『 手 ― (3) ― 』
ばたん。 玄関のドアが ゆっくり閉まった。
「 ただいま〜〜〜〜〜 」
のんびりした声が聞こえ のんびりし足音が響いてくる。
ぱった ぱった ぱった がちゃ。
リビングのドアが開いて 茶髪のクセっ毛頭が入ってきた。
「 あ ・・・ すばる お帰りなさい。 図書館は混んでいた? 」
「 おか〜さん ただいま〜〜〜 ね〜 おやつ〜〜〜 」
すぽん。 くりん・・・と茶色の瞳をくりくりさせフランソワーズの息子は
リビングのソファに座った。
「 手を洗ってウガイしてきてからよ。 ほら座り込まないで 」
「 あ〜 うん ね〜 オヤツ なに〜 」
「 スコーン 焼いてあるわ。 苺ジャム、つけるでしょ? 」
「 うん♪ ・・・手 あらってくるね〜 」
ぱった ぱった ぱった ・・・ 再び のんびりした足音がバス・ルームに向かった。
すばるは幼稚園のころからの < てっちゃん >、 しんゆうのわたなべ君ともども
JRを眺めにいったり 図書館で資料を探し < 二人旅 > にでたりしているのだ。
時刻表の読み方を博士に教わってからは 大版の時刻表は彼の愛読書。
勿論 わたなべ君も一緒にハマっているのだ。
「 へえ〜〜 すばるは てっちゃん なんだな〜 いい趣味だよ
編集部の取材でつかった珍しいチケットとか もらってくるな〜 」
父は笑って応援してくれている。
「 おお 随分進歩したなあ。 日本の時刻表は読みでがあって面白いぞ。
欄外のマメ知識とかなかなか凝っておるしな。 」
< 手ほどき > をした博士は 目を細めいろいろアドバイスをしてくれる。
「 まあ〜〜〜 こんなに細かい字をよく読めるわねえ・・・
乗り継ぎとか スマホ検索すればすぐなのに ・・・ 」
鉄道にあまり興味のない母は まあ・・・と 少々呆れ顔で眺めている。
「 へえ 〜〜〜 ・・・ 」
同じ日に生まれた姉 は まったく興味を示さない。
ふん ふん ふ〜〜ん♪
苺ジャムをた〜〜〜っぷり塗って スコーン を食べると、ご機嫌ちゃんで
時刻表をテーブルの上に広げた。
「 あら 今日はどこに旅したの? 」
「 ・・・ う〜ん ああ うん 」
すばるは一応返事をするが 目はひた! と時刻表にくぎ付けだ。
こんな時は 誰が声をかけても無駄・・・。
彼は 現世 に戻ってこない。
「 ・・ まあ のんびり旅行してください。 あ わたなべ君も
一緒だったんでしょ ? 元気だった? 」
「 あ〜〜 うん ・・・ えっとぉ〜〜 こっちで乗り替えるかあ・・・ 」
「 ・・・ はいはい 邪魔しませんよ。
あ すばる、 スコーン、どうだった? 今日のはね〜 レーズンを 」
「 あ〜〜 うん おいしいよ〜 ・・・ 」
「 わかったわ・・・ あ 宿題は終わったの? すばるくん? 」
とんとん・・・と肩をたたけば ようやく視線を上げた。
「 しゅくだい? やった。 全部やったもん。 それで え・・・ 」
「 ど〜も失礼いたしました ・・・ すばるもオトコノコねえ・・
お父さんそっくりよ 」
「 ・・・ おと〜さん? ・・・おかえりなさ〜〜い 」
「 今日は日曜だから お父さんはず〜〜っとお家にいますよ 」
「 ふ〜〜〜ん ・・・ あ そっか! 」
「 ・・・ どうもお邪魔しました。 」
母は 溜息をつき 息子の側から立ち上がった。
あ〜あ ・・・ おか〜さ〜〜〜ん って 纏わり付いてのは
ついこの間なのに ・・・ ふん だ・・・
ふっと 自分の白い手に視線が落ちた。
! ・・・ すばるも やっぱり・・・?
