『　　極光　　−　Aurora　−　　−　（２）　−　　』

「　・・・う〜〜ん　・・・　いい気持ちねえ。　景色は綺麗だし。

　隣には素敵な殿方がいらっしゃるし♪　　ふふふ・・・ミッションだって忘れそう。　」

フランソワ−ズは窓を半分あけ、流れる秋風にポニ−・テイルを揺らせている。

都心へと向かう車は海沿いの道を走って行く。

まだ対向車もまばらな道の片側にはとりどりに色づいた葉を見せて、木々がせり出していた。

「　あ・・・　ほら、また。　　わあ・・・真っ赤よ？　花びらみたいね・・・　」

ひらり、と舞い込んだ落ち葉を　白い指がつまみあげる。

「　マドモアゼル。　小生もこんな可愛い女子高生とドライブができまして、

　恭悦の至り・・・　どうもアブナイおじさんになりそうですな。　」

グレ−トはちら、と彼女に視線を投げに・・・っと笑った。

・・・　もっとも、二枚目美形の姿ゆえそれはかなりな＜魅惑の微笑み＞であったけれど。

「　ま。　・・・　どこかへ寄り道してゆきます？　おじさま♪　　」

「　お♪　いいですな〜・・・と言いたいところですが。　小生、まだジョ−に殺されたくありませんので・・・

　ご遠慮申し上げます。　＜据え膳喰わぬは　オトコの恥＞なんだがなあ〜〜　」

「　・・・　もう。　グレ−トったら・・・　」

二人は声を上げて笑った。

「　おっとっと・・・・　こんなトコロをヤツらに見られたら大変だ。　自粛〜〜と・・・　」

「　ええ、そうね。　」

顔を引き締め、二枚目然としたグレ−トにならい、フランソワ−ズも真顔になった。

「　マドモアゼル　・・・　いい顔をしているな。　愛情に勝る美容師はナシとピュンマが言っていたぞ。　」

「　・・・　まあ。　ピュンマまで　」

フランソワ−ズの頬がさくら色に上気する。

「　いつも微笑んでいてくれ。　マドモアゼルの幸せの微笑みに小生らも元気になるから。　」

な？　・・・　グレ−トはぽん、とフランソワ−ズの肩を叩いた。

「　ええ。　・・・　ありがとう。　

　わたしね　・・・　初めて自分が好きになれたわ。　この身体になってから・・・初めて。」

「　マドモアゼル。　皆が、ジョ−だけじゃないぞ。　小生たち皆がマドモアゼルを好きだぞ。

　もっと　自分を愛しておやり。　」

「　・・・　ジョ−が・・・　ジョ−のおかげなの。　わたし一人、舞い上がっているのかもしれないけれど・・・　」

「　いやいや・・・　ジョ−はな、あんなコトを言うがあれはヤツの照れ隠しなんだ。　

　ヤツだって　本当はな。　・・・　わかってやれ。　」

「　ええ・・・　ふふふ・・・　もう慣れたわよ。　＜ぼく達はべつにそんな・・・　＞って。　」

「　ははは・・・　そうだろうな。　　」

「　ねえ、グレ−ト。　あのお嬢さん、シンシアさんね。

　本当はもっとずっと　・・・　綺麗でチャ−ミングな女の子なんじゃないかしら。　」

「　・・・ほう？　なぜそう思うのかね。　」

「　彼女　・・・　ほとんど笑わないの。　パパの事が心配だからでしょうけど・・・　でも。

　いつも暗い顔しているだけなのよ。　陰気な沈んだ顔を自分だと決めちゃっているみたい。　

　彼女は自分の本当の姿をわかっていないのね、きっと。　」

「　そういえばいつも一人ぽっちだ、と言っていたなあ・・・　」

うんうんとグレ−トは頷いた。

「　綺麗だったママンと比較されて　・・・　余計に縮こまっているのかしら。　」

「　彼女の母上は彼女とは違ったタイプの美女だったのだろうな。

　あの嬢ちゃんには彼女自身の魅力があるだろうに。　」

「　ええ、そうなのね。　彼女はまだそれに気がついていないし・・・

　周りで教えてあげるヒトもいないのかもしれないわ。　」

「　マドモアゼル。　友達になっておやり。　」

「　ええ、出来れば。　・・・でもね・・・　　あら？　」

「　・・・うん？　なにかね。　」

「　ねえ、グレ−ト。　道が違うんじゃないの？　というより、遠回りしてない？　」

「　お。　さすがに鋭いですな、我らが００３。

　なるたけ人目につくよう　・・・　ヤツらの標的になろうと思ってな。　

　わざわざ迂回しているのさ。　」

「　まあ、そうだったの。　そうね〜　・・・多分　・・・　そろそろ・・・・　」

「　ああ。　・・・　お？　」

「　・・・　あ、アレかも・・・・　　来たわ！　」

大型のトラックが道の行く手を塞いでいる。

フランソワ−ズはじっと見つめていたが、すぐに低く呟いた。

「　ヤツらよ。　運転席と助手席に　・・・　銃を持っているわ。　・・・あと、後ろの荷台に・・・　

