世界に生きる人々(2)


■ウォーリアー

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 戦いの中に身を置く人々。己の肉体を鍛え上げ、それを頼りに人生を切り開く。リアスターグは、人が住まない地域になると、かなりの魔物が生息しており、己の身を守る手段が無ければ、そういったところを旅するのは難しい。何も考えずに歩くことが出来るのは、東方の帝都から海へと注ぐヴェゼリア河一帯ぐらいである。

 ただウォーリアーと言っても、様々なスタイルが確立されている。リアスターグで見られる典型的なスタイルを、いくつか挙げる。
 軽戦士
 比較的軽い装備で、身軽さを活かして戦うスタイルの戦士。女戦士は、このスタイルで戦うことが多い。手数の多さや 弱点を狙う的確さを身上とするので、腕力よりも素早さが要求される。
 重戦士
 重装備で一撃の重さを活かして戦うスタイルの戦士。とにかく腕力が求められ、非力な者には とうてい扱えない武具を自在に振り回す。攻撃を一度でも受ければ、致命傷となるだろう。
 射手
 射撃武器の使い手。弓を用いるのが一般的だが、南方のブーメラン・中央のチャクラムなど、特殊な投擲武器が伝わっていることもあり、その使い手も含まれる。器用さが求められるが、意外に腕力も必要となる。
 格闘家
 己の肉体を武器にして戦うスタイルの戦士。リアスターグでは、体内の"気"を呼び起こし、常人以上の能力を発揮する技が伝えられており、武器を持たずとも驚異的な戦闘力を発揮する。このため肉体的強靭さだけでなく、精神的強靭さも求められている。
 精霊剣士
 精霊の力を武具に具現化する特殊な戦士。精霊の光の力を武器に、精霊の闇の力を防具にして戦う。武器の形状は使い手次第だが、武器を純粋な精霊の力として投射したり、精霊たちの動きを制御したりと、精霊使いとほぼ同等の魔法的効果を得られる。
 ただし、精霊に祝福された特定の一族でなければ、この力を振るうことは出来ない。
 戦いに身を置くという意味では、騎士のように、国家のために戦う者も ここに分類される。だが、こうした国家の地位に関わるものは、ソサエティの方にまとめられているので、そちらを御覧いただきたい。

 戦いを生業にする人々の組織や機関は、リアスターグには あまり存在しない。大規模な戦乱は、相手が魔族でもそうでなくても、国家に属する正規軍の領分だからである。特殊なものではあるが、その中でも比較的有名なものを紹介する。
 西方:精霊守ジェスリダ
 大地の精霊剣士の一族。西方は旧ゼール王国から分裂した2王家が戦乱を繰り返していたが、それに対しても中立を保ってきた。
 しかし、一族の未来を憂えた 長の息子ファッシュと それに賛同した者が、ゼール王国に仕官し その力を振るい始めたため、それを止めるために 残った一族が 正統ゼール王国側について 壮絶な戦いを繰り広げた。この戦いは"焔(ほむら)の戦い"と呼ばれ、ファッシュ以下 ゼール王国に仕官した者は全て討ち取られて 正統ゼール王国側が勝利、一族の長は 責任を取って自害、という結果に終わった。
 以後、西方の人々はジェスリダの一族の強大な力に脅えるようになったため、一族は里から出ないようになり、ひっそりと 今も暮らしている。
 南方:精霊闘士バリダ
 大空の精霊剣士の一族。この一族は、積極的に自分の力を使い、それによって強くなっていこうとする。このため、特に南方では、この一族が雷の刃を振るうのを見る機会が多い。南方の国家に仕官し、騎士に叙勲された者もいる。
 南方:精霊船団カンリダ
 大海の精錬剣士の一族。無数の船をつなぎ合わせ、水上に里を築いている。南方北側の海を自由に移動しながら、静かに暮らしている。一族は18歳になったら、一度 里を出て、一年以上 世界を旅する習わしになっている。いずれ帰って来た者から、外のことを聞き、子供たちは 18歳になるのを心待ちにする。
 南方:虹の傭兵団
 オッフレング王国の正規の騎士団。剣王ケリングが即位した後、戦力増強の一環として、設立した。騎士団なのに「傭兵団」という名称なのは、実際 傭兵として 他国の要請にこたえて騎士を送り、その戦いを通して腕を磨いていこうとしているからである。ケリングは団長を務めており、彼自身が戦いに赴くこともあって、重臣たちの頭痛の種になっているらしい。
 人が戦う理由は様々である。だが、彼らの中には共通の認識がある。それは強い者が勝つ、ということだ。百戦百勝の優れた戦士であっても、自分がいつか打ち倒される日が来ることを覚悟し、その日が来ないように 常に修練を欠かさない。
 また、リアスターグでは、至高三神の教団が任命する特別な戦士の役割が知られている。以下にそれを簡単に紹介するが、説明としては、本来の分類であるホーリーサービスの方も参照のこと。
 聖戦士
 聖戦士として任命されたとき、白い長剣・白い鎧・白い盾を与えられる。聖戦士にのみ認められた神の奇跡を祈り求めることで 与えられた武具は金色に光り輝き、魔族とその手下たちを切り裂く力を発揮する。
 修道僧
 タナルス教団に認められた特別な神官。諸国を旅し、そこで起きたことを記録していく使命を与えられている。修道僧は、己の身を守るため、修道僧に伝えられてきた独自の格闘術を会得している。必要があれば、己の拳で 相手に神の道理を説くこともあるらしい。
 処刑人
 ダスタム教団に任じられた特別な戦士。罪人を 自分の判断で断罪する権限が認められていることから"処刑人"と呼ばれている。任命されたときに、長槍を与えられ、これを武器として戦う。ダスタムの加護により、優れた戦士であると同時に、隠密の能力にも長けていることで知られる。

私も 過去の記憶から槍をたしなみます。
やはり適度に鍛えられた肉体というものは、
魔法を使う者であっても必要ですしね。

魔法を封じられたときに慌てずに済む、
というのも、なかなかに便利なことです。
まあ私の魔法を封じることのできる者は、
そうはいませんけどね、ふふふ。

さて、リアスターグにおいて戦士という存在は、
やはり欠かすことの出来ないものです。
どんなに魔法が強力でも、どうしても限界があり
最終的に 自らの力が勝負を決めることが多いので。

何より、肉体を鍛え上げていれば、
あとは訓練と経験で、一定の力を発揮できる
というのが大きいですね。


精霊剣士については、多少 補足をしておきましょうか。
この不思議な力は、特定の一族以外には使えません。
もちろん精霊と会話が出来れば、似たことはできます。

ただ、精霊たちも、精霊剣士は特別扱いするらしく、
彼らを相手にすると、私といえども
思うように精霊を使役できないことが多いです。
まあ、それ以外の手段を使えば、
十分にお相手は出来ますので、心配はいりませんが。

ただ、西方では 自分が精霊剣士だ、
と言いふらすのは止めた方がいいですね。
それだけで 皆 近寄ろうとせず、視線を逸らし、
気がつけば 周囲には誰もいない・・とか、
最悪の場合 無数の石が投げつけられる・・とか
いったことになりかねません。

それほど"焔の戦い"における
ジェスリダの力は凄まじかった、ということです。
実際、西方の大地の半分が炎に覆われたとさえいわれます。
この年の西方の農業生産は ほとんど皆無で、
ゲーゼビットのゲーゼ布ですら、品薄になりました。
「大地の半分が・・」というのは、
それほど極端な表現ではなかったのでしょうね。

これが南方になると、強力な助っ人という印象になります。
風をまとい、雷を振るうバリダの一族や、
水の盾と 氷の斧を構えたカンリダの一族は、
少年たちの目には さぞ格好よく見えるのでしょうね。

バリダは、かなり好戦的な一族です。
何と言うか 乱を好む・・というところがあります。
裏表は無く、潔い性格なので、
仲間にすれば、信頼には足ります。

カンリダは 物静かな一族です。
南方北岸で、屋根つきの小さな船をたくさん見かけたら、
それがカンリダの一族の船団です。
一族の者でなくても、外部の話を聞くのが
大好きですから、きっと歓迎されますよ。


ケリング殿は、オッフレング王国の国王の職が
時として、非常に退屈になるようです。
このため、虹の傭兵団を組織し、それを率いて
魔物退治や、傭兵稼業を楽しんでいる節があります。
正規の騎士団を傭兵扱いする辺りが、彼らしいです。

ただ、息抜きという意味だけではなく、
そうでもして実戦を経験させなければ、
戦士として使い物にならない・・ということを、
肌で感じているのだと思います。
ビステム王国との戦いもさることながら、
過去の亡霊フィリップとの決着も着いていませんからね。


これは愚痴に近いのですが、
至高三神に任命された戦士たちは いずれも厄介な相手です。
私のような者を見ると、よってたかって目の敵です。
なまじ力があるだけに、こちらも手が抜けません。
私としては、無用な争いは避けたいのですがねえ。


■スペルユーザー

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 魔法を専門に使う人々。リアスターグでは魔晶(マナ)に様々な方法で力を加える技術の使い手ということになる。魔晶は、空気中にありふれており、それを使って普通は魔法を行使できるが、魔法を使用する頻度が高いと、その場の魔晶が一時的に枯渇することはある。そうした場合は、魔法を使わないことにするか、己の体内に眠る魔晶を用いるかを、選択することになる。体内に眠った魔晶は、なかなか回復しないため、術者の判断が重要になる。

