<双星伝>番外編 曲唄・幕間 二



 往来に、ざわめきが満ちている。

「誰が殺されたって?」
「ほれ、あの家のどら息子さ」
「何でも、真夜中まで飲み歩いてたってよ」
「でも、あいつは恨みを買うような奴じゃあなかっただろ?」

 その場所に群がる野次馬の勝手な憶測が流れて行く。

「酷い死に様だって?」
「喉を食い破られたって…」
「滅多刺しじゃねぇの?」
「いやいや、獣の牙だって話も…」

 誰も、そこから離れてゆく影には気付いていなかった。
 ばたばたと、役人の駆けつける足音が響いてきた。


そろそろクライマックスです。…頑張って書きます。
(2002,4,30)


五章