『 早春 ― (3) ― 』
ジョー −−−−−−−−−−−−− ・・・・・ !!!
悲痛な叫びが 空をきって飛んでいった。
「 ・・・ !! どうして どうして ジョー ・・・ !!! 」
003は 海原で声を上げて泣いた。 泣きわめいた。
仲間たちは そんな彼女を痛まし気な視線で見守るのだった。
いつもいっしょにいるよ これからはいつもいっしょだよ
彼は彼女の耳元で呟いた。 確かにそう言ってくれたのだ。
彼の温か味を内に感じつつ ― 彼女はぴたりと彼の胸に頬を寄せた。
「 ・・・ あ ・・? 」
「 ? なあに・・・ 」
「 ううん なんでも ない ・・・ 」
「 ・・・ そう ? 」
彼はじきに穏やかな寝息をたてはじめた。
彼女は こそ・・・っと彼のくり色の髪を撫でる。
「 うふ ・・・ やわらかい ・・・ ふ ふふふ ・・・ 」
彼女は 身も心も任せきり やがてゆっくりと眠りに落ちていった。
もうすぐ こんな静かな日々が始まる ― そう信じていた。
また あの岬に家で静かに暮らせる ― もう思いこんでいた。
そう この過酷な時間はもうすぐ終わる。
辛いことも多かった、苦しい時ばかりだったけど それもきっと
思い出になるだろう。
この闘いに勝って 穏やかな日々が戻ってくるのだ。
そして彼の傍らで ゆっくりと暮らす。
だって。 いつもいっしょだよ って言ってくれたもの。
な の に ・・・。
「 ・・・・ 」
穏やかな そして 優しい微笑をのこし 彼は < 消えて > いった。
「 ? 009? 009 どこ??? 」
≪ 彼ハ 使命ヲ果タシニ行ッタ ≫
「 001? 」
≪ ・・・・・ ≫
一瞬 彼女は本気で目の前の赤ん坊に殺意さえ感じた。
「 そんなの だめよっ だめ〜〜〜 !!! 」
003の泣き声は 鈍色の海原に次第に吸いこまれてゆくのだった。
そして。
宇宙 ( そら )から戻ってきたのは ― とても生物には見えない
溶けた金属の < 塊 >
迎えた仲間達は最初 息を呑み、固まったがすぐに救急体勢を執る。
サイボーグたちは驚くべき迅速さで あの岬の邸跡に戻った。
そして何とか焼け残っていた地下の施設に入った。
「 改造室は無事か? 」
「 なんとか ・・・ 電源は? 」
「 う〜〜ん ・・・ オッケー。 生きてるよ 」
「 水は? 」
「 大丈夫だ。 海水浄化装置、正常に稼働。 」
「 博士。 大丈夫ですか 」
「 ワシのことよりも 彼らを運んでくれ。 はやく! 」
「 オレ、運ぶ 」
「 頼む。 ピュンマ 設備の点検を 」
「 オーライ。 警備頼む 」
「 任せろ。 博士 必要なものがあったら 」
「 吾輩が調達してくるぞ 博士 リストを頼みます。 」
「 うむ ・・・ まずは改造室と倉庫をチェックする 」
「 いま 差し入れ作りますよって。 博士、たんと食べはらな あきまへん 」
「 大人、 食糧リストもくれ。 一緒に調達してくる 」
「 おおきに、グレートはん。 頼んまっせ〜〜 」
「 フラン? 大丈夫か?
