『 冬来たりなば ― (2) ― 』
ひゅるん〜〜〜 ・・・ 落ち葉を舞い上げ風が吹き抜ける。
「 お〜〜 結構冷えてるなあ 寒すぎ〜ってほどじゃないけど 」
ジョーは 羽織っただけのパーカーのジッパーを引き上げた。
「 おと〜さ〜〜ん きょうりゅうごっこだよ〜〜 」
「 おう いいぞ。 それじゃ お父さんが ぷろんとざうるす になって
すばるを追いかけるぞ〜〜〜 がお〜〜〜 」
両手を前に突き出し、向かってきた父親を すばるはかる〜く一蹴した。
「 ちが〜〜うよ 」
「 へ?? なにが 」
「 きょうりゅうごっこ! お父さんきょうりゅう と コドモきょうりゅうがね〜
なかよしさんぽするの 」
「 あ・・ 親子なのか 」
「 そ! こうやって〜〜 ず〜んずん ず〜〜んずん! 」
すばるは 実に器用に四つん這いで歩いてみせた。
「 ・・・ うまいなあ ・・・ 」
「 ね〜〜 お父さんも やって ず〜〜んずん って! 」
「 あ う うん ・・・ 」
二人して裏庭を這いずりまわり ― 泥だらけになった。
「 あは〜〜〜 すばる、 速いなあ〜 」
「 おと〜さん ころんでばっか〜〜 」
「 うん だってさ〜 石ころとか草の根っことか 隠れてるんだもんな〜
すばるは上手に避けるね 」
「 僕、 石や根っこのばしょ しってるも〜ん(^^♪ 」
「 そっか〜〜 ここはいつも遊んでいる場所だからかな 」
「 うん! あのね〜 わたなべ君 とも きょうりゅうごっこ するんだ〜
」
「 お そうかい、< しんゆう君 > も 恐竜なんだ? 」
「 僕たち、親友・きょうりゅう〜〜 」
「 ははは ・・ すぴかは? つきあってくれないのかい 」
「 すぴか? ・・・ く〜だらないって 」
「 う〜ん すぴかはシビアだからな〜 なあ すばる。 TVとかみる? 」
「 てれび? う〜ん どうが もみる〜 」
「 そっか〜 あの さ テレビ・アニメは? DVDのアニメとかもみる? 」
「 あ〜 アニメ? うん 見るよ〜〜〜 」
「 あ そ そう? すばるが好きなアニメは なに? 」
ジョーは かねてから是非! 息子に聞いてみたいと思っていた問いを
おずおず口に出した。
く〜るりん。 すばるの明るい茶色の瞳が回った。
「 う〜〜ん・・? だいたいみんなすき 」
「 ふうん やっぱ戦隊モノ とか ロボットアニメ かい
」
「 あ〜 それも好きだよ 」
「 そっか ・・・ あ あの さ あのぅ〜〜 」
「 なに おとうさん 」
「 あのぉ〜〜 さ さいぼーぐ ・・・ は? すばる、好きかいな〜 」
「 さいぼーぐ? うん ぜろぜろぜろ〜〜 でしょ? みるよ 」
「 そっか! すばる 好き・・・? 」
「 むずかしくてよくわかんない。 いっぱいヒトがでてきてさ 」
「 ふうん ・・・ それで すばるは 誰が すき? そのう・・・
さいぼーぐ の中でさ 」
「 え〜〜 う〜ん ・・? 」
ジョーの息子は 茶色の瞳を見開きじ〜〜っと考えている。
「 あの さ ・・・ ゼ、ゼロゼロナイン とか? 」
「 う〜うん。 ぜろぜろないん よわむしだもん 」
「 ! ど どうして?? 」
「 え〜 だってさ〜 すぐなくじゃん? ちょっとゆび、けがしてさ〜
いた〜〜い・・・ なんて おかし〜〜〜
なきむし よわむし〜〜って すぴかに いわれるよ? 」
「 く〜〜〜 ・・・ 」
お父さんは なんかとて〜〜〜もお腹がイタイ・・・みたいな顔をした。
「 あ ぜろぜろすり〜〜 がすき! 僕 ぜろぜろすり〜! 」
「 003? どうして? だって 003は闘わないだろ ? 」
「 だってさ〜〜 ぜろぜろすり〜〜 て おか〜さんに似てるも〜〜ん
ぜろぜろすり〜 は 可愛いも〜〜ん 」
( お前のお母さんが 003 なんだってば! ・・・ ジョーは 心の中で
叫んでいた・・・ )
「 あ ・・ そ そうだねえ ・・・ 003はかわいいもんな 」
「 ん! だから 僕 すき〜〜〜 ど〜〜ん!ってこうやるとさ〜〜
でっかいあなが開くんだよね〜〜 」
すばるは 地面に向かって掌を ど〜〜ん と広げ けらけらわらっている。
あ・・・ アレ、みたのか・・・
でも コイツ、ハナシとかわかったのかね??