 リアスターグで知られている魔法ごとに、その専門家が存在する。
 神紋術士/符術士
 神紋(ルーン)の力を専門に使う人々。神紋術士として経験を積んだ者は、神紋を物品に刻み込んで力を付与する時に その効果を強めたり、複数の神紋を同じ物品に刻み込めるようになる。魔法使いの常として、強い精神力が求められる。
 中央は 他地域と異なる文化を持っており、伝統的に神紋を書き留めた符を用いて、この魔法を行使していた。これを符術士と呼んで区別することがある。
 魔術師
 古代語を通して魔晶を操る人々。当然 古代魔法文明に関する知識は豊富で、魔晶と それを取り巻く環境に関する総合的な理解も深い。魔術師として経験を積んでいれば、特殊なインクで 呪文を封じ込めることが可能になる。精神力と同時に知識の深さが求められる。
 精霊使い
 精霊と語らい、その力を借りる人々。精霊が自然を司ることから、自然に対する造詣が深くなる。精霊使いでなくとも、精霊と意思疎通できる者はいるが、精霊使いでなければ精霊と盟約を結べない。精神力よりも、精霊に気に入られるような魅力が重視される。
 呪歌謡い
 歌声や 奏でる楽器の音を聞いた者に効果を与えられる人々。熟練すると、精霊や妖精の力を利用した効果も得られるようになるといわれる。音楽を用いているが れっきとした魔法使いであり、吟遊詩人や 一般的な歌い手とは区別される。精神力よりも、歌や楽器などの表現力が求められている。
 錬金術師
 様々な薬品を通して、物質や生命の仕組みを解き明かそうとする人々。様々な薬品を作り出すが、これが魔晶に作用して魔法的効果を発揮する。ただ、自然の理・神の御業を冒涜するものとして、精霊使いや神に仕える人々に敵視されている。正確に薬品を使う手先の器用さと、知識の深さが求められる。
 死霊術師
 魔族と契約を結び、その力を振るう人々。魔族の手先となって、その侵略に協力をする代わりに、魔族の強力な力を得ている。東方の帝国や 全ての宗教関係者は、例外なく こうした者を敵とみなし、滅ぼそうとする。
 魔法を研究するための特別な組織や機関が、リアスターグには幾つか存在する。それについて、幾つか紹介する。
 東方:魔術師の塔
 アールハス公国の中央にある塔。古代語魔法に関する膨大な資料と、優れた使い手による議論の場を提供している。塔の責任者が、代々アールハス公を名乗ってきた(従って世襲はしていない)。
 北方:チャルザック記念会
 古代魔法文明が栄えた頃、錬金術師が築いた黄金都市だった場所がある。ここで、人知れず錬金術の研究をしていたチャルザックの元に、さらに多くの錬金術師が集まり、いつしか錬金術の研究組織として発展した。チャルザックの死後も、その意志は受け継がれている。
 中央:神紋の扉
 魔道大戦で中央が結界に閉ざされた後、リアスターグでは神紋術の知識が失われた(正確には、細々と伝えられいたが・・)。だが、その知識は 中央では かなりの程度で残っており、その結晶が この研究機関だった。ガーランド戦役以後は、リアスターグに神紋の力を広める原動力となった。
 中央:母なる神の揺り籠
 表向きは吟遊詩人の互助組織で、その役割も十分に果たしているが、実は呪歌謡いの素質がある者や、その使い手となることを望む者に、初歩的な訓練を施している。
 呪歌謡いの素質があると、生まれつき歌声に特殊な効果を帯びることが多く、周囲から差別/特別視され 精神的に不安定な状態に追い込まれやすい。各地を旅する吟遊詩人たちの協力のもと、そうした力の持ち主を保護する活動も行っている。
 様々な能力を持つ魔法使いが知られているが、共通するのは 魔晶に力を作用させて、自分が望む効果を得ていることである。この能力を専門としない者は、魔法使いには分類されない。
 魔法の使い手・・という意味では、以下の様な 神に仕える人々も例外ではない(ここでは魔法の使い手としての説明に限るので、詳細な説明はホーリーサービスの方を参照のこと)
 白神官/聖戦士
 治療と結界など防御を主体とする奇跡を行使する。また、至高三神に仕える者は、アンデッドモンスターの解呪、神からの託宣など、共通の奇跡を行使することが可能である。
 銀神官/修道僧
 調査探索・知識の検索といった奇跡を行使する。また、至高三神に仕える者は、アンデッドモンスターの解呪、神からの託宣など、共通の奇跡を行使することが可能である。
 黒神官/処刑人
 神の力による攻撃と隠密行動を助ける奇跡を行使する。また、至高三神に仕える者は、アンデッドモンスターの解呪、神からの託宣など、共通の奇跡を行使することが可能である。
 地僧/守護者
 精霊や妖精に働きかけて、自然を操る奇跡を行使する。治療の奇跡はほとんど使えないが、薬草を魔法の治療薬にする奇跡を使える為、実はラノスの神官と同じぐらいに、治療を行える。
 時読み/時守
 時読みは、特に意識することなく 近い将来のことを見通すことが可能である。その際にはカードや水晶球など、個人個人で異なる手段を必要とする。
 これに対し、時守は時間神から直接任命され、時の流れを守護する。そのために時間と空間を自在に操る奇跡を行使できるといわれるが、歴史の表舞台に現れることは絶対にない。
 また、リアスターグにおいて、特殊な存在だが、魔法使いとして分類できるものが他にもある。
 精霊剣士
 精霊の力を武器にして戦う。ただ、この力は 100% 血筋によって使用可否が決まるため、その力を伝える一族でなければ、精霊剣士にはなれない。精霊剣士の詳細については、ウォーリアーの方を参照。
 幻術師
 魔晶に働きかけ、光や音を発する術を使う。それは魔法と言うには あまりに弱いため、魔法使いとして分類されることは基本的に無いが、魔晶を操っているのは事実である。
 幻術師は、自身だけで光や音で人々を楽しませるほか、舞台を彩る裏方となることも多い。具体的な説明については、アルチザンの方を参照。

何のかんのと言っても、やはり私は魔法使いです。
長い時を生きてきたことで、
様々な魔法を身につけてきましたが、
どれも非常に奥が深く、研究しがいがあります。


"神紋の扉"は、創立当初は"符術省"と言いました。
まだムリッカ家が国王になる前のことなので、
最初は 完全にムリッカ家の私設機関でした。

ムリッカ家が国王に互選されたとき、
この機関を 国営の機関として再編し、
そのときに本来の魔法の呼び名を付けたのです。

それでも中央では、いまだに神紋術のことを
符術と呼ぶ方が多いですし、そう呼ばれた頃の
伝統的な符を使う方も よく見かけます。
中央の人は伝統を重んじますからね。
過去のことであっても忘れないのです。


"魔術師の塔"には、何度か行ったことがあります。
歴代のアールハス公は、みな個性的な方でした。
統治者・・と言うよりは 研究者ですから、
都市国家を運営できたことは不思議です。

ここに集まる魔術師の皆さんは、
自分の意見を強く持った方が多く、
一度議論を始めると、朝も夜も関係なくなります。
いつ行っても、何年たっても これは変わりません。
歴史は繰り返すのですねえ・・って大げさですかね。


精霊使いが、何か組織や機関を持っている
という話は、ついぞ聞いたことがありません。
ですが、精霊使いの一族が暮らす里
・・というのは、それなりに見かけます。

やはり、子供の頃から 精霊のことを教えられた方が、
正しく付き合えるようになるのでしょうね。


"母なる神の揺り籠"は 互助組織・・というより
小さなパトロンの集まりと言った方が正確です。
その構成員は、一般家庭の人も多く含まれています。
そうした人は、吟遊詩人が近くを訪れたときに、
宿や食事を提供することで、彼らを支援します。
その代わりに吟遊詩人の歌や語りを求めることもあれば、
純粋に吟遊詩人を支援したいだけ、ということもあります。
いずれにせよ、そうした善意が集まって、
吟遊詩人たちは、活動が出来ているのですね。

そこまでして活動をするのは、娯楽提供だけでなく
やはり呪歌を使う素質のある者の保護・・
という裏の目的があるからでしょうね。
ですから、大口の資金提供者の中には、
自分の子供が素質を持っていた、という方が
驚くほど多く含まれていたりします。


"チャルザック記念会"の名になっている
チャルザック殿は、実に優れた錬金術師でした。
遺跡となった黄金都市を 最初に見つけたのも、
それが錬金術の遺産であることを突き止めたのも、
全て彼です。

これがなければ、今のように錬金術の知識が
深まることは無かったでしょうね。
私も最初に彼の研究書を 擦り切れるまで読みました。

ただ、チャルザック殿は 賢者の石の精製が
結局出来ないまま 亡くなってしまいました。
それが、単純な計算ミスのせいだった・・
というのが、なんとも皮肉なものなのですけどね。


その他に 魔法の力を持つものとしては、
幻術師のことを、ちょっとだけ触れておきましょう。
魔晶に働きかける力そのものは強くありませんが、
光と音の性質については、よくご存知の方々で、
彼らの作り出す幻影は 一見の価値があります。

夜空に降り注ぐ光の雨、光量を抑えた幽玄の表現
などは、もう芸術といっても過言でありません。
また大規模な楽師隊を雇う余裕が無いときなどに、
熟練した幻術師を一人雇えば壮麗な音楽を聞く
といったことも可能です。

もちろん、絵や音楽に関する知識が無いと、
いかな幻術師といえど、人を感動させるものを
作り出すことは出来ませんけどね。


■ホーリーサービス

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 神に仕えることに一生を捧げた人々。神への信仰を拠り所にした強さと結束力を誇り、神の力に一部を 魔法の形で具現化することが許される。リアスターグでは、至高三神に信者は それぞれの教団組織に指導されている。慈母神に仕える僧侶は存在するが、至高三神のように教団組織は形成していない。時間神に仕える者については、特殊なので 個々の説明を参照のこと。

 様々な形態で、神の意思を具現化する人々がいる。その方法は 本当に多種多様であるが、異なる神の信者間で いさかいが起きることは滅多に無い。見かけるとすれば、ラノス信者 対 ダスタム信者ぐらいだが、これは あまりに教義に差があるため、仕方の無いところはある。それでも、共通の敵 魔族を討ち果たすためであれば、どんな場合でも彼らは協力して、お互いの役割を果たす。

