『 やさしいひと ―(2)― 』
「 お嬢さんを僕にください・・・ッ! 」
<プリンス>とアダナされた青年・ヨハンの雄叫びにギルモア邸のリビングでは全てのものがフリーズした。
当の本人を含め、居合わせた人々だけでなく もしかして紅茶から立ち昇る湯気すらも揺れることを
一瞬忘れていたのかも・・・しれなかった。
「 お許しを願えるでしょうか?! 」
次の瞬間、ヨハンはがば・・・っと土下座をし、リビングの床に額を擦りつけた。
「 この国ではまず、花嫁のご父兄の方にこうやってお願いするのがしきたりだと聞きました。 」
「 ・・・はぁ。 そりゃ、まァ ・・・ ワシはこのコの親代わり・・・ いや、しきたり、というか・・・
そんな時代も ・・・ あったとか 」
博士のうわごとに近い返答に いったいどの時代のハナシだ、とグレ−トが密かに首をひねる。
「 ・・・ まあ ・・・ お手をお上げなはれ。 なあ、王子ハン。 お茶、飲まはれへんか。 」
張大人はそっと砂糖壷をテーブルに戻し 床に正座している青年の肩をぽん・・・・と叩いた。
「 ありがとうございます。 」
青年はぱっと頭をあげ ― 満面の笑みで一同に会釈をした。
― ・・・うわ・・・! この笑顔〜〜 どうしましょう、わたし・・・
ああ ・・・ くらくらするわ〜〜 お、落ち着かなくちゃ・・・!
「 ・・・ねえ、ヨハン。 ちょっと散歩に行きましょうよ。 ね、ね。 そのほうがいいわ、ね? 」
やっと我に帰ったフランソワ−ズは、とにかくこの気負いたった王子さまを外に連れだした。
「 ごめんなさい・・・! 皆さん、先にお茶、していてくださいね。 」
「 ・・・ あ・・・ ああ。 行っておいで。 」
「 はい ・・・ ! 」
・・・ はあ・・・ !
特大のため息と一緒に博士が ぐったりとソファに身を沈めた。
「 ・・・ いやはや。 近頃の若いモンは ・・・ まったく ・・・ 」
「 いやぁ、どうも。 驚きましたなぁ。 」
覚めかけた紅茶を啜り、グレ−トはつるりとその剥げ頭をなでついでに にやり、とした。
「 彼はまさに<天然>なんですな。 ・・・ありゃあ、ホンモノの王子様、生まれながらのアッパ−クラスだ。 」
「 王子さんでも三番目って言うてはったアルね。」
「 でもなあ ・・・ 政治に番狂わせはツキモノだ。 だからいつ、彼にお鉢が回ってくるとも限らんよ。」
「 そうアルね。 どっかの時代劇のお殿さんみたいアルね。
フランソワーズはん、どえらいお方に見初められたアルねえ〜〜
しかしジョ−はんはどうしたネ? 肝心の時に なにをしているんやね ・・・ 」
「 ・・・ まったく。 ま、とにかくコレはフランソワ−ズの気持ち次第じゃ。外野が嘴を入れる必要あるまい。
こういうコトは なるようにしかんならんからな。 」
「 博士、さすがにトシの功、ですなあ。 」
「 ふん。 ワシとて若い時分もあったわい! どこぞの朴念仁とはちがうぞ。
しかしなあ。 ジョ−は戦闘時以外はほんとうに間が悪いというか ・・・ ブキッチョだのぉ。 」
「 そうですな。 いつも肝心な時に居ないのですからね。
時に大人、ヤツからの定時連絡は入ったかい。 」
「 アイヤ-、本日は未だネ。 きっと連絡なんか忘れて帰り道をすっ飛ばしてはるよ、ジョ−はん。 」
「 そりゃそうだ。 ・・・ こんな展開になるとは思ってもいるまいよ。 」
「 ・・・ ま。 それもなるようにしか、ならんよ。 うん。 」
「 ・・・ ですな。 」
「 そうアル。 」
リビングに残った年配者たちは 苦笑いで残りのお茶を飲み干した。
「 ・・ ヨハンったら・・・! 」
ギルモア邸からほど近い松林までやってきたとき、フランソワ−ズはやっと口を開いた。
「 ・・・ びっくりしちゃった。 ヨハンったら急にあんなコト、言うのですもの。
そうよ、車の中でもいきなり その・・・ふざけたりして ・・・ 。 」
「 急じゃありませんよ。 僕はあなたにちゃんとプロポ−ズしたでしょう? ほら、稽古場で 」
「 え? ええ ・・・ でも、アレは・・・ <海賊>としてのジョ−クだと思ってましたわ。 」
「 フランソワ−ズ。 僕は大切なことをジョ−クになどしません。 」
「 ・・・ごめんなさい。 」
しゅん、としたフランソワ−ズに ヨハンは爽やかに微笑みかける。
「 前にもいいましたけど。 僕はなんにも持ってません。
でもあなたへの想いと踊ることへの情熱だけは誰にも負けないつもりです。 」
フランソワ−ズ、とヨハンは彼女の手をとり、真正面からその青い瞳を覗き込んだ。
「 フランソワ−ズ。 あなたは 僕が嫌いですか。 」
・・・ヨハン ・・・!