この手 ・・・ 気持ちワルイって思ってるのかも・・?
フランソワーズは おずおずと息子に声をかけた。
「 あの ・・・ すばるクン。 お母さんの手 ・・・ いや? 」
「 そっか〜〜 こっちのルートかあ ほにゃ? 」
「 あの ね。 すばる君はお母さんの手・・・ きもちわるい? 」
「 へ?? なんで。 」
やっと茶色の目が本から離れ 母を見た。
「 ど〜したの? きもちわるいの、お母さん? 」
「 いえ あの ・・・ ずっとこの手でしょう、 お母さんの手。 」
「 ほにゃ? 」
「 お母さんの手 ・・・ ずっとこんな風 よね ・・・ 」
「 あ〜 ? そうだねえ 」
「 こんな手・・・ きもちわるいでしょう ? 」
「 ?? なにが。 僕 すきだも〜〜ん 」
すばるは母の手を無造作ににぎり 自分のほっぺにくっつけた。
カサ ・・・ !
テラスからの入口に近いソファから 微かな音がした。
その音を拾ったのは 003だけだったが・・・
実は リビングの端っこのソファで ジョーが雑誌をながめるフリして
妻と息子のやり取りをチラ見していたのだ。
もちろん すばるは父に気が付いてはいない。
「 ・・・・ !! 」
ジョーは ひとり仰け反っている。
・・・ コイツ〜〜〜 オレよかうわてだあ〜〜〜
天然タラシ の素質 あるぜ・・・!
ごそごそ ・・・ 本家?茶髪アタマはゆっくりソファに沈んだ。
「 え・・・ ま まあ すばる・・・! 」
フランソワーズは 目が はあと。 ほっぺもさっと紅色に染まった。
「 ・・・ すばる ・・・ すばる ・・・ 」
「 うん なに お母さん? 」
「 ・・・ すばる〜〜 大好きよぉ・・・ 」
ちゅ〜〜 熱いキスがすべすべほっぺに落ちる。
「 にゃは〜〜 くすぐったい〜〜 おか〜さん いつもいいにおい〜♪ 」
「 そう? あ 石鹸の匂いでしょ 」
「 え〜〜 せっけん? ちがうな〜〜 あ たまごやきのニオイだ! 」
「 あ そうかも ・・・ ふふふ すばる君の大好きな卵焼きね 」
「 うん(^^♪ ね〜〜 明日の朝ご飯さ〜〜 あま〜〜いたまごやき たべる〜
ね〜 う〜んとあまくして? 」
「 ええ ええ いいわ。 お母さん 張り切って作っちゃう。 」
「 よろしくぅ〜〜 」
にこ。 明るい茶色の瞳が 母に笑いかける。
きゅ〜〜〜〜ん ・・・・ !!!