 至高三神の信者たちの集団は、教団組織を作り 神の教えを守っている。彼らが使う神の奇跡は、三神それぞれ独自のものと、共通のものとがある。また、どの教団も 信者たちを守り、神の教えを広めるために 戦いに特化した者たちを擁している。そうした者は、普段から信者たちの範であると同時に、魔族と戦う時に中心的な役割を果たしている。
 白神官
 光明神ラノス教団の神官。ラノスは、平和と癒しを司っており、教義の基本は「絶対平和」である。教典は"輝結典"。魔族との戦いを除き、信者たちは 戦いを拒否し、戦いを避ける方向で行動する。どうしても戦いに及んだ場合は、戦いから自分と仲間たちを守ることに専心する。
 また他人を憎む気持ちを捨て、困窮した者を助けることが 信者には求められている。たとえ自分に害を成したものであっても、その命に危機が及ぶようなことがあれば、それを助け癒すため全力を尽くす。無闇に神の奇跡をあてにすることがないよう、疾病に対する知識と対処方法を、信者たちに教えている。
 ラノス固有の奇跡は、心を落ち着かせ戦いを止める・身を守る為の結界を張る・様々な疾病を癒す、といった効果を現す。ラノスの奇跡を起こすためには、祈りと共に 正十字の形をしたホーリーシンボルを身に着けていなければならない。
 聖戦士
 戦いを否定するラノス教団の中で、剣を取ることが認められた者。高位の神官として認められた者の中から、厳しい審査を経て任命される。全ての信者の範となり、全ての信者を守る義務を負っている。そのためであれば、魔族ではない相手に対しても、容赦なく剣を向ける。もちろん魔族との戦いでは先陣に立つ。
 南方の神聖都市グリアテールで任命され、そのときに白い長剣・鎧・盾が与えられる。聖戦士が神に祈り求めることで、この武具は金色に光り輝き、神に敵対するものを切り裂く刃となり、その攻撃を防ぐ結界となる。また、この武具は いずれも自体がホーリーシンボルである。
 銀神官
 中庸神タナルス教団の神官。タナルスは知識と契約を司っており、教義の基本は「公平中立」である。教典は"悠時承憶"。信者たちは、常に公正な目を持つことが求められ、構成を保つために知識を高めることが奨励される。また、自分の目で見たことを記録として残し、それを神殿に献上するという習慣がある。このため、タナルス教団は、信者たちに無償で文字の読み書きを教えている。銀の神殿には"世界"と銘打たれた歴史書があり、現在もさらにページが書き加えられている。
 また契約の守護者でもあることから、商取引の契約から、個人的に課す誓約・結婚の誓いなどは、信者ではなくても タナルスに言上するのが、リアスターグの慣わしとなっている。
 タナルス固有の奇跡は 隠されたものや嘘偽りを見破る・特定の知識を得る・見聞きしたことを完全に記憶する、といった効果を現す。タナルスの奇跡を起こすためには、秤をかたどったホーリーシンボルを 身に着けていなければならない。
 修道僧
 世界で起きていることを余さず記録するため、定住することなく旅を続けることを義務付けられた特殊な神官。彼らが訪れた時、信者は宿の提供などの支援をすることが求められている。それに感謝しながら、彼らは自分が見聞きしたことを人々に伝え広めていく。
 北方の"銀の神殿"で任命され、そのときに銀色の法衣と 銀色に装丁された 何も書かれていない書物が与えられる。その書物は"修道僧"として旅立つ日に 神殿に奉納される。以後、与えられた銀色の法衣を着ているときに 見聞きしたことが、全て奉納された書物に書き綴られていくと言う。その修道僧が一生を全うしたとき、書物の表紙は光り輝く。それを確認したら、神殿では その内容を検分し、意義のあることについて"世界"へ書き加える。銀の法衣は それ自体がホーリーシンボルである。
 黒神官
 暗黒神ダスタムの神官。ダスタムは戦いと審判を司っており、教義の基本は「自由責任」である。教典は"黒翼翔"。信者たちには、具体的な行動規範は無く、自由に生きることが認められている。ただし、それに付随する責任を果たすことだけが求められる。信者たちは犯罪者まがいのことにも手を染めることもあり、一瞬見ただけだと、受け入れがたいかもしれない。しかし、信者たちは自分の行動が何の意味を持っているのか自覚し、その報いを受けることすら覚悟している。
 ダスタムは魔族と戦うことを 一番の存在意義としている。信者たちには 常に自らの肉体の鍛練と、戦う技の修練を求められている。実際、ダスタム信者たちは 優れた戦士や魔法使いでもあることが多い。
 ダスタム固有の奇跡は 直接的な破壊の力を放つ、敵を見極める、自らを敵の目から隠す、といった効果を現す。ダスタムの奇跡を起こすためには、槍をかたどったホーリーシンボルを 身に着けていなければならない。
 処刑人
 魔族や罪人を断罪するため、信者たちの中でも特に戦いに特化した者。魔族の戦いで際先鋒になることはもちろんだが、それに加えて 自らの判断で 他人の罪を量り、必要なら断罪する権利が与えられている。この権利は国家を超越しており、その決定に逆らうことは誰にも許されない。もし誤った判断をした場合、自らをも容赦なく断罪する。その責任は非常に重く、安易に断罪の技を振るうことはない。
 東方の"槍の神殿"で任命され、そのときに漆黒の槍("御神の槍"と同じ形状)を与えられる。罪人の断罪には、かならずこれを使わなければならない。これによって命を奪われた者の魂は、儀式を経ずとも 自動的に冥界に送られ、魔族の餌食とならずに輪廻を待つことができる。もちろん魔族や、魔族に魂を売った者は消滅させるのみで、この対象にはならない。この槍は、それ自体がホーリーシンボルである。
 至高三神の教団の基本構成と総本山は以下のようになっている。
 ラノス教団
 総本山は、南方の神聖都市グリアテール。グリアテールの中心には 金色に輝く"光の神殿"があり、真夜中でも 都市を明るい光で満たしている。これの他に、東方の農業都市レチェス、北方のポルワード、西方 正統ゼール王国のヒルスィター、中央 ガーランド選王国のモストルクに、各地方の中心となる大神殿が建造されている。
 北方を除き、農業の中心地に建てられているのは、自らも食糧生産に携わり、それを困窮する人に提供するためである。それ以外のたいていの都市には ラノスの教会があり、無償で疾病の治療をしてくれる。なお、魔法による治療は緊急を要するときでなければ、基本的に行わず、これに対しては いくばくかの寄付をするのが礼儀となっている。
 グリアテールには、教団の最高責任者である"法王"が、その公務を補佐する7人の"枢機卿"と共にある。法王が代替わりする場合、枢機卿の中から次代法王を互選することになっている。グリアテール内の"光の神殿"と 各地の大神殿では、神殿の総責任者を"大神父"が務める。また、各地の教会の責任者は"神父"と呼ばれる。それ以外の聖職者は みな神官と言うことになる。
 聖戦士は、いずれかの神殿に所属し、その地方を定期的に回りながら、信者たちを守護する任に当たる。その神官としての格は、実は"大神父"より上の扱いだが、神殿に関することについて、聖戦士が口を挟むことはしない。
 タナルス教団
 総本山は、北方の"銀の神殿"。これの他に 東方は チュイラス・西方は 正統ゼール王国のシリアム・ゼルス、南方は オッフレング王国のヌーヘルス、中央は ガーランド選王国のエスタフォートといったように、交通の要所に、各地方の中心となる副神殿が建造されている。それ以外の町や村では、そこに住む神官の家が 信者たちの集まりの場として提供される。
 "銀の神殿"に隣接する様に、学術院エレンヴァースと、そこに学ぶ者たちが暮らす都市が出来ているが、神殿と学術院とは、直接の関わりがあるわけではない。学術院を創立したカレン・エレンヴァースが、知識を司るタナルスのそばを選んだ、と言われている。
 "銀の神殿"と4つの副神殿には"銀の秤手"と呼ばれる責任者がおり、5人が一丸となって最高責任を負う("銀の神殿"に控える銀の秤手が筆頭という扱い)。神殿の無い町や村では、神官の立場にいる者が取りまとめ役となるが、基本的に信者たちの立場は対等とされている。
 5つの神殿の奥には 瞬時に それぞれの神殿を行き来できる施設があり、許可を得た者が、それを利用して移動できる。銀の秤手と修道僧は、ほぼ無条件で許可を得られるが、それ以外の信者は よほど緊急なことが無い限り 使用の許可を得ることは無い。
 修道僧も扱いは、一般の神官と変わらない。ただ、神官も含めて信者たちは 修道僧に対し無償で支援(金銭でなくとも一晩の宿だけでもよい)をすることが求められている。修道僧は、神殿で決定されたことについて、ふれ告げる役割ももっており、何らかの連絡事項があるか確認するために、定期的に神殿に立ち寄ることになっている。
 ダスタム教団
 総本山は、東方の"槍の神殿"。これの他に、北方は レステア、西方は ゼール王国のコルフティカ、南方は オッフレング王国のセルナーテレス、中央は ガーランド選王国のイリュメンに、各地方の中心となる大神殿が建造されている。また、騎士団が所在するような都市には、たいていダスタム神殿が建造されているほか、魔族の襲撃がたびたび起こるような地では、ダスタムを祭る祭壇が設けられている。
 "槍の神殿"はガーランド戦役以前から、同じ場所にあった。戦役後、皇帝に即位したティトスが、自分が授かった"御神の槍"を安置している神殿のそばに、帝都を築いた。ダスタム教団と帝国は やはり関係が深い。
 "槍の神殿"には、教団の最高責任者である"黒翼戦士長"が控える。黒翼戦士長は自身が最高位の処刑人で、"御神の槍"を手にする権利を得ている。また、自身が認めた者に"御神の槍"を預ける権限がある。ガーランド戦役で"御神の槍"を授かって以来、基本的に帝国皇帝を"御神の槍"の使用者として祝福している。
 その下には"戦士長"が12人おり、4人は"槍の神殿"に、さらに各地の大神殿に2人ずつが詰めて 信者たちを指導している。その他の神殿の責任者は神官長と呼ばれる。そして、その下に 神官が多数仕える。
 処刑人は教団組織とは独立しており、個人裁量での行動が認められている。神官としての格は、戦士長と同格とされ、非常事態の場合、黒翼戦士長に代わって"御神の槍"の運用が認められている。

 慈母神の信者の第一の目的は、自然の守護である。このため、慈母神の力を与えられた神官たちの役割は、至高三神の神官とは大きく異なる。総本山といえる場所は無く、"守護者"が守る森の各々が、その役割を果たしている。また、慈母神の祝福を受けた人々・・というのが、神官ではないが知られている。
 地僧
 慈母神ティナリアに仕える者。ティナリアは慈愛と自然を司っている。ティナリアは信者をまとめる教団を持たず、従って信者に何かを求めることも無い。ただ、女神の気持ちに賛同した者が、地僧となって、自然を守る役割を自発的に務める。動植物など自然に対する深い知識を持ち、薬草を使った治療に長けている。
 ティナリアに祈りを捧げることを日課としており、不必要に虐げられている動植物の叫びを聞く力を授かる。これを聞いたら、いかなる場合でも その叫びに答え救うために行動しなければならない。
 地僧は自分が守る森を探している。自分が守るべき森を見つけたとき、地僧は"守護者"となり、その森と 森の動植物を守ることに一生を捧げる。この森とは、木々がすでに多く生えている場所とは限らず、自分が植えた一本の苗木から始めることさえある。
 ティナリア固有の奇跡は、精霊を始めとする自然の力を借りる、動植物に姿を変える、薬草を魔法の薬に変える、といった効果を現す。地僧となるための儀式は、"月の泉"で行われ、その場で そのほとりに生える樫の木から作った杖を授けられる。この杖はホーリーシンボルであり、これを持っていなければ、ティナリアの奇跡は起こせない。
 守護者
 自分が守る 自分だけの森を持つ者。森を守ることに一生を捧げ、その森から出ることも滅多に無い。こうした守護者の森の中心には、"月の泉"という聖なる泉が湧く。満月の光を浴びた泉の水は、万病を癒す効果がある。また、そのほとりには 必ず樫の木が生え、地僧のホーリーシンボルである杖が この枝から作られる。ここがティナリアの信者にとっては、神殿と同じ役割を果たしているとも言える。
 守護者は ティナリアに代わって、地僧となる者に対し、樫の杖を授ける。地僧となるための一連の儀式は、その全編が 一つの歌となっており、守護者も 地僧となる者も歌声を響かせながら、その儀式を執り行う。歌や踊りを好むと言うティナリアの祝福を受けるためといわれている。
 各地に、守護者の森は存在する。そして、月の泉を通して、守護者同士は 距離に関係なく 連絡を取り合うことが可能である。このネットワークは リアスターグでも無視できない情報量を誇っている。また、守護者は自分の森にいる限り、ホーリーシンボルとしての樫の杖を持っていなくても、ティナリアの奇跡を起こすことが可能である。
 呪歌謡い
 呪歌謡いは 魔法使いに分類される役割であり、神に仕えているわけではない。従って詳細はスペルユーザーの方を参照していただきたいが、慈母神とは非常に深い関わりがあるため、ここでも紹介した。
 というのも、高位の呪歌謡いは精霊や妖精の力を借りることが出来るからだ。慈母神は歌や踊りを好むことから、呪歌謡いの美しい歌声や楽器の音を祝福し、加護を与える。だから、呪歌謡いは ティナリアに対する敬意を まずは教えられ、その祝福に感謝する心を忘れないようにしている。