「 ね〜〜 おとうさん きょうりゅうごっこ〜〜 さんぽにゆこうよ
ず〜〜んずん ! 」
「 え あ はいはい ず〜んずん 」
二人は土の上を四つん這いになって けらけら笑いつつまた追い掛けっこを始めた。
「 おと〜〜さん・きょうりゅう まて〜〜〜 」
「 わあ〜〜〜 にげるぞ〜〜 ず〜んずん! 」
「 あはは〜〜 ず〜〜んずん! 」
「 ちょっと お二人さん?? なに やってるの?? 」
父と息子のアタマの上から ちょいと尖った声が落ちてきた。
「 へ? ・・・ あ〜〜 フラン ・・・ 」
「 おか〜さ〜ん あのね 僕たちね 〜〜 」
「 あ あの ちょっとさ〜〜 その あ 地質の調査 かな〜〜
うん このあたりにも ちばにあん があるかな〜〜って な〜 すばる? 」
ジョーは あわてて息子の服を払う。
「 チバニアン? この辺りにはないです。 千葉にあるから チバニアン! 」
「 ・・・ です ね ・・・ 」
「 も〜〜〜 そんなに泥だらけになって〜〜 手、洗ってらっしゃい!
すばるは お顔もよ! 」
「「 はあ〜〜い
」」
「 キレイになったら ― 温かいミルク・ティ でも淹れましょ 」
「 「 うわ〜〜〜い ♪ 」 」
「 僕〜〜〜 おさとう みっつ〜〜〜 」
「 あ ぼくも! 」
島村さんち の 男性チームは 超甘党 なのだ・・・
「 おか〜さん。 僕たち きょうりゅうごっこ やってたの。
おとうさんきょうりゅう と こどもきょうりゅう がね〜〜
ず〜〜んずん! って ごろんごろ〜〜んって ! 」
「 まああ〜〜 」
「 すばる、手 洗いにゆくよっ 」
ジョーは慌てて 息子をもちあげ、勝手口へと駆けていった。
「 も〜〜〜〜 朝っぱらから 裏庭でころげ回ってたのかしら ・・・
シャツもズボンも どろどろにして ・・・ もう〜〜! 」
お母さんは ぷりぷりしつつ洗濯モノを干し始めた。
「 せっかく洗ったのに・・・ あ〜あ ・・・ 明日もまた洗濯モノ
てんこ盛りだわねえ 」
やれやれ・・・とため息をついたが ― ふと見上げればぴかぴかの空!
「 わあ〜〜 ・・・ 綺麗に晴れたわねえ・・ ちょっと空気が冷たいけど・・
いい気持ち♪ お洗濯モノ、 ぱりぱりに乾くわ〜〜 」
すぐに 満艦飾の洗濯モノは 晩秋の空に翻り始めた。
「 ふふ ・・・ やっぱりこの眺めは 最高ね♪
さあ〜てと。 わんぱく坊主どもに温かくてあま〜〜いみるく・てぃ を
淹れてあげましょうか 」
彼女は カラになった洗濯カゴをかかえ上機嫌で物干し場を後にした。
「 あ〜〜〜 アタシも! アタシもあついお茶 ほしい〜〜〜 」
リビングに入ってくるなり すぴかは声を上げた。
「 すぴかさん、 手を洗ってきてからよ 」
「 は〜〜い あ。 おじいちゃまにお使いさん、とどけてくるね〜 」
「 あら お使い、してきたの? 」
「 ウン。 あのね、下の煙草屋さんまでいってきてくれないか〜って 」
「 すぴかさんは かけっこ速いから おじいちゃまがお願いなさったのね 」
「 うふふ〜〜♪ ぴんぽ〜〜ん☆ アタシなら ぱぴゅっ!
