーにお砂糖をみっつ、いれるのかしらね〜  

「 え ・・・っと? 熱いほうじ茶がほしいのですが オクサン? 」

「 はいはい 今すぐに 」

クスクス笑いつつ フランソワーズはキッチンに立った。

 

 

 

「 ただいまあ〜〜〜〜〜 おか〜〜さん〜〜〜  」

「 おか〜〜さん あけてぇ〜〜〜 」

玄関の前で 賑やかな声が響いている。

「 あら どうしたのかしら ・・・ 」

コドモ達は いつも自分たちでロックを解除して入ってくる。

それが 今日はドンドン・・・ ドアを叩いているのだ。

「 セイフティが故障?  ・・・・ いえ そんな反応はないわよ? 」

フランソワーズは ちらっと配電盤に視線を向けてから玄関に駆けていった。

「 はいはい 今 開けますよ 」

 

  ガチャ ―  ギルモア邸の鉄壁な玄関ドアが開く。

 

「 お帰りなさい すぴか すばる〜〜〜 

「「 ただいまあ おかあさん !! 」」

「 ふふふ 遠足、 楽しかった? 」

「 うん!   これ ・・・ ! 

 

  うんしょ ・・ !     ―  どごん。

 

すぴか と すばる は二人で両端を持っていたぱんぱんの袋を 玄関に置いた。

 

「 ・・・?  これ ・・・ なあに。 」

「「  おいも  」」

「 おいも ・・・って 遠足でもってきたお芋? 」

「 < ほってきた > だよ おか〜さん 

「 い〜〜っぱいほってきたよ〜〜〜 今年は ほうさく なんだって 」

「 みんなね〜〜〜 いっぱいほったんだ〜 」

「 そ  そう ・・・  うわ ・・・ すご〜〜い〜〜〜

 おいもさんだらけ !  」

満腹な袋を開けてみて お母さんは目をまん丸にしている。

「 ね〜ね〜〜 お母さん!  なにかおりょうりして〜〜

 アタシ、 おいもさん、食べたい〜〜 」

「 僕も 僕もぉ〜〜〜 」

「 はいはい  えっとねえ・・・ お父さんに頼んでレシピを調べてもらったの。

 え〜〜〜 と  ああ この紙だわ 」

フランソワーズは エプロンのポケットからメモを取りだした。

 

「 ほら これ 」

「 え? 」

今朝 出勤前に彼女の夫はメモを渡した。

「 ・・・ ひみつの情報。 」

「 は??? 」

「 じゃなくて。  ほら 頼まれてた < おいもさんのレシピ > さ。

 さつまいもデニッシュに シフォン・ケーキ。 

「 あ! ありがとう〜〜〜  ネットで? 」

「 うん。 レシピな、すご〜〜〜くたくさんあったよ。 」

「 まあ そうなの?  これ ・・・早速作ってみなくちゃ 」

「 あ〜〜 それでお願いがアリマス、 おかあさん 」

「 はい? なんでしょう  おとうさん 

「 あの〜〜 さつまいもパン をぼくの分もちゃ〜〜んと

 とっておいてクダサイ。  < 冷めてもオイシイ > っての、

 選んだからさあ〜〜 」

彼は 実に熱心な顔でメモ用紙を指す。

「 ふふふ・・・ 了解。 ちゃ〜〜んと < お父さんの分 > を

確保しておきます  ご安心ください。 」

「 わは ・・・ それを楽しみに 今日も仕事、がんばりまっす〜〜 」

「 健闘を祈る! 」

  ぴっ。 ジョーの奥方は凛々しく正しく? 挙手の礼で夫を見送った。

 

 

 

おいものフィリング入りのパン に おいものシフォン・ケーキ。 にカップ・ケーキ。

その夜、たくさんの作品がジョーを待っていた。

 

「 う わ 〜〜〜 すごいね〜〜〜  力作だね〜〜  

帰宅したジョーは キッチンに直行した。

「 うふふ・・・ ジョーが調べてくれたレシピよ。

 コドモたちもね、 手伝ってくれたの。  とっても上手だったわ 」

「 ふうん?  食べて いいかな? 」

「 どうぞ。 あ 手を洗ってウガイした? 」

「 はい おかあさん。 」

「 それなら よろしい。 

「 わい☆ それじゃ ・・・ このキツネ色のパンを ・・・ ん〜〜〜 

 んま〜〜〜〜〜 ♪ 」

「 ふふふ こっちのケーキもどうぞ 」

「 んん  ん〜〜〜  あ あの ・・・  

「 お茶? コーヒー? 

「 こーひー しる ぶ ぷれ。 」

「 Oui  Monsieur 

まもなくコーヒーのいい香が キッチンに広がった。

「 すご〜〜〜  美味かった! アイツら、美味いヤツ、掘ってきたんだな〜 」

ジョーは ソファですっかりくつろいでいる。

「 そうね。  ― それで ね ジョー。  相談があるの。 」

「 相談?  ― あ ・・・離婚したい、とか? 

「 もう〜〜 違うわよぉ〜〜  あのね その ・・ < 美味いヤツ > 

 なんだけど  ・・・ ちょっとこっち 来て 」

「 ?? 」 

フランソワーズは ジョーをキッチンの食糧庫に連れていった。

「 見て。 」

「 ?  ・・・  うわ ・・・ ! 」

ジョーの細君が指さすトコロには  泥だらけのぷっくり太ったサツマイモが

ごろごろごろ〜〜ん と山になっていたのだ。

「 ・・・ こ これ・・・ 全部 アイツら が? 」

「 そ。 これでもさっきのパンやらケーキに随分使ったのよ。 

 でもね〜〜〜 まだ こんなに・・・!  すぐには傷まないけど・・・

 ず〜〜〜っと放っておくこともできないでしょ? 」

「 まあ な ・・・ 」

「 明日でいいから ― マッシュにしてほしいの。

 おいも・パイ をつくるわ!  」

「 了解〜〜  ふふふ 〜〜 明日はポテト・パイか♪ 

「 マッシュ、お願いね? 」

「 御安い御用です、奥さま〜〜 

ジョーはご機嫌ちゃんだった。

 

 

  翌日。

「 あ ジョー。 チカラいっぱいやっちゃダメ〜〜 ボウルもマッシャーも

 潰れてしまうわ!  ― 009 であること、お忘れなく。  

ボウル (大) を抱えて真剣な顔で任務に当たっている彼に 彼女はそれとな〜〜く

牽制球? を 投げる。

「 う?  ・・あ  ああ ・・・ 

「 ほっこりやさしく お願いします。 」

「  ― 了解。 

 

 ― 果たして。  サツマイモのマッシュがボウル ( 大 ) いっぱい出来上がった。

 

「 うわあ すごい! さすが 009 ね♪  じゃ これを使って

 パイとクッキーと ・・・ そうそうかぼちゃ・ぷりん も 」

「 はあ ・・・・ ( なんか疲れた ・・・ ) 」

やがて 大量のマッシュはさまざまなオイシイモノに変身していった。 

 

「 たくさんできたわ〜〜 食べきれないかも・・・

 ああ そうだわ。  わたなべ君のとこにもお裾分け しましょ♪ えっと ・・・ 」

 

      りりりりり ・・・・  電話が鳴った。

 

「 はい  あら わたなべ君のお母様・・・  え??  」

 

 

Last updated : 10,17,2017.                  index      /     next

 

 

*********   途中ですが

お馴染みシリーズの季節モノ ・・・・

はい 身近で 芋ほり遠足 に行ったのが

いまして ・・・ おいもさん 美味しいよね☆