フランソワーズの心臓は完全にすばるの笑顔に射貫かれ ブルー気分は
さっさとどこかへ消え失せてしまった。
「 ふんふんふ〜〜〜ん♪ さ〜〜〜 晩ご飯の支度 しましょ。
え〜〜と すばるの好きな チキンの甘酢あんかけ にしよっかな〜〜〜 」
当家の主婦は ご機嫌ちゃんでエプロンをしキッチンに消えた。
「 は・・・負けたぜ・・・。 すばるのヤツ・・・ もう完全に
フランのこと、コントロールしてるなあ ・・・ ああ ・・・ 」
ジョーは撃沈しっぱなしである。
ガチャン ・・・・
「 ただいまあ〜〜〜〜 オヤツ〜〜〜〜 」
「 あ すぴか お帰り〜〜 」
玄関に賑やかな声が響く。 当家の長女のご帰宅だ。
ジョーは ソファから跳びあがり玄関に駆けだした。
「 ?? ほわ? おと〜さん いたんだ・・・・ へえ 〜〜〜 」
すばるは 目をぱちくり・・・父の後ろ姿を見ていたが すぐにまた
手元の時刻表に視線を落とした。
「 え〜〜っと? ○○線を使って と 」
ぷっくりした指が時刻表を辿る。
タイム・トリップ ならぬ ペーパー ・ トリップ? すばるはたちまち
空想の旅路に戻っていった。
「 すぴか! 」
「 あ〜 おと〜さん ただいま〜〜〜 ね〜〜〜 おかあさんは? 」
玄関で靴を脱ぎ捨てると すぴかは父に聞いた。
「 お帰り すぴか〜〜〜 おかあさん? キッチンで晩御飯つくってる。
レッスンどうだった? 」
「 え〜 ・・・ うん まあまあ ・・・
あ〜〜 お腹空いたぁ〜〜〜 オヤツなにかな〜〜〜 」
「 オヤツ? ・・・ あ〜 すばるはスコーン 食べてたかな ・・・
苺ジャム 塗りたくってた 」
「 苺ジャムぅ〜〜〜?? げ〜〜〜〜〜 すこーん かあ・・・
あたし お煎餅がいいな。 ねえ この前のさ おじいちゃまのお土産の
堅焼き煎餅 まだある? 」
「 あ・・ 多分 ・・・ 」
「 ねえ ねえ お父さん。 お母さんにたのんで〜〜〜
アタシ すこーん いいから。 オヤツはお煎餅がいいって! 」
「 あ う〜ん ・・・でもさ ほら スコーンはお母さんの得意だから さ
食べてあげろよ? よろこぶぜ。 」
「 お母さんの得意 は しってる。 でも アタシはおせんべいがいい。
お母さんのスコーン めっちゃ〜〜甘いんだもん。 」
辛党の娘は ぷくっと頬を膨らませる。
「 そ そうだよねえ ・・・ 」
「 ね! お父さんのおねがい なら お母さん、ぜったいに うん っていうから。
おねがい〜〜〜 アタシ、手あらってくる〜〜 」
「 あ ・・・ う うん ・・・ 」
パタパタ・・・・駆けてゆく娘を見送りつつ ジョーはこそっとため息をついた。
「 ( ぱりぱり ばりばり ) ん〜〜〜〜 おいし〜〜〜〜 」
すぴかは 煎餅を齧りつつリビングに戻ってきた。
ぽっすん ! 勢いよくソファに座る。
「 あ すばる〜〜 あんたはすこ〜ん食べたんでしょ あまぁ〜〜〜いやつ 」
「 ・・・ な〜るほどねえ・・・ え ? 」
すばるは時刻表から顔もあげない。
「 だからさ オヤツ 」
「 あ〜 おいしい苺じゃむだったよ ・・・ 」
「 げ。 ・・・ まあ いいや アンタ 蟻さんだもんね〜〜 」
「 ・・・ うん そうだねえ・・・ あ ここで乗り替えれば・・・ 」
「 ふん・・・ あ そうだ。
ね〜〜 ね〜〜 すばる。 おか〜さんの手ってさあ 」
「 あ? 手 あらったよ 僕。 」
「 そ〜じゃなくて。 おか〜さんの手! 」
「 おかあさんの手? いっつもいいニオイだよね〜〜
僕 だいすき〜〜〜 」
「 ・・・ だめだ こりゃ。 」
すぴかは 肩を竦め弟の側から離れた。
「 ふ〜〜ん ・・・ あ そうだ 」
反対側のソファでは ジョーが所在なさ気に新聞を広げている。
すばる が構ってくれない?ので つまらなさそ〜〜〜だ。
すぴかは ちょんちょん・・・ 父の側まで行った。
「 おと〜さん ねえ おと〜〜さんってば 」
「 ほいほい なんだい すぴか 」
「 ね〜〜 おと〜さん。 おか〜さんの手ってば いっつもキレイだよねえ 」
「 ああ。 手だけじゃないぞ〜〜 すぴかのお母さんはいっつもキレイ♪
」
父の瞳はたちまち はあと♪。
「 ・・・ だめだ こりゃ 」
すぴかはまたも肩を竦め ソファから離脱しリビングから出てゆこうとした が。
「 すぴか。 おい すぴかってば 」
「 ん? なに〜〜〜 お父さん 」
父が何気ない調子で娘を呼び止めた。
「 あ・・・ お母さんの手が どうかしたのかい 」
「 え? 」
「 だって すばるにも同じこと、聞いてただろ 」
「 お父さん きいてたの? 」
「 同じ部屋にいるんだもの 聞こえちゃうよ。 それに別にナイショにする
ような話じゃないだろ 」
「 う〜ん ま ね 」
「 それで。 お母さんの手・・・ なにが気になるんだい 」
「 え〜〜 ・・・ 気になるっていうか〜〜〜 」
「 うん? 」
「 いっつもさ キレイだな〜〜って。 」
「 ああ 綺麗だよ お母さんの手は 」
「 でしょ? ず〜〜っとさ・・・ 白くてほっそりしてて・・・ 」
「 ― それは ・・・ 」
ジョーは どきん、と胸を突かれた。
・・・ 気が付いた・・・ のか??