　あ！　わたし達の後ろに乗用車が来たわ。　・・・４人！　ガスマスクをしている。　」

フランソワ−ズは素早くサ−チし情報を伝えた。

「　よし。　マドモアゼル、戦闘開始だ。　」

「　・・・　いつでもオッケ−よ。　」

「　おっと。　その前にジョ−達に報告だ。　」

グレ−トは一瞬の間を置いてから　＜行動を開始＞した。　

　　―　バン！　

勢いよくドアを開け、二枚目ハンサム・ホクト氏が声を上げる。

「　危ないなあ！　・・・　おい、気をつけろ！！　（　来るぞ！　）　」

「　きゃあ。　なんなの？　」

「　シンシアさん、出てきてはダメだ。　」

「　でも・・・　あ、後ろの車からヘンな人たちが〜〜　」

「　むむ。　なんだ、お前らは・・・　あ！　」

密かに後を付けて来た黒塗りの車から　ばらばらとオトコ達が降り立った。

ぼす・・・っとくぐもった音がして、白煙が広がる。

　　おいでなっすったぞ。　・・・　ほ〜お、ガス・・・この臭いはクロロフォルムだな。

　　どうも好きになれない臭いね！　じゃ・・・　気絶しま〜す♪

　　おう。　よろしく頼む。　・・・　なかなかの演技だぞ？　わが主演女優さん。

　　恐れ入ります、カントク。　

「　な、なんだ　この煙は！　ねむりガスだ、シンシアさんっ！　吸ってはダメだ！　」

「　・・・　ぁ　・・・　ホ　・・・クト　・・・さん　・・・　」

　　お。　その台詞まわし、もらった♪

　　・・・　アカデミ−主演女優賞はわたしのモノね。

「　くそう。　お前ら！　なんの恨みがあって・・・！　」

グレ−ト、いや　ホクト氏は的確にオトコ達のガスマスクを破壊していった。

初めは威嚇射撃をしていたヤツらも、マスクを飛ばされふらふらとヘタリ込んだ。

自分達が発射したガスを吸い込んだのだ。

「　・・・　よし。　それじゃ・・・　次のシ−ンだ。　」

「　了解。　　あの　・・・　ジョ−　・・・　ううん、皆によろしく。　」

「　わかっているよ、マドモアゼル。　奴さん、きっと加速装置全開で追いかけてくるぞ。　」

「　・・・　え　・・・ええ。　」

「　ふふふ。　それでは　ジュリエット。　あとはロミオを待ちたまえ。　」

「　ま！　お墓の中での再会はごめんですからね。　ロレンス神父様？　」

「　ははは・・・　さ、無駄口はオシマイだ。　・・・　あとは任せたぞ。　」

「　d`accord ・・・！　」

グレ−トは上着をガ−ドレ−ルに引っ掛けると、スイッチを押し鷲に変身した。

　　アルベルト。　ジョ−。　第一場、終了だ。

　　了解。　・・・　あの　・・・　グレ−ト。　あのぅ・・・　フランソワ−ズは・・・

　　ははは。　大丈夫　＜無事に＞倒れているさ。

　　お・・・　ヤツらが気づいた。　ああ、＜シンシア嬢＞を車に担ぎこんだぞ。

　　・・・　え！　さ、浚われた？！　すぐに行くから！

　　おいおい・・・　ジョ−？　慌てるなよ。　作戦通りじゃないか。

　　・・・あ、　ああ・・・。　でも　・・・！

　　アルベルト〜？　ジョ−を押さえていてくれ〜〜　

　　小生はこのままヤツらについて行くからな。　

　　よし。　ポイント指示機も正確に作動しているぞ。

　　では　こちらも出撃だ。

　　おう。　待っているぞ。

　　了解。

大鷲は中空を旋回しつつ　脳波通信を飛ばしていた。

「　・・・よし。　全て計画通りだ。　我々も出撃だ。　」

「　うん！　あの・・・　ぼく、一足先に加速装置で追いかけてもいいかな？　」

防護服に着替えてもいないのに、ジョ−は今にも飛び出したそうである。

「　まあ、待てって。　一応、車で追うんだ。　ドルフィン教授の居所を突き止めるのが一番だからな。　」

「　・・・　それなら余計に早いほうが　！　」

「　私も一緒に　連れていってください！　」

少女の細い声に　サイボ−グ達ははっとして振り返った。

シンシア・ドルフィンが蒼白な顔で　リビングの入り口に立っていた。

「　・・・　シンシアさん。　」

「　お願いです、私も皆さんと一緒に！　」

「　ですが、どんな危険が待っているかわからんですから。　」

「　でも！　あの方・・・　フランソワ−ズさんは平気で飛び込んでいらしたじゃないですか。　」

「　それは・・・　彼女は・・・・サ・・・いや、俺たちの仲間ですから。　」

「　私　・・・　また置き去りはいやです。　パパの居所がわかるなら怖いことなんか・・・　」

「　俺たちは遊びに行くのではないです。　教授令嬢のあなたを危険な目に合わせることは

　出来ません。　」