かそくそ〜〜〜ち! だも〜ん(^^♪ おじ〜ちゃまあ〜〜 」
すぴかは 金色のお下げをぴんぴんさせて博士の書斎に駆けていった。
「 お おい ・・・ ! かそくそ〜ち って・・・ あいつ? 」
ジョーがリビングにひょい、と顔を出した。
ぱたぱたぱた〜〜〜 すばるもついてきた。
「 え? ああ ・・・ アニメ、見たのよ。 つ〇屋で借りてきたの。
アレ と アレ。 すばるも一緒に見てたわよ 」
「 あっちも借りてきたのか 」
「 だって わたし、見てなかったんだもの。 見たかったの〜 」
「 う・・・ まあ わからないでもない けど 」
「 ふふ すぴかはね〜 あんましおもしろくなかった〜 って 」
「 え。 だって アレ、だろう? すぴかが言ってるのは ほら、 天使のヤツ。 」
ジョーは両手でぱたぱた・・・してみせた。
「 そ。 でもね〜 小学生にはムズカシかったみたい。 ふ〜〜ん??って
一回みておしまい。 」
「 ・・・ でも かそくそ〜ち は覚えているのか ・・・ 」
「 ふふふ ・・・ 印象的だったんでしょ。 」
「 そうかもなあ・・・ あ すばるはさ 003が一番好き、なんだと。 」
「 あら♪ そう?? 」
「 あ〜。 ぜろぜろすり〜 はカワイイし お母さんにちょっと似てるから、
だってさ。 」
「 うふふふ〜〜〜 そうなの? で 009 は? 」
「 ・・・ヨワムシだから すきじゃないんだと 」
「 は?? 」
「 すぐ泣くし〜〜 だって。 」
「 きゃははは〜〜〜 」
009の細君は お腹を抱えて大笑いした。
「 フラン〜〜〜
」
「 ご ごめんなさい・・・ ぷくくくく・・・でも おかし〜〜
アレ、 ほら オープニングで ぱあ〜〜〜っと涙が散るヤツ、
あれを見せなくてよかったわあ〜〜 」
「 ・・・ ますます 泣き虫! っていわれちゃうよ 」
「 うふふ・・・ あ! そのシャツ! 着替えてきてちょうだい!
すばるもよ〜〜 二人とももっとしっかり顔と手を洗ってくること! 」
「 は〜い ・・・おい すばる〜〜 行くぞ〜〜 」
「 う ん ・・・ 」
すばるは テレビに張り付いている。
「 ほらあ〜〜 手と顔、きょうりゅうはキレイにしておかなくちゃな〜 」
「 う 〜ん ・・・ 」
「 なに 見てるのかい? 」
「 ぶる〜れい。 これも さいぼ〜ぐ でしょ 」
「 え? 」
ジョーは 思わずテレビの画面に目をこらす。
都会の夜景をバッグに 003 は華麗なる飛翔?の最中だ。
「 〜〜〜 わ〜〜〜 ぜろぜろすり〜 すご〜い とんでるぅ〜〜〜 」
すばるはますます画面に夢中だ。
「 あ〜〜〜〜 ぜろぜろないん だあ〜〜〜 うわ 〜〜〜
ぜろぜろすり〜 たすけてくれたァ〜〜 すげ〜〜〜〜 」
「 ふふふ だろう? 009はヒーローなんだ 」
「 うっきゃ〜〜 ちゅ〜〜してるぅ〜〜〜 うひひひ 」
「 あ〜〜〜 すばる君? 」
「 これ ひこうき? ねえ おとうさん、これ ひこうき? 」
「 そうだよ。 普通の、皆が乗る飛行機とはちょっと違うけどね 」
「 ふ〜〜〜ん ・・・ あれ? ぜろぜろすり〜 おふろにはいるの?