 時間神の力を借りる者は、厳密には神官というわけではない。特に"時読み"の方は、自分が時間神の祝福を得ているという自覚すらない。・・のだが、一応 ここに挙げておく。
 時読み
 リアスターグにおいては、いわゆる占い師のことを意味する。未来を予知する力というのは、確かに存在する。どのような手段で未来を読み取るかは、独特の絵柄を書いたカードや 水晶玉・果ては空に瞬く星の動きなど、人それぞれであるが、ゼムールの祝福を受けた者であれば、正確に未来を読み取ることが可能である。
 ただし、ゼムールが 占い師に本当に力を与えているということは、一般には知られていない。よく当たる占い師がいるとしても、それを そのままゼムールと結びつける発想までは、さすがに誰も持っていない。ゼムールも それを公にすることは望んでいない。従って、時読みは ゼムールの祝福を受けていても、それに仕えているわけではない、という特殊な立場におかれている。神に仕えているという意識を持った 時読みはいない。
 未来を読むための道具が、ホーリーシンボルのような役割を持っているが、それに囚われる必要は無い。道具を使っているとしても、正夢を見たり、何か胸騒ぎを感じたりすることで、将来を察知できることがある。
 時守
 リアスターグにおける一般的な時守とは、時桶と呼ばれる リアスターグの時計に相当する装置の管理者を表す。時桶は 底に小さな穴を開けた4つの桶を上下に積んだもので、ここに水を注ぎ 水の量で時間を計る。一番上の桶の水がなくなったら、時間的な区切りとなるので、それを鐘などで知らせ、一番上の桶を 一番下に移動させる。この役目を務めるのが時守である。どんな町でも 時守はおり、時桶を守っている。時桶や そこに注がれる水は、特別な方法で聖別されており、正確に時を伝えるといわれる。
 だが、同じ呼び名で ゼムールに任命され 時を守る者がいることは、全く知られていない。ここで挙げる時守は こちらを指しており、自らを"真の時守"と称している。時の流れを乱すようなものが現れたとき、真の時守は 人知れず それと戦い、時の流れが乱れることを未然に防ぐ。
 時間と空間を操る力を ゼムールから与えられており、他人に その姿を見られたとしても、その事実そのものを消し去ることで、完全に秘密を守っている。それゆえ、真の時守の存在が 公に知られることは 絶対に無い。
 ゼムールの奇跡は、時を止めたり 遡ったりする、空間を切り取る、次元の狭間に身を隠す、といった効果を現す。時守は自分の肉体そのものがホーリーシンボルという扱いになり、特別な何かを身に着けなくても、奇跡を起こすことが可能である。

私の永遠の敵でありライバルです。
あ、いえ、そう言われています。
私自身は 争うつもりなどありませんが、
向こうは そうはいかないようですからね。

まあ、至高三神や慈母神のことについては、
今までも散々申し上げていますから、
これ以上語るのはやめておきましょう。

その代わりといっては何ですが、
時間神と魂導神、それにその他の神々について
ちょっとだけ補足をしておきましょうか。


時読み・・というのは、実に変わったポジションです。
神の祝福を受けていますが、別に教義があるわけでなし、
生活するにしても、胡散臭い目で見られることも多く、
人に認められるのは なかなか大変です。

ただ、正確に未来を読み取れるのは、やはり力です。
私も、占術を多少は知識として持っていますが、
正確な未来予測は うまくできません。
さすがにゼムール殿も、私を祝福はしないですからねえ。

時守については、人々に馴染み深い時守と、
誰も知らない 真の時守とを混合しないように御注意を。
とはいうものの、時桶を見ながら生活している
真の時守というのが、いてもおかしくはないですけどね。

なぜ、私が真の時守のことを知っているのか?
というと、魔族の力で転生を繰り返していたら、
それを止めるために、干渉されたからです。
格の高い魔族と契約していなければ、
今 こうして あなたと言葉を交わすことはできなかった
・・かもしれません。
それほどの力を、真の時守は有しています。


それから、魂導神リグナーデのことも、
もう少し ここで解説しておきましょう。
リグナーデは、全ての神の信者たちに信じられています。
神官であれば、様々な儀式を執り行いますが、
死者の魂を冥界に送る 葬送の儀式のときは、
どの神の神官でも、リグナーデに祈りを捧げます。

また、神の信者でなくても 日常的に"女神様"と呼んで、
リグナーデに 愛した者の魂を守るように祈り求めます。

リグナーデは、冥界にその身を置き、
エネルギーとしての魂を管理しています。
新たに生まれる生命に、冥界から魂を流し込み、
死した生命から抜け出た魂を、冥界へと導く。
このサイクルが 魔道大戦以降 繰り返されています。

誰も確認はしていないし、確認は不可能ですが
リアスターグの東西南北の果て・・それが冥界ではないか?
と、私は推測しています。

皆さん、ご存知ですか?
この世界は球体で出来ているんです。
いえいえ、信じられないのも無理はありません。
ただ、そう考えると、東西南北の果ての先・・は
一ヶ所にまとまるのです。
ああ、はい。そうですね。これぐらいにしておきます。
幾らなんでも 荒唐無稽すぎますよね。


ところで、リアスターグに存在する神・・は、
至高三神と慈母神・時間神・魂導神の6人で全て
だと思われますか?

さすがに そこまでの力をお持ちの神は、他にいません。
ですが、魔族や竜のように 神と同等の力をもった存在は
確かに、この世の中にいます。

そして、未知の少数民族に信仰されている神が
確かに存在し、その民族を守っていることもあります。
ただ、信じる者が多くなければ、神の力も強まらないので
なかなか目立たないだけのことです。

ですから、神という存在は、力あるものというより
信じる心を受け止め、それを力に出来るもの・・
ということが言えるのだと思います。
こんなことを言ったら、神々に対し不敬ですけどね。

ただ、そうした力を持った存在・・というのが
力こそ弱いにしても、この世にいる可能性は、
十分にあると、私は考えています。


そうそう、エルフやピクシーが 至高三神の信者になるのは
非常に稀です。慈母神のことを母と慕う人はいますけどね。
神に仕える一生を選ぶ人は 非常に稀です。

一方、ドワーフには、ダスタム信者が結構います。
鉄の都メナフィには わざわざ岩ドワーフを呼んで建てた
と言う それは素晴らしい神殿があるほどです。

ホビットやライカンスロープの皆さんは・・・
あまり神を信じる、ということに興味は無さそうです。
でも、慈母神には敬意を払っていますね、彼らなりに。

ウィングの方々は、私たち人間と同じような
宗教感覚をお持ちですので、人それぞれで、
至高三神の教団に入信することもあります。


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 裏社会を生きる人々。・・どんな世界にも裏がある。リアスターグとて例外ではない。リアスターグにも盗賊や暗殺者たちの裏組織があり、人の多いところでは 彼ら独自の掟が支配する裏社会が作られている。