あなたは・・・・ あなたっていうヒトは。 ・・・ ああ、なんて素敵なの・・・!
精悍な頬を紅潮させ、勢いこんで話すヨハンをフランソワ−ズは淡い微笑みで見ていた。
さわさわと海風が二人の髪を 優しく揺すってゆく。
こんな場面、女の子なら誰だって最高に幸せよね・・・
夢みていた王子さまが現実に現れて 本気でプロポーズしてくれて・・・
そうよ・・・ 女の子なら ・・・ 普通の女の子なら・・・
話が途切れたとき、フランソワ−ズは路肩の花にそっと屈みこんだ。
潮風に揺られつつも 小さな花が懸命に咲いている。
「 ・・・ 綺麗ね。 今日を盛りに明日には枯れ萎んでしまうのでしょうけれどだから尚一層、
ほんの短い間に最高の輝きを見せるのね。」
可憐なその花に伸びた指は、 しかしそのまま止まり摘み取ろうとはしない。
「 自然は ・・・ かわるから素晴らしいし 美しいのだと思いますわ。
ヨハン、わたしのこと、いえわたし達のこと。 この前お話しましたよね。 」
「 ? ええ。 あなた方は サイボーグなのだ、と。 でも それがなにか? 」
「 わたし達の事情はお判りになりましたね。 でも ・・・ あなたはそれでわたし達の存在自体を
どうお思いになりますか。 ・・・ 普通なら気味が悪いと思いますけれど。 」
「 どうって・・・。 気味が悪い?? あなたのことを、ですか。 」
訝しげな表情のヨハンに 彼女は古い懐中時計をポケットから出して見せた。
「 これは・・・わたしの兄のものでした。 わたしの18の誕生日に譲り受けたものです。」
「 典雅な時計ですね。 これはかなりの年代ものではありませんか。
僕の父がよく似たものを使っていますよ。 たしか・・・祖父から貰ったとか。 父のお気に入りです。 」
「 ええ、きっと同じ時代のものでしょう。 どうぞ、ご覧になって・・・中を・・・ 」
「 ・・・? 」
ヨハンはひんやりとした感触の時計を受け取り、そっと蓋を開いた。
「 精巧な細工ですね。 ・・・ え? ・・・。 これは・・・ 」
蓋の内側に刻まれた年月日に ヨハンははっと息を呑んだ。
「 おわかりでしょう。 わたし達はサイボ−グ。 戦争兵器として改造されてしまったこの身は
・・・ 機能停止するその日まで、変わりません。 わたしは…このまま、です。 」
「 この花がしぼんでまた次の年、新しい蕾が咲き・・・ 木々は生い茂り、雛は大空に飛び立ち・・
子供達は大人になり ・・・ やがてはこの世を去ります。 それが自然なことですよね。 」
「 ・・・ なにを ・・・ 仰りたいのですか。 」
「 あなたも、ヨハン。 今、若々しいしなやかな肉体と瑞々しいこころを持っていらっしゃるあなたも
やがては立派な壮年の男性になり ・・・ 老いて・・・いつかは天に召されますわ。
でも。 わたしは。 いつまでたってもこのままです。 ずっと・・・ 変わることができません。 」
「 フランソワーズ・・・ 」
「 わたし達は 時の流れから外れてしまった存在なのです。 ほんの一時、こうして同じ時間を
共有できますけれど いずれは ・・・ お別れしなければなりません。 」
さびしく微笑むフランソワ−ズの手を ヨハンは大きな両手でそっと包み込んだ。
「 いつも若々しいあなたの側にいられたら僕は、僕の心は死ぬまで青年でいられます。
肉体が年老いて80の老人になったら・・・世間は随分と若い妻をもった爺だときっと羨むでしょう。
ははは・・・僕こそ 気味の悪いヒヒ爺といわれるかもしれない。 でも! そんなこと・・・!
僕にはどうでもいい。 僕にとって一番大切なのは ・・・ あなたです、フランソワーズ! 」
「 ・・・ ヨハン 」
「 ずっとそばにいてくれますか。 」
青年は彼女の白い手を両手で捧げ持つと しっとりと心を込めて口付けをした。
「 返事は急ぎません。 いつまでも、待ってます! あ・・・ できれば80歳になる前にお願いします。 」
「 ・・・・・・ 」
「 どうぞ、ご家族の方々に宜しくお伝えください。 それじゃ また明日!スタジオで。
今の話とは別に、 『 海賊 』 、いい舞台にしましょう! 」
「 え・・・ ええ。 ヨハン ・・・・ A demain ・・・・ ( また明日 ) 」
「 A demain !! 」
満面の笑みで大きく手を振ると ヨハンはぱっと駆け出していってしまった。
・・・ ああ ・・・ なんて ・・・ なんて素敵なヒトなの・・・!
