ゴリアテの港町の隠れ家の教会・・・
 2人の少年と僧侶の姉と
 ゼノビアからやって来た5人の男たちがいる・・・・・・

 「ヴァイス、悪いんだけど今回だけは転移石を外してもらえないかい?」
 戦いに備えていろいろ武器やアイテムを装備する。
 「やだね、これはオレのモンなんだぜ。おめーにはやんねーよ。」
 それを聞いたデニムの姉が激怒する。
 「ちょっとヴァイス、あんたの転移石を弟に貸しなさいよ! 弟は野蛮人のあんたと違ってデリケートだから装備を固めとかなきゃいけないのよ!」
 「だったらおめーが自分の転移石を貸せばいいだろーが。」
 「あたしはか弱いから持っていなくちゃ駄目なの。」
 「けっ、やってらんねーぜ。」
 「あんた、自己中やめないとろくな死に方しないからね!」
 「それはおめーだろーが。僧侶だったらもう少し温かい心を持ちやがれ!」
 ヴァイスは忌々しげに言い捨てると教会の地下室から出て行った。

 「何ですって、ヴァイス・・・。ちょっと待ちなさいよ!」
 カチュが追いかけていく。

 後に残った人間がお互いの顔を見合ってため息をついた。デニムがゼノビアの騎士たちに謝る。

 「喧嘩してばっかりだな、あの2人は・・・・・・。」
 「似た者同士なのですよ。」
 「デニム・・・、おまえも大変だな・・・・・・。」

 「・・・もう慣れてますから・・・・・・。」

 遠くで2人の言い争う声が聞こえてきた。カチュアがわっと泣き出したようだ。

 「デニム・・・。」
 慰めに行けと暗にギルダスに促されてデニムは地下室を後にする。

 「あの少年も困ったものですね。」
 ミルディンが口を開いた。
 「ヴァイスのことか?」
 「・・・ったくガキはこれだからな。」
 人間の3倍の寿命の有翼人が言った。
 「素直になればいいものを・・・。」

 「おい、ウォーレン。おまえのタロットであの2人の未来を占ってみろよ。案外面白い結末が待っているかもしれないぜ?」

 「わたしのタロットはそんなことに使うものではありませんが・・・。」
 と言いつつタロットを切って机に並べる。

 「どうだ・・・?」

 「これはこれは・・・・・・・・・。」






 一人だけ未来を垣間見た魔法使いの爺さんが笑った。







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