「　・・・　お願いします・・・！　・・・　もう　・・・　一人ぽっちは　・・・　イヤ　・・・　」

「　アルベルト。　連れて・・・一緒に行こう。　」

「　ジョ−！　お前は・・・また！　」

「　シンシアさんだってお父さんのこと、心配だよ。　それに・・・　」

ジョ−は少し言い澱んだが、すぐに顔を上げた。

「　それにね。　いくら安全でも一人ぼっちは　・・・　辛いさ。　」

「　・・・ふん。　勝手にしろ。　だなが、ジョ−？　お前のその、甘さがいつか命取りになるぞ！　

　お前は　女の子にいつも甘すぎる。　」

「　まあまあ・・・アルベルト。　シンシアさんの気持ちも判ってあげなくちゃ。

　ジョ−？　こちらでのバック・アップは任せて君らはフランソワ−ズを追えよ。　」

「　ありがとう！　ピュンマ。　」

「　必要ならば　ドルフィンを飛ばしてみんなで駆けつけるからさ。　」

「　・・・　ドルフィン・・・？　」

シンシアはずっと身体を固くしてオトコ達の会話を聞いていたが、ふと口を挟んだ。

「　あ？　・・・ああ。　ぼく達の　・・・　う〜ん　・・・　乗り物なんです。

　フランソワ−ズが名づけ親。　船にもなるので・・・　＜ドルフィン号＞って言います。　」

「　まあ、そうですの。　・・・　皆さん、仲がいいんですね。　楽しそう・・・　」

「　え　・・・　ええ、まあ。　」

「　ジョ−！　行くぞ！　ポイント指示機が動き出した。　」

「　オッケ−！　さあ・・・　全速力で追跡だ。　

　シンシアさん、ちょっと乱暴な運転になりますけど・・・しっかり掴まっていてください。　」

「　はい！　・・・　ありがとうございます、　・・・ジョ−　・・・　さん。　」

シンシアはほんのり頬を染めてかすかに微笑んだ。

　　あ・・・　可愛いなあ　・・・　

「　ジョ−？！　どうした。　」

「　・・・ごめん！　今！　」

ジョ−はぶるん・・・と頭を一振りして　アクセルを強く踏み込んだ。

舞い散る落ち葉を巻き上げ、彼らの車は疾走していった。

「　・・・　どうだ？　」

「　・・・　う　・・・　！　いるよ。　ああ！　あんなに縛られて・・・　

　可哀想に・・・　フランソワ−ズ！　今いくから・・・　」

「　こら！　待てったら。　」

アルベルトはしっかりとジョ−の腕を押さえた。

草むらから虫の音が煩いくらいに聞こえてくる。

普段は気にもとめていない僅かな音色が　やけに大きく　・・・　そして煩く耳に響く。

　　・・・　くそぅ・・・！　

廃屋にも等しい物置小屋を覗き込み、ジョ−は唇をきつく噛んだ。

ポイント指示機を追ってジョ−の車は東京の郊外に辿りついた。

探し当てた空き地はかなりの広さの廃材置き場で、その片隅に物置小屋があった。

とっぷりと晩秋の空は暮れ、汚いガラス窓から僅かに灯りが漏れている。

「　ここにはドルフィン教授はいないらしいな。　」

アルベルトがぼそりと呟いた。

「　・・・　うん、　それらしい姿は・・・　」

　　ええ。　ここは単なるアジトみたいよ。

　　フランソワ−ズ！　気がついていたんだね！

突如入ってきた通信に　ジョ−は危なく声を上げるところだった。

　　ずっと正気よ。　でもヤツラは　シンシア・ドルフィンはまだクロロフォルムで

　　眠っていると思っているわ。

　　００３。　ヤツらはそこで何をしているのか。

　　なにも。　ただ時間を気にしているから・・・　多分この後またどこかへ移動ね。

　　ほう。　・・・　また車か？

　　あ、ねえ。　ドルフィン号の応援を頼もうか？　ね？？　

　　ジョ−？　落ち着いて。　まだ何処へ行くかもわからないのよ。　

　　それより・・・　シンシアさんは？

　　え　・・・　あのぅ　・・・　そのぅ　・・・えっとぉ　・・・

　　なあに？　よく聞こえなかったわ。　ジョ−・・・・　ちゃんとメンテナンス、受けてる？

　　この前の００１０との闘いのダメ−ジ、修復してないんじゃない？

　　！　違うよ！　あの・・・　シンシアは　ここに居るんだ、その・・・　一緒に。

　　え・・・！　どうして？？　　・・・あ、何か来た・・・　！？

　　どうした、００３？　何が起こった？？？

　　・・・・　００４。　ドルフィン号の応援をお願い。　飛行機が来たの。

　　小型だけど　・・・　最新鋭だわ。　かなり長距離を行くかも・・・

　　よし。　ドルフィンにシ−ルドしてそっちを追跡する。　出来る限り接近するから安心しろ。

　　お願い。　・・・　あ　・・・　＜シンシア＞はまだ気絶していることにするわね。

　　