 以下で紹介する人々は、多くの場合 自分たちの同業者たちで作り上げた互助組織に所属する。そうした組織の勢力圏内で、部外者が"仕事"をするのは、重大なルール違反であり、時には命をもって償わなければ成らなくなる。
 盗賊
 ものを盗み出す人々。人に見つからないように行動することに長けているが、様々なスタイルで生きている者がいるので、一概に分類はできない。周囲への鋭い感覚と、素早い身のこなしが第一に求められる。
 リアスターグの盗賊たちは、盗賊ギルドと呼ばれる互助組織を作っており、情報交換・盗品売買・技術訓練などを行っている。主要な都市ごとに そこを縄張りとする盗賊ギルドがある。各都市のギルド同士も密接に結びついており、実はリアスターグでも有数の巨大な組織である。
 密偵/忍び
 いわゆる諜報活動を専門とする人々。情報収集だけでなく、暗殺を請け負う者もいる。厳重な警戒網も、彼らには何の意味を成さない。一撃で相手に止めを刺す戦技や毒物を扱う知識など、特殊な技術を身につけている。しかし、彼らの仕事を見た者を生き残らせるほど、彼らは甘くない。身体能力だけでなく、知力や感覚の鋭さも必要となる。
 リアスターグには、彼らの組織もあり、特定の方法で接触をすれば、仕事を依頼することが可能だといわれる。なお、中央では、彼らのことを"忍び"と呼んでいる。
 情報屋
 裏社会に出回る様々な情報を売買する人々。裏組織に属する者もいれば、フリーで活動する者もいる。多量の情報を扱うことから、雑多な知識を持っている。また、情報の使い方を心得ており、風評で 社会的に敵を抹殺することや、その逆のことが 彼らには不可能ではない。素早い機転と周囲への注意力が求められる。
 花挿し
 リアスターグでは、男女問わず 頭に花を挿すことで 身体を売る者であることを示す。そのため、彼らは"花挿し"と呼ばれる。一夜の夢を売る彼らは、相手の気持ちを理解し安らげる方法も、必要なら虜にする方法も知っている。人との交渉が上手く、様々な人々を相手にしていることから、本来なら知りえない知識や技術を得ていることもある。肉体的にも精神的にも魅力が 第一に求められる。
 賭博師
 リアスターグには、様々な賭け事が娯楽として知られている。運試しとして楽しむ者もいれば、それで生活の糧を得る者や、ギリギリの勝負を楽しみたいだけの者もいる。いずれにせよ、賭け事を人生の一部とし、必要ならイカサマも辞さない覚悟で それと向き合う者たちが、確かに存在する。何と言っても運が必要だが、それを引き寄せる意志力と 手先の器用さも求められることだろう。
 ここで リアスターグで力がある裏組織について、簡単に紹介をしておく。有名という表現には語弊があるが、多くの人は 自分が住む地域を縄張りにする裏組織のことを、心の片隅に知識として持っている。
 全域:盗賊ギルド
 リアスターグの主だった都市であれば、必ず その都市を縄張りとする盗賊ギルドがある。構成員を保護し、情報交換や盗品売買が行われている。構成員であれば、鍵を上手く外す技術や、罠を無力化する技術を学ぶことが出来る。
 盗賊ギルドは、裏社会の組織の基盤でもある。盗賊以外の人々の裏組織とも繋がりがあり、盗賊ギルドを通して、そうした組織と接触することも不可能ではない。お互いに助け合い、情報交換もしている。
 それぞれの都市にある盗賊ギルドは お互いに連絡を取り合い、情報や盗品の取引も行っている。自分が属さないギルドの縄張りに行く場合、そのギルドに赴き挨拶をするのが礼儀である。ギルドの勢力下で 部外者が"仕事"をすることは許されないという不文律が裏社会にはあり、それを守らない者には、死が与えられる。
 リアスターグには、全ての盗賊ギルドを束ねる総本部があるという噂があるが、裏社会に生きていない者が その真偽を確認することは不可能だし、裏社会に生きる者は 知っていても それを公言することは無いだろう。
 東方:死の剣
 東方で、古くから仕事をしてきた密偵の裏組織。帝国が公式に認めたことは無いが、諜報活動の一環を依頼することもあると言われる。もちろん依頼があれば暗殺も請け負うが、社会的に殺されても仕方が無いと判断される者でなければ、彼らの刃に倒れることは無いと言われる。こうしたことから、社会にのさばる悪を倒す義賊集団というイメージを、東方の人々は持っている。
 東方:死の刃
 東方一帯を縄張りとしてきた暗殺者の裏組織。"死の剣"と違い、暗殺を専門に請け負い、適正な対価さえ払えば、どんな仕事でも引き受ける。その性格上、"死の剣"とは昔から抗争を繰り広げてきた。
 東方:歓楽街協会
 ウェーアーイーンの歓楽街を取り仕切る組織。表向きでは、不当な代金を要求したり、客を脅迫したりする店など 歓楽街での犯罪行為を取り締まる役割を担っている。だが、裏組織としての側面の噂が絶えない。
 東方:闇市場
 ウェーアーイーンのどこかにあるという市場。開かれる場所や日時は まちまちだが、開かれるときは秘密の合図があり、ウェーアーイーンの裏社会に属する者なら、すぐに分かると言う。ここで取り扱われているのは、盗品・麻薬・人身など、法に触れるものばかりだが、たまに盗まれたものを取り戻そうとして、裏社会とは無縁の者が どこからか訪れることもあるという。
 北方:ヴィシュの牙
 リアスターグでも有数の 死の商人ヴィシュ家に雇われた私兵集団。ヴィシュ家の利益を守ることだけを目的としており、そのために裏社会の掟にすらも破るような悪事を働いているが、その働きもあってかヴィシュ家は大きな商家として発展した。"ヴィシュの牙"という呼び名は、裏社会での通称であり、ヴィシュ家は そのような集団を抱えていることを認めたことはない。
 西方:銀の矢車
 裏社会で知られるようになったのは つい最近からという組織。"銀の矢車"という名称は、この組織に所属すると思われる人々が 必ず その形状の宝飾細工を携帯していることから来ている。表社会での目立った活動はしていないため、裏組織として分類されている。
 犯罪組織と言うわけではなく、西方に伝わるフリーアムスの技術を集めるのを目的としているらしいが、正確なところは不明である。
 南方:夕闇の瞳
 南方を勢力圏として活動してきた密偵の裏組織。かなり法外な報酬を要求する代わりに、仕事を確実にこなす実力を持っている。諜報だけでなく 暗殺や誘拐などの犯罪行為であっても、報酬さえ払えば請け負う。
 ここ最近は、ビステム王国と対立している国家の要人や、国内の反国王派と目される者が暗殺されたり、行方をくらましたりすることがあり、ビステム王国から報酬を受け取った 夕闇の瞳の仕業ではないか?と人々は噂している。
 南方:月下美人
 南方 オッフレング王国の自由都市セルナーテレスに拠点を置く "花挿し"の組織。特殊な趣向の顧客であっても、それに適した花挿しを必ず紹介することで知られている。予算さえ許せば、誰でも客となれるが、紹介された花挿しを自分だけのものにすることだけは、絶対に許さない。
 中央:忍びの里
 中央の"盾"の山岳地帯のどこかにあるといわれる隠れ里。そこは、"忍び"を養成し、仕事を請け負って それに適した"忍び"を派遣する機関でもあると言われるが、その真偽は定かではない。だが、中央には 確かに"忍び"が裏で暗躍し、様々な活動を行っている。
 異なる組織間でも、時には情報交換が行われる。多くの場合、縄張りがはっきりしているため、争いになることは少ないが、東方では"死の剣"と"死の刃"の抗争が人知れず続いている。また、北方の"ヴィシュの牙"は、ヴィシュ家の利益のためなら、裏社会のルールすら無視することがあるという。

世界には様々な人々が生活していますから、
どうしても ここに挙げたような人々もいます。
ですが、彼らは彼らなりの規律に縛られており、
好き放題に生きていると言うわけでもないのです。
こんなことをいうと神官には怒られるでしょうが、
宗教組織と似通った部分があると思います。

その基本は、縦社会であり、自分より立場が上の者に
口答えをすることは許されません。
しかし、力さえあれば のし上がることも可能なわけで、
自分の力に自信があれば、生き易い世界かもしれません。


盗賊ギルドの総本部・・・気になりますか?
誰にも言わないと約束していただきたいのですが、
東方のウェーアーイーンにあるようですよ、ふふふ。
帝国領内とはいえ、あそこは特別ですからね。

情報を交換する・・と言う意味合いで、
冒険者教会とも連絡を取り合っているようですし、
帝国も必要悪と割り切っているのかもしれません。
無秩序な犯罪集団は手に負えませんが、
掟に縛られていれば、まあ無茶はしませんからね。


密偵に仕事を依頼する方法は御存知ですか?
ああ、いえ知らなくても無理はありません。
意外に簡単なんですよ。
街の中の特定の木の枝に布を結びつける・・とか、
路地裏にある店で、特定のものを買う・・とかね。
まあ知らずに出来るようなものはありませんから、
「これで暗殺者を呼んだことになったら・・」
などとビクビクしながら生活する必要は無いですよ。


"銀の矢車"は 本当に最近出来た組織です。
まあゼール王国が フリーアムスの技術を集めるために
結成し活動しているようですね。組織の人らしき方が、
私の館にはるばる 御越しになったことがあるのです。
よく私のようなものを見つけ出したと感心致しました。

私が 魔族と契約を結んでいることにも
薄々 気づいておいでのご様子でしたが、
それよりも失われた技術を手にする事の方が先らしく
随分 性急に 私にも詰め寄っておいででした。
何も無いということで、納得はしていただきましたが。

・・とはいうものの、ようやく見つけ出した宝物を
みすみす引き渡すほど、私はお人よしではありません。
せめて一時だけ貸して欲しいとか言うことなら、
考えないでも無かったのですけどねえ。


"月下美人"は、リアスターグに住む男であれば、
誰しもが客になることを一度は夢見るでしょうね。
実際、かなりの綺麗どころを揃えていますし、
変わった嗜好の方をも、難なく満足させます。
ある意味、あれは魔法といってもおかしくないですね。

私も 是非 館にお迎えしたいのですが、
目的は 客になることではないので、
やはり難しいでしょうね、ふふふ。


中央地方で活動する"忍び"は、
本来 公に知られることが許されない立場の者ながら
随分 その存在が有名になっています。

その高い能力と、"侍"にも通じる精神性が
ただの裏社会の一員として片付けることの出来ない
何かを人々に残すのかもしれませんね。

存在自体は広く知られているとしても、
実際に仕事を依頼する方法や、
その本拠地が知られているわけではないので、
さほど活動に支障は無いようです。


■アルチザン

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 自らの技で 何か作品を作り出している人々。日々、リアスターグに生きる人々へ、様々な娯楽を提供している。それは、彼らの魂の表現でもあり、同じ魂を持つ人々の心を震わせる。