ふく、ぬいでるよ? ねえ ひこうき に おふろ あるの? 」
「 ! ( やべ。 この後は あのシーンじゃないか ! )
さ さあ〜 すばる君、 手をあらいに行こうね〜〜 」
「 う うん ・・・ ね〜 ぜろぜろすり〜 おふろ? 」
「 さ さあ?? 多分 ・・・ すばるクンはお父さんと手とお顔を
もう一度洗おうな。 それから おいしい〜〜〜 みるく・てぃ のもうね 」
「 みるく・てぃ〜〜 すき〜〜 ねえ おとうさん、 僕ね〜〜
おさとう みっつ! お父さんは? 」
「 お父さんも 三つがいいな。 さあ 行こう 」
「 うん♪ 」
「 ・・・・ 」
ジョーがリビングの戸口で ちら・・・っと振り返れば ・・・ 画面では恋人同士の
思わせ振りな熱いシーンが繰り広げられていた。
「 ・・・ なあ? 」
ジョーはかなり熱心に眺めている彼の細君に 『 オフにしといてくれ 』 と
合図をした。
「 あらあ〜 いいトコなのにぃ〜〜 うふふ〜〜〜 いいわね〜〜 」
「 ! お母さん! 」
「 やだ〜〜 そんな言葉、今、言わないでぇ〜〜 うふふ・・・
いいわねぇ〜〜 クルマの中 じゃなくて 飛行機の中〜〜〜 ♪ 」
「 おかあさんっ ! 」
「 はいはい・・・ うふふ 制服の坊やと(^^♪ 」
「 おかあさんっ !!! 」
「 わかったわよ〜〜 あ〜〜 ざんねん〜〜〜 」
ぷち。 フランソワ―ズは とて〜〜も惜しそう〜〜にオフにした。
「 な なんだって アレ・・・借りてきたのさ〜〜 ウチには小学生がいるんだぞ?」
「 あらあ〜〜 わたしが観たかったんだもの〜〜 ホントは劇場でみたかったんだけど・・・
うふふ〜〜 003 かっこいいじゃない? 009だって♪ 」
「 そ そりゃ ・・・けど 冒頭のシーン は 」
「 ま〜〜 オトナな二人ですから♪ 」
「 きみが見るのはいいけど、チビたちの目に触れさせるなよ 」
「 え〜〜 いいじゃない? あのシーン以外は 戦闘シーンとか多いから
すばるは好きかもよ 」
「 へ え ・・・ アイツ やっぱ男の子だなあ 」
「 そうね。 普通のアニメとして見てるだけよ。 心配はいらないわ 」
「 それなら いいけど・・・ あ すぴかは? 」
「 あんまり興味 なかったみたい。 ふ〜ん ・・・って顔してただけ 」
「 そっか ・・・ま ひっこめておけよ。 」
「 了解。 ふふふ〜〜 夜中にわたしが一人で楽しみまあす♪ 」
「 ・・・ ・・・ 」
「 音楽も素敵だし。 なんかね〜 ラスト ・・・ ぐっとくるわ。
初めて見たとき、涙が滲んできたわ ・・・ 」
「 ・・・ ふ〜ん ・・・ 」
「 おと〜〜さ〜〜〜ん !! びしょびしょ〜〜〜 」
「 え?! すばる〜〜〜 どうした?? 」
バス・ルームからの息子の甲高い声に ジョーはたちまちすっとんで行ってしまった。
「 ふふふ ・・・ アレが 009 とはね〜〜 誰がわかるでしょうか? 」
「 なにがわかるの?? 」
いきなり 足元から声が聞こえた。
「 !!?? す すぴか??? 」
「 うん アタシ。 」
「 ・・・あ 手 ・・・ そう 手、 洗いにいったんでしょ?