手や指は ・・・ カモフラージュできないからなあ・・・
< 変わらない > 身体を持つ自分たち ― コドモたち いや すぴかは
そのことに気が付いたのだろうか。
双子たちが小学生も半ばになってきたころから ジョーもフランソワーズも
意識してすこしずつ < 老け > を装ってきている。
「 アタシ ・・・ 全然お母さんの手とちがう ・・・・ 」
すぴかは ぽつん、と言うと自分の手を広げた。
あ・・・? そういうこと か・・・?
コイツ やっぱ女の子なんだなあ・・・
ほっとした気持ちを押し隠し 彼はとん、と娘の側に座った。
「 すぴかの手、 大きくてしっかりしてるなあ ・・・
これは きっと器用な手だよ。 いろいろなものを掴む手だな 」
「 アタシ・・・ きようじゃないもん 」
「 そんなことないだろ。 お手伝いでちゃ〜〜んとお皿洗いとか
してくれるし。 買い物でもがしっと重いモノ、もってくれるだろ 」
「 ・・・ ん ・・・ 」
「 お父さんはさ〜 すぴかの・・・ この手、大好きだよ 」
ちょんちょん・・・と父は娘のまだ幼さの残る手を突いた。
「 ・・・でも でも さ。 おか〜さんみたいな ・・・ 」
「 お母さんの手・・・ 好きだろ? 」
「 ん! だいすき! 」
「 お父さんも大好きさ。 お母さんの手って・・・ なんかこう〜〜〜
魔法チックだと思わないかい 」
「 あ! いえてる〜〜〜〜 お母さのおにぎりって〜〜
トクベツな味がするもん 」
「 うんうん そうだよね 」
「 お母さんのさんどいっち ってばさ〜 コンビニとかのとぜんぜんちがうよ。
ハムとち〜ずとたまごとレタスのサンドとかさ マスタード入りで ちょ〜〜〜ウマ! 」
「 うんうん お父さんもアレは最高だと思う 」
「 でしょ でしょ?? 」
「 うん。 あんな美味しいサンドイッチ作ってくれるお母さんの手って
すごいよなあ 」
「 そうだよね! それにね えへへ・・・ アタシ、 お母さんにあの手で
髪を結ってもらうと お稽古、じょうずにできるんだ〜〜
そんでもってね 気持ちワルい時でも 撫でてもらうと す〜〜〜っと元気になるもん
」
「 そうだよねえ 〜〜 」
「 わ〜〜〜 お父さんもお母さんに撫でてもらうの? 」
「 あ・・・ いや まあ ・・・ その ・・・ 」
「 ふ〜〜ん?? お母さんの手。 いつも白くほっそり で いいな・・・ 」
また すぴかの顔が暗くなってきた。
「 あ あのな すぴか。 お父さんがさ お母さんと初めて出会ったころ・・・
もっともっと綺麗だったんだぞ 〜〜 」
「 え〜〜〜〜 もっと? 」
「 ああ。 お父さんさ、 一目ぼれ だもの。 」
「 お父さんってば お母さんの手が好きでけっこんしたの? 」
「 あ いやあ〜〜 ・・・ お母さんの全てが大好き! って思った。 」
「 ふうん・・・ 」
「 お父さんと結婚して すぴかとすばるが生まれて ・・・
やっぱり少しづつ オバサンの手 になってきた ・・と思うよ。
お父さんはそんなお母さんの手が 大好きだけどな。 」
「 ! おせんたく や おりょうり したから・・・? 」
「 そうだよ。 お前たちを一生懸命育ててくれたから さ 」