 リアスターグでは、パトロンか 専属の取引相手を持り、そうしたところを通じて、自分の作品を世に送り出している者が多い。また同業者による互助組織の一員となることで、作品だけでなく道具の取引や 仕事相手の斡旋などをしてもらえる場合もある。
 工芸家
 様々な技術で物を作り出す人々。食材を扱う者は、"料理人"に分類する。"芸術家"と同じように物を作り出すこともあるが、その違いは自らの表現を優先するなら"芸術家"、他者に使ってもらうことを第一とするなら"工芸家"とする。自分が扱う者に対する深い知識と、優れたものを作り出す的確な手先が求められる。
 金属を扱う者として、武器鍛冶・鎧鍛冶・鍋釜鍛冶・農具鍛冶・鋳造・針金・錠前・蹄鉄といった職人が知られているほか、"鉄の都メナフィ"のドワーフにはメッキ加工の技術が伝えられている。
 皮革を扱う者として、皮なめし・毛皮・靴といったものを扱う職人がいる。"鉄の都メナフィ"のドワーフには、革製の防具を作る者もいる。
 細工・装飾を扱う者として、宝石・金属・石材・木材といった素材ごとに職人がいる。"砂の都ヴァーディ"のドワーフは、ジグ・バオ・メアという3つの宝石細工流派が腕を競っている。
 衣服を扱う者として、糸紡ぎ・織物・染物・刺繍・仕立て・帽子・リボン・手袋・靴下・ボタンといった職人がいる。"砂の都ヴァーディ"には、宝石と絡めた仕事をするドワーフがいる。
 大工として知られているのは、木造建築・石造建築・漆喰・タイル・レンガ・家具・船・馬車などを扱う職人たちである。"岩の都ケレイア"のドワーフだけが、さらに、硝子を扱える。
 このほか、日用品を扱う者として、陶器・漆器・石鹸・照明・時桶といった物を作る職人が知られている。時桶と言うのは、リアスターグで一般的に使われている時間を知るための道具である。
 また、このページで紹介してされた役割を果たすために使われる特別な道具があり、それを作る職人と言うのも当然存在する。例えば、この中には ホーリーシンボル・楽器・画材・筆記用具・本の装丁・裏社会で使われる道具といったものが考えられる。
 料理人
 食物を専門に扱う人々。優れた五感と、相手が求めているものを察知する鋭敏な感覚、自分がイメージしたものを作り出す器用さなどが求められている。
 家庭料理・地方に伝わる伝統的料理・宮廷などで出される高級料理・漬物などの保存食・酒肴・菓子といったように、全般的な調理人から、特定の食材を専門に扱う調理人まで様々である。
 また、パン・乳製品・調味料・油・酒・香辛料・肉の加工・魚の加工といったように、食材そのものを扱う者も、ここに含まれる。
 芸能家
 自分の技術で、様々な娯楽を提供する人々。その意味では、芸術家と性格は変わらないが、形としての作品を残さず、人々の記憶にのみ残る芸を見せるのが 芸能家である。自分の感じていることを表現し、それを正確に感じ取る力が求められている。
 リアスターグでは、吟遊詩人・楽師・歌い手・踊り手・役者・語り手・絵語り(紙芝居のこと)・奇術師・人形師といった人々が知られている。
 芸術家
 自分の思い描いたものを、可能な手段で形として残す人々。その表現は、作品を見た者の魂を揺さぶる。"工芸家"と同じように物を作り出すこともあるが、その違いは自らの表現を優先するなら"芸術家"、他者に使ってもらうことを第一とするなら"工芸家"とする。求められる能力は、"工芸家"と変わらない。
 リアスターグで知られているのは、絵画・彫刻・焼物・細工・調香・文筆・書画といった分野である。調香とは様々な素材を組み合わせて独自の香りを作り出すこと、文筆は 主に芸能家たちのために 歌などを作ること、書画は 中央の伝統技術で、美しい字を書くことで自分を見つめるものと言われている。
 幻術師
 周囲に浮かぶ魔晶を微量に反応させ、光や音を発生させる能力を持つ人々。夜空に降り注ぐ光の雨や、光の陰影による幽玄の表現などは、見る者を圧倒させる。的確に自分の思い描いたもの表現する力とともに、魔法使いほどではないが 多少は魔力が高くないと、幻術といえど使えない。
 自らの技を自体を見世物にして、生活の糧を得る者もいるが、芸能家の演目を 光や音で彩る演出家のような役割を果たす者も多い。熟練した幻術師は、一人で大規模な楽師隊と同じように音楽を奏で、まるで魔物がそこにいるとしか思えない見事な像を結ぶことができると言われる。
 リアスターグで知られている互助組織や訓練期間についても、ここで簡単に紹介する。
 各地:同業者組合
 "工芸家"や"料理人"といった職人たちが、お互いに助け合い、自分たちの権利を守るために作った組織。その最も古いものは、商人の大ギルドで、これに倣って 各地で様々な職種の同業者組合が作られている。有名な職人の同業者組合を幾つか 以下に紹介する。もちろん、ほかにも無数の同業者組合がリアスターグには存在し、互助の目的を果たすだけでなく、自分たちの権益を守るために、日々活動している。。
 東方の水上都市チュイラスには"船大工ギルド"があり、ここで造船・修理などの依頼を請け負っている。この仕事は チュイラスのような水上都市の基幹産業であり、権益が個人に独占されないよう、ギルドが目を光らせている。
 東方の鉱山都市デュレックロートには"鉱夫ギルド"というのがある。その名の通り、鉱山で働く人々の互助組織で、負傷者の治療を行う施設を運営している。また、帝国が鉄鉱石を買い上げる時、鉱夫の代表として 価格交渉などを行う。
 宝石細工職人の街である 北方 ヘ=カハシュでは、"カハシュ細工職人ギルド"と"カハシュ用具職人ギルド"が 街の実権を巡って争っている。お互いに助け合うべきはずの2つの職種なのだが、特に最近 その関係は険悪になっており、街自体の雰囲気も悪くなっている。
 北方"砂の都ヴァーディ"のドワーフたちが 3つの宝石細工の流派に分かれているのは、何度も述べてきたが、流派ごとに"ディード・ジグ"、"ディード・バオ"、"ディード・メア"という互助組織を作っている。
 西方のゲーゼビットでは"織物職人ギルド"が大きな力を持っている。ゲーゼ布の取引量を統括し、安定して高額の価格を保てるようにしている。
 北方:芸術院フィリシーズ
 芸能家・芸術家の技術を高める目的で、学術都市エレンヴァースに創設された機関。楽器・歌唱・舞踊・演劇・絵画・彫刻・調香・書画という8つの分野において、技術に優れた者を集め、さらなる技術の向上と表現手段の体系化を行っている。
 フィリシーズに入るためには、年に一度の審査を まずは通らなければならない。フィリシーズ出身者の推薦がなければ、審査を受けることすら出来ない。また、入っている者の全体数を常に制限しており、制限いっぱいの場合、誰かがフィリシーズを去らない限り、新たに人が入ることは出来ない。
 ここで技を磨いた者に対し、フィリシーズはパトロンを紹介する。そして、良いパトロンが見つかれば、フィリシーズを出て、自分の技で生きていくことになる。フィリシーズ出身者は、それだけで一流技術を保証されており、パトロンのなり手は多い。
 南方:光の鏡
 幻術師の技術を訓練するための機関。微量とはいえ魔晶を扱うため、魔法を使うための基礎訓練を最初に受ける。ここでは、光や音の性質について、体系付けられた教育が行われる。訓練そのものは数年かかるが、ここを出た者に対する仕事の斡旋も、継続して請け負ってくれるため、幻術家として生きていくために、ここの門を叩く者は多い。
 中央:母なる神の揺り籠
 表向きは、吟遊詩人の互助組織。実際 吟遊詩人のための音楽・神話の資料を多く取り揃えている。また、吟遊詩人ではない一般の人々も広く協力者として募集している。協力者になったら、吟遊詩人が訪れたとき、宿や食事を提供するなどして支援をする。規模的に小さな村でも"母なる神の揺り籠"の協力者は多く、吟遊詩人たちが宿に困ることは 滅多に無い。
 裏の顔は、呪歌歌いの訓練機関。呪歌の使い手は、生まれつき その歌声などに特殊な力を帯びていることが多く、心得が無いものは、その扱いや育て方を間違えて、様々な不幸を残してしまいがちなため、そうした子供たちを保護し、力の使い方を教えるという役目が"母なる神の揺り籠"にはある。吟遊詩人たちは、そうした力を持っている人々を 各地から探し出す役割も持っている。
 芸能家や幻術師は、自分の技を人に見てもらうため、各地を旅することが多い。国によっては、自由に通行を許可していることもある。
 芸術家や職人は、多くの場合 自分の工房を構えており、旅をする者は少ない。それでも、時折 旅をしながら気ままに自分の作品を残していく者もいることはいる。

生活をする上で必要不可欠な道具から 娯楽まで・・
ここで紹介する人々が果たす役割は、
一言で言い表すことは出来ません。

様々な分野の専門家であり、どんな町や村でも
ここに挙げた技術を持った人がいることでしょう。
大きな都市では、同業者が多数いるため、
商売的に競合したり、外部から来た者が儲けたり
するのを防ぐため、互いに助け合うようになりました。

資金援助・仕事斡旋など、同業者組合の役割は
その構成員にとって、非常に大切でしょう。
たいていの場合は、稼ぎの何割かを収めます。
固定の金額であることもあるようですがね。

北方では、都市内の商業権を独占しており、
外部から来た者が仕事をしたいと思ったら、
同業者組合を通じて、都市に税を払う
といった制度が 敷かれているようです。

北方の 砂ドワーフだけは、
流派ごとにギルドを結成していますが、
南方の 鉄ドワーフや 岩ドワーフたちの場合は、
その都自体がギルドのようなものです。
例えば、鉄ドワーフに仕事を頼みたいときは、
まず都に赴き、城で申し込まなければなりません。
城で最適な職人が紹介される仕組みなのです。


芸能家にも、様々な分野がありますが、
最も一般的なのは やはり吟遊詩人です。
歌い手・踊り手というのも、よく見かけますね。

役者・奇術師・絵語り・人形師といった所は
たいてい 一座を作って、各地を渡っていますね。
酒を飲むぐらいしか楽しみの無い辺境では、
そうした人々が訪れたら、
ちょっとしたお祭り気分になって、
子供も大人も楽しげになります。

吟遊詩人を始めとして、役者・絵語り・人形師が
人々に見せる演目は、
各地で起こった事件など最新のニュースや、
恋物語・神話といった娯楽作品が多いです。


芸術家たちの作品は、一般の目には触れづらいです。
庶民には、そうしたものを楽しむ
・・という概念が余りありませんからね。
ですから、金銭的に余裕のある人々が、
自分で金を出して 作品を作らせるというのが
普通の芸術家たちの活動となります。

もちろん、市場など 人が多いところで、
自分の作った作品を 人々に安価で売ったり、
その場で何か作って見せたりする人もいますね。


幻術家のいうものの位置づけは、
基本的に 芸能家・芸術家と同じようなものです。
ただ、自分の意思で光や音を発すると言うのは、
芸能家・芸術家の技を さらに彩らせることが
できるため、そうした人と共に仕事をしている
ということも多いです。

もちろん、私も光や音を発する呪を使えますが
人を楽しませる・・というのは、
それはそれで また別の技術なのですよね。


■フィールド

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□ウォーリアー  □スペルユーザー  □ホーリーサービス  □アウトロー  □アルチザン  ■フィールド  □シチズン  □ソサエティ

 主に活動する場所が野外である人々。動植物を始めとする自然に対する造詣が深い。リアスターグの大地の大半は、開拓されていない自然であり、そこを旅する機会のある者であれば、彼らの助力を受けることも多いことだろう。