フランソワーズは口付けを貰った手を そっと胸に当てた。
・・・ちくん ・・・
胸の奥、いつだってどんな時でも一番暖かい場所がちくり、と痛む。
不意に。 セピア色の瞳が思い浮かんだ。
ジョー・・・ ジョー・・・! わたし・・・ 自分が怖いの・・・!
お願い、側にいて・・・! わたしの手をしっかり握っていて・・・
だれか・・・わたしのこころを持って行って・・・
海風に頼んだ言付けはすい・・・っと空に巻き上げられていった。
コツ コツ コツ ・・・ コツ ・・・ コツ ・・・
坂道を踏む足取りはらふわふわと頼りなく 靴音も大きくなったり途絶えたり。
我ながら、だらしないなあ・・・とフランソワ−ズはぼんやり思った。
一歩一歩しっかりと踏んでいるつもりなのだが、足元から固いはずの地面がゆれる・・・
これはきっと。 わたしのこころが揺れているからなのね。
そうね・・・ あの松の枝よりも 浜木綿の葉っぱよりも ゆらゆら ・・・ ゆら・・・
また日を改めて、と帰ったヨハンの笑顔は今までより数倍大きく彼女のこころを占めている。
・・・ ヨハン ! あなたは。 あなたっていうヒトは ・・・
やさしいのね ― そう あなたって。 やさしすぎるわ。
皆と顔を合わせるのが気恥ずかしく、フランソワ−ズはそっと勝手口にまわった。
「 ただいま。 あら、ジョ−はまだ? 今日、帰る予定でしょう。 」
大人の丸まっちい身体がキッチンであちこちに動き回っていた。
「 お帰り。 ほれ、さっさと手ェ、洗うて手伝うてや。 」
「 はい、 ごめんなさい。 ねえ、ジョーは? ミッション、なにか予想外の事態になったのかしら。 」 」
「 うんにゃ。 今回は単独行動だから手間もかかってはるんやろ。 安生、待っときなはれ。
さ、飛び切り美味しい夕食を用意してジョ−はんを労ってあげようのコトね。 」
「 そうね、 お手伝いします。 大急ぎで着替えて来るわね。」
「 ほっほ。 頼んだえ〜〜 」
・・・ ジョ−。 随分と遅いわ。 なにかあったのかしら。
まさか。 009がそんなこと ・・・ ううん、でも ・・・
「 あいや〜 そんなに剥いてはダメあるネ! 」
「 ・・・え? ・・・ あ! ご、ごめんなさい! 」
包丁をもつ手を押さえられ、フランソワ−ズは はっと我に返った。
まな板の上、手元に持った玉葱はピンポン玉くらいになっている。
「 ヤダ・・・ わたしったら ・・・ 一番外側の皮を剥くつもりだったのに。 あ〜あ・・・ 」
フランソワーズはあわてて周囲に散らばる玉葱の破片を拾い始めた。
「 ふ〜ん・・・ 心ココに在らずの風情ネ。 ジョ−はんの帰りは遅いし。 ありゃりゃ・・・ 」
ほろ ほろほろほろ ほろ ほろ ・・・
透明な瑠璃玉が彼女の頬をつぎつぎと転がり落ちてゆく。
「 ・・・ あは。 この玉葱、今日は凄く沁みるわ ・・・ 」
「 フランソワ−ズはん。」
剥きすぎた玉葱を前に涙をこぼしている彼女に 張大人は独り言みたいに呟く。
「 涙が出るのは 玉葱を剥く時と心が揺れるとき。 涙は本人よりも正直アルね。 」
「 ・・・・・・ 」
わたし。 どうして俯いているの。 どうしてしゃっきりと顔を上げ胸を張ってそうね、と言えないの。
・・・ もっと素直にならなくちゃ、フランソワーズ・・・!
滲んでくる涙を一生懸命押さえて、フランソワ−ズはただ、立ち尽くしていた。
こころが揺れている。 自分自身の気持ちが、のぞみが、よく見えない、判らない ・・・!
ずっと ジョ−を愛していると思っていた。 彼の側にいるのが自分の幸せだと思っていた。
その気持ちは 今も勿論変わらない。
― でも。
仲間たち以外で自分の<すべて>を受け入れ、その上で自分の手をとってくれたヨハンの
熱い想いに フランソワ−ズはこころが揺れる。
・・・ わたし。 ヨハン自身が好き、なの? 彼の やさしさ に惹かれているだけ・・・?
ほんの一時でも <普通の女の子> で いたいから?
