『 カ−ニバル・ナイト 』より 

            
イラスト★ 空・海 様
「 北独逸か。 寒いだろうね。 」
「 そうね、 ここの暖かい冬に慣れてしまったから・・・ 覚悟が必要かもしれないわ。 」
「 きみは特にね。 」
「 あら。 わたしだって ・・・ クッシュン・・! 」
フランソワ−ズが小さなクシャミをした。
「 あれ・・・ 風邪かい。 」
「 ・・・ううん。 きっとね、この手紙についてきた雪の匂いに ハナがムズムズしたのよ。
 懐かしいな、ってね。 」
「 ふふふ・・・ でも、今時エア・レタ−なんて・・・ アルベルトらしいね。 」
「 わたし、やっぱり手紙って好きよ。 こうやって・・・ 遠くの国からの 香りとか雰囲気をちょっとだけでも
運んできてくれるから。 」
「 そうだね。 今年はこの手紙が 冬の使者、だ。 」
「 冬の、雪の使者ね。  ・・・ そうだわ、博士のご都合も伺っておかなくちゃ。 」
「 うん、 あ、それにイワン・・・ ああ、今月はもうずっと夜か。 」
「 ええ、多分。 大晦日かお正月くらいに起きるはずよ。 」
「 じゃあ ・・・ 行こう! 」
「 きゃ♪ 嬉しいわ。 ・・・ ジョ−と二人の海外旅行って・・・ 初めてかしら・・・
 うふふ・・・ 雪のハネム−ン・・・なんて♪ 」
「 え? なに。 」
「 ・・・ な〜んでもな〜い♪ 」
「 ? なんなんだ・・・? ま、楽しそうなら・・・いいか。 」
頬を染め、ぱたぱたと廊下を駆けていった彼女を見送って ジョ−も笑顔になっていた。
「 ・・・ よう。 」

舞い落ちる雪のなか、ホ−ムの端でアルベルトが手を上げていた。
フランソワ−ズはすぐに気がつき 凍て付いたホ−ムを駆けてゆく。
ジョ−は荷物を引いて慌てて後を追った。
「 アルベルト! ・・・ 元気? 」
「 アルベルト。 ご招待、ありがとう。 」
相変わらずのトレンチ・コ−トに黒革の手袋、そんな彼にフランソワ−ズは抱きついて
頬に軽くキスをする。
アルベルトもこの亜麻色の髪の<妹>を 軽く抱き締めて応えた。
「 こんにちは。 お具合はどうですか? 私はレナ、この城の娘です。 」
「 ・・・ 初めまして ・・・ フランソワ−ズ、といいます。
 いきなりお邪魔して ・・・ ごめんなさい・・・ 」
「 気になさらないで。  あの、よかったら ・・・ 如何? ホットミルクなんですけど。 」
レナは盆にカップを乗せ、ベッドサイドに持ってきた。
「 まあ ・・・ ありがとうございます。 」
「 頂くかい? じゃあ ・・・ ほら・・・ 」
ジョ−はカップを取り上げると、フランソワ−ズを支えたままそっと彼女の口元に持っていった。
「 あ ・・・ ありがとう ・・・・ ジョ− ・・・  ああ、美味しい。 」
「 よかった・・・・ 今晩ぐっすり眠ればきっと熱なんかすぐに下がるさ。 」
「 ・・・・ ええ。 そうね。 」
フランソワ−ズはジョ−の腕の中からほんのりと微笑み、彼を見つめた。
「 ・・・ 素敵 ・・・ あなたはジョ−さんの奥様ですか。 」
「 ・・・え! あ・・・あのぅ ・・・ 」
ベッドサイドのレナに問われ ジョ−は思わずミルク・カップを取り落としそうになった。
「 いえ ・・・ あの。 」
「 ・・・ ジョ− ・・・ 」
ジョ−の腕の中で フランソワ−ズの蒼白な頬がぽっと染まった。
「 あら、違いました? ごめんなさい。 」
「 いえ。 」
ジョ−は ・・・ ぐっと腕に力を込めフランソワ−ズの肩を引き寄せた。 そして ・・・

北ドイツのロ−カルな空港で 三人は別れを惜しんでいた。
空は相変わらず灰色一色だ。

「 今度 ここに来る時は。  
ちゃんと・・・ ぼくの奥さん だからね。 」
ジョ−が ちょっと照れ臭そうに言う。
「 なんだ? 俺に黙って、か? 」
「 勿論、結婚式には出てくれるだろう? <義兄さん>。 」
「 ・・・ こいつ! 」
「 あ、搭乗のアナウンスだよ? じゃあ・・・また。 」
「 ち! 運のいいヤツめ。 」
笑ってアルベルトも手を揚げた。
*****  管理人より  ******

拙作にまたまた素晴しい素敵絵を頂戴いたしました。
きゃ〜〜♪♪ イメ−ジ通りでございます。
も〜〜 空・海様の絵筆は魔法使いの杖かしら♪♪♪
・・・ふふふ♪ 夜の絵もあるのですが・・・ ソレは別の機会に・・・・

空・海さま 〜〜〜 本当にありがとうございます。 ( 深々〜〜 )



Last updated: 12,29,2006.          index

初出 : 【ヒトクイオエカキランド(仮)】様方
初出 : 【ヒトクイオエカキランド(仮)】様方