「 う ・・・ ん ・・・ アタシの手も お母さんみたくな手に・・・
なれるかな ・・・ 」
「 なれるさあ〜 」
ぽん。 ジョーは娘の手をとって軽くタッチした。
「 え へ・・・ 」
すぴかのほっぺが ぱあ〜〜っと染まった。
「 ?? なに〜〜〜 」
突然 すばるが二人の間に挟まってきた。
「 わ?? すばる・・・ 」
「 ぽんって音がしたよ? なに? 」
「 え ・・・ 」
「 あは すばるの手は・・・ お〜〜〜 これもいい手だよ? 」
ジョーは ぷっくりした息子の手を取った。
「 えへ ・・・ そう? 」
「 すばるの手ってさ〜〜 お父さんの手にちこっと似てるかも 」
「 そっかな〜〜 でもお父さんみたくおっきくないもん 」
「 今にお父さんの手よか大きくなるさ。 お父さん、 すばるの手も
大好きさ 」
「 えへへ ・・・ 」
かちゃ かちゃ ・・・ カップの触れ合う音が聞こえてきた。
「 楽しそうね? お母さんも仲間にいれて? 」
トレイを持ったお母さんが 皆の後ろに立っていた。
「 おか〜さ〜ん ! わあ いいにおい〜〜〜 」
すぴかがぱっと立ち上がる。
「 うふふ・・・ みんなの好きなミルク・ティ いれたの。
すぴかはジンジャー入り。 すばるはハチミツよ、 ジョーは 」
「 くんくん・・・ シナモン・シュガー だね? 」
「 あたり♪ 」
わあ〜〜〜い ・・・ 皆 テーブルの周りに集まった。
ぴと。 ぴと。 コドモ達の手が母の手にくっついた。
「 あ あら 」
「 おか〜さんの手 だ〜〜〜いすき〜〜〜〜 」
「 だいすき〜〜〜〜 」
「 ぼ ぼくも! 」
ジョーは 慌てて ― コドモたちの手の上から 大きな手をかぶせた。
「 まあ まあ ・・・ うふふふ・・・ みんなの手 大好きよ ♪ 」
フランソワーズは 最高にシアワセな笑みを家族向けるのだった。
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― 十数年の後。
ドルフィン号は 翼を上下に揺らすと ― 次の瞬間 視界から消えた。
そして 双子たちがかけていた特殊メガネは ただのメガネに変わった。
・・・・・ ・・・・・・
行ってしまった。
崖の上で すぴかとすばるは ふか〜〜く息を吐く。
「 お父さんの手 さ。 」
「 うん? 」
「 アタシ ・・・ 好き 」
「 うん 」
「 お母さんの手 さ 」
「 ・・・ ウン 」
「 ・・・僕 好き ・・・ 」
「 ん ・・・ 」
ぱん。
すぴか と すばる は。 父と母からもらった両手をしっかり打合せあった。
そして ― に・・・っと笑った。
「「 さあ ・・・ 行こう! 」」
******************************* Fin.
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Last updated : 07,25,2017.
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************ ひと言 ************
手 って。 言葉より雄弁 ですよね。
歳をとってもそれなりに 素晴らしいと・・・