」
「 ご心配なく。 わたしは元気よ。 博士、お手伝いします。 」
「 うむ ― 器具の準備を頼む 」
「 はい。 」
ドクター・ギルモア と 彼のサイボーグ戦士たちは黙々と< 作業 > に
没頭するのだった。
― そして 塊 となって戻ってきた二人はなんとか ニンゲン の姿にもどった。
「 あとは ― 彼らの < チカラ > と 運 だな 」
「 博士 ・・・ 」
「 ワシができるのはここまでじゃ。 」
ドクター・ギルモア は深くため息を吐く。
「 ・・・・ 」
「 自然治癒力と時間が 彼らを治してくれるじゃろう 」
「 ・・・・ 」
「 さあ 皆。 もとの生活に戻りなさい。 」
「 博士。 わたし、ついています。 」
「 フランソワーズ。 彼らの体調チェックは自動装置がある。
あとは001とワシで大丈夫じゃよ。
皆も それぞれ ・・・ 故郷にもどるなりしておくれ 」
博士は疲労の色を残してはいたが 晴れ晴れとした顔をしていた。
「 そう ですか しかし 」
「 う〜〜ん ・・・ でもなあ・・・ なあ アルベルト 」
「 うむ。 このまま全部を博士に委ねる、というのも 」
「 むう 」
「 ワテらは店に戻りますよって いつでん、戻ってこれるで 」
「 左様 左様。 我らに任せたまえ 諸君 」
「 ・・・ う〜〜ん ・・・ そういうワケにも行かないですよ。
大人やグレートだって仕事があるじゃないか。 」
「 そりゃそうだが。 吾輩には仲間のことの方が大切だ。
諸君らこそ 故郷での仕事もあるだろうが 」
「 う〜〜〜ん ・・・それじゃチームを組もうか
せめてここに居る間だけでも 僕らにも < しごと > を分けてくれよ 」
「 それはいいかもしれんな ピュンマ 」
「 そりゃええ。 皆はんでギルモア先生のお手伝い、しまひょ。 」
「 それでは それぞれの予定を教えてくれ。 シフトを組むぞ 」
「 了解〜〜 」
「 はいナ〜〜 」
「 むう ・・・ 」
「 え〜と 」
サイボーグたちはそれぞれの手帳やらスマホを繰り始めた。
「 ― わたしも入れてちょうだい 」
リビングの入口で 落ち着いた声がした。
フランソワーズ ・・・・ !
全員がびくり、と一瞬固まってしまった。
「 あ ・・・ あ〜〜 マドモアゼルにはちょいとその ・・・
キツイ仕事ではないかな 」
グレートが言葉を選び選び ・・・言った。
「 僕たちが交代で付くからさ。 きみはゆっくり休んでくれよ 」
ピュンマも親身になって付け加える。
「 無理する、よくない 」
「 ワテらに任せてや〜〜 」
「 ・・・・ 」
アルベルトはことさら言葉にはせず 彼女の肩に柔らかく手を置いた。
「 ありがとう、皆。 わたし、もう十分休んだわ。
それに ― そんなヤワな精神の持ち主じゃあないのよ。
だって わたしだって 003 なのよ 」
メンバー中の紅一点は く・・・っと首を上げるとはっきりと発言した。
「 そう か。 それじゃ ― 全員でシフトを作ろう。 」
「 ありがとう アルベルト 」
「 いや 俺達こそ すまん。 余計な気遣いだったな。
仲間のことは仲間全員で面倒をみよう 」
「 ・・・・ 」
碧い大きな瞳が ほんの少し、潤んだ。
そしてその日から 彼らは交代で帰還した二人に付き添うことになった。
カタン。 病室のドアを静かに開ける。
「 よ・・・いしょっと。 ねえ キレイでしょう?
お花屋さんで買ったのじゃないのよ。 ウチの下に崖があるでしょう?
ほら 日溜りになってる、あそこの窪地に咲いていたの。 」
枕頭のテーブルに 鉢植えにした白梅を置いた。
「 うふふ・・・ 可哀想で枝を折ってしまうことができなくて ・・・
でもね ジョーに見せたいな〜〜〜って ・・・ ふふふ
頑張って根っこから掘ってきちゃった 」
白い花は満開に近い。
「 ね? いい香り するでしょう?