「 ほらほらほら・・・ よう手元を見てや。 どんな時でも食べ物を扱うのに気ィを抜いたらあかん。 」
大人の丸まっちい手が伸びてきて、彼女の手から包丁をもぎ取った。
「 みじん切りはな。 ココロをまっさらにしてへんと、均等に細かくならへんで。
お〜お・・・ こないにぼこぼこではすぐに焦げついてしまうわな。 」
「 ごめんなさい ・・・ 大人。 」
「 ま。 ええて。 ほんなら、あんさん、サラダの用意をしてんか。 庭のサラダ菜がええ塩梅の出来や。
とれとれを頂きまひょ。 」
「 は、はい! サラダ菜と ・・・ あとデザートに苺も摘んでくるわね。 」
「 ほっほ。 そらええなあ。 ジョーはんが喜ぶデ。 ほな、一緒に大葉も頼んまっせ。 」
「 はい、了解〜〜 」
フランソワーズはサラダ用の籠を掴むと 裏庭に出ていった。
ギルモア邸の裏庭には、野菜畑とビニールハウスの温室がある。
表の海風をさけ、張大人が旬の野菜とハーブを少し栽培していた。
フランソワーズは温室で丁度食べ頃の苺を摘むと 次は畑に分けてはいりサラダ菜の間にしゃがみこんだ。
「 ・・・ やあ。 美味しそうだな。 」
「 ・・・ ジョー?? ああ、びっくりした・・・ 」
瑞々しいサラダ菜を摘んでいると 不意に後ろから穏やかな声が降ってきた。
振り返れば そろそろ傾き始めた夕陽を背に 防護服姿のジョーが立っていた。
夕方の光が 特殊なあの赤い服をなぜかくすんだ色に染め上げている。
・・・ ジョー・・・? 顔色が・・・ ?
逆光になっているのでよくわからないが、ジョーの顔色も沈んだ影が見え隠れしていた。
「 お帰りなさい・・・ あら。 ドルフィン号からまっすぐ? 」
「 いや・・・ 夕食に間に合わせなくちゃと思って加速してきたんだ。 あ・・・美味しそうだなあ、これ。 」
ジョーはフランソワーズの持つ籠の中から苺を摘まみあげると ぽい、と口に放り込んだ。
「 あ・・・ もう〜〜これは今晩のデザートなのよ。 」
「 ・・・ んん ・・・ 美味しいなあ・・・ やっぱりウチの苺が一番だよ。 あは・・・ただいま♪ 」
ジョーは笑って彼女を引き寄せると、頬にキスをした。
「 ・・・きゃ ・・・ ふふふ・・・苺の甘い香りがしてよ。 」
「 やっと人心地ついたなあ。 <ただいま>って言えるウチがあるって最高だよね。 」
ジョーは屈みこむと 足元のサラダ菜を数枚 摘み取った。
「 ジョー どうしたの、 ミッションでなにかあったの? 」
「 ・・・ うん。 いや・・・ 」
「 ねえ どっち? 」
「 あ・・・ ごめん。 今日のところは ・・・ なんとかぼく一人で切り抜けられた。
やはりあのポイントは監視が必要だな。 ことによると004達の応援を頼まなくちゃならないかもしれない。」
「 まあ! そうなの? はい、了解よ。 すぐに連絡を入れます。 」
「 あ、いいよ、いいよ。 まだ決定的ってことでもないし。 とりあえずぼくとグレートと大人でなんとか・・・ 」
「 わたしは。 ジョー ・・・ ひどいわ、わたしだって・・・! 」
「 だってきみ・・・ 素敵なヒトに、 その ・・・ プロポーズされたんだろ?
せっかくの幸運を邪魔したくないからね。 」
「 ジョー・・・! 誰に聞いたの、 なぜ そんな風に言うの。
あなた・・・ 本気でそう思っているの? 」
フランソワーズはすう・・・っと気持ちが冷えてゆく思いだった。
たった今まで ジョーの帰りにこころを弾ませていたのに・・・
「 誰だっていいさ。 とにかく ― ぼくはきみの幸せを願っている・・・ それだけだ。
ぼくに反対する権利など ありはしない。 」
「 ・・・・・・・ 」
ジョーは摘み取ったサラダ菜を ぱさり、と彼女の籠にいれた。
「 ・・・ 着替えてくるから。 先に夕食、始めていてくれ。 」
赤い防護服姿は 返事も待たず、踵を返すとすたすたと邸に歩いていった。
「 ・・・ なによ ・・・! わかった風なこと、言って! きみの幸せ、ですって?! 」
見慣れた後ろ姿はあっという間に夕闇に溶け込んでしまった。
「 わたし ・・・ わたしの気持ちがわからない ・・・ ジョー・・・ ! 」
野菜籠の中で 苺がころん・・・と揺れた。
― トウキョウの大使館に 一番上の姉が来ています。 会ってやってくれますか。
ギルモア邸を訪ねた翌週、ヨハンは何気なくフランソワーズを誘った。
スタジオで顔を合わせた時だったし、周囲の人々は聞き流していただろう。
しかし フランソワーズは一瞬、す・・・っと汗が冷える思いだった。
ヨハン・・・! それって。 もしかして正式に・・?