　　フランソワ−ズ！！　待ってろ！

　　あ！　おい！？　００９！！

「　（　・・・　なんなの？　）　・・・　う　・・・　う〜ん　・・・・　」

いきなりぷつり、と途絶えた脳波通信にフランソワ−ズは思わず声を上げてしまった。

「　なんだ？　・・・　お嬢さん、気がついたか。　」

「　・・・　う・・・　ぁ、頭が・・・　きゃあ！　ここは　・・・　どこ？？

　あなた達は　なんなの？　誰か、助けて〜〜〜　」

「　静かにしろ。　別に何もしやしない、アンタは大切な人質だからな。　」

「　・・・　人質・・？　パパはどこ。　パパを浚ったのもアナタたちなのね？　

　帰して！　私をお家に帰して〜〜　」

フランソワ−ズは顔を歪めてめそめそと泣き出してみせた。

「　煩い！　もうすぐ離陸するぞ、大人しくするんだ。　」

「　・・・　離陸・・・？　ここは　・・・　飛行機の中なの？！　」

「　黙れ！　　おい？　このお嬢さんにオ−バ−を着せて後ろの小部屋に閉じ込めておけ。　」

「　・・・　きゃあ。　　・・・　う　・・・　」

軽い当身を喰らって　＜シンシア＞はくたくたと崩れ折れた。

下っ端のオトコが彼女を担いで荷物室らしい小部屋に運び込んだ。

・・・ふうん？　丁重な扱いをしてくれるじゃない？

フランソワ−ズは倒れたままの姿勢でそっと周囲を伺った。

どうも入り口には鍵がかけられた形跡はない。

　　ジョ−？　もうすぐ離陸するそうよ。　操縦席のデ−タを送るわ。

　　現在位置と　・・・　目的地は　・・・　まあ！？　　なんきょ・・・

「　フランソワ−ズ。　」

いきなり懐かしい声が　耳元で聞こえた。

「　・・・　？？　ジョ−　？！　」

彼女の横に優しい茶色の瞳をした青年が立っていた。

シュ・・・っと独特の音をたて、防護服姿のジョ−が忽然と現れた。

「　大丈夫かい！　ああ・・・　こんなに縛られて・・・　」

「　ジョ−　！？　あ・・・！　し・・・・　」

　　聞こえるわ。　脳波通信でお願い。

　　わかった。　今・・・縄を解くから。

　　あ、いいわ、大丈夫。　ヤツらがいつ見回りにくるか知れないでしょう。

　　ねえ、それより行き先がわかったわ。

　　なんだってこんな毛皮付きのオ−ヴァ−を着ているのかい。

　　え？　行き先？

　　ええ。　さっき操縦席をサ−チしたんだけど。

　　この機の最終目的地は南極よ。

　　・・・　南極？！

　　そうよ。　多分そこにヤツらの基地が　・・・　あ！　見張りがくるわ！

　　くそ・・・！

「　お嬢さん。　大人しくしているかね。　少々長旅だが・・・我慢しろよ。　」

ちらり、と顔を覗かせただけでオトコはすぐに立ち去った。

暗い陰気な表情の娘に興味はない様子だ。

　　ジョ−？　行ったわよ。

　　・・・　は　・・・！

ことり、と微かな音とともにジョ−が天井から降ってきた。

「　やっぱり・・・　こんなきみを見るのは辛いよ。　こうやって・・・　」

ジョ−はフランソワ−ズを縛っている縄を目立たないように緩めた。

「　あ・・・　ありがとう。　大丈夫・・・　随分楽になったわ。　」

「　よかった。　さっきの話だけど。　目的地は南極って本当かい。　」

「　ええ。　びっくりよ。　だから、ほら。　ヤツらもみんなこんな格好なのね。　」

「　早速ドルフィンに座標を送っておくよ。　・・・長旅になるな。　」

「　そうね・・・　」

「　フランソワ-ズ・・・　寒くない？　この機はあまり快適ではないね。」

「　ふふふ・・・　そうねえ、冷房完備みたいだし。　」

「　じゃあさ。　・・・・　こうして。　」

「　・・・　きゃ・・・　ジョ−・・・　こんなトコで　・・・　」

「　一緒にいれば温かいよ。　なんにもしやしないさ、ただ・・・こうやっていてくれ。　」

「　・・・　ジョ−　・・・・　」

ジョ−は両腕ですっぽりとフランソワ−ズを抱えこんだ。

縛られた格好のまま、フランソワ−ズは彼の胸に身体を預けた。

防護服の特殊な肌触り越しにも　ほんのりと暖か味が伝わってくる。

「　・・・　温かいわ　・・・　」

「　ああ・・・　きみの香りだ・・・　」

ジョ−はフランソワ-ズの亜麻色の髪に顔を埋め呟いた。

「　ぼくの心臓は機械仕掛けのニセモノだけど。　きみを想うこころは　・・・　ホンモノだよ　」