憶えてる? この花のこと、教えてくれたのは ジョー よ
わたし、 梅って この国にきて初めて知ったの。 」
どう、キレイでしょう? と 彼女はその花を少し離れて眺めた。
医療機器が詰め込まれた殺風景な部屋が ほんの少し、明るくなった。
「 え? 引っこ抜いてきたんだろって? あら 違うわ。
大丈夫〜〜〜 花が終わったらちゃんとウチの庭に植えます。
この白梅さんは ウチのヒトになってもらうの。 」
立ち上がったついでに 彼女は医療データのチェックをした。
「 ― はい。 異常なし、 ね 」
彼は ― 眠っている。 眠り続けている。 滾々と眠っている。
「 ・・・ いつ目覚めてくれるの? あら 焦ってなんかいないわよ?
どうぞゆ〜〜っくり休んで ・・・ そしてもう大丈夫 って思ったら
― 起きて ね? 」
大切なヒトの枕元付き添う日々 ― それは不思議な感覚の日々だった。
「 ねえ つい 昨日なのよ? わたし ・・・ バレエ・カンパニーをお休みするの、
と〜〜っても辛かったの 先生方や友達に 必ず戻りますって約束したけど
でもとっても悲しく手 泣いて諦めて ― 皆と一緒に行くわって 言ったの。
ねえ ジョー ・・・ だって ― アナタと一緒にいたかったのよ ・・・
踊ることから離れるのは とても辛かったけれど
アナタと別れるのは もっともっとつらかったのよ ねえ ジョー ・・・ 」
滾々と眠る彼の側で フランソワーズは静かに語りかけていた。
穏やかな時間が ゆっくりと流れてゆく。
「 ・・・ あの時、本当に悲しかったわ ・・・ 」
フランソワーズは窓越しに薄水色の空を眺め 思い出を辿る。
コン コン ・・・
遠慮がちなノックが もう全てを語っているみたいだった。
「 あらまあ なにか悩んでいるのかしら ね? 」
この部屋の主である初老の女性は ふ・・・っと口元を緩めた。
「 どうぞ〜 開いているわよ 」
「 あの ・・・ フランソワーズですけど 」
ふうん? と その女性は首を傾げたが すぐに明るい声で続けた。
「 入って〜〜 」
「 ハイ・・・ マダム、失礼します 」
こそ・・っとドアが開き、金髪の娘が入ってきた。
「 なあに。 元気? 」
「 は はい ・・・ あのぅ〜〜〜 」
しばらくモジモジしてから 彼女はとつとつと語りだした。
家庭の事情で しばらくレッスンを休まなければならない・・と。
下を向いたきり 話声はどんどん低くなってゆく。
そんな彼女を このバレエ団の主宰者のマダムは穏やかな微笑で眺めていた。
「 それで あの ・・・ ごめんなさい ・・・ 」
「 わかったわ。 フランソワーズ。
ね? きっと戻っていらっしゃい。 いいわね? 」
しばらく休む、という彼女に マダムは優しく手を握り語りかける。
「 あ あの ・・・・ 」
あのね、 と マダムはまた艶やかに笑う。
「 いつ来てくれるかなあと思っていたの。 」
「 え? 」
「 実はね お父様からお電話を頂いているの。
お仕事の都合でしばらくこの国を離れなくてはならない
とてもとても残念だけれど 娘をしばらく休ませなければならない って 」
「 まあ ・・・ 」
「 ほら そんな顔、 しないで。 皆ね それぞれ事情があるのよ。
時には仕方ないこともあるわ。 生きてゆくってそういうことだわ。 」
「 ・・・・ 」
「 でもね、戻っていらっしゃい。 まだそれができる年齢でしょ 」
「 ・・・・ 」
「 待っているわ。 アナタの踊り、楽しみにしているから ね 」
「 は はい ・・・ 」
「 やめるのは一秒でできる。 でもそれで今まで 何年もかけて
積み上げてきたものを全て失ってしまうの。 」
「 はい 」
「 ドアはいつでも開けているから ね フランソワーズ。
」
「 は はい ・・・! 」
ぼとぼと涙を落としつつも 金髪娘はやっと笑みを浮かべた。