 「活動する場所が野外」というのは、非常に抽象的な表現だが、以下にあげた役割を御覧になれば、その意味は分かるはずだ:
 レンジャー
 野外を仕事場とする人々の基本職業。色々な地形ごとに専門家がいる。例えば 猟師なら野山、漁師なら海・・といった風である。自分が得意とするフィールドでの食料調達方法・自然の脅威に対する対処法、自分の位置や時間の特定方法などを知っている。さらに、同じレンジャー間でしか通じない暗号や合図があるとも言われている。
 リアスターグでは、北方のア=カハシュに"アハーシュ"と呼ばれる 砂漠で過ごす者のエキスパートの登録制度がある。登録されている者は信頼できるガイドとして雇って、随行してもらえば、砂漠での過ごし方・危険の察知方法などの豊かな知識と経験で、サポートをしてくれることだろう。
 冒険者
 リアスターグでは、古代魔法文明の遺跡を専門に発掘・調査する人々のことを表す。その目的は、単なる一攫千金から 失われた魔法や技術の探求まで、様々である。古代語の読み書きが、必須の知識である。また、魔法文明の遺跡の中は、侵入者を防ぐ仕掛けや魔法生物が いまだに目を光らせており、そうしたことに対処できる知識や技術、それに運がなければ、生き残ることはできない。
 騎手
 特定の生物の背に乗り、上手く操る術を心得た人々。対象となる動物は、馬・ろば・らくだ・狼といった一般的な動物から、グリフォン・ユニコーン・ペガサス・ドラゴンといった 幻想世界でおなじみのものも考えられる。
 自分を乗せてくれるパートナーとは信頼で結ばれており、本来なら不可能としか思えない手綱捌きを可能にしている。そういった生物の生態や世話の方法も、もちろん身体で覚えている。
 操手
 特定の乗り物を操る人々。主なところでは、船乗り・馬車の御者といったところが考えられるだろう。彼らと、乗り物の上で戦うのは得策ではない。どんなに足場が揺れていようと、お構い無しに彼らは行動し、あっという間に機先を制されることだろう。乗り物を動かすための知識を持っており、多少の故障であれば、自力で直せる。
 農牧者
 畑を耕し農作物を育てたり、動物を飼って その肉や乳・卵などを売って生活の糧を得ている人々。国家を支える基本的な役割の人々であり、自由に旅をする(=国外に出る)ことは、まず認められていない。動植物に対する知識はもちろんのこと、レンジャーに匹敵するだけの、自然に対する知識も備えている。
 なお、彼らも互助組織を作っていることがある。リアスターグでよく知られているものを、いくつか紹介する。
 東方:冒険者協会
 冒険者の支援を目的とする組織。総本部は東方のウェーアーイーンにあるが、世界中の主要な都市に支部を置いている。古代魔法文明に関する情報を常に扱っており、東方のアールハス公国や、北方のゼハラ・ライブラリとも連絡を取り合い、互いの情報を交換している。冒険者協会が、実際に遺跡に行って中を調べる立場、アールハス公国(=魔術師の塔)は魔法に関連する資料や遺産を調べる立場、ゼハラ・ライブラリは、魔法以外の魔法文明に関する資料を全て集め管理する立場、というように、役割的に住み分けがなされている。
 東方:船員ギルド
 東方はバッカースに本拠地がある船員たちのギルド。東方は、ヴェゼリア河を中心とした水運網が発達しており、船乗りたちの仕事が多い。このため、船乗り間でのトラブルや、船乗りの権利確保のために、このギルドが創設された。
 現在は、帝国に一部の権利を移譲されており、帝国に変わって 船員たちから資金を集めている。その一部を帝国に税として、取りまとめて支払っている。また、帝国内でも船員ギルドの建物内は、帝国の方が及ばないことになっているらしい。
 船員ギルドは、東方だけでなく世界各地の港町に支部があり、所属する者も東方出身者ばかりではない。海で働く人々にとっては、絶対に無視できない勢力の一つである。
 北方:アハーシュ登録所
 アハーシュと呼ばれる砂漠のガイドたちの知識や技術を審査し、一定の実力を認めたら、登録をしてくれる、という組織。登録されていると、必要な道具や薬草の調達や、仕事の斡旋をしてくれる。この制度が出来て以来、砂漠を歩くことの危険は かなり軽減され、すでに落日の人を迎えつつあった ア=カハシュに活気を取り戻させる要因となった。
 ここに挙げた人々の多くは、自然に接し、自然と共存しようとする者が多いため、慈母神の信者たちと親交が深い。自然を守っていくために、協力しあってもいるようだ。

ここに挙げた人々には、
皆さん 一度はお会いしたことがあるのでは?
特に、農業・漁業といった一次産業と呼ばれ、
国の基幹となる役割の人々が、ここには含まれます。
そうした人々の家に生まれた方も多いでしょう。

お金に困ったとき、一攫千金を目指す
そういう人は、後を絶ちません。
こうして にわか冒険者が無駄に命を散らすのですが、
そうした危険と引き換えで得られるものは、
確かに大きなものがありますからねえ。

冒険者協会では、遺跡に仕掛けられていた罠などの
情報もきちんと対処法込みで取りまとめているので、
たまに見に行くと良いでしょうね。
また、様々な役割の方が、冒険者となっているため、
賞金首やら探し物やらの依頼書が、
ひっきりなしに来るらしいですよ、冒険者協会は。

ここ南方でも、北方のアハーシュのことを
たまに耳にすることがあります。
割と適正な報酬で、ガイドを請け負ってくれますが、
もともと危険が多い砂漠でのこと、
なかなか大変だと思いますねえ。


騎手・操手といった、何かに乗る人々は、
その何かに乗ったとき、100%以上の実力を発揮します。
普段では考えられない速度で動くこともあり、
同じように心得が無ければ、振り落とされないように
するのが精一杯・・ということすらあります。

それに 船乗りたちは、揺れる船の上でも
平気で走り回ります。
いちいち揺れているのを気にしていては
海の上で彼らに勝つのは難しいでしょうね。


■シチズン

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□ウォーリアー  □スペルユーザー  □ホーリーサービス  □アウトロー  □アルチザン  □フィールド  ■シチズン  □ソサエティ

 主に町中を生活の場とし、そこで自分の能力や知識を振るう人々。だからといって、町の外に出たら能力を発揮できないわけではないが、"フィールド"に分類された人々との対比とした。

 様々な職業が雑多に存在しており、ここで ひとまとめにするのは難しい。以下に挙げたものは、これまでの分類の中に入れられなかったもの・・という性質が強いことは否定できない。
 商人
 様々なものを取引して利益を得ている人々。自分が扱う商品に対する鑑定眼・商機を見逃さない嗅覚が求められるが、才覚さえあれば 誰でものし上がれる。大きな儲けを求め、あるいは幻の逸品を求めて、彼らは今日も世界中を駆け巡る。算術や交渉といった技術に長ける。
 合法的な物を扱う者から、宿屋や酒場を経営している店主、麻薬や人身売買を専門とする闇商人など、様々なスタイルの商人が リアスターグでは活躍・暗躍している。北方のヴィシュ家や 中央のソウマ家は、今も有力な商家である。
 北方の商人は リアスターグにおける商人の代名詞とも言え、実際、世界中にものが流通することに寄与している。北方では、商人にしか通じない「商用語」という独特の言葉があり、これを使えないと 北方の商人とは取引できないので、注意が必要である。
 薬師
 主に薬草を使って疾病の治療をする人々。本来は、ラノス教団の役割ではあるが、ラノス教団が(いろいろな意味で)苦手な者が利用するのは珍しくない。また彼らにのみ伝わる 不可思議な治療法(針のように細い尖った管で薬液を体内に注入したり、身体を切り開いて 身体の悪い部分を取り除いたり)を会得していることもあり、高名な薬師の元には、助けを求めて 病人や怪我人が訪れる。
 学者
 何かを研究するものといえば、魔法使いのことを指すようにも思えるが、リアスターグには 魔法ではない学問を究めようとしている者が 確かに存在する。北方の学術院エレンヴァースは、そうした人々を支援する リアスターグでも ほぼ唯一の機関だが、ここでは、歴史・地理・民俗・天文・政治・哲学・数学など、一般の人には なんの役に立つのかわからないことを、日々 研究している。
 統率者
 人々の上に立って指導する立場の人々。集団を指揮する方法を知っており、また 自らの魅力で人々の心をひきつける。魅力ある者の下には 有能な者が集まり、結果として強力な集団となることから、こうした存在は無視できない。
 血筋から支配者となることを義務付けられる王族や貴族の多くは、この役割の素質を持っているが、犯罪組織の幹部から 独自宗教の開祖まで、"統率者"としての資質を求められる人々は 意外に多い。
 書記官
 求めに応じて書類を作る人々。何らかの契約書(結婚の誓約書なども)や、国家で作られる公式文書など、法的に意味のあるものを、その法にのっとって作成できる。基本的に、そうした依頼を受けて働く。
 リアスターグの識字率は 30%ほどで、読み書きが出来るのは、王侯貴族・神官のほか、商人や学者など限られた人々だけである。このため、文字を書ける というのは それだけで優れた能力であり、その能力を生かす仕事の一例として、書記官を挙げた。
 上記に挙げた以外にもシチズンに分類される役割はあるかもしれないが、切りが無くなりそうなので、これでとどめておく。リアスターグでは、やはり、ここに挙げた中にも互助組織や有名な機関を持つものがある。それをいくつか紹介する。
 各地:同業者組合
 ここでは、商人たちの互助組織について 幾つか紹介する。
 北方商人たちの互助組織である"大ギルド"は、リアスターグにおける初めての同業者組合である。これを見た他の職種の人々は 次々に同じような互助組織を作り、自分たちの権利を守るようになった。本部はウィジッタにあり、さらに世界各地の大きな都市に支部を作って、北方商人の活動を支援している。商人として必要な算術・文字・交渉術などの教育機関も持っており、それが北方商人たちの質の向上に寄与してきた。
 北方のクアロシウスには、宝石鉱脈から採掘された原石の価値を鑑定する人々が"鑑定者ギルド"を作り、公正な鑑定の取り決めを施行している。また、取引前の原石が盗まれないように、ギルドが人を雇っている。
 北方エレンヴァースには"宿方ギルド"というのがある。これは、学生たちの下宿や宿屋の主人たちの組織である。エレンヴァースに滞在したければ、ここに相談すると良い。期間と予算に合わせて 最適なところを紹介してくれることだろう。
 南方 オッフレング王国のセルナーテレスには、南方出身の商人たちが作った"自由ギルド"が作られている。北方の"大ギルド"に対抗しようと意気盛んだが、まだ規模的にはかなわない。だが、セルナーテレスの経済的発展に大きな役割を果たし、活気ある雰囲気の原動力となっている。
 北方:学術院エレンヴァース
 リアスターグにおける ほぼ唯一の学問の研究機関。天学(天文・気象など)、人学(民俗・歴史など)、地学(地理・生物など)の3つに分かれて、日夜研究が続けられている。
 一定の研究実績が認められた者には"房"と呼ばれる部屋が与えられ、"房長"と呼ばれるようになる。院内の施設の自由な使用権を認められ、生活費・研究費の援助もある。
 ここで学ぶことを望む者は、半年に一度行われる"士査"という試験を受けなければならない。これは文字の読み書き・算術などの基本的な知識を調べるもので、これに合格した者は"士"として、学術院内で学ぶことが認められる。
 学術院は あくまで研究機関であり、教育機関ではないので、"士"となったら、自分が目的としている研究が出来るような"房"を自分で探し、そこに弟子入りすることになる。"房"の中にも、積極的に新しい"士"を受け入れるところから、新参者を望まないところまで様々で、士査終了後 数日は、新しく"士"となった者と"房"の間で ひと悶着 起きるのが、学術院内の恒例となっている。
 "房長"には 新たな"士"を受け入れる義務は無いため、希望する"房"に受け入れてもらえず、どの"房"にも所属せずにいる"士"もいる。彼らは"放士"と呼ばれるが、そんな者が集いあって独自の研究を行い、自分たちの"房"をかち取ることもあるため、学術院側は放任している。
 北方:ゼハラ・ライブラリ
 古代間法文明に関する資料を多く集めている機関。ゼハラと言う街そのものが、この機関を維持するためにあるといってもよい。その歴史は、実は"魔術師の塔"や"冒険者協会"といった東方の機関よりも古い。過去には、ここで文献を読み解いて発見された発掘兵器により、ウィ=カハシュを消滅させた戦乱(ゼハラ封印戦争)を起こしたこともある。
 現在は、東方の機関とも協力し合い、魔法文明に関する資料文献を保管・管理する役割のみに、自身の役割を限定している。これは ゼハラ封印戦争を引き起こしたことに対する反省から来ており、文献の研究などは 魔術師や学者に、実際の調査発掘は 例えば冒険者たちに任せ、自分たちが 行動を起こすことはしない。
 南方:香辛料専売所
 南方のジデニア王国が設立した機関。王都シリアム・ジデニアスで、生産された香辛料を集積し、香辛料を求めて訪れる商人たちとの取引を一手に仕切る。この機関が設立されて以来、香辛料取引が円滑に進むようになり、商人たちの間での評判も良い。
 この機関の創立と、初期の運営を実際に行ったのが、第三王女リエーヌで、その手腕と才覚に注目したヴィシュ家に請われて養子となり、そのまま当主の座を引き継いで、現在に至っている。
 中央:命の種子
 薬師の互助組織。本部はソウマ家の統核都市エスタフォートに、支部はたいていの町にある。ガーランド戦役直後、癒しの技が多く求められた時期に、薬師の活動を支援する目的で作られた。世界中の薬草を採取し、各地の薬師たちに提供している。また、独自の技術("医術"と呼ばれる)を蓄積・研究して、薬師たちに伝える役割もある。
 作られた当初から ソウマ家(当時の選王)の支援を受けてきたが、ソウマ家の私設機関と言うわけではない。だが、現在も資金面・流通面で支援は続けられている。