「　ニセモノだってなんだって・・・　ジョ−の全てを愛しているわ・・・　」

「　・・・　フランソワ−ズ　・・・！　」

ジョ−は両手で彼女の白い頬を掬いとると　優しく微笑みかけた。

「　本当に　・・・　気が気じゃなかった・・・　たとえ作戦でもきみを人質にするなんて！

　ぼくはもうゴメンだからね！　」

「　・・・　ジョ-ったら・・・　あ　・・・　」

ジョ−はそのまま・・・すこしひんやりとしたフランソワ−ズの唇を存分に味わった。

「　・・・　これで元気になったよ。　」

「　・・・　わたしもよ。　あなたがいれば・・・他になにもいらないわ。　」

ジョ−の腕の中で　フランソワ−ズは晴れやかに微笑んだ。

両腕は縛られ、荷物室に閉じ込められて拉致されてゆく最中・・・　そんな状況でも

彼女は　なんの屈託もない笑顔をジョ−に見せた。

「　・・・　きみってひとは・・・　　なんて素敵なんだ・・・！　」

ジョ−は改めて彼女の顔を見つめ　・・・　もう一度腕の中の細い身体をしっかりと抱き締めた。

　　なんだって出来る！　ぼくは・・・　きみを護るためなら

　　なんだってやってやる・・・！

ゴウン　・・・　ゴウン・・・・

微かなエンジン音を響かせてマ-クのない真っ黒な飛行機は

はるか雪と氷の大陸を目指し空を切って行った。

「　・・・　サイボ−グ　・・・・？　」

「　そうだ。　俺たちは全員サイボ−グなのだ。　」

「　全員・・・？　　・・・・　あの・・・　ジョ−さんや　・・・　フランソワ−ズさんも、ですか。　」

シンシア・ドルフィンは大きく目を見張った。

ジョ−が飛び出していったあと、すぐに追いついてきたドルフィン号に

彼女もともかく乗り込ませ、今　・・・・　前方を飛んでゆく黒い機体を追跡中なのだ。

「　ああ。　全員、と言っただろう。

　程度の差はいろいろだが、俺たちは皆そうだ。　　」

「　サ・・・イボ−グって　確か・・・身体の中味が・・・　機械？　」

「　そうだ。　脳だけはもともとのものが残っているが。　身体のパ−ツはほとんどが機械だ。

　俺たちの中で、ジョ−は最も完璧なサイボ−グさ。　」

「　・・・　最も　・・・　完璧な・・・　」

シンシアの身体が小刻みに震えている。

「　・・・　でも　・・・　ジョ−さんは　とても・・・　優しいわ。　

　機械が優しいなんて　・・・　そんなはず・・・・　」

「　そんなもこんなもない。　それが俺たちの現実だ。　」

アルベルトはぷい、と少女に背を向けてしまった。

「　シンシア嬢。　気を悪くせんでください。　今はともかくお父上を見つけることが先決・・・　」

「　・・・　ギルモアのおじ様！　」

グレ−トの取り成しにも見向きもせず、シンシアは隅のシ−トの前にとんでいった。

ギルモア博士は　眼を通していた資料から静かに顔を上げた。

「　なにかね、シンシアさん。　」

「　あの！　ここにいる皆さんが　・・・　そのぅ・・・　サイボ−グって・・・　？　」

「　ああ、そうじゃよ。　

　皆、頼もしいワシの息子達に可愛い娘だ。　」

「　・・・・　！　・・・　き　・・・　かい　なのに・・・？　ツクリモノでしょう！　」

「　そんなことは関係ないと思うがの。　」　

「　でも　・・・　機械なんでしょう？　機械に気持ちなんかありません。　」

「　シンシアさん。　」

「　私は　・・・　ママを大怪我させて死なせた・・・　パパを私から取り上げた・・・　機械が憎いわ。

　・・・　憎らしくて憎らしくて・・・　大嫌いです！　」

「　・・・　シンシアさん。　機械には気持ちはないよ、君の言うとおりにな。　」

「　・・・・・・　」

「　だから・・・　だからこそ。　ソレを使う人間に全てがかかってくる。

　ここの皆は　身体は機械でもソレを使う心は皆　人間じゃ。　君やワシと同じにな。　」

「　・・・・　使う　・・・　人間　・・・　」

「　ヤツら、高度を落とし始めました！　ああ・・・　もう完全に南極ですね〜　」

「　うひょ〜〜〜　真っ白だ・・・　」

「　お嬢はん？　寒いんと違いまっか。　ほれ、ここにジョ−が置いていったコ−トがありまっせ。

　ちょいとコレを借りておくヨロシ。　風邪でも引いたらパパさんが心配しやはるで。　」

「　・・・　ジョ−さんの　・・・　」