― そして彼女は < かぞく > と 旅立っていったのだ ・・・
カラリ。 窓を半分開けてみた。 ひゅるり〜〜 風がカーテンをゆする。
「 うわ ・・・ まだ冷たい風ねえ でも気持ちよいでしょう? 」
フランソワーズは ベッドに眠るヒトに語りかける。
「 たまには自然の風を受けるのもいいんじゃない? ほら ね ・・・ 」
ジョーは まだ眠り続けている。
「 あら ちょっと寒かった? ごめんなさいね〜 」
彼女は 静かに窓をしめた。
「 うふ ・・・ 風が冷たくなくなるころ ― 一緒にお庭に出たいわ
ねえ ジョー ? 」
彼は 穏やかな呼吸を繰り返し、顔色も自然だ。
「 ・・・ ・・・・ 」
彼女は そっと彼の栗色の髪を撫でた。
コン コン 軽いノックが聞こえた。
「 はい? どうぞ 」
「 あ れ。 フランソワーズ、まだいたのかい 」
ドアを開けたピュンマは少し驚いている。
「 え ええ ・・・ 」
「 もう出ないと ・・・ 30分のバスに間にあわないよ〜 」
「 そうねえ でも あのう やっぱりわたし 」
「 ほらほら〜〜 行きなよ! あとは僕らに任せて。
今、君の仕事は レッスンだろ〜〜 」
ピュンマは とん、と彼女の背中を押した。
「 はい。 ありがとう ピュンマ! 」
「 ど〜いたしまして。 ほら 行け〜〜 」
「 ん ・・・ ! 」
振り返り もう一度ジョーの顔に視線を当てると ― 彼女はさっと出ていった。
「 やれやれ・・・ あは 君もちゃんと応援してやれよ?
」
遠ざかってゆく軽い足音を聞きつつ ピュンマはベッドの中の仲間に話かけるのだった。
「 フランソワーズ。 ここはワシらに任せて レッスンに行っておいで 」
博士は はっきりと言った。
「 え ・・・ いいえ レッスンなんていつだってできます 」
フランソワーズは 微笑まで浮かべきっぱりと首を振る。
「 いやいや。 せっかく戻った踊りの世界じゃないか。 ちゃんと目的に
向かって進みなさい。 」
「 ・・・・ 博士 ・・・ 」
彼女は自分の担当時間以外でも なにかとジョーのベッドサイドにやってきて
時を過ごしている。
「 フラン。 ちゃんと休みなよ? 夜は僕に任せてくれよ 」
「 マドモアゼル 〜〜〜 今は休息の時間だろう? 」
「 休め。 彼も望んでいる 」
「 あいや〜〜〜 フランソワーズはん? ショッピングにでも行ってきなはれ 」
仲間たちは口々に言うのだが ― 彼女は笑って取り合わない。
「 わたし。 ここにいるのが一番 ほっとするの 」
そう言われてしまうと 男性陣はだまって引き下がるしかなかった。
そんな中 ついに博士がはっきりと言った。
「 お前はお前の望む道を歩め 」
「 博士。 今 わたしの望むことはここにいること です。 」
「 いや。 もっと先を見るんだ。 君は いつも前だけを見ている、と
ジョーが言っておったぞ 」
「 ・・・ ジョー が ・・・ 」
「 そうじゃ。 そんな彼女をスゴイと思う、とも言っていたよ。 」
「 ・・・ 博士! ジョーを助けて。 おねがい・・・! 」
「 ワシを信頼しておくれ。 」
「 わたしは ― 」
「 さあ。 バレエ・カンパニーにはワシから連絡を入れたよ。
明日の朝からちゃんとレッスンに行きなさい。 」
「 ・・・・ 」
フランソワーズは 黙ってこくり、と頷いた。
「 お おはようございます 」
「 あ! フランソワーズ〜〜〜〜 おかえり〜〜〜〜〜 」
こそ・・・っと更衣室のドアをあけたら ― 小柄な女性が跳んできた。
彼女は むぎゅう〜〜とまさに 飛び付いてきた。
「 きゃあ〜〜〜い♪ 」
「 うふふ〜〜 みちよったらあ 」
「 待ってたよぉ〜〜〜 また一緒だよね 」
「 えへへ ・・・ ずいぶん休んじゃったから ついて行けるかしら 」