迷い・悩み・戸惑い ・・・ こうして当日が来てしまった。
今、ギルモア邸の門の側には大使館からの <お迎え> の車が待機している。
「 ・・・ それじゃ。 行ってまいります ・・・ 」
リビングの戸口に フランソワーズが立っていた。
アイボリー・ホワイトのスーツに 薄いローズ色のシルクのブラウスがほんのりと映る。
初夏の陽射しも色褪せてみえる可憐なその姿 ・・・ なのだが。
「 おお ・・・ これは。 なんとも晴れやかな姿じゃのう。 」
博士が感嘆の声を上げる。
「 ・・・ アイヤ〜〜 フランソワーズはん! 桃の花より別嬪さんやで〜 」
ジョーはソファの隅に埋もれて 雑誌からちら・・・っと顔を上げただけだった。
「 そんな ・・・ 博士も大人も。 これであちらの方に失礼ではないでしょうか。 」
「 その心配は無用だよ。 ・・・ マドモアゼル。 本当にこれでいいのかね? 」
「 ・・・ グレート ・・・ 」
フランソワーズはグレートの強い視線に 俯いた顔を上げることができない。
「 今日、先方さんに出向くということは どういう意味か、判っていると思うがな。 」
「 ・・・ わたし・・・ 」
「 マドモアゼル自身の判断だ、誰も何も言わんがね。 」
「 ・・・ ええ。 グレート・・・ 」
消え入りそうな声で返事をしつつ 彼女の心に中にはジョーの言葉ががんがんと響いている。
― ・・・きみがそれで幸せなら。 ぼくに反対する権利は・・・ないよ。
「 ・・・ 行って参ります。 」
フランソワーズは 膝を少し折り博士に挨拶をした。 そして ゆっくりと顔を上げ ・・・
ジョ−・・・!
最後の望みをこめて彼女はジョ−の瞳をじっと見つめた。
・・・ おねがい! ゆくな、と言って・・・・!
彼女の哀願の眼差しにも・・・ジョ−はだまって唇を噛みうつむくだけだった。
ぼくに きみをしばりつける権利なんか・・・そんなこと、できない!!
「 ・・・ お夕食には帰りますから。 」
「 なあ、ジョ−。 お前さん、案外と見栄っ張りなんだなあ・・・ 」
「 ! グレ−ト。 」
だってそうだろ?とグレ−トは琥珀色の液体が満ちたグラスを振る。
フランソワーズが出かけてしまったリビングは 急にし・・・んとしてしまった。
彼女がいるだけで邸中に華やかな雰囲気が満ちているのだ。
今 ギルモア邸はその空気までもが ひんやりとしいた。
リビングのソファには グレートが一人、ちびちびグラスを傾けている。
「 マドモアゼルの幸せを・・・ってのは我ら皆の希望さ、なにもお前だけの望みじゃない。
ただし。
お前はその上に <嫌われたくない> っておまけがついているのさ。 」
「 ・・・ 誰だってそうだろう? 」
「 そうかな。 人生にはたとえ嫌われても自分勝手と謗られようとも本心を通さにゃならん時
があるもんだ。 自分の見栄と本心を天秤にかけちゃあ そりゃ拙かろうよ。 」
「 ・・・ グレ−ト。 」
「 黙っているのが 優しさ、なんて思っているんじゃないだろうな?
いいか、My boy。 ・・・一昔まえのコピーじゃないがな。 優しさだけじゃ生きては行けないってことさ。 」
「 ・・・ やさしさ、か ・・・ 」
「 おっつけニュ−スになるだろうが。 極秘情報が入った。
プリンスの家はちょいとお家騒動かもしれんぞ。
それにな。 我々の方も <騒動> だ。 どうもあの方面がまたぞろ燻り始めたぜ。 」
「 そうか。 やっぱりな。 」
「 どのみち、おめでたい話は ちょっとストップだろうよ。 こちらの状況も似たり寄ったりだ。 」
「 それでミッションの情報は? 」
「 ・・・ とりあえず、<003>に戻ってもらわんとな。 ほら。 お前の車のキイ。
お前サン次第だな。 あとは ・・・ 任せた。 」
「 サンキュ! 戻ったらその足でぼくは先発する。 君達は待機していてくれ。 」
ぽ〜んと放り投げられたキイを空中でキャッチるすと ジョーはリビングから駆け出していった。
「 ・・・ おいおい ・・・ 家の中で加速するなよ。 さて、我輩も準備をしておくかな。 」
グレートは名残惜しそうにグラスを傾け、最後の一滴を飲みほした。
トウキョウの中心に近い地区、木立の多い広い庭に囲まれたその建物はどこか緊張に包まれていた。
黒い公用車がするり・・・と門の中に滑り込んでゆく。
アイボリー・ホワイトのほっそりした女性が迎え入れられた。
ザ −−−− !!