シンシアは張大人が差し出したコ−トに恐る恐る手を伸ばした。

・・・あの人も　・・・サイボ−グ。　全身のほとんどが機械・・・

あんな優しい瞳をして　温かい手をした　あの人が・・・・

そうっと羽織った男物のコ−トは　ほっこりと少女をくるんだ。

その温かさは　持ち主の温もりに少し　・・・・　似ているように思えた。

・・・　ジョ−さん。　私　・・・　機械は大嫌いだけど　・・・　

アナタが　・・・　好き　・・・・

シンシア・ドルフィンは借り着の襟にそっと顔を埋めた。

雪と氷の大陸にびょうびょうと凍て付いた風が吹き抜ける。

その無機質な風の音に混じり、　かすかに奇妙な音が白い空間に拡がってきた。

先ほどまでの騒乱はウソにように静まり　墜落した戦闘機だけが黒煙を上げていた。

追いついてきたドルフィン号から降り立った００４と００７の助けを借りて、

ジョ−はなんとか捕らわれていたドルフィン教授を救いだしたのだ。

合流したフランソワ−ズに教授を預け、彼らは応戦に回った。

ところが。

　　　００９！！　　００４！　００７！　どうしたの？？

　　　返事してっ！！

フランソワ−ズは傍らのドルフィン教授を庇いつつ必死で前方をサ−チし続ける。

視線の先には　奇妙な戦車にも似た大型のマシンがある。

ソレが現れなにやら不快な音をたて始めた瞬間　・・・・

前方をゆく　アルベルトとグレ−トの様子がおかしくなった。

突然　動きがにぶり、雪原に倒れて伏した。

加速装置を使って後を追ったジョ−も　やはり倒れてしまった。

　　ジョ−！！　アルベルトッ　グレ−ト〜〜　！　

「　おかしいわ。　誰も応えない・・・・　ドルフィン教授！ あの奇妙な戦車は何なのですか。　

　この　・・・　音・・・・　とても不愉快だわ　・・・　これもあそこから・・・？　」

フランソワ−ズはこめかみを押さえて顔をしかめた。

そんな彼女をドルフィン教授はじっと見つめていたが、やがて静かに口を開いた。

「　・・・　君は　・・・　００３かね？　」

「　はい、よくご存知ですね。　」

「　この前・・・ギルモア博士から写真を見せて頂いた・・・・

　ご自分の息子達と娘だ、と大層愛しそうにおっしゃっていたよ。　」

「　・・・　まあ　・・・　」

「　だからすぐにわかったのだ。　ヤツらの前で君が私の娘だ、と言った時にね。　」

「　教授、すみません。　わたしを庇って研究の秘密をヤツラに知られてしまいましたわ。　」

「　いや。　気にせんでくれ。　

　それより、君の能力は確か　・・・　視力と聴力の強化がメインだったね。　」

「　はい。　教授！　あの機械は？　ウィ−ク・ポイントはどこですか。

　仲間達が苦しんでいます、すぐに助けないと！　わたしがあれを破壊します。　」

「　待て！　あの　・・・　ＭＭ超音波砲は　全ての戦闘用兵器の機能を狂わせるのだ！　

　あの音波を浴びては　・・・　君も危険だぞ。　」

「　でも！　仲間達　・・・　ジョ−が！！　」

「　あ！　おい、待つんだッ　　００３　！　」

フランソワ−ズはドルフィン教授の制止を振り切ってじりじりと雪原を前進し始めた。

　　ジョ−ーーー！　返事してっ！

　　今、この超音波を止めるから！　しっかりして、　ジョ−　！！

　　・・・　う　・・・・　く　・・・　フ・・・ランソワ−ズ　・・・・？

　　そうよ！　あの機械を壊せないなら・・・　稼働スイッチを破壊するわ！

　　来ては　・・・ダメだ　・・・　　この超音波を　浴びては・・・・！

　　ジョ−！　しっかりして。　もうちょっと待って。

　　わたしがあの機械を止めたら　・・・　すぐに　反撃してね！

　　・・・　う　・・・　わ　・・かった　・・・！

フランソワ−ズは雪原に伏してじっと前方を凝視した。

防護服でない、普通のオ−ヴァ−は凍て付く風に耐えられるはずもなく、

じわじわと寒さが全身を這い上がってくる。

その上ＭＭ砲の超音波の影響だろう、身体がだんだんと痺れてきた。

・・・　く！　なんとか・・・早く見つけないと・・・。　　・・・　あ！　

「　・・・　わかったわ！　コントロ−ル・スイッチは・・・あそこよっ！　」

フランソワ−ズはぱっと雪原に飛び出るとス−パ−ガンを発射した。

　　バシュ　・・・・　！！

小さいが的確に目標を破壊した音が響く。