商人は社会の中で必ず必要ですね。
彼らによって 様々なものが流通します。
自給自足の考えも それなりに残っていますが、
都市の中では、商人が果たす役割が大きいです。

また、算術・文字の読み書きといった
普通の生活とは あまり縁の無い知識が必要な為、
商人には博識な方が多い気はします。

北方の大ギルドでは、そうした商人に必要な知識を
教育する機関も作られています。
いわゆる「商用語」も ここで考案された
と言う話です。


薬師は、ラノス教団の役割と重なっていますね。
ただ薬草の知識や、薬師に伝わる治療の秘術が
薬師の存在を印象付けています。

魔法が発達し、私もたいていの疾病は癒せますが、
薬師のように各地を回って、人々を助けよう
・・とまでは思わないですね。
ほとんどの国で、薬師は自由に出入国が認められます。


世間一般の学者に対する評価は
「役に立たないことをやってる変わり者」
と言う感じです。
学術院エレンヴァースは、そんな社会において
学問の研究を続けたい、と思う者にとっては
楽園のような場所です。
同じ学問を目指すもの同士の交流もできますしね。


リアスターグにおける教育機関というのは
すなわち専門職の訓練機関といえます。

至高三神の神官を目指す者は、その過程で
教団の中で文字の読み書きを教えられます。
でないと教典が読めませんからね。
教典の内容を神官が読み解き、
ときには字が読めない一般の人々に読み聞かせる
というのが、教団の役割の一つでもあります。

商人も、字の読み書きや算術ができないと
仕事そのものが成り立たないですよね。
すでに仕事をこなしている商人の下に入り
仕事を手伝いながら、そうした知識を教わるのが
普通ですが、北方に限っては、
大ギルドが そうした訓練をしています。
大ギルドに属する人の紹介が必要ですけどね。

あとは騎士や役人、さらには支配者階層であれば
文字の読み書きなどは、当然 常識です。
王侯貴族であれば、専属の教師をつけて学びますし
騎士や役人は、具体的な仕事に着く前に、
必ず初等教育を受けるのが、普通です。

古代語や錬金術を学ぶ者や、学者たちも
文字の読み書きが出来ないと、かなり困りますね。
彼らは主に 自分の師から 読み書きを教わります。

学者たちの中には、自分の家に遊びに来る子供たちに
ちょっとした暇つぶしで文字を教えることがあり、
その親に「怪しげなものを教えている」と言われる
といったことが、ありがちですね。

意外に吟遊詩人たちは字が読めないことが多いです。
もちろん"母なる神の揺り籠"で教われますが
人々の記憶に受け継がれたものを歌い継ぐ人々も
リアスターグには、結構いるものなのです。


■ソサエティ

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 これは社会的地位を表している。国の行政に関わっている者、騎士叙勲を受けた者などが含まれる。もちろん、これは役割の一面であるため、これまでに述べた役割との兼任という形になるのが一般的である。
 社会的な地位を表すものには、以下のようなものが挙げられる。
 統治者
 国家を支える人々。リアスターグでは、多くの国が 王政 もしくは それに類似する支配体制を取っている。都市国家も多いが、王という立場が無い場合、都市内で強い勢力を誇る組織・機関の責任者が、そのまま都市の元首となる例も多い。
 国家元首だけでなく、内政・軍事を支える臣下も 統治者に含まれる。貴族と呼ばれる階層も もちろんそうである。王政を敷く国家では、国王も 臣下の貴族も、世襲が基本である。もっとも 東方のティトス帝国の皇帝など、あまり世襲にこだわらない国家も無いわけではない。
 文字の読み書きなど、様々な学問の知識を学ぶことが求められ、それと同時に大きな組織を運営する能力を培わなければならない。
 なお、領土縮小前の帝国が、各地に自治権を認めて贈っていた"公"の称号は、現在は東方以外では意味が無い。だが、長年使われてきたため、そのまま現在も国名に"公"の名がつけられた国が、各地に見られる。
 騎士/侍
 国家 もしくは 国家元首に忠誠を誓い、その命に従って戦いの場に 自分の身を置く人々。とはいえ騎士に叙勲された場合、戦闘訓練だけでなく、礼儀作法や文字の読み書きといったことも教えられる。
 "統治者"の立場にある者の多くも、"騎士"と同様に 戦いの場に立つが、"統治者"との違いは 自分が治めなければならない土地を持っていないことである。また世襲もしないのが普通である。逆に言えば、家柄に関わらず登用されるチャンスでもあり、騎士を目指すというのは、栄達の王道ともいえる。騎士としての功績を認められれば、自分の領地を与えられ"統治者"の一員となることもある。
 中央では、これと同じ任につくものを"侍"と呼んでいる。その役割としての性質は、他地域の"騎士"と変わらないが、精神的高潔さに価値を見出しているため、独自の文化のようなものを持っている。
 役人
 統治者たちが決めた施政内容に従い、実際の公務を行う人々。一般の人々と接する機会も多い。誰でもなれると言うわけではなく、たいていの国では審査を受けて認められた者が、役人として登用される仕組みになっている。文字の読み書きなどの基本教育のほか、公務に必要な知識についても教育させる。
 市民
 ここでいう"市民"とは、特定の都市に居住が認められた人々のことを表す。国家の所属に関わらず、多くの都市は 旅人としての出入りは比較的簡単だが、そこに住みたいと思っても、簡単には行かないことが多い。
 都市内に余裕があり、租税や労役などの義務に従える者だけが居住を認められ"市民"となれる。そこで生まれた者は 自動的に市民権を得られるが、逆に別の都市への移住は難しくなる。基本的に 自分が生まれた土地で そのまま一生を過ごすのが普通である。
 都市に住むものとして、その都市にある店などの施設や、そこで生活するうえで必要な常識的知識などを持っている。
 リアスターグの、主な国家におけるソサエティの呼称は、以下のようになっている。なお、騎士は必ず正規軍に属するため、以下では正規軍の呼称を示している。
 東方:ディエル・レン・ティトス帝国
元首:皇帝
統治者:黒影衆・太守(都市の責任者)
正規軍:黒騎士団・黒魔兵団
 東方:アールハス公国
元首:アールハス公("魔術師の塔"の最長老が歴任)
統治者:老師("魔術師の塔"の高位者)
正規軍:なし
 北方:カハシュ都市連合
元首:主幹都市(もっとも市民数の多い都市)の元首
統治者:各都市の元首
正規軍:守衛隊(主に傭兵で構成される)
 ア=カハシュ・レステア・ポルワード・クアロシウスの元首は"市長(市民の公選)"、ヘ=カハシュの元首は"カハシュ細工職人ギルド"か"カハシュ用具職人ギルド"の長、ウィジッタの元首は"大ギルド"の総長、ゼハラの元首は"ゼハラ・ライブラリ"の総主、ヴィシュの元首はヴィシュ家当主となっている。
 西方:ゼール王国
元首:国王
統治者:統爵・師爵
正規軍:ゼール騎士団
 西方:正統ゼール王国
元首:女王
統治者:特になし(全て女王の直轄)
正規軍:鋼の騎士団
 南方:ビステム王国
元首:国王
統治者:大公(併合した都市に派遣)
正規軍:ビステム騎士団
 南方:ディス公国
元首:ディス公
統治者:特になし
正規軍:紅の騎士団・碧の騎士団・蒼の騎士団
 南方:オッフレング王国
元首:国王
統治者:市長(各都市の責任者)
正規軍:虹の傭兵団
 南方:竜王朝
元首:竜の巫女
統治者:特になし
正規軍:神聖竜兵団
 南方:山岳都市ランデルト王国
元首:頭目
統治者:特になし
正規軍:市民(居住者全てが戦闘に従事)
 中央:ガーランド選王国
元首:選王
統治者:選王家
正規軍:護国兵団
 ここに分類されているのは、非常に補助的なものであるが、特に他にとりえが無いものの場合、ここに挙げた役割しか持たない・・という者がいる。"統治者"や"騎士"が、それだけしか役割を持たないというのは、社会的にかなり問題ではあるが・・。

リアスターグには様々な国があります。
その多くは都市国家なのですが、
帝国のように広い領土を持つ国も幾つかある
・・というのは、もうお分かりだと思います。

国家権力の象徴たる王になる、ということは
非常に名誉なことであり、その権利を巡って
血なまぐさい闘争が起きることもありました。

ただ、リアスターグでは 魔族と戦う際に
その指揮をする役割があるため、
元首になることを望む者が 比較的少ない
・・という噂もあります。


各国の正規軍と呼ばれる組織に 騎士は所属します。
純粋に兵力が必要な場合、国民を徴兵しますが、
そこまでしなければならない地域は少ないです。

ですから、正規軍=騎士と考えていただいても
さほどの誤解にはなりません。


多くの都市は、市民権が無ければ居住できません。
理由はお分かりですか?
そうした都市内は、治安が維持されており、
そこに住む者の安全を保障する代わりに、
税や労役などを求めているのです。
その管理を正しく行うため、都市に住む者は
"市民"と言う形で、都市の記録に残されるのです。

こうした義務を果たせない場合、市民権は剥奪され
都市から追放されます。
犯罪を犯した者に対しても同様の処置が下る
というのは、よく聞かれる話です。

なお、市民権が与えられるのは、基本的に成人男性です。
もちろん、市民権によって発生する義務を果たせるのなら
女性や子供でも 市民権は得られますが、
家長が無くなり、税を納められなくなって、
都市を出て行く・・という事例も 少なくはありません。


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