その直後に 木立が激しく揺れた。
「 ・・・ ? 」
広いポーチのある玄関脇に見え隠れに立つガード・マンは 一瞬の風音に神経を尖らせたが
何も異常は見当たらない。
「 気のせいか ・・・ 」
周囲は再び木立の葉擦れの音に包まれていった。
奥まった一室は ― 一度来訪者を迎え入れた。 客は予定の<ひとり>ではなく<ひとくみ>だった。
そしてしばらくの後 再びドアがゆっくりと開いた。
赤い特殊な服を着た男が 白っぽいスーツ姿の女性の肩を抱き出てきた。
そして 最後にこの部屋の、いや、 この邸の主となるべく人物が静かに歩み出た。
「 ・・・ ヨハン ・・・ いえ、殿下・・・ 本当に、あの・・・ 」
「 シ。 それ以上は何も言わないでください、フランソワーズ。
それに僕たちの間でその敬称は ナシですよ。 」
「 ・・・ ごめんなさい ・・・ 」
「 ヨハン。 ・・・ 君は素晴しい君主となるでしょう。 」
赤い服のオトコは真正面から 青年を見つめた。
「 ・・・ お礼を言いたくはないですね、ムッシュウ・島村。
花嫁は 赤い鬼に浚われたということにします、それで皆納得してくれるでしょう。 」
「 ・・・・・・ 」
ぺこり、と頭を下げると、 <赤い鬼> は白い姫君の腕をとり静かに退出して行った。
「 ・・・ ヨハン 。 」
「 ? ・・・ 姉上 ・・・ 」
さらさらと衣擦れの音が青年の後ろから近づいてきた。
「 これでよかったのですか、ヨハン。 あなた、 あのお嬢さんのこと・・・
白い手が そっと彼の腕に触れた。
さっくりと頭をふって、でもヨハンは微笑みを淡く唇に結び答えた。
「 ・・・そうですね。 愛しています! こころから、あのムッシュウよりももっと・・・!
でも。 だから。 彼女には迷惑はかけられないのです、姉上。 」
「 ・・・ ヨハン ・・・ 」
中年の女性はそっと彼の髪を撫で、しずかに抱き締めた。
「 ・・・ それでこそ、真の王者ですよ。 ・・・ お父様の後を継ぐ方です。 」
「 ・・・・・・ 」
ざわざわざわ ― 館の回りで、一瞬の旋風が再び木立を揺らしていった。
「 ぼくは先に現場に行くから。 きみは待機していてほしい。 」
「 了解。 どこまでもあなたに着いてゆくわ。 もう 迷わないわ。 」
「 ありがとう。 」
二人はたった今の会見には一言もふれず、009と003として見つめ合い・・・
直後、ジョーの姿はかき消えた。
ばたん、とキッチンのドアが大きな音で開かれた。
「 ? グレ−ト !? 」
そこに立つ、防護服姿に振り返ったフランソワ−ズも張大人も息を呑んだ。
「 グレートはん? なんやね、その恰好は。 」
日常の空間に その赤はまるで馴染もうとはせず、その異質さをよけいに強調する。
「 ちょっと一足先に行って来る。 迷子の坊やの pick up ( お迎え ) だ。 」
「 ジョ− ・・・ どうか、したの? 心配ないから待機していろって言ったじゃない! 」
「 ああ、心配召さるな、姫君。 <ちょっとミスった>だけだそうだ。 」
「 どうして??? わたしには・・・ 通信は聞こえなかったわ!」
「 我輩にだけ回路を開いて来た。 オ−プンにしたら余計な心配かけるし、な。」
「 そんなこと! なんのためにわたしがいるの? わたしも行くわ。 5分、待って。 」
「 マドモアゼル・・・ 」
「 <003>よ、たった今から。 」
「 よっしゃ。 大人じゃなくて006、それじゃココを、博士と坊主を頼んだぜ?」
「 アイアイ・サ− 」
《 ・・・ 003? 007、おい!なんだって彼女を連れてきたんだ! 》
《 しっ! ・・・ オ−ライ、状況はわかったわ。 そこはIC回路と同じ構造なの。だから… 》
自動操縦のドルフィン号で駆けつけた二人に 009はかなり不機嫌な通信で応えた。
基地というより研究施設の中で 009は所謂ICトラップに引っかかっていたのだ。
透視能力と専門知識を駆使して 003は実に的確にトラップを解除していった。
潜んでいたN.B.G.の残党は009が既に始末していた。
《 なあ、坊や? 》
《 ! 007! ミッション中だぞ。 》
《 いやぁ。 ミッションなんざクソくらえ、さ。 坊や、もうひとつだけ。
オジサンはいらぬお節介をするぞ。 》
《 グレ−ト ? 》
《 あのな。 もうニュ−スになったぞ。 ヨハンの父王が倒れられた。
そして 第三王子のヨハン殿下がにわかに次代国王の有力候補になった。 》
《 ・・・ そうか。 ありがとう、グレート!