白い空間を埋め尽くしていた不気味な振動は消え去り、ＭＭ砲は沈黙した。

「　・・・ふう。　あれ以上あの超音波を浴びていたらイカレるトコロだったぜ。　」

「　くそ！　この礼は充分にさせてもらうぞ。　」

起き上がり様、アルベルトの膝からミサイルが飛び出した。

　　グワ　−−−−　ン　！！！

ＭＭ砲はたちまち黒煙を上げる。

「　な、なんだ！　あ、あれは・・・　ドルフィン教授の娘じゃないのか！？　」

「　うぬ！　邪魔をしおって！　」

「　きゃあ〜〜〜〜　！　」

応戦しようとした瞬間、身体がまだ痺れていたフランソワ−ズはバランスを崩した。

一瞬よろけた彼女めがけてレ−ザ−が飛んで来た。

　　シュ　・・・　ッ　！！

「　フランソワ−ズ！！　大丈夫かっ！！　」

赤い旋風がフランソワ−ズを庇ったが　ジョ−の背をレ−ザ−が掠ったすぐ後に

彼女の身体は雪原の上に崩折れた。

「　・・・　フランソワ−ズ！！　」

　ゴ　〜〜〜〜〜〜

微かな　しかし心地よい程度の振動が響き続けている。

＜行き＞とは比べ物にならない和やかな空気がドルフィン号のコクピットに満ちていた。

メンバ−達はそれぞれの席で分担の仕事をこなしていたが　皆の表情は明るい。

しゅ・・・っとドアが開き、ギルモア博士が戻ってきた。

「　博士！　フランソワ−ズの容態は？　」

「　ああ、大丈夫じゃよ。　ジョ−が庇ったからの、大事には至らんかった。

　ただ　・・・　少々疲労しておるから、しばらく安静にさせておいたよ。　」

「　そうですか！　よかった。　」

「　ふん　・・・　あの機械のせいでとんでもない目にあったぜ。　」

「　・・・　みなさんにはすまない事をしました。　」

「　あ・・・　いや。　あなたの責任ではありません、ドルフィン教授。　」

ドルフィン教授はシ−トから立ちあがり、サイボ−グ達に頭を下げた。

「　・・・　あの。　ジョ−さんは　・・・・？　」

父親の隣に座っていたシンシアがおずおずと口を挟んだ。

「　ジョ−？　・・・あの、くり色の髪の青年ですか。　たしか　・・・　００９？　」

「　そうですじゃ。　ははは・・・　アイツはなあ。　」

「　お嬢さん？　ジョ−のヤツはフランソワ−ズに張り付いているに決まってますよ。　」

「　え　・・・　だって　・・・　」

「　お。　博士、ジョ−を置いてきたらフランソワ−ズは安静なんか保てませんぜ？　」

「　おお！　いかんいかん・・・・　誰か悪いが・・・　」

「　ああ、俺がヤツを引っぺがしてきます。　ふん・・・！　ウマに蹴られに行くようなもんだが。」

肩を竦めて　アルベルトはコクピットを出て行った。

「　・・・　ジョ−さん、フランソワ−ズさんのこと・・・？　だってサイボ−グ・・・　」

「　半機械人間は恋をしたらいけませんかな？　

　機械が機械を恋するなんて　可笑しいですか。　」

グレ−トが相変わらず飄々とした表情で立ち上がった。

彼の口調は穏やかだったが　その響きには真摯なものがこもっていた。

「　　・・・半機械人間・・・？　」

「　さよう。　小生らはみな、あなたの大嫌いな機械仕掛けで動いていますよ。　

　ジョ−も、フランソワ−ズも・・・　みんな、ね。　」

シンシアは　はっと顔を上げた。

「　いいえ！　ジョ−さんもフランソワ−ズさんも、あなた方皆・・・

　りっぱな温かいこころを持った人間です！　」

「　そうだよ、シンシア。　　お前も見ていたのだろう？　

　皆さんは命がけで私を救い出し、護ってくれたのだよ。　」

ドルフィン教授は静かに娘の肩に手をおいた。

「　お前は機械を嫌っているが・・・　それはパパのせいなのだね。　」

「　・・・　パパ。　・・・　パパはいつでも機械に夢中だったわ。　」

シンシアは涙でくしゃくしゃの顔をよりいっそう歪め、俯いた。

「　お前に淋しい思いをさせて・・・悪かったね。　　だがシンシア、よくお聞き。

　ママは　酷い怪我をしてしまったけれど、いつも微笑んでいた。

　お前が生まれて初めて笑った時、天使の笑顔だって・・・涙をこぼして微笑んでいたよ。

　もっともっと生きたい、シンシアが大きくなるのを見たいって望んでいたのに・・・

　ママをあんな目にあわせた闘いが憎かった。　だから・・・