「 へ〜きだよぉ〜〜〜 わ〜〜 ねえ 今度こそお茶しようね 」
「 え ええ。 この辺りのカフェ おしえて? 」
「 おっけ〜〜 わあい♪ その前にクラスだよぉ〜 」
「 そうね う〜ん なんか緊張☆ 」
うふふ あはは ・・・ 笑い声が身体中から溢れてくる。
ああ ― 戻ってきてよかった ・・・・
すっかり軽くなった気分で フランソワーズはレッスン・スタジオに入った。
「 レッスンができるんだわ・・・! 踊れるの〜〜〜 」
彼女は 頬を染めゆっくりとストレッチを始めた。
「 はい ラスト〜〜 グラン・フェッテね〜〜 」
朝のクラスはいつもの通り淡々と進み ― マダムはいつもと同じ張りのある声で
指示を出す。
〜〜〜〜 ♪
ピアノの音と共に ファ―スト・グループからダンサーたちが
グラン・フェッテを始めた。
「 ・・・ 次 わたし ・・・ ! 」
ラスト・グループの端ッこで プレパレーションをした。
「 ― ! 」
ダブル・ピルエットで勢いをつけ ― 回り始めた。
タン タン タン 〜〜〜〜
「 う ・・・ そ ?? グラン・フェッテがこんなに軽いなんて〜〜 」
フランソワーズは 自分自身に驚いていた。
トン。 16回で脚を降ろした。
「 あら? フランソワーズ。 なんでやめるの?? 」
「 あ ・・・ あの ・・・ なんか信じられなくて 」
「 はあ? まあ〜〜 可笑しな子ねえ ・・・ 自分の脚を信じなさいな。 」
「 は はい ・・・ 」
クス クス クス ・・・ 周りからも笑い声が漏れた。
「 ふふ・・・ 気負いが消えていい感じよ? 余分な力はいりません。
ただし〜〜 これを偶然にしないでね。
そのためにはちゃんとレッスンすること! 」
「 は はい ・・・ 」
しっかり頷き 彼女は後ろにさがった。
「 ・・・・・ 」
タオルに顔を埋め ― 汗と熱い涙を拭った。
ああ ああ ・・・ ! また踊れるんだわ ・・・!
! ここに戻ってこられたのは ― 皆の、ジョー達のおかげ
彼が 彼らが わたし達を護ってくれた ・・・ のよね?
ふ・・・っと 別に熱い想いが湧きあがってきた。
「 わたしが ジョーだったら。 彼のシアワセを心から祈るわ ・・・
たとえ これで永遠に会えない、と思っても 」
わたし ― 去ってゆくわたしは ・・・
生きて ・・・! 思い通りに 生きて!
ジョー どうぞしあわせに ・・・
わたしのジョー ! 力強く 生きて ・・・!
そう 願って わたしは いえ ジゼルは夜の闇に消えてゆくんだわ ・・・
「 そうよ ・・・ そう思ってジョーは わたしの元から あの絶望的な
闘いの中に消えていったのよ。
ああ ああ やっとわかったわ・・・ ジゼルの気持ちが ・・・! 」
彼女はタオルの中で 熱いあつい想いに浸るのだった。
ほこりを巻き上げる強い風が吹いた日。 彼は目覚めた。
仲間たちは静かに喜びを爆発させた。
彼女は時間がある限り 彼の側にいる。
「 ね 桜は 一緒に見ましょう? 」
「 ウン ― ああ もう 春 なんだね 」
「 そう ね 早い春ね 」
「 これから 本当の春 か ・・・ 」
「 ええ 」
寄り添う二人に 早い春の風がゆるり ゆるり と纏わり逃げてゆく。
時は 春も間近な ― 早春の夕べのこと
******************************
Fin.
****************************
Last updated : 02,13,2018.
back / index
******************* ひと言 *****************
な〜〜んかタイトルは かなりこじつけかも (*_*;
グラン・フェッテ って あまり気負いこむと落っこちるのね〜
< 自分の脚を〜 > は よく言われたよなあ ( 遠い目 )