あ、悪いけどこのまま通信回路を閉じないでいてくれるかな。 》
《 それは構わんが・・・・? 》
《 ふふふ・・・ 聞いていて欲しいのさ。 》
《 ・・・?? お〜いおい、なにを企んでおるのかい My boy? 》
《 ― 009? さあ、これでトラップは全て解除したわ。 あとは、》
《 サンキュ! あとはぼくが基地のコア部分を完全に破壊してから脱出する。 》
《 了解。 ではこちらはサブ・システムをダウンさせてから退去するわ。
009、それでは通信を切ります。》
《 あ! 待ってくれ! 》
《 はい? 》
《 ぼくは卑怯な人間だ! せめてきみに嫌われたくなくて <やさしい> 振りをする。
ほんとうは ほんとうは アイツを殴ってでもきみを渡したくはなかった。
ただ・・・ 振られるなら、せめて嫌われたくはなかった。 でも。
嫌われてもいい、卑怯なヤツと思われてもいい。 ぼくは。 ぼくは・・・・! 》
《 ・・・ ジョ− ・・・ ? 急に どうしたの ・・・ ?
だって・・・ ミッションだから、って。 わたしの能力 ( ちから ) が必要だって言ったでしょう?
ヨハンにだってそう言ってたわ。 大使館で ・・・ 》
《 どうもしない! ぼくはきみが、きみ自身が必要です。 その・・・これからもずっと。
そうさ! 一生 ・・・!! 》
《 ジョ− ・・・ やだ、それって 》
《 ぼくは! きみを誰にも渡さない!! 》
《 ひょ〜〜♪ 言うねぇ、坊や! 》
《 やだ! グレ−トにも聞こえてるわ?? ジョー! チャンネルをフル・オ−プンにしてない?
ジョ−〜〜〜 聞いてるの?? 》
《 ああ ! 皆に聞いてほしかったのさ 》
ジョーは悲鳴に近い叫びを残し、 ぷつり、と脳波通信の回路を閉じてしまった。
「 うそ・・・ 本当に、なんてヒトなの・・・! あなたってば・・・ 」
言葉とは裏腹に フランソワーズは立ったままほろほろと涙を流していた。
― それは 甘い ・ 熱い 涙 ・・・
わたしのしあわせ・・・。 みんなも、ううんわたし自身も ちっともわかってなかったわ!
わたしのしあわせは。 しあわせは・・・・
− ジョ−とともに生きること。
わたし。 わたし、ほんとうは卑怯で自分勝手なオンナなの!
あんなにやさしいヨハンの手を 振り切ってゆくわ。
ひどいオンナでしょ、最低ね。
・・・ でも!
わたし。 自分にウソはつけない!
あなたに嫌われてもいいわ、軽蔑されてもいいわ。
ジョ−・・・!
わたしが わたしの幸せは あなたの側でなくちゃ ダメなの!
フランソワーズは静かにドルフィン号で ジョーの帰りを待っていた。
ジョーがミッションから戻るとすぐ、二人はヨハンのマンションを訪ねた。
彼はまだその狭い部屋を引き払ってはいなかったのだ。
「 お二人とも無事でなによりでした。 ムッシュウ・島村。 マドモアゼル・アルヌール。
青春の、そう、いい夢を見させてもらいました。 感謝します、マドモアゼル。」
すでに故国からの知らせを受けていたヨハンは きっぱりと言った。
「 貴女に 余計な重荷を背負わせるわけには行きません。」
「 ・・・ ヨハン 」
「 今度会ったときも、そうやって呼んでくれますか。 僕の最後の我侭ですけど。
そして一つだけ、お願いがあります。 」
「 お願い? あの・・・ 今回のことは決して・・・誰にも洩らしませんわ。 」
「 いや。 そんなことではないです。 僕の ヨハン・クールゲとしてのお願いです。 」
「 はい、わたしに出来ることでしたら。 」
「 ええ。 これはあなたにしか出来ません。 ダンサーであるあなたにしか。 」
「 ・・・ ? 」
「 明日、カンパニ−の第三スタジオを借りました。 どうぞ来てください。
そして ムッシュウ、できれば貴君もご一緒にお願いします。 」
「 ジョーも、ですの。 ・・・ええ、わかりました。 」
「 ありがとう! ふふふ・・・ウオーミング・アップは完了しておいてくださいね。
ああ、そうだ。 練習用のチュチュもお願いします。 」
「 え・・・ええ・・・。 」
「 それじゃ。 また 明日、スタジオで。 」
ヨハンは爽やかな微笑みで二人を送り出した。
「 え・・・ パ・ド・ドゥ を? 」
「 はい。 僕は今日でここを退団します。 そして・・・ 踊りの世界からも去ることになるでしょう。 」
「 ・・・ ヨハン! 」
「 いいのです。 でもその前に僕の最後の望みを叶えてください。 」
「 わかったわ。 わたしからもお願いします。 踊ってください。
それで 『 海賊 』 を? 完成できなかったし・・・それとも 『 眠り〜 』 ?