　パパは全ての戦闘用機械を狂わせる　ＭＭを開発したのだ。　」

「　パパ　・・・　パパは　機械を　・・・？　　」

「　パパが憎んでいるのは機械じゃない。

　闘いだよ、人間が起こす醜い闘いだ。　　お前の笑顔を護りたかった。　」

ドルフィン教授はそっと娘を抱き寄せた。

「　ママに似てきたな。　　ママそっくりの美しい笑顔でいておくれ、シンシア。　」

「　・・・　パパ　・・・　！　」

ギルモア博士とサイボ−グ達は静かに親子を見守っていた。

やがて、シンシアは父の腕の中からそっと身を離した。

「　あの！　ギルモアのおじ様。

　フランソワ−ズさんのお見舞いに行ってもいいですか？　」

「　あ？　ああ・・・　構わんよ。　ただし静かに、な。　」

「　ありがとうございます！　」

「　・・・　いいんですかい？　マドモアゼルは安静が必要なんじゃ・・・？　」

飛び出してゆくシンシアを眺め、グレ−トが憮然として言った。

「　ははは・・・　外野が大勢いればジョ−のヤツも＜大人しく＞しておるじゃろう？　」

「　あ・・・・　な〜る・・・　」

「　自動操縦にしたぞ！　あとは研究所までまっしぐらさ。　」

コクピットの空気は　いっぺんに和やかになった。

「　・・・　あの　・・・？　」

「　し。　」

医務室の前でアルベルトが壁に寄りかかっている。

小走りにやってきたシンシアを　彼はそっと引きとめた。

「　・・・・・・　」

アルベルトは黙ってシンシアの肩を押し、医務室のドアを指し示した。

ドアは　少し開いたままだった。

「　・・・　ジョ−さん？　」

少し開いたドアの隙間からひくくジョ−の声が聞こえた。

「　・・・　フランソワ−ズ　・・・　ごめん、ごめんね。

　きみをまた・・・こんな目に遭わせてしまった・・・　」

ジョ−はベッドサイドに跪き、フランソワ−ズに語りかける。

固い医療用のベッドで　亜麻色の髪の乙女は昏々と眠り続けていた。

「　絶対にきみを護ってみせる・・・　なんて言っておきながら・・・

　ホントに最低なヤツだよね・・・　００９ってヤツはさ。　」

ジョ−はそっと彼女の手を握った。

「　怒ってる・・・？　だから　眼を開けてくれないのかい・・・　

　フラン　・・・　ぼくのフランソワ−ズ・・・！　」

自分の掌にある細い白い指に　ジョ−は唇を寄せる。

「　ぼくは　・・・　きみの微笑みがあったからこんな身体でも生きてこれたんだ。

　だから・・・今度こそ誓うよ。　きみの微笑みを護るために生きるって！　

　だから・・・お願いだよ。　・・・　目を覚ませて　・・・　ぼくのフランソワ−ズ・・・　」

ジョ−は愛しそうに彼女を眺め　髪に触れ頬に触れもう一度手を愛撫し。

そうして　ゆっくりと眠れる乙女と唇を重ねた。

「　・・・・　ジョ−　・・・・　」

すこし掠れた声が　桜色に染まった唇から零れた。

白い手がゆっくりと持ち上がり　・・・　ジョ−のセピアの髪に埋まる。

「　・・・・・・　！　」

ジョ−は。　ジョ−は黙って　彼の愛しい人の身体を抱き締めた。

「　・・・　きれい　・・・　」

「　・・・　さ。　もう本当に二人きりにしてやろう。　」

「　・・・　ええ。　私だってウマに蹴られたくないわ。　」

シンシアは涙の残る瞳で微笑んだ。

「　まったくだ、お嬢さん。　・・・　あんたの笑顔も素敵だぞ？　」

アルベルトも口の端を捩じ上げ笑った。

「　・・・　え　・・・　嬉しいわ。　　あら？　光が・・・　」

「　・・・　オ−ロラだ。　ほう・・・　見事なもんだ。　」

後部の窓から　太陽とはちがった　・・・　冷たい炎の煌きが射し込んできた。

それは　彼らを見送る雪と氷の大陸からの別れの挨拶か・・・

凍て付く空に　目にも彩なる光のカ−テンが　一斉に煌き揺れ続けるのだった。

**********　　Fin.　　***********

Last updated : 05,08,2007. back / index

******　　ひと言　　******

あは♪　やっと終わりました・・・　だらだらとすみません〜〜

原作の　現実の非情さ　から目を逸らせるべきではないのですが　・・・・

これは例によっての　９３ラヴ・ストーリーなんだ〜、ととうぞ寛大にお目こぼしくださいませ。

いつも　微笑んでいましょうね　♪♪