おじいちゃまにお使いの報告して ・・・ 」
「 うん ちゃ〜んとおじいちゃまに渡したもん。 そんでもってさ 手、
洗ってたら すばるが入ってきて じゃ〜〜〜〜〜!! 」
「 じゃ〜 ? 」
「 そ。 水道のじゃぐち じゃ〜〜〜って。洗面台のまわり びっしょびしょだよ 」
「 え?!! 」
「 すばるもさ〜 シャツとかズボンもげでげで〜〜〜★ 」
「 も〜〜〜〜! すばる〜〜〜
」
「 おと〜さん、行ったからだいじょうぶだよ。 」
「 え ああ そうね。 あら?? すぴかさんは? 濡れなかったの? 」
「 ふふ〜〜ん アタシは かそくそ〜ち でだっしゅつしました♪ 」
「 かそくそ〜ち ? 」
「 そ。 た〜〜〜〜って。 しってる、お母さん 」
「 え ・・・ ええ アニメでしょう? 」
「 そ! ひーろーのお兄さんが た〜〜〜っと走るんだよ 」
「 そうなの? え〜と ・・・ そのアニメ ・・・ すぴか 観たの? 」
「 ウン。 おかあさん、かりてきだんでしょ? 」
「 え ええ ・・・ 二人ともアニメ好きでしょ 」
「 うん すき。」
「 え〜と? 面白かった? あのアニメ。 」
「 え? あ う〜〜ん ・・・ あんましよくわかんなかった。 」
「 そ そう? いろんなヒトが出てきてちょっと難しかったなかな 」
「 すばるがさ〜 わるいヒトはだれ? だれ? って 何回も聞いてさ〜
うるさくて 」
「 そうねえ ・・・ 」
「 ねえ 赤いワンピースのコが ぜろぜろすり〜 でしょ? 」
「 え ええ ・・・ 」
「 ・・・ おか〜さんにちょっと似てるけど。 あのコはおねえさんだね
」
「 ( あのこ? ) お お姉さん? 」
「 ウン。 おか〜さんみたく オバサン じゃないもん。 」
「 !!! 」
フランソワーズは 一瞬、怒りで口がきけなくなってしまった・・・
な なんで オバサン なのよ???
003は永遠の19歳 !!!
一瞬、 真っ白になったが。
まあ結婚生活も十年以上、 小学生の子供たちがいれば、雰囲気は
どうしたって < オバサン >。 お姉さん とは言い難いだろう。
そ そりゃそうだけど ・・・
でもね! それはわたしの母としての勲章だわ!
フランソワーズは こっそり、けど ぐん、と胸を張った。
・・・ そんな母の葛藤を すぴかは知る由もなく。
「 それにさ〜〜〜 あのコのが おか〜さんよか胸、 デカイね〜
あしもほそい〜 すたいる ばつぐ〜〜ん 」
「 ! あの ね すぴかさん。 バレリーナはね 大きな胸はいらないの。
それに あんな脚じゃ ピルエットもジャンプも そうよ グラン・フェッテなんか
ぜったいできないわ ! 」
「 ? そ〜だけど ・・・ ぜろぜろすり〜 は ばれり〜な じゃないし 」
「 ! ・・・ そ そう ・・? 」
「 そ〜だよ。 ず〜〜〜っとパソコンみたいな機械の前に座ってるじゃん。 」
「 え ええ そう ねえ 」
「 空とぶおに〜さん とか かべになっちゃうおじさん とかさ〜〜
いろんなヒトが出てきてさ、おはなし はよくわかんなかった 〜 」
「 そ そう? 」
「 かそくそ〜〜ち! はカッコいいけどね〜 アタシもやってるんだ♪
ね〜〜 お母さん、 のどかわいた〜〜 」
「 あ そ そうね。 すばる達が着替えてきたら 美味しいミルク・ティ
いれましょ。 お外は寒かったでしょ 」
「 アタシ〜〜 かそくそ〜〜ち! してきたからへいき。
でも みるく・てぃ のみたい〜〜〜 あ おさとうは 」
「 すぴかさんのには入れませんよ。 シナモン・スティック、入れてあげるね 」
「 わあ〜い♪ あ おか〜さん てぶくろ まだ? 」
「 今 制作中です。 どうぞお楽しみに 」
「 うん♪ おか〜さんのさ〜 てぶくろ があれば寒くないもん 」
「 そうなの? 」
「 うん。 朝 学校に行く時も〜〜 おかあさんの手袋とマフラーがあれば
ち〜とも寒くないもん 」
「 すぴかさんはいつも元気ね 」
「 うん! すばるは寒がりさんだけどね 」
「 そうねえ。 ねえ すぴか。 アルベルトおじさん や グレートおじさんに
マフラー 送ろうと思うの。 この色はどう? 」
フランソワーズは ソファの横に置いた袋から色とりどりの毛糸玉を取りだした。
「 え 〜〜〜 わあ きれ〜な色だね〜〜
え これ、アルベルトおじさんに? うお〜〜 シブ〜〜い〜〜〜 」
「 ピンクって似合うと思わない? 」
「 おもう〜〜〜 わ この白いのは? かっこいい〜〜〜
」
「 これはグレートおじさん。 俳優さんにぴったりでしょ
」
「 ウン! ね〜〜 おか〜さん、けいと、あまったらさあ ・・・
アタシにもまふら〜 つくって 」
「 いいけど・・・ 黒はすぴかさんの手袋分しかないのよ 」
「 ううん、まふら〜はね〜 しろ! グレートおじさんとおんなじ色がいい 」
「 はいはい ・・・ さ お茶の用意するから手伝って 」
「 は〜〜い 」
二人は キッチンに向かった。
カチャ カチャ カチャ ・・・ 皆のカップを並べる。
「 ね〜ね〜 おか〜さん またなわとび しよ〜ね !