あ・・・・ 『 ジゼル 』 がいいのかしら。 」
「 いや・・・ 『 ジゼル 』 は ・・・ちょっと勘弁だな。
マドモアゼル・フランソワーズ、 僕と踊ってください。
『 白鳥の湖 』 第二幕 の ・・・ 白鳥姫と王子のグラン・アダージオ を 」
「 Oui
Monsieur. Avec plaisir ・・・! ( はい、喜んで ) 」
それは。 まさしく 愛の踊り だった。
王子の腕に抱かれ 白鳥姫は恍惚と喜びにも似た姿を見せる。
稽古着に練習用のチュチュ。 音も使い古したMDだ。
しかし そこは木立に囲まれた湖であり 月明りの中、白鳥姫と王子が愛を交わしている。
く・・・そ・・! でも、ぼくは。 ぼくはしっかり見なければならないんだ!
彼の、ヨハンのオトコとしての誠意を きちんと受け取らなければ・・・!
ジョーは歯を食い縛り、目を見開き。 < 恋人たち > を見つめ続ける。
・・・ この想いを 僕の彼女への想いをしっかりと見てください。
そして 僕の想いを捧げた女性 ( ひと )を 必ず幸せにしてくれ・・!
二人の世界、 自分が入り込めない世界を ジョーはひたすら凝視し、こころに焼き付けた。
やがて 静かに静かに音が消えて行った。
王子は白鳥姫の手をとり、キスをすると深々とレベランスをする。
「 ・・・ ありがとう・・・! オデット姫。 」
「 王子様。 わたしこそ・・・ こんなに素敵に踊れたのは初めてです。 」
「 また 明日 と言ってください。 明日、スタジオで・・・と笑顔で言って去ってください。 」
「 ・・・ ヨハン・・・ 」
「 フランソワーズ。 ・・・ a demain ! ( また 明日 ! ) 」
「 ヨハン! a demain !! 」
フランソワーズは満面の笑顔で答えると 軽い足取りでスタジオを出ていった。
・・・ そう、毎日 やっているとおりに。 明日に期待を込め 明日を夢見て ・・・
「 ヨハン・ク−ルゲは フランソワ−ズ・アルヌ−ルを愛していた。
そして二人は 白鳥のグラン・アダージオを 踊った・・・!
・・・ そう、それだけのことさ。 この想い出があれば生きていける。 なにがあっても。 」
去ってゆく恋人たちを窓から見送り王子様は 淡く微笑んだ。
ほろ苦い出来事が思い出となり、やがてそれも色褪せる頃。
「 あら。 」
ある朝、朝食のテ−ブルで ジョ−の広げた新聞に何気なく目をむけたフランソワ−ズは
おもわず声を上げた。
「 ・・・ なに? なんか、気になる記事かい? 」
「 え、ええ。 ほら、ここ 。 」
白い指が指す紙面には 欧州のとある王室の家族写真があった。
【 国王 ヨハン・ハインリヒ陛下と ご家族 】
「 ・・・惜しいなって思ってない? もしかしたら王妃様・・・
ここに立っているのはきみだったかもしれない。 」
ジョーは国王の隣を指差した。
「 イヤなジョ−。 そんなコト ・・・ 」
ちょっぴり頬を膨らませ、それでもフランソワーズの瞳は懐かしさに揺れる。
壮年のがっちりした国王に、ほんの少しだけあの <プリンス> の面影が見えた。
国王の大きな手は 愛しげにちいさな王女の亜麻色の髪に置かれている。
末のプリンセスは <フランソワ−ズ姫> という名だという。
・・・ そうね。 愛していた、かもしれないわ。
ね・・・。 あなた。 や さ し い ひと。
***************************** Fin.
****************************
Last
updated : 06,23,2009.
back
/
index
************ ひと言 **************
え〜 前編の冒頭にも記しましたが、 この作品は 2005年 5月 発行の同人誌『 Fermata 』 に
掲載されたものを加筆・訂正したものです。
ジョー君をイジメちゃったかなあ〜 ・・・ フランちゃんにはっきり言ってあげてほしいんだも〜ん♪
4年前の自分とは随分筆致も変わっていて 結構苦労して加筆しました。
ベツモノと思ってくださいませ。
あ、それから ヨハンとフランちゃんが踊る 『 白鳥の湖 』 のグラン・アダージオ は
まさしく 王子とオデット姫の 愛の場面 なんですね〜 だから、アレはお子ちゃまが踊っても
全然面白くない・・・ のですよん。
ちょいと毛色の違うハナシですが、ご感想の一言でも頂戴できましたら幸せでございます〜<(_ _)>