はやぶさ、練習しておいてね 」
「 う〜〜 わかりました、すぴかさん。
あ お父さんがねえ すぴかさんに挑戦したいって
」
「 え〜〜 おと〜さん? え〜〜〜 」
「 え〜 ってどういうこと? 」
「 だってぇ・・・ おと〜さん ・・・ ぶんぶん跳んじゃわない? 」
「 そっかあ〜 そうねえ お父さんなら 後ろ飛びの はやぶさ 跳べるかもね」
「 うわ〜〜〜 ばっくとびぃ??? アタシでも 後ろ・二重跳び で
いっぱいなのに 」
「 後ろ・はやぶさ できるコ いる? すぴかの学校に 」
「 う〜〜ん ・・・ 六年生の男子 にはいるかも ・・・ 」
「 じゃ お父さんに教わったら 」
「 あ そだね〜〜〜 ねえ おか〜さん、 すばる ってばさ〜〜
二重跳び できないんだよ 〜〜 」
「 ね〜〜 僕、おさとう みっつ!! 」
ぱたぱたぱた・・・ すばるが 駆けてきた。
「 ちゃんとお顔も手も洗ったわね 」
「 ウン! ほら〜〜 」
すばるは両手で ぱ〜〜 をした。
「 はい おっけ〜。 ねえ すばるもお父さんやすぴかと、
縄跳びの練習 したら? 」
「 なわとび? ・・・ 僕 いい。 」
「 なんで〜〜 すばる、二重跳び できないじゃん 」
「 ・・・ さむいから 」
「 おか〜さんのてぶくろとまふらーがあれば へいきだよ 」
「 そうね〜 ほら 熱いミルク・ティ ができますよ〜
お父さんとおじいちゃまもお呼びしてちょうだい。 」
「 「 は〜〜い 」 」
「 おじ〜〜ちゃま〜〜〜 」 「 おと〜さ〜〜ん 」
チビたちの声が 家中に響く。
「 お〜〜〜 風が冷たくなってきたなあ 」
「 おと〜さん 海のいろ、こいい青だ〜〜 」
「 うん? ああ 本当だね 」
「 おと〜さん 空のいろ、 水色だあ 」
「 そうだねえ どっちもキレイだなあ 」
ジョーは 両手で彼の宝モノたちにふんわりと抱いた。
「 ・・・ ・・・・ 」
彼の後ろから彼の愛妻が きゅ・・・っと腕を絡めてきた。
あは ・・・ ウチはいつだって温かいね
ええ ええ いつだって ね♪
わいわい・がやがや・島村さんち♪
映画になるよ〜なコトは ちっとも起きないけど 北風吹いても いつも ぽかぽか。
冬が来たら ― 次は 春 だよ〜〜〜〜
******************************* Fin. ****************************
Last updated : 12,05,2017.
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************* ひと言 ************
すぴかちゃんは RE・・・ を みてて・・・
すばる君は 先にコゼロ、 後から RE・・・を
見たってことで ・・・